ISに告白された少年   作:二重世界

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第13話 恋愛相談

放課後、かんちゃんのIS『打鉄弐式』を完成させるために、俺はかんちゃんとのほほんさんと黒の四人で第二整備室に来ていた。

 

「俺の担当はマルチロックオンシステムによる高性能誘導ミサイルと荷電粒子砲だったな」

 

「うん……。でも、本当に出来るの?」

 

「言っただろ。俺はISの製作者、篠ノ之束に教えてもらったって。それに黒には大量の武装があるから、そのデータを使えば出来る」

まぁ、ミサイルは俺の趣味じゃないから、ないけど似たようなものはあるから大丈夫だろ。

 

「じゃあ、任せる……。本音は装甲のチェックして。私は火器管制システムと制動システムをやるから」

 

「了解~」

そして、それぞれに作業に開始する。

 

「じゃあ、黒。手伝ってくれ」

 

「いいけど、ISがISを造るっていうのも変な話ね」

言われてみれば、確かにそうだな。

 

「お!すげぇーな」

かんちゃんがデバイスをボイス・コントロールにアイ・コントロール、ボディ・ジェスチャーを駆使しながら、さらに両手両足のその上下に空間投影キーボードを一枚ずつ、計八枚同時に操っている。

しかも、足の指まで使ってやっている。

こんなの今の俺には出来ないぞ。

 

「かんちゃんは凄いでしょ~」

 

「ああ、素直にそう思うよ。それにフル・カスタマイズ・モデルのキーボードも面白いな」

確かウサギも似たようなものを持っていたな。俺も欲しい。後で作り方を聞こう。

 

「それよりも、のほほんさん、作業はどうした?」

 

「ちゃんと今からするよ~」

そう言って、のほほんさんは作業を始める。信用できるのか?

 

 

 

「かんちゃん、そろそろ夕食の時間だから一旦、休憩にしないか」

そろそろ行かないと食堂がいっぱいになって、座れなくなる可能性がある。

 

「え?もう、そんな時間?」

時間も忘れて作業していたのかよ。

 

「私も腹ペコだよ~」

 

「じゃあ、食堂に行こう」

 

「私は休憩しているね。夕食が終わったら起こして」

そう言うと、黒は指輪になった。

そして、俺達三人は食堂に向かった。

 

 

 

食堂に着くと俺は豚のしょうが焼き定食、のほほんさんとかんちゃんはうどんを頼んだ。そして、のほほんさんは卵、かんちゃんはかき揚げをつけていた。

 

「深夜、調子はどう?」

席に座ったところで、かんちゃんがそう聞いてきた。

 

「荷電粒子砲なら明日には完成する。マルチロックオンシステムの方はもう少しかかりそうだが、一週間あれば完成するだろう」

やっぱり黒にない装備はてこずるな。

 

「おお~。ヒハラン凄いね~」

 

「……私の方は厳しい」

 

「だったら、武装が終わったら俺も手伝おうか?ああ、稼働データがとりたいなら俺が相手になるぜ」

武装以外も色々やりたいからな。

 

「うん。お願い」

 

「じゃあ、食べたら作業を再開するか」

 

「疲れたから明日にしない~?」

 

「それじゃあ、間に合わない……」

まぁ、頑張ればギリギリ間に合うか。

 

 

 

現在は8時過ぎ、今日の作業を終え、のほほんさんと分かれて部屋に戻るところだ。

 

「今までは一人でやっていたけど、皆でやるのも楽しい」

 

「そうか。そりゃ、よかったな」

アニメ談義以外で初めて笑っているところを見たな。

この写真を撮って、たっちゃんに売ったらいくらで買ってくれるかな。

 

「ん?」

前から貧乳が泣きながら走ってくるのが見えた。

 

「知り合い?」

 

「今日、転校してきた中国の代表候補生の貧乳だ」

 

「誰が貧乳よ!」

貧乳が俺に向かってドロップキックをしてきた。さすがにISは使わないか。

 

「ひょいと」

俺はそれを軽く避ける。

 

「ちっ!」

 

「舌打ちすんなよ。それよりも何で泣いていたんだ?」

何か修羅場の予感がする。そういや、どうでもいいけど昨日見たアニメも修羅場ものだったな。

 

「あんたには関係ないわよ!」

 

「ふむ。だったら、勝手に推理しよう。まず、間違いなく、いっくんが関係している。そういや昨日、内容までは聞いてないが、中学の時にいっくんと何か約束をしたと言っていたな。つまり、いっくんがその約束を忘れていた。もしくは間違って覚えていた、ってところか。いっくんが鈍感なことを計算にいれると後者の方が確率が高いな」

 

「あんたは超能力者か何かなの!?」

ふむ、当たっていたか。写真だけじゃなく、探偵業をやるのも面白いかもしれないな。何か考えてみるか。

 

「……相変わらず無駄に鋭い」

隣でかんちゃんがボソッと何か言っている。無駄とは何だ、無駄とは。

 

「相談ならのるぜ。これでも色々と相談にのっているからな」

まぁ、真面目に答えたことはないが。

 

「遠慮するわよ!どうせ、あんたのことだから真面目にやるわけないわ!」

意外と鋭い。

めんどくさいな。どうしようか?……よし、決めた。

 

「黒、連行よろしく」

黒を呼び出して貧乳の連行の頼んだ。

 

「めんどくさいけど分かったわ」

 

「ちょ、ちょっと待って!黒はどこから現れたの!?て言うか、この縄なに!?」

この縄は束縛プレイをするために黒が自分でインストールしたものだ。俺の趣味じゃないから一回も使われてないが、こんなところで役に立つとはな。

 

「うるさい。文句は後で聞く。いや、やっぱりめんどくさいから聞かない」

 

「……酷い」

 

とりあえず、貧乳を部屋まで連行して解放した。

 

「何すんのよ!」

 

「簡単に話しそうになかったので強硬手段をとっただけだ」

 

「こんなことして、後で千冬さんにバレたら酷い目にあうわよ」

 

「ちゃんと対策は考えてあるから問題ない」

まぁ、多分大丈夫だと思うが、無理だった場合は逃亡するか。

 

「私は興味ないから、先にシャワー浴びるね」

 

「了解」

 

「ちょっと待ちなさいよ!こいつ何とかしなさいよ!」

失礼なヤツだな。今から強姦でもするみたいじゃないか。俺はただ善意で恋愛相談をするだけなのに。

 

「いつものことだから諦めて……」

それだけ言うとかんちゃんはシャワーを浴びにいった。

 

「……で、何するつもりなの?」

 

「だから、ただの恋愛相談だよ。まずは何で泣いていたか、教えてくれ」

 

「何であんたなんかに話さないといけないのよ!」

 

「これでもか?」

そう言って、俺はいっくんの入浴写真をちらつかせる。

 

「し、仕方がないわね。後でそれ、くれるんでしょうね?」

 

「ああ、話してくれたらな」

そして、侍娘に部屋の変更を代わってくれように頼んだことと、中学の時の約束を聞いた。

 

「さあ、話したんだから写真を渡しなさいよ!」

 

「ほらよ」

そう言うと、俺は貧乳に写真を渡した。

 

「じゃあ、私は帰るわね」

 

「まだほかにも写真はあるが」

 

「何を話せばいいの?」

切り替え早いな。

 

「今は話さなくていい。今後、何かあったら相談してくれればいい」

 

「……何のために?」

貧乳が疑うような目で見てくる。

 

「何も企んでねぇーよ。いや、企んでいるか。まぁ、多分、被害はないから安心しろ」

 

「……何言ってるの?」

 

「気にしなくていい。俺が色々して楽しみたいだけだから。恋愛相談もその一環だ。ああ、写真は金で買ってもいいぜ。後、いっくんに関する情報も売るぜ」

 

「よく分からないけど帰るわね。お金は明日持ってくるわ」

そう言って、貧乳は立ち上がる。お得意様ゲットだな。

 

「ああ、そうだ。この写真もやるよ。代わりに今日のことはちーちゃんには言わないでくれよ」

 

「分かったわ。じゃあ、またね」

そして、貧乳は嬉しそうな顔をして部屋から出ていった。

 

「ん?帰ったの?」

かんちゃんがシャワー室からバスタオル一枚の姿で出てきた。

最初は気にしていたが、最近は恥じらう様子がまったくない。

 

「じゃあ、一緒に入りましょう」

いきなり黒が人型になって風呂に入る準備が終わっている。いつものことなので気にしない。

 

「また……するの……?」

 

「当然でしょ。私の一番の楽しみなんだから。簪も混ざりたいの?」

 

「いや、そういうわけじゃないけど……。出来れば声はもう少し小さくしてくれると助かる……」

気にするところはそこだけか?

俺には露出趣味はないが、黒にはあるからな。かんちゃんが気にしなくなると普通にベッドでする展開もくるかもしれない。それは避けないと。

 

「気をつけるわ。じゃあ、深夜。早くヤりましょう」

 

「了解だ」

とりあえず、俺の一日はこうして終わっていく。




一つ報告があります。
明日、発売するポケモンの新作を買ってプレイしたいので次の更新はいつもより遅れます。
出来るだけ早く次の更新を出来るように頑張ります。

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