ISに告白された少年   作:二重世界

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今回はブリーチ・なのは・SAOネタがあります。


第40話 魔法少女

今日は夏休み初日。そして現在、昼食を食べ終わりIS学園の生徒はあるイベントのために第三アリーナに集まっている。

 

「皆さん、お待たせしました。さぁ、始まります、魔法少女バトル。今日はいつもISで空を飛び回っている彼女達が魔法少女になって空を舞います。高校生にもなって魔法少女とかキツいと思っている観客の心の声が聞こえてきますが無視していきます。実況&解説はもちろん、この私、ラウラ・ボーデヴィッヒの頼れる兄、飛原深夜と――」

 

「簪ちゃんの愛する姉、更識楯無です。そして今日は特別ゲストが二人きています」

『の』じゃなくて『を』の間違いなんじゃないか、とかツッコまない。

 

「イェーイ。箒ちゃんのアイドル、篠ノ之束でぇーす」

 

「え~と、ブリュンヒルデの弟、織斑一夏です」

 

「以上のシスコン四天王で今日の魔法少女バトルをお送りします」

このイベントをするために生徒会や職員室に頼みこんだり、徹夜で頑張ったりしたのでテンションがおかしくなっている。

 

「俺もシスコン四天王に入ってるのか!?」

 

「当然だろ」

 

「いやいや、俺シスコンじゃないし!」

今、どこがで誰かがショックで倒れたような気するが気のせいだろ。

 

「そう言えば、こんなタレコミがあったな。織斑一夏と織斑千冬のプライベートを見ていると夫婦にしか見えない。つまり織斑一夏は織斑千冬を実の姉としてではなく嫁として見ているからシスコンではない、こういうことか?」

今、誰かが復活したような気がするが気のせいではないな。

 

「誰のタレコミだよ!」

二人のプライベートを知っている人間に質問したら全員がそう答えた。

 

「おー、さすが、いっくん。やるね~。束さんも見習わないと」

 

「って、何で束さんが普通にいるんですか!?千冬姉に止められなかったんですか!?」

 

「ちーちゃんも誠心誠意お願いしたら分かってくれたよ」

 

「嘘つけ。ただの利害の一致だろ」

しかも交渉したの俺だし。

 

「あの……、そろそろイベント開始しない?」

 

「おっと、そうでした。では、シスコン四天王で盛り上げて実況していくので楽しんでいけよ、野郎共ぉぉぉー!」

 

「「「うぉぉぉぉぉーーー!!!」」」

 

やっぱりIS学園はノリが良いな。

 

「……いや、観客は全員女だろ」

 

「さて、今回の参加人数は天吹刹那を除く一年の専用機持ち六人です。そして勝者には私が叶えられる範囲で願いを叶えます」

 

「話したことないけど、その天吹は何で参加しないんだ?」

刹那っちは願いが邪過ぎたので強制的に失格にした。人数調整の意味もあるが。ちなみにイベントを邪魔されないために縄で縛って学園の地下に監禁している。

 

「次にルール説明をします。まず、予選と本選に分けられています」

 

「……また無視か。もう慣れた」

いっくんが隣で何か言ってるが無視だ。

 

「予選のルールは単純明快。一対一でのガチンコバトルに勝った方が本選に進みます。本選のルールは後で説明します」

 

「では次にシステムの説明をお願いします、束博士」

 

「OKOK、任せておいてよ。まず魔法少女に変身するには、しっくんと束さんが共同で開発したデバイスを使います」

元々デバイスは別の目的で作ったんだけどな。

 

「デバイスは自分の専用機と繋げて、そのエネルギーを元に動くよ。だから絶対防御などの機能もあるから安全快適なのさ」

 

「ちなみに、篠ノ之束が作った物をベースとして自分達が改造しています」

俺が担当したデバイスはラウラと貧乳だ。後、最初だけかんちゃんのも手伝った。

 

「私も生徒会総出で簪ちゃんのデバイスを手伝ったわ」

完全な職権乱用だな。

後、残りの侍娘とシャルとパッキン女はウサギがまとめて担当した。ちなみにシャルのデバイスの改造案は俺が出した。

 

「では、予選の組み合わせを発表します」

たっちゃんがそう言うとアリーナのディスプレイに予選の組み合わせが表示された。

 

一回戦 篠ノ之箒VSセシリア・オルコット

 

二回戦 ラウラ・ボーデヴィッヒVS凰鈴音

 

三回戦 更識簪VSシャルロット・デュノア

 

「お、いきなり箒ちゃんの試合だね」

 

「では、選手にはピットの入口で変身してからアリーナに入場してもらいます。ちなみに変身シーンもしっかりとアリーナのディスプレイに映り出されます」

 

「「セートアップ!」」

 

二人は掛け声と共に姿を変えていく。そしてアリーナに入場してきた。

 

「って、箒の格好、魔法少女じゃないじゃないですか!?」

侍娘は赤を基調とした妖精の格好をしている。そして武器は深い黄金色の刀身をした刀だ。

やばっ!ネタが被った。

 

「種族は『火妖精族(サラマンダー)』だね。そして武器は『聖剣エクスキャリバー』。ちなみに魔法も使えるし、束さん特製のオリジナルソードスキルもあるね。後、とっておきの切り札もあるよ」

何それ?チートだろ。

 

「……え~と、束博士。この企画の趣旨、分かってます?」

 

「当然だよ。魔法少女バトルでしょ?」

 

「だったら何故、魔法少女ではなく妖精なんですか?」

キツいからだろ。

 

「そりゃあ、箒ちゃんにはこっちの方が似合うと思ったからだよ。それに束さんの中でマイブームが来てるしね。魔法少女じゃなくて妖精剣士だね」

 

「……楯無さん。束さんには何を言っても無駄ですよ」

 

「……そのようね」

いっくんとたっちゃんが小声で何かを言っている。

 

「箒ちゃん、頑張ってね」

 

「姉さんは自分の仕事に集中してください」

 

「しっくん。箒ちゃんが冷たいよ~」

そう言いながらウサギが俺に抱き付いてきた。とりあえず無視して続けるか。

 

「続いてパッキン女の紹介に入りたいんですが一言、言うならキツいです。観客の皆さんの『ウワー、キツい。似合ってねぇー。恥ずかしくないのかよ』という心の声が聞こえてきます」

何と言うか小学生ぐらいの魔法少女が着る服をサイズだけ大きくした感じだ。しかもミニスカ。最初から予想はしていたけど、やっぱり物凄くキツい。見ている方が恥ずかしくなる。何の羞恥プレイだよ。

 

「ちょっと、それは酷いじゃないですの!わたくしだって好きで、こんな格好をしているわけじゃありませんわ!」

パッキン女が顔を赤くしながら叫んだ。正直、見たくないし速く終わらせるか。

 

「そういや、武器って何でしたっけ?」

ウサギが特注した侍娘以外の装備は確認したはずなのに思い出せない。

 

「さぁ、何だっけ?確か、起動したら自動で頭の中に使い方が流れ込んでくるように設定してるはずだけど」

 

「入ってきませんわよ」

 

「んー、どういうことだろうね?バグかな?」

何かめんどくさいから、もういいや。

 

「では、試合開始!」

 

「ちょ、ちょっと待ってください!」

 

「いざ参る!」

そう言うと侍娘は聖剣エクスキャリバーを構えながらパッキン女に突っ込む。

 

「フレイムブラスト!」

刀が炎を纏い、十三連撃でパッキン女を切り裂いた。

 

「ふん……」

そう言うと侍娘は刀を鞘に入れた。

 

『試合終了。――勝者、篠ノ之箒』

 

試合は一瞬で終わった。

 

「きゃゃゃゃゃっーーー!!!」

パッキン女が試合終了のアナウンスが終わると絶叫した。

 

「何でセシリアの服が脱げてんだ!?」

 

「ああ、言い忘れてました。負けた選手は罰ゲームとして脱げます」

そのせいでシスコンの心は妹に勝ってほしいけど、負けて裸が見たいという相反する感情に葛藤している。

 

「では二回戦の選手、変身してください」

 

「セシリアは無視か!?」

 

「……織斑一夏くん。深夜くんに何を言っても無駄よ」

 

「……それは分かってます」

俺をウサギと同じ扱いするなんて失礼だな。

 

「「セットアップ!」」

 

そして次の選手が入場してきた。

 

「飛原!私は何で男の格好なのよ!?」

貧乳の格好は学ランだ。そして武器はリボルバーナックル。

 

「そのツッコミをさせたくて」

 

「これは魔法少女バトルじゃないの!?」

 

「うるさいな。それに貧乳は魔法少女よりも、そっちの方が似合ってるし。なぁ、いっくん」

 

「ああ、似合ってるぞ」

 

「あんたは私が男に見えるって言うの!」

胸がないし男の格好だし正直、見えるな。

 

「そんなことよりも注目は俺の可愛い妹、ラウラ・ボーデヴィッヒです!」

 

「……おい、深夜。あれも魔法少女じゃないぞ」

ラウラの格好は黒を基調としており猫耳に尻尾つけた妖精の格好をしている。そして卍型の柄に漆黒の色の刀を持っている。

 

「……言うな。俺もネタが被ったことを気にしているんだ」

まさか、こんなことになるとは。ちゃんと事前に確認しておけばよかった。

 

「しっくんは獣耳が大好きだね。束さんのウサ耳も撫でてみない?」

 

「ああ、俺は小動物が大好きだからな」

ちなみに最初は黒ウサギ隊だからウサ耳にしようと思ったがネタ被りだからやめた。

 

「種族は『獣妖精族(ケットシー)』で武器は『天鎖斬月』だ」

 

「ちょっと待て!何で天鎖斬月!?せめて作品は統一しろよ!」

 

「しょうがないだろ。一緒にアニメを見ていてラウラがアレを格好いい、って言ったんだから。それに俺とラウラのイメージカラーの黒色だし」

デザインは俺と黒ウサギ隊の皆で考えて、装備はラウラの意見を出来るだけ取り入れている。

 

「後、鬼道も少し使えるし奥の手も用意しています」

他にも色々やりたかったけど時間が足りなかった。三日ほど徹夜したのに。

 

「それに見ろよ、あの尻尾。頑張って動きまで再現したんだぜ。その他にも――」

 

「え~と、深夜くんの話が終わりそうにないので試合開始!」

もう試合が始まってしまったか。まだまだ語り足りないんだが仕方ない。

 

「頑張れ、ラウラ!」

 

「実況が堂々とひいきしてんじゃないわよ!」

 

「兄が妹を応援するのは当たり前だろ」

 

「うんうん、しっくんの言う通りだね」

 

「それに関しては私も同意見ね」

妹は可愛いんだから当然だよな。

 

「くっ!シスコンに何を言っても無駄か」

 

「俺はそれよりも魔法少女バトルなのに魔法少女がいないことの方が気になるな」

それに関しては俺も気になっている。これならコスプレバトル大会にした方が良かったかな?

 

「いつまで話してる。行くぞ!」

 

「来なさいよ!」

 

「月牙天衝!」

ラウラの刀から黒いエネルギー波が放出される。

 

「ちょ、何よ、これ!?反則でしょ!?」

それを貧乳はギリギリのところで避ける。さすがに威力と速度までは再現できなかったからな。

 

「私には近接装備しかないのよ!」

 

「大丈夫大丈夫。その分、機動力は高いから」

 

「信用できないけどしょうがないわ。これでやるしかないんだから。優勝商品のためにも頑張るわよ」

 

「フッ。優勝商品を貰うのは私だ」

すると貧乳がラウラに向かって突撃するが軽くいなされている。

 

「二人があれほどやる気になる優勝商品ってのは何なんだ?」

 

「終わったら分かる」

二人が優勝商品に望んだのは、いっくんとの同室だ。ちなみに侍娘とパッキン女も同じだ。シャルは言いたくない。かんちゃんは俺が変わりに夏コミで色々、買い物をしてくることだ。しかも俺の自腹で。まぁ、元々黒ウサギ隊を案内する予定だったので俺としては問題ないな。

 

「どうした?その程度か?」

悪役みたいなラウラも良いな。俺は元々、かんちゃんと違って悪役が好きだし。

 

「くっ!性能が違い過ぎる」

 

「当たり前だろ。ラウラのは俺が黒ウサギ隊と協力して改造したんだから。俺は徹夜で黒ウサギ隊に限っては仕事をサボってまでしたんだから。ちなみに貧乳のは、俺が気分転換がてら改造した」

ラウラと貧乳のデバイスは天と地ほどの性能差がある。

 

「軍人、それで良いの!?」

問題ないだろ。上司は俺が適当に弱みを握って脅しておいたし。

て言うか、戦いながらツッコむとか器用だな。

 

「早くメインイベントに行きたいんで、そろそろ試合を終わらせてください」

 

「……深夜くん。それ、実況じゃなくてスタッフの台詞じゃない?」

 

「俺はスタッフも兼任している」

おかけで、かなり疲れた。イベントが終わったら爆睡するか。

 

「では、お兄ちゃんの言う通りに終わらせるか」

ラウラはそう言うと貧乳に指を向けた。

 

「縛道の六十一『六杖光牢』」

六つの帯状の光が銅を囲うように突き刺さって貧乳の動きを止めた。

 

「何これ!?動けないんだけど!」

 

「では、止めだ!月牙天衝!」

動けない貧乳は攻撃を避けられずに敗北した。

 

『試合終了。――勝者、ラウラ・ボーデヴィッヒ』

 

そして敗北した貧乳は全裸になった。

 

 




今回は番外編一発目なので、かなり自由にやっています。魔法少女をベースにした話にする予定だったのに、何故かほとんど登場していませんが大丈夫です。後半は魔法少女がちゃんと登場しますから。

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