ISに告白された少年   作:二重世界

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プロローグ 邂逅

「ああ、退屈だ!隕石でも降ってこないかな」

現在、暇なので部屋にあった漫画を適当に読んでいる。

今日は高校入試の前日だけど、勉強なんてしなくても簡単に受かるのでやる気がでない。

 

「こうなったら、真面目に勉強をしている連中の邪魔でもしてこようかな」

 

パリーン

 

いきなり、窓が割れてメイド姿の変な女が部屋に侵入してきた。そして、俺に抱き付いてきた。

 

「な、何だ!?お前は誰だ?」

 

「黒ちゃん。いきなりどうしたの?」

また、窓からウサギ耳をした変な女が入ってきた。

 

「お前ら、何者だ?いきなり、俺の部屋に入ってきて。しかも、ここは二階だぞ」

 

「私?私は束さんだよ。キミこそ誰かな?」

束?もしかして、IS製作者の篠ノ之束か。確か、現在は行方不明になっているらしいが、何でこんなところにいるんだ?

 

「俺の名前は飛原深夜だ。ところで俺に抱き付いてるメイドは誰だ?」

 

「ああ、その可愛い娘は束さんが作ったISだよ」

IS?ISが何故人間の姿をしているんだ?

 

「ところで、何でこいつはメイド服を着ているんだ?そして、何で俺に抱き付いているんだ?」

 

「うるさいなぁ。良く考えたら何で束さんがキミみたいな虫けらの質問に答えなくちゃいけないのかな?」

イラッ。

 

「黙れ、年増ウサギ。いい年して何でウサ耳なんかしてんだ?恥ずかしくないのか?いいから、さっさと俺様の質問に答えやがれ!」

 

「年増ウサギ?誰のことを言っているのかな、虫けら」

 

「お前のことだよ!!この年増ウサギが!」

 

「さすがの束さんもぐわっ!」

俺に抱き付いていたメイド姿の女の子が年増ウサギに殴りかかった。

 

「い、いきなり何するの、黒ちゃん」

 

「いいから、早く説明しなさい!」

 

「うぅ、黒ちゃんが怖いよ」

 

「ギロッ!」

こわっ!年増ウサギもビビっているし。て言うか、何で自分で作ったISに反抗されてんだ、こいつ。かっこ悪。

 

「……分かった。説明するよ。でも先に束さんの方が説明してほしいよ。いきなり研究所を飛び出したと思ったら、こんなところに来て」

 

「それを説明したらこの人に貴女も説明するのね!」

 

「約束するよ」

て言うか、何で俺抜きで話がどんどん進んでんだ?意味分かんねぇ。

 

「簡単に言うと、ここに運命を感じたのよ」

 

「運命?つまり、そこで情けなく座り込んでいる虫けらに何か感じるものがあるってこと?」

 

「何か、ではなく、これは間違いなく恋ね!さて、私が説明したから、次は貴女の番よ」

いきなり何言ってんだ、こいつ。告白?ISに恋愛感情なんてあるのか?

 

「じゃあ、黒ちゃんの説明するね。黒ちゃんはコアナンバー500の記念作だよ。ちなみに第4世代機。名前はまだ決まってないから、色で呼んでいる。ちなみにメイド服は束さんの趣味だよ。これでいいかな?」

 

「いや、良くねぇーよ。コアナンバー500、って何だよ!ISのコアって467個じゃねーのかよ!?後、第4世代機って何だよ!さらっと言っていい内容じゃないだろ!」

 

「世間に公表されている数が467個ってだけだよ。束さんは今もコアを作っているよ。後、束さんを他のポンコツ達と一緒にしないでね。既に第4世代機の研究中だよ」

マジか!これって軽く国家機密になるような内容じゃないか。

 

「よし、説明終了。というわけで、深夜。今日からよろしくね」

 

「何がというわけで、なのか分からないけど男の俺にISは使えないだろう?」

 

「それは大丈夫よ。私と深夜の愛情があれば、私を動かすことも出来るよ」

何か良く分からんが面白いことになったのは確かみたいだな。まぁ、隕石が降ってくるよりは楽しめそうだな。

 

「ふーん。少しキミに興味が出てきたよ。ISに恋愛感情があるなんて予想外だしね。こうなったら、研究所に連れていって人体実験するしか」

 

「おい、年増ウサギ。何、さらっと物騒なことを言ってやがるんですか?俺様はそんなのお断りだぜ」

 

「何か口調、変わってない?」

 

「あれ?そうやたっか?俺様の元のキャラはこんな感じやったっけ?」

 

「深夜はどんなキャラでも素敵だから大丈夫よ」

ああ、なんとなく自分のキャラを思い出してきた。油断すると、キャラとか口調がぶれるな。気をつけないと。

 

「いや、俺の口調とかどうでもいいんだよ!人体実験とかお断りだぞ。面白いことは歓迎だが、痛いのはいやだからな」

 

「そう言っても、しっくん。黒ちゃんも一緒に居たいみたいだし。ついてきてくれると、面白くなることは保証するよ。痛いかどうかは知らないけど」

しっくん?いきなり馴れ馴れしいな。

 

「そうだ、深夜。私の正式な名前、決めてくれない?」

 

「名前か?そう言われても、お前の装備とか知らないからな。装備を見てから決めていいか?」

すぐに思い付かないので適当に誤魔化す。

 

「うん。それでいいよ、深夜」

 

「じゃあ、早速行こうか。黒ちゃん、しっくんを連れてきてね」

そう言うと、年増ウサギは窓から出ていった。

そして、黒ちゃんとやらが俺をお姫様だっこして後に続いた。

 

「あ、そうだ。しっくん。年増ウサギはやめてくれないかな、さもないと、どうなるか分からないよ」

何か怖いな。にしても、年増ウサギじゃなかったら、なんて呼べばいいんだろう?まぁ、後で考えるか。

 




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