ISに告白された少年   作:二重世界

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第11話 パーティー

「というわけでっ!織斑くんクラス代表決定おめでとう!」

 

「おめでと~!」

そこでクラッカーが一斉に乱射される。

現在は夕食後の自由時間。場所は寮の食堂で、クラスの集まりのはずなのにクラスの人数を明らかに越えている。

壁には『織斑一夏クラス代表就任パーティー』と書いた紙がデカデカとかけてある。

 

「……で、何で私がここにいるの?」

俺はいっくんから離れた席に座っている。そして隣に座っている、かんちゃんが若干怒った様子で言ってきた。

 

「ただで飲み食い出来るんだぜ。参加しといて損はないだろ」

 

「深夜は写真を売って、お金をたくさん持ってるから気にしなくていいでしょ……」

 

「そんなこと言ってもな、色々買ってるから、それでプラマイゼロだしな。それにかんちゃんのアニメのDVDも買ってやっただろ」

色々買い過ぎて、そろそろ部屋がヤバいんだよな。今度、ウサギの研究所にでも運んでおくか。

 

「……そういう言い方は卑怯」

 

「ヤッホー、ヒハランとかんちゃんも楽しんでる~」

さっきまで向こうにいたのに、いつのまにかのほほんさんがこっちに来ていた。

手に大量のお菓子を持っている。あんなに食べられるのか?

 

「……別に」

 

「ダメだよ~、かんちゃん。パーティーなんだから楽しまないと。そんなんだから私達以外に友達が出来ないんだよ~」

 

「別にいい……。本音と深夜と黒がいれば」

俺と同室になってから1ヶ月、ぼっちに耐える精神力を手にいれたみたいだ。

後、黒は珍しくかんちゃんとは普通に話しているが友達と思っているかは微妙だ。

 

「それに黒も同じ……」

 

「そう言えば、黒ちゃんいないね~。また寝てるの~」

 

「ああ。相変わらず人混みは苦手らしい」

にしても、よく寝るよな。ISだから自由に寝れるのだろうか?

 

「ねぇ、君って今、学園中で有名な飛原深夜くんよね?取材していいかな?」

ボイスレコーダーを持った女が話かけてきた。確か、さっきまでいっくんのところにいたな。

 

「その前にあんた、誰?」

 

「あ、ごめんねー。私は二年の黛薫子。新聞部副部長やってまーす。はいこれ名刺」

そう言うと、名刺を出して渡してきた。

名刺か。俺も作ってみようかな。

 

「織斑くんとセシリアちゃんのコメントは貰って、次は飛原くんのコメントも貰いたいんだけどいいかな?」

 

「ふむ。じゃあ、織斑一夏の写真が欲しかったから飛原深夜のところまで。一枚100円、生着替え写真は500円から」

 

「おい、深夜。生着替え写真って何だ!」

別の女子と話していたのに、良く聞いていたな。

 

「「「おおー」」」

急に回りの女子が叫び声を上げた。

 

「私、生着替え写真1ダースで」

 

「私は3ダース買うわ」

 

「深夜くんの生着替え写真はないの?」

 

「私も一夏の生着替え写真を買うぞ」

 

おお、さすが。いっくんは大人気だな。売り上げに期待だな。

後、侍娘は同室なんだから好きなだけ見れると思うが。

 

「俺の生着替え写真はないがコスプレ写真ならあるぞ」

俺の今の発言でさらに盛り上がる。

後でウサギから追加の機材を貰わないといけないな。

 

「取材どころじゃなくなったわね。最後に専用機持ちの三人セットの写真が撮りたいんだけどいいかしら?」

あ、今良いこと思い付いた。

 

「それはいいですけど、一つ条件がある」

 

「条件?」

 

「今度、俺の記事をつくってくれ。色々宣伝したいからな」

 

「OK。いいわよ。話題性も充分だし」

よし、交渉成立。て言うか最近、商売も楽しくなってきたな。

 

「オーイ。織斑くんとセシリアちゃんもこっちに来て。専用機持ち三人で写真を撮るから」

副部長が呼ぶと二人がやってきた。

 

「あ、あの……。出来れば一夏さんと二人の方が……」

パッキン女が顔を赤くしてモジモジしながら言っている。

 

「俺はいいぜ。そうだ、部屋にウェディングドレスがあるから持ってこようか?結婚式みたいのも面白くていいだろう」

 

「そ、そうですわね。わたくしもそれがいいですわ」

 

「やっぱり女の子はそういうのが好きなのか?」

 

「そういうことではありませんわ」

パッキン女がふてくされている。正直、全く興味がない。

 

「ごめんねー。時間がないから、それはまた今度ね」

 

「残念ですが、仕方ないですわね」

 

「というわけで三人とも並んで」

そして、いっくんを真ん中にして三人で並ぶ。

 

「おい、深夜。押すなよ」

 

「仕方ないだろ。そうしないとカメラに入りきらないぞ」

まぁ、嘘だけど。

ん?侍娘が睨んでいるな。まぁ、どうでもいいか。

 

「そんなこと言ってもセシリアにぶつかってるし悪いだろ」

 

「い、いえ。わたくしは気にしてませんわ。そういう理由じゃ仕方ないですし」

う~ん。パッキン女は喜んでいるし、いっくんは気にしてない。何だか面白くないな。今度はアプローチを代えるか。それと、転校生の貧乳に期待するか。

 

「それじゃあ撮るよー。35×51÷24は~?」

 

「え?えっと、2?」

 

「74.375」

 

「正解」

 

パシャッとデジカメのシャッターが切られる。

 

「何で全員入っているんだ?」

いっくんの言う通り、気付いたら一組のメンバーが全員俺達の周りに集結していた。これじゃあ、クラス写真だな。

いや、良く見たらのほほんさんに引っ張られてかんちゃんも一緒に写っている。

 

その後、『織斑一夏クラス代表就任パーティー』は10時まで続いたらしい。

俺とかんちゃんは飽きたので先に部屋に戻ってくつろいでいた。

そういや俺が帰る時、まだのほんさん食べてたな。何であれで太らないのだろうか?

 

 

 

 

「疲れた……」

部屋に戻ってベッドに座ると、かんちゃんが言った。

 

「……何もしてないだろ」

 

「人の多い場所はいるだけで疲れる」

まぁ、分からないこともないけど。

 

「それよりも専用機の件、まだ決まらないのか?そろそろ始めないとクラス対抗戦に間に合わないぞ」

前から俺とのほほんさんでかんちゃんのISの製作を手伝うと言ってるんだが、中々良い返事がもらえない。一人で作ることにこだわっているようだ。

まぁ、間に合っても意味ないんだけどな。オモチャの実験があるから。

 

「……そうね、分かった。クラス対抗戦まで限定で手伝ってくる?」

 

「お、やっと決めたか?じゃあ、明日の放課後からのほほんさんも誘ってやるか?」

生徒会はたっちゃんに事情を説明すれば休めるだろ。

よし、これでIS製作が出来るな。前から興味があったんだよな。

ウサギはレベルが高すぎて参加出来なかったから楽しみだ。

 

 




オリ展開やってみたいけど難しいですね。中々思い付きません。

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