ISに告白された少年   作:二重世界

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第6話 姉妹

「そういや、シスコン会長。授業はいいのか?」

 

「ねぇ。キミの中で何で私はシスコンになってるの?そんなこと、一回も言ってないよね?後、授業は別に問題ないわ」

今更何を言ってんだ、この女。

 

「でも、そうなんだろ?」

 

「……いや、そうだけど。て言うか、先輩に対する尊敬が感じられないんだけど?」

 

「そんなものないからな、学園最強(笑)」

て言うか、俺が誰かを尊敬したことなんて一回もないな。尊敬されたことはあるけど。

 

「……お姉さん、泣くわよ。後、その(笑)って何なの?」

 

「いや、俺の方が強いからな。つまり学園最強ではないと言うことだ。そんなヤツは(笑)で十分だろ」

 

「へぇ。それは凄い自信ね。そこまで言うならお姉さんと戦ってみる。もちろん、模擬戦だけどね」

なるほど。この女は負けず嫌いのようだな。俺には分からない考えだな。俺は勝っても負けても面白ければ関係ないからな。

 

「戦う理由がないな。それにめんどくさい」

 

「さっき、あんな大口たたといてお姉さんに勝つ自信がないのかな?」

何か妙に挑発的な言い方だな。やっぱり、さっきの発言にはムカついているようだな。

 

「勝つ自信がないわけじゃない。ただ、戦っても俺に得がないだけだ。まぁ、俺に得があるなら戦ってもいいがな」

 

「ふぅん。だったら、賭けをしましょうか。勝った方が負けた方に一つだけ何でも命令が出来る、っていうのはどう?もちろん、Hな命令でもいいわよ」

Hな命令はさすがに無理だな。他の女と仲良くするぐらいなら大丈夫だが、そこまでしたら黒が怒るからな。俺は大丈夫だが、かなりめんどくさいことになる。

 

「ふむ。それならいいか。俺が勝ったら……そうだな。協力してもらおうか」

 

「協力?何をすればいいの?」

 

「学園のイベントの時とかに面白くなりそうことを企むから、それの手伝い。後は、情報提供だな。男性操縦者なんているんだ。何らかのトラブルがおきても不思議じゃない。そういう時に状況を掻き回すために情報が欲しい」

協力者がいて損をすることはないからな。それが生徒会長だっていうなら尚更だ。

 

「前者はむしろ私から頼みたいくらいね。私も色々企むのは好きだからね。でも、後者はさすがに無理ね。掻き回さられたら、たまったものじゃないわ」

まぁ、当然か。片方、通っただけでもラッキーだしな。

 

「仕方ないな。で、シスコン会長の命令は何だ?」

 

「とりあえず、私の呼び方を変えてもらおうか?」

 

「そんなことでいいのか?」

 

「いや、これは命令とは別のお願いよ。さすがに学園最強(笑)やシスコン会長は嫌だからね」

この女を的確に表現した、いい名前だと思うだがな。

 

「分かった。俺に勝ったら、それも聞こう。で、本題は?」

 

「貴方には生徒会に入ってもらうわ」

 

「は?何で?」

 

「貴方の能力なら役に立つでしょうし、危険人物の監視も出来る。一石二鳥ってわけ」

なるほど。確かに効率的で良いアイデアだな。まぁ、仕事はめんどくさそうだけど、その分色々出来そうだ。

 

「いいぜ。その条件で殺ろうか」

 

「……字が違うわよ。でも、自信満々ね。そんなにキミのISは強いのかしら?」

 

「いや、弱いな。機体性能はかなり低い」

 

「いや、深夜。私、弱くないからね。これでも第三世代機並の性能はあるから」

そうだったのか。ウサギの研究中の他の機体と比べると最低レベルだからな。まぁ、趣味で作った物らしいから仕方ないか。

 

「そんな調子でお姉さんに勝てるの?」

 

「問題ない。他に優れている要素があるからな」

その要素が俺の趣味にあうものだからな。戦いようによってはちーちゃん以外には勝てるだろう。

 

「ふぅん。まぁ、いいわ。それよりも今日は仕事があって無理だから、試合は明日ね」

 

「了解。さてと、それよりも早く、次の場所を案内してくれ。もうすぐ、昼飯の時間だから、それまでに回れるだけ回りたいからな」

 

「分かったわ。次は生徒会室に案内するわ。生徒会に入るなら知っておく必要があるでしょう?」

もう勝ったつもりか?だが、全力を出すつもりはないしな。どうしようか?

 

 

 

案内が長引いて遅れたせいで食堂がいっぱいで席が空いてないな。どうしようか?

ちなみに黒はまた指輪になって寝ている。ISだから食事の必要はないし、人の多い場所は苦手だそうだ。

 

「ん?」

空いている席を探してると、いっくんから逃げるようにして離れていく女子生徒を発見した。

 

「詰め寄ってきた女子を酷い振り方でもしたのか?例えば、俺は二次元にしか興味がないんだ、とか」

 

「いきなり現れて何言ってんだ!そんな訳ないだろ!箒が追い払ったんだよ」

ああ、なるほど。そういうことか。

 

「ふぅん」

 

「何だ、その意味深な表情は?別に深い意味はないぞ」

しまった。さっきまでシスコン会長といたせいで、キャラが少しうつってしまった。

 

「そうだ。深夜、束さんに色々教えてもらったんだよな。それを俺にも教えて貰えないか?このままだったら、何も出来ずに負けてしまう」

 

「おい、一夏。それは私が教えると言っているだろ!」

 

「断る。めんどくさい」

 

「おい、私の話を聞け」

めんどくさいな。こいつにはウサギの妹ということ以外に興味がないし。

 

「そう言えば、まだお前の愛称を決めてなかったな」

何にしよう。ウサギ妹は微妙だし、ポニテも駄目だな。髪型を変えられたら、また新しく考えないといけないし。

 

「そうだ。侍娘にしよう」

 

「だから私を無視するな」

 

「侍娘、少しは静かに出来ないのか?」

 

「やっと、私と話す気になったか」

何か常にイライラしているように見えるな。本当にウサギと姉妹なのか?全然似ていない。

 

「いっくんには侍娘が教えたらいいだろ。俺に教えるつもりはないからな」

 

「そ、そうか。それなら良い」

 

「何が良いんだ、箒」

やっぱり鈍感だな、いっくん。

 

「それよりも何で教えてくれないんだ?」

 

「他にすることがあるからだ」

嘘だがな。

 

「そうだ。変わりとは言っては何だか明日の放課後、模擬戦するんだ。それを見に来いよ」

 

「模擬戦?誰とするんだ?」

 

「生徒会長とだ。お互いに本気を出すつもりはないが、勉強になると思うぜ」

 

「分かった。見に行くぜ」

その後、昼食を食べ終わると、いっくん逹は授業のために教室に、俺はまだ回っていない場所の見学に向かった。

 

 

現在、夕食を食べ終わって暇なので漫画を読んでいた。

研究所にいた時に色々教えたので黒も漫画に興味をもっており、隣で漫画を読んでいる。

 

「ねぇ……。噂で聞いたんだけど、お姉ちゃんと模擬戦するって本当?」

かんちゃんが部屋に戻ってくると、いきなり聞いてきた。

にしても、もう学園中の噂になってるのか。やっぱり女子の情報網はすごいな。

 

「そうだけど。それがどうかしたか?」

 

「何で、そんなことになったの?」

 

「俺みたいな怪しい人物をほっとけないんだと。それで話している内に模擬戦をすることになったんだ。かんちゃんも見に来る?」

理由の半分以上は妹を心配してだと思うが。まぁ、真実を言う必要はないだろ。

 

「行かない。って、それは!」

いきなりかんちゃんが大声を出した。びっくりした。大声、出せたのか。

 

「うわっ!いきなり、どうしたんだ?」

 

「そ、それ。私が好きなアニメの原作」

 

「ん?アニメが好きなのか?だったら、色々あるぞ」

俺は家から持ってきていたアニメのDVDを見せる。

 

「凄い!この初回限定版、私が買い損ねた物だ。うわぁ、まだ買っていない物が他にもいっぱいある。これ、借りてもいい?」

いきなり元気になったな。さっきまでのテンションとの違いに、さすがの俺も驚いた。まるで別人だ。

 

その後、三人で朝までアニメを見たり、語り尽くしたりした。

朝まで、そんなに仲良くなかったのに一瞬で親しくなれるとは。アニメの力は凄いな。

 

「分かってない。この作品は主人公が良いの」

 

「 違う。悪役が一番良いだろ。悪の美学を持っていて格好いいだろ」

 

「いや、ヒロインでしょ。この健気なところが可愛いんでしょ」

 

やっぱり、アニメで仲良くなるのは難しいのかもしれない。




次回、セシリアの前に何故か生徒会長と戦います。

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