ISに告白された少年   作:二重世界

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第2話 新しい芸人の発掘

「……終わったか?」

一時間目の授業が終わり、チャイムで目を覚ました。

IS基礎理論授業だったが、ウサギの研究所にあった資料で勉強したり、黒にIS関連のことを教えてもらったりしたから簡単で途中から寝てしまった。

そういや、ウサギに分からないことを聞いたらバカにされてムカついたな。

 

にしても、もう廊下に人がいっぱいだな。廊下の連中は全員、織斑一夏に視線が集中しているがクラスメイトの視線は俺に集中しているな。やっぱり自己紹介で目立ち過ぎたか。

「俺以外にも男子がいて助かったぜ。一人じゃキツイからな」

女子達の視線を気にせずに織斑一夏が俺の方に来て話かけてきた。

自分以外にも男がいて、かなり安心した顔をしているな。面白くない。

 

「話かけないでください。貴方のことが嫌いです」

 

「え!?俺、何か嫌われるようなことしたか?今、初めて話したばかりなのに」

俺に拒絶されて、かなり焦っているな。なるほど冗談が通じないタイプか。

 

「嘘だから気にしなくていい。それよりも何のようだ?」

 

「そ、そうか。良かった。二人っきりの男なんだから仲良くしようと思ってな。あ、俺のことは一夏でいいぜ。お前のことは何て呼べばいい?」

 

「……お前、もしかしてホモか?」

 

「違う!いきなり何を言ってんだ!」

それは助かった。俺にその趣味はないからな。

 

「お前のことはいっくんと呼ぶ。俺のことはしっくん以外なら何でもいい」

 

「じゃあ、俺は深夜と呼ぶことにする。そういや、1つ聞きたかったんだが、お前って束さんの知り合いなのか?」

 

「その話は私も聞きたいな」

俺といっくんが話していると、ポニーテールの女子が話かけてきた。

 

「ああ、篠ノ之箒か。俺もお前とは話したかったんだ」

 

「私のことを知っているのか?」

 

「ああ、ウサギにしつこく自慢されたからな」

本当にうざかった。実験の合間は常に自慢されたから全然休めなかった。しかも、スリーサイズまで教えてきたからな。そんなの知ってもどうしようもないだが。

 

「そうだっのか。姉さんが迷惑をかけたようだな。私が変わりに謝罪しよう」

こいつは姉と違って真面目なタイプらしいな。

 

「いや、気にしなくていい。ウサギには感謝しているからな。あいつのおかげで楽しめそうだ」

 

「そうか。そういや、さっきのIS。確か黒嵐だったか?そいつはどうしたんだ?」

 

「ああ、今、指輪になって寝ているよ。昨晩は疲れたからな」

 

「は、は、破廉恥な!」

顔を赤くしている。真面目なフリをして性には興味津々ということか。

まぁ、実際、昨日の晩は浮気はしないように注意された後、本番はできないが色々したからな。俺も眠い。次の授業も寝るか。

 

「何が破廉恥なんだ?今日の準備で忙しかっただけだろ」

何だ、こいつ。もしかして、そういうことに関して鈍感なのか?

 

キーンコーンカーンコン

 

チャイムが鳴ると同時に廊下にいた連中も戻っていった。

 

「姉さんのことは後で聞かせてもらおう」

 

「じゃあ、また後でな」

そう言うと、二人も自分の席に戻っていった。箒はまだ顔を赤くしているな。

 

 

 

二時間目が開始すると、最初は授業を聞いたが、やっぱり簡単なので寝ることにした。

パァンッ!

「痛っ!」

叩かれて目を覚ますと、目の前にちーちゃんが偉そうに仁王立ちをしていた。

 

「いきなり、何するんだ。気持ち良く寝ていたのに」

 

「教師にため口で話すな。そして、授業中に寝るな。そんなことをしていると、あのバカみたいになるぞ」

いっくんを指差しながら言った。あいつ、そんなにバカなのか?

 

「そう言っても、簡単すぎて眠いんですが」

 

「そうか。分かった。そこまで言うなら、後で私が特別なテストを作ってやろう。それで満点が取れれば授業に参加しなくていい。だが、一問でも間違えれば真面目に授業を受けろ」

 

「いいぜ。その挑戦、受けてやる」

 

「いい度胸だ。放課後、職員室に来い。それまでにテストを作っておいてやる」

これで堂々と授業をサボれるな。そういや、職員室ってどこにあるか知らないな。この学園は案内もしてくれないかな。不親切な学園だな。

 

 

 

「ちょっとよろしくて」

二時間目の休み時間、いっくんと箒と話していると金髪の偉そうな女が話かけてきた。

男を見下したような視線が不愉快だな。

 

「何か用か、パッキン女」

 

「パッキン女ですって?この私に……イギリスの代表候補生セシリア・オルコットに対して何て口の聞き方ですの!」

聞いてもいないのに、自分から名乗るとはな。自己主張の激しいヤツだな。

 

「……深夜。目が覚めたら目の前に不愉快な金髪がいるんだけど。この女は誰?」

黒が人型になって言ってきた。

 

「イギリス代表候補生のパッキン女だ」

 

「それは貴女が言った呼び方でしょう。私の名前はセシリア・オルコットです」

 

「ああ、そうだった。セッシーだった」

 

「今度は馴れ馴れしすぎるでしょう!貴方、ふざけていますの!」

最初は人を見下すだけの不愉快な女だと思ったが、もしかしたらツッコミの素質があるかもしれない。上から目線なのが気になるが、いないよりはマシだろう。

そういや、ウサギの研究所にいた時はツッコミがいなくて大変だったな。

 

「……何か楽しそうね、深夜。後、またキャラがぶれてるわよ」

 

「ああ、そういや俺はこんな感じにボケるキャラじゃなかったな。まぁ、人をいじるのは楽しいぜ」

 

「質問があるんだが。代表候補生って、何?」

がたたっ。聞き耳を立てていたクラスの女子数名がずっこけた。

ちなみに俺もずっこけてしまった。まだキャラが戻ってなかったか。

 

「深夜、大丈夫?」

 

「ああ、大丈夫だ。だが、今の発言にはさすがの俺も驚いたな」

黒が差し伸べた手を掴んで起き上がる。

 

「おい、いっくん。今のはマジか?」

 

「おう。マジだ」

ここまで堂々と言い切るとは。逆に格好いいな。

 

その後、箒が代表候補生についていっくんに説明した。て言うか、知らなくても字面で分かるだろう。どんだけバカなんだ。

「なるほど。つまりエリートってヤツか」

 

「そう!エリートなのですわ!」

いっくんの発言でパッキン女が復活した。

両方、単純な思考をしているな。意外と二人は仲良くなるかもしれないな。

 

「何こいつら。バカなの?」

 

「黒。そう言うことは本人に言うなよ」

なんと言うか、どいつもこいつもいじりがいがありそうで楽しみだな。

 

「で、パッキン女。何のようなんだ?」

 

「ああ、そうですわ。忘れていました。それはこのわたくしが――」

 

キーンコーンカーンコン

 

やっと本題が始まろうとしたところでチャイムが鳴るとはな。

おいしいな。。こいつ、もしかしたら芸人の才能があるのかもしれない。

 

「っ……!またあとで来ますわ。逃げないことね!よくって!?」

そう言うと席に戻っていった。

次はどうやって、いじろうか。




黒の出番が少ないな。次回は起きているので活躍させたいです。

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