~休止中~ ラブライブ!出会いが全てを変えた世界で 女神達の夢の囁き   作:文才皆無。

15 / 28
こんばんわ、皆様!!
まさかの1日で二話目の更新となりまして驚きを隠せない様子の不審な文才皆無。です。

学校ではまた違う小説を授業中に2つ執筆してたからなのか波が来ている模様です。
影響といえばどうやら私は回りの影響が文章にでやすいみたいです。

今回の六話ではそれが顕著にでてしまっていますので重いかもしれません。
『重い』『思い』『想い』のみっつが重なりあうようなストーリーでしたので、シリアス成分が豊富です。

ネタバレ気味になるのが嫌なのでここら辺で切ります。
では、6thです。お楽しみ下さい。


6th それぞれの思いを胸に…

背中の痛みが漸くひいてくると丁度穂乃果の方も元の様子に戻った。

 

「うーん…駄目みたいだね。」

「何がだ?」

 

唸ってた理由も分からずに只眺めるしかなかった穂乃果の顔を見直す。煮沸するように一瞬で真っ赤になったが気のせいなのか直ぐにまた元に戻っていた。

 

「えっとね、さっき夢斗君が言ってた夢の中なら叶うって言ったからあの白い翼と黒い翼みたいに飛べたらなぁって思って背中から生やそうとしたんだけど駄目みたいなんだよ」

「そういう事だったのか…。夢の中だから先ずは細かいイメージをすることが必要になる。例えば背中といっても何処から生ているとか、飛ぶ時はどういうように羽ばたくとか、羽の質はどういう物なのか…みたいに細かな情報を元に夢が読み込んで反映させる感じなんだ。イメージが中途半端だと読み込まないしどうしようもない。イメージしやすいのは背中に羽を生やせるような実体化じゃなくて水に浮かぶような感じでまずはイメージすることだな。」

 

穂乃果はそんなに空を飛びたいのか真剣に俺の言葉を聞いていた。

 

「水に浮かぶような感じ…。」

 

目を閉じて想像する穂乃果の一生懸命な姿が何処か憎めなく、やっぱり許してしまう。

…俺は甘いのかもしれない。誰かの頑張る姿に憧れるし、応援したくなってしまう。そうして思わず怠く思っていてもいつも最終的に手を貸している。

 

「やった!!浮いた!浮いたよー!!」

 

それだけ嬉しいのかこっちに手を振って笑う。

 

「こら、意識を他に向けたら…」

「きゃあ!!?」

 

落ちてしまうと言い終わる前に落ちてお尻をぶつけていた。アイタタタ…なんて言いながらぶつけた所を擦って、近くに駆け寄る俺を視界に入れるとまた笑う。

 

「ずっと集中するのって難しいね…。でも浮かんだよ!!」

 

 

一つの事に一喜一憂できるその姿が羨ましく、そして輝いて見えた。

 

「おめでとう、穂乃果。」

「えへへ~」

 

だから俺は彼女に出来る事の全てを授けてあげたいと思ったのかもしれない。

頭を撫でながら褒め、彼女に未来への歩み方を説いていく。誰かの成長を見届ける事は別れが悲しくなるがそれでも嬉しくなる。楽しくなる。

 

だから壊したくなかった。

 

「…なあ穂乃果」

「ん、どうかしたの?そんなに改まるような態度とって…」

 

 

とぼけているのかそれとも頭から抜けてしまっているのか…。

それは俺には判断がつかなく分からない。だが彼女には夢より大切な場所があるはずだ。

 

 

「何でここに来たんだ…?」

 

 

今の関係も雰囲気も壊れてしまう爆弾のような一言を落とす。

 

「………。あのさ…夢斗君は大切な物が全部無くなっちゃうってなったらどうする?」

 

さっきまでの無邪気さは無く、疲れたような顔で聞いてくる。

 

目を閉じて穂乃果にとっての大切な場所を思い浮かべているのだろう。時に嬉しそうに、楽しそうに、苦しそうに、つまらなさそうに…色々な思い出が詰まっている…そんな記憶を呼び起こしていたんだろう。

 

それは俺も分からなくないような気持ちで…。ただ、俺の場合はもう失ってしまったもの。

彼女にはまだ残っているもの。

 

懐かしい…と言ってしまえば一言で片付いてしまうけどそこに込められた想いは言葉には出来ない。そんな物を穂乃果は考えているのだろう。

 

分かるからこそ軽く言う事が出来なく、突き放せるほど非情にもなれない。

結果、親身になるように語るしかなくなってしまう…

 

「そうだなぁ…こんなの感情論だからなんて言ったら分からないよ…。

でも、俺と同じ決断をしたらどれだけの時間が経ったとしても癒えることなくいつの日にか後悔する日がやって来る事は知っている。」

 

 

思わず空を見上げ、思い浮かべる。

あの時の悔しさと今心に残った僅かな心残り。

癒えずに蝕み続けるこの感情を

 

 

「俺は会ったときにヒーローの真似をしてるって言ったよな…。」

「う、うん…。」

 

なんの話なのか分からないのか困った顔で返事をする穂乃果。こんなの、俺だって何を言えば良いのかが分からないよ。…こんな俺が彼女にアドバイスをしていいのかすら分からないのに…

 

「始めるキッカケは昔会った女の子なんだ…。その頃はまだ人との関わり方すら知らないような子供だった。その子が言ってたんだ…。俺が私にとってのヒーローなんだって。」

「………。」

「俺は彼女に救われていた。それは彼女に会えなくなってから気付かされたんだ…。彼女の事は毎日のように思い出す。なのにまだ感謝の言葉すら言えてない…だけどもう言えない。

失ってから気付かされるものは大きいんだ。灯台もと暗し…そんな言葉が含んでるものは後悔だけなんだよ…。

………。

俺には出来なかった事は今の穂乃果の中にもある。それが穂乃果の疑問だ…」

 

 

穂乃果には失ってしまった人の姿をその目に焼き付けて欲しい。…進む為の糧にして欲しいんだ。

俺の想いは届いてるかは分からない。だけどまだ間に合う穂乃果に新たな道を見つけさせたい。

 

 

「つまりはさ、後悔は先に立たない。…だけど未来を変える事は出来るからもがいて欲しいんだよ。どれだけ醜くても諦めない姿の子でいて欲しいんだよ。

…自分勝手な俺の中の穂乃果はそんな人物で応援してるし、へこたれずに前へ突き進む姿に惹かれてる。」

「夢斗君…」

 

あーあ、こんなシリアスな雰囲気にするつもりじゃなかったのになぁ…

ダサいな、俺は。…何がヒーローだ。そんなのもう分かんねぇよ!!

 

「…ねぇ夢斗君…。」

 

 

止めてくれ。同情なんていらない。これ以上惨めにしないでくれ…。

 

 

「私は…」

「ヤめろっ!!!…お願いだから止めてくれ…」

 

 

最悪だ。相談しに来た奴に当たるなんて…

 

 

「私は止めない!!どれだけ拒否されようと突き進むよ。

それは夢斗君自信に託された想いだもん!!

私には夢斗君が今だってもがいてもがいて…諦めてないように見えたんだよ!私だって立ち止まって進めなくなっちゃった時にもがく夢斗君に勇気をもらったんだよ?確かに進み続ける事は良いことかもしれない…でも!!疲れちゃった時ぐらい立ち止まっても良いんだよ!

頼っても良いんだよ!今までなら頼れなかったかもしれない!!だけど、私が貴方の側に立ってる!!だから、ね?」

 

 

己の惨めさで歪んだ顔が見えないように俯いていた俺に誰かがそっと包み込むように背中から抱き付く。

 

…誰かなんて分かってる。ここには穂乃果以外いないのだから。

 

穂乃果の温もりがそっと伝わってくる。

こうして誰かが俺を支えてくれている…この感覚は遠い昔に忘れてしまった物と同じものだった。

 

俺は我慢できずに涙を流した。今まで溜め込んでいた涙を全て流すように…

只々、吐き出す様に泣き崩れた。

 

今の穂乃果の様子は分からなかったが何も言わず、背中を撫でてくれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side 海未

 

あれから…穂乃果が倒れてからは集会で理事長が穂乃果を除いた全校生徒の前であの事を報告した。

驚く顔をする生徒は沢山いたがパニックに陥るような子は居なかった。

それは理事長の判断が正しかったという事だろう…。

 

私を含み、その報告を聞くと諦めた顔をしていた。…もしくは只、絶望していただけかもしれない。

 

穂乃果みたいな爛々と闘志が見える瞳をした人はほぼいなかった。

唯一と言えば副会長と会長だけは穂乃果程で無いにしろ近い目をしていたような気がする。でもそれも確証はない。

 

「穂乃果ちゃん、大丈夫かな…」

「分かりません…。でも私は今の穂乃果になら問題無いように思えます。」

 

 

穂乃果が理事長に啖呵を切った時の横顔には見覚えがあったような気がしました。…何もかもを任せても解決してくれるような、そんな信頼のおける不思議な安心感で穂乃果に誰かの姿がダブって見えたような気がしました。

それがいったい誰なのかは分からないですが、今日の朝に穂乃果が遅刻して来た際にもこれに似た感覚があったような気もします…。

 

 

「…でも、ほのかちゃんがお母さんに廃校の話を持ち出した時には驚いたね?あの時は穂乃果ちゃんが穂乃果ちゃんじゃないように見えちゃった…」

「ですね…。それに私の話と噂からって言ってましたがあの穂乃果がそれだけで廃校に導けるとは思えないのですよ…。」

 

 

考えれば考える程に不自然な点が出てきます。今日に限って…という事もおおいです。偶然もここまで来ると果たしてその一言で片して良いのか分からなくなりますね…。

 

 

「うん…。でも考えすぎじゃないかな?もしかしたらそれ以外の可能性に気付かなかっただけかもしれないし…うーん?」

 

 

確かにそんな気もしますが穂乃果にはどこか確信があったような雰囲気でしたし…強引だったけど、私達に全く配慮して無かったという訳でも無かった。

 

 

「あと不可解な点というと、理事長と穂乃果の『夢』と言った時の意味ありげな反応ですかね…。」

 

赤くなった理事長と誇らしげになった穂乃果は違和感しかない。

理事長が夢で赤くなったのは…その、もしかしたら…は、破廉恥な夢を見たから///…とかっていう強引な予測も出来ますが、穂乃果が夢を根拠にして誇る意味がありませんよね?

 

「やっぱり分かりません…。でも何故でしょうか不思議と引っ掛かる部分があるような気がします。」

 

既視感と言えばいいのでしょうか…そんな知っているのに思い出せないようなもどかしさが在るんですよね。

 

「そう…?私は感じないんだけどなぁ…。うーん…。」

「う~ん…。駄目です、思い出せません…。」

 

 

『何もしてないくせに諦めんのか?』

 

 

「っ!!?」

 

今の声何ですか!?この声には聞き覚えがあります!!どこで聞いたのかは分かりませんが確かに知っているのに声です。

 

「どうしたの海未ちゃん?」

 

何故思い出せないのかは分かりません。でも確実に分かることもあります。

私が知っているという事は思い出す為のキッカケがもう少しあればいいんですよ!!

 

「この一連の不自然な現象には一人の人物が隠れているんです!!

それが誰なのかは分かりませんが知っているかもしれません!!ことりも何でも良いので思い出せる事はありませんか!?

『夢』『理事長』『変わるキッカケ』です。このどれかのキーワードが当てはまればいいので一緒に考えて下さい!!」

「え…?う、うん!!分かった。」

 

何故か忘れてはいけないものが無くなってしまったようなポッカリ空いた心の隙間にそんな喪失感があるんです。

私とことりは必死にその原因を探る事にしました。これはどう。それは違う。これでもない気がする。と、模索していました。

 

 

 




今回の話は穂乃果ちゃんがイケメンです。これぞ主人公クオリティという奴ですね(笑)

幽閉されるような設定にしてしまった為にもっと夢斗君には青春して欲しいなって思ってたらまさかのこんなシリアスになってしまっていました。


青春=青い、春…

青…青二才、若々しい、未熟というイメージ。
春…終わりの季節と始まりの季節。

と言った感じでこんなになってしまいました。ここまで話してしまえば気付いたひとも多いでしょうが春から因んでこのお話の4.5話のタイトルになったわけです。


そしてまた新たな伏線をばら蒔いては回収します。実は前書きや後書きでも例外では無かったりします。分かりやすい物からこれもなのか!?という物まで準備しているつもりです。
ネタバレ気味にならないことを祈りますが皆様により楽しんで貰えるよう気にかけて出来る限りの努力をさせていただきます。

皆様あっての私です。

毎回のことですが自身すら何時になるのか理解していない次話でお会いしましょう!
コメントお待ちしています!!












ps.レイヴェル様、コメント何時も読ませていただいています。今まで返信が出来ず申し訳ありませんでした。

言い訳になってしまいますがコメントを返すという事に緊張してしまい思うようにかけません…。御無礼が無いようにと思ってしまうとどうしたら良いのか分からなくなってしまう事があり、結果無礼を働いてしまう結果になってしまいました。

未熟者の私ですがどうかご指導ご鞭撻お願いいたします。
すいませんでした。









▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。