はがない性転換-僕は友達が少ないアナザーワールド-   作:トッシー00

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第15話です。


コンビニ店員のシスター

 七月の中盤、季節は夏に入り気温が日に日に上がっていく。

 照りつける太陽の下、暑さを感じながら通学をする各学校の生徒達。

 制服も半袖の物がほとんどとなり、うちわ片手に通学している生徒も見かける。

 今年の遠夜市は例年に比べて熱く、小鷹も学校に付くなりバテる毎日である。

 星奈の場合は毎日自家用車で登校しているため熱さの洗礼を受けていない。それどころかクーラーが効いている学校の中で「暑いわ、私の家に比べてなによこの暑さ。クーラー壊れてるんじゃないの?」と贅沢を言う始末である。

 夜空に至っては「暑い」という理由で学校をさぼることがある。小鷹は二人に呆れながら、自分なりにこの夏を対策していた。

 だがこの夏は悪いことだらけではない。七月といえばもうすぐ夏休みである。

 頑張れば長期の休みが待っている。友達の少ない小鷹的には他の人に比べて嬉しさは半減だが、それでも例年に比べれば心が躍る。

 今の彼女には夜空と星奈が傍におり、二人を通じて様々な人とも知り合いになった。

 きっと今の自分には楽しい夏休みが待っているだろう。そう期待を寄せる小鷹であった。

 

「暑い、コーラ缶でも飲もう……」

 

 夏の暑さが照りつける帰り道。

 普段の下校時刻ならば少しは涼しくなっているのだが、今日は午前授業なため暑い最中下校しなければならない。

 星奈は午後は買ったばかりのゲームをしたいらしく家に来ない。夜空は午前授業にも関わらず今日もさぼりなため家に引きこもっている。

 そろそろ電話で圧力をかけて学校に引きづり込まないとなと、小鷹は暑さによるイラつきからかそんなことを考えていた。

 

 ゴトン……。

 

 自販機にお金を入れ、150mlのお得コーラ缶のボタンを押す。

 そして出てきたところで、コーラ缶が売り切れになった。

 小鷹が押したので丁度、コーラ缶が自販機の中から無くなったのである。

 

「おぉ。これはラッキーと言うべきかな」

 

 ボタンを押してそれが売り切れになった瞬間、人は少しばかり嬉しさを感じるものである。

 最後のコーラ缶と、よくよく考えると普通のコーラ缶なのだが。小鷹はありがたくそれをいただこうとする。

 と、その時であった。

 

「さてと、早く帰って涼もう……」

「んあー。んあーーーーー」

「ん?」

 

 何やら後ろから唸り声が聞こえてきた。

 自販機の後ろは公園でベンチが置いてある。

 そして唸りを上げているTシャツ短パンの少女。

 その髪はすらっと伸びた綺麗に光る銀髪。銀なのに小鷹の金に比べると数倍にも光って見えた。

 年頃の少女なのにもかかわらずだらしなくベンチに体を預けている。そしてこの唸り声だ。暑さにやられたのだろうか。

 

「まぁいいや、ボクには関係ないよね」

「んあー。丁度今私はコーラ缶を買おうと思っていたんだー。だが買おうと思った瞬間売り切れてしまったー。同じ値段で量の少ないコーラ缶を買うのもいいのだがー。この暑い夏、量が多い方がいいー」

「……ボクには……関係ないよね」

「んあー。コーラ缶は私の大好物なんだ―。今飲まないと死ぬー。150ml飲まないと死ぬ―。もう駄目だ死ぬー。死んでやるー」

「…………」

 

 あきらかにそれは小鷹に向けられていた。

 嫌味ったらしく、恨みったらしく。素直ではなく遠回しに。先ほど小鷹が買ったコーラ缶が飲みたいと、少女はだらっとベンチに座っていた。

 このまま放っておいて去ればいいだけだろう。だが離れれば離れるだけ大声で死ぬだのコーラ缶飲みたいだの執拗に少女は言ってくる。

 挙句の果てには「あれだなー。金髪を染めそこなったやつはみんな冷たい奴ばかりなんだなー。冷たいから金髪を染めそこなうんだよー」と外見の事まで口出しし始めたではないか。

 小鷹はこめかみをヒクヒクさせながら、溜息を吐きながらその少女の元へ戻っていく。

 

「あのぉ。これよろしければ、ど・う・ぞ!!」

「お、これは私が今飲みたがっていた150mlコーラ缶ではないか!! いただいてもいいのかい!?」

「いいですよぉ。誰かさんがあまりにもしつこいんで!!」

 

 若干怒りにまかせながらやさぐれに言う小鷹。

 これで少しは大人しくなるだろう。小鷹はそういうと改めて自販機に向かい別の飲み物を選ぶ。

 選んだのはアンバサ缶。炭酸のホワイトウォーターである。

 

「ぷはぁ。やっぱりコーラは格別だ。せっかくだし君もこちらにおいでよ」

「……なんで?」

「こうやって出会ったのも何かの縁だ。何も言わず困っている人にコーラ缶を譲ってくれる優しいジョシコーセイに出会えたことを私は嬉しく思うのよん」

(明らかに譲るまで帰さねぇぞと嫌味言ってた誰かさんがめんどくさかっただけだけどね!!)

 

 小鷹はけして善意の元コーラ缶を譲ったわけではない。

 何かしらその少女に気にいられた小鷹は、暑くて帰りたいのを我慢しつつその少女に付き合うことに。

 改めて見るとこの銀髪の少女。性格や素行はどうであれ、中々の美少女であった。

 小鷹が出会う人は皆、顔が整っている美少女だらけである。小鷹はそういう人たちに出会うたびに自分の外見を気にしてしまう。

 そしてこの少女の顔を、小鷹は見覚えがあった。

 

「……どこかで見たことあるような」

「あは、君もよく駅前の"セブンス"をご利用してくれているお人かな?」

「セブンス……。あぁ、あのコンビニ店員」

 

 そう、少女の言うセブンスとは小鷹がよく行く駅前のコンビニである。

 そこの近くにあるバス停は聖クロニカと小鷹の家の中間地点となっており、星奈と下校中にどこかよる際には必ず降りる場所である。

 小腹が空いたときや漫画を立ち読みしたい時など、小鷹達はよくそこを利用している。

 そこのコンビニに働いている店員の一人が、隣にいるこの少女である。

 

「私は"高山ケイト"。君は聖クロニカの生徒だろ。私の通っている学校はあのバス停からちょっと行ったとこにある場所さ。ちなみにまだ入学したての高一」

「ボクは羽瀬川小鷹。よくお客を見てるんだね」

「特に君のような変わった髪型の女子なら目に付くよ。まぁそれはお互いさまのようだね」

 

 お互いに自己紹介を終え、ケイトはコーラ缶をグビグビと飲みほした。

 よほど暑さにやられていたようで、飲んだ瞬間に生気を一気に取り戻したようにも見えた。

 

「ぶはーっ! あれだね、ビールを一気に飲み干した時のミサトさんはこんな感じだったんだろうね」

「よくわかんないけどそうかもしれないね、それでケイトさんはどうしてこんなところに? 家は近いの?」

「んにゃ。今日は学校も午前授業でバイトもお休み。なのでお友達の家にマイカー(原付)で遊びに行くところなんだよ。家はここからバスを二つほど跨いだところ」

 

 ケイトはそう言うと、背中がかゆいのか背中をボリボリかきはじめた。

 一枚しか着ていない薄いTシャツもお構いなしに、お腹がチラっと見えていても関係なさそうであった。

 さらには立ちあがりお尻までかきはじめた。どうやら見た目が良くても性格はズボラのようだ。

 

「んでもさこうやって暑さにやられちゃってね、小休憩をとっていた"ぐわっ!"ところさ」

「今お前、人前でゲップしたろ?」

「気にすんなし。女子だからどうとか美少女なのにとか気にしてたら負けだよチミィ?」

「美少女なのは否定しないのね」

「私は一人のコンビニ店員でもありながら、内心じゃあ神に仕えるシスターのような寛大さを持ち合わせているのよん。マザーテレサなんざ目じゃないのよん」

「少なくともマザーテレサは人前でゲップしないわよ」

 

 ある時はコンビニ店員、ある時は女子高生、ある時はシスター。それが高山ケイトである。

 美少女だってゲップはするし。お腹が痛ければ排泄だってする。時たまゲロも吐く。

 かの有名なマザーテレサも、人なんだから排泄もしたはずだ。食べる量が少なくとも人はそんなものである。

 

「まぁ君も色々悩んでいることだろう。このしがないコンビニ店員でよければ悩みくらいは聞いてあげるよん。コーラ缶のお礼だ」

「いや悩みなんてないけど(本当は友達が少ない等あるのだが)。てか友達のところに遊びに行くんでしょ? こんなところで油売っててもいいの?」

「気にしない気にしない。そいつも適当な奴だし少し行くのが遅れたってかまへんのよ。それより悩みがないって嘘を言うのはおよしよ。そんなグレて髪の毛を染めるくらいなら人に相談を持ちかける度胸も必要だってことよ」

「……あぁなるほど。そっちこそ気にしなくていいよ。これは地毛だし」

 

 どうやらケイトからすれば小鷹の髪の毛は染めそこなった金髪と思われているようであった。

 序盤でも説明されたように、小鷹のこの濁った金髪は地毛である。

 例えるならば『ヤンキーがかっこつけて金髪にしようとしたら、染めるのに失敗しちまったぜ! てへへ』という色である。この説明は二度目。

 小鷹も女の子だし、妹のように綺麗な金髪で生まれてくればそれだけで色々解決していたかもしれない。

 それに加えるならば、目の色も小鳩のように綺麗なブルー(ちなみに片目の赤はカラコン)ではなく、小鷹のは光の灯っていないライトグレーである。

 完全に父親の遺伝を九割ほど受け継いでしまい、ひどい合体事故で生まれたのがこの小鷹であった。

 

「そうか、地毛かぁ……」

 

 しばしの沈黙ののち、ケイトは頭をボリボリかいて。

 

「まぁ色々あるよね人生。気になるがあえては聞くまい」

「……一応ありがとうと言っておくよケイトさん」

「さん付けはやめておくれよ、お互い"タメ"じゃん?」

「タメねぇ。ボクは"高二"だけど?」

「あ……でもまぁ一応歳は近い……"じゃないですか"?」

「今お前年上だって知って急に敬語使い始めただろ?」

 

 小鷹はケイトより一学年上。つまりは先輩にあたる。

 それを知らず同じ学年だと知って、少しばかり焦るケイト。

 

「まぁとりあえずあれよん。一学年違いで上下関係なんて高校生間じゃあくだらんくだらん!」

「開き直ったなこいつ。まぁボク的には別にかまわないけど」

「まぁ話はこれまでにして。せっかくだ羽瀬川先輩、私は君が気にいった。"友達"になっておくれよ」

 

 と、ケイトは迷うこともなくただ単に、気にいったという理由で小鷹に友達になろうと誘いをかけてきた。

 その勢いの良さに、小鷹は呆気にとられたように固まる。

 そしてその後に小鷹の顔から、嬉しさと悔しさが混ざったような小さな笑みがこぼれる。

 

「ん? どうしたん?」

「いや、羨ましいなと思って……」

「羨ましい? よくわからんがその様子だと反論はないということだね? したらせっかくだし羽瀬川先輩、一緒に我が友の家に行こうじゃないか!!」

 

 唐突にそんなことを言いだしたケイト。

 いくら友達になったからといって、人の友情間にいきなり入りこむのは小鷹からすれば勇気が足りない。

 最初は断ったが、ケイトは言えば聞かない性格で、無理くり小鷹を原付の後ろの方へと誘導し乗せる。

 いったいどこへ連れて行かれるのだろうか。悪い人だったらどうしようか、小鷹は終始そんなことを考えていた。

 

「あぁ大丈夫よん、そいつ見た目ほど悪い男じゃないからさ」

「男友達なんだ。まぁ隅っこで大人しくしてるよ」

「おいおい、羽瀬川先輩はずいぶんと臆病なんだねぇ。私のコンビニ仲間だったら相手が初対面でも十分でモン狩り話が栄えるぞ」

「へぇ、やっぱりすごいんだねモン狩り。ボクもちょっとやってるけど」

 

 例え相手が初対面でも、モン狩りをやっていれば仲良くなれるもの。

 改めてカプ○ンさんの偉大さを認識したところで、ケイトと小鷹はその友達の家にたどり着く。

 見たところ年忌の入ったアパートのようだ。場所は小鷹の家から公園を通り過ぎて少ししたところ。

 階段を上りアパートの二階へ、そして表札にはこう書いてあった。

 

「『三日月』……え?」

「変わった名字でしょ? "よーぞらくん"は私の大親友なのよん」

「ちょ、ちょっと待って!」

 

-----------------------

 

同時刻。

 

「あ~、このエロゲも飽きたな。また理科に別の貸してもらうか」

 

 噂のよーぞらくんは、我が家の部屋でエロゲをプレイしていた。

 学校をサボりエロゲと、完全にそこらの引きこもりかと思わせる不良のよーぞらくん。

 

 ピンポーン……。

 

「ん? またセールスかなんかか? 暑いんだから玄関に向かわせんなやバカが」

 

 どうやらケイトは夜空の家に遊びに行くことを告げていなかったらしい。

 そのまんまの通りで突撃訪問。ちなみにこれは今日だけでなく毎度のことらしい。

 そしてチャイムが二度、三度と。リズムに合わせて押される。

 

「あぁ、こんな悪ふざけすんのはケイトのやろうだな。あのバカ人んち来る前には連絡しろとあれほど言ったのに」

 

 一つため息をつけながら、夜空はドアをあける。

 

「言わんでもいいだろうが……どちらさまですか?」

「よーぞらくん遅いよん。今日はなんとサプライズゲストが来てるというのに~」

「ちょっ! やっぱり"皇帝の家"じゃんここ!!」

 

 ドアを開けると、そこにいたのはケイトと、まさかの小鷹であった。

 ケイトだけなら家に入れて解決だが、小鷹の顔が見えた瞬間条件反射でドアを閉じる夜空。

 

『おーい! どうしてドアを閉めるんだよ~!』

「……なんで、ケイトと一緒に小鷹がいんだよ……」

『よーぞらくん、別にケイトは気にしないよん。よーぞらくんのベッドの上に"エロ本"が散乱しててもケイトは間違いを起こそうとしたりしないよ~ん!!』

「あ、あのバカッ! 小鷹がいる目の前でそんな家事情暴露すんなや!!」

 

 別に夜空は、女子が来ようとエロ本を隠したりはしない。

 星奈が家に来ようが葵が家に来ようが、エロ本が散らかしてあればそのままで、しまえと言われればしまうだけである。

 だが、夜空のエロ事情には人一倍厳しい小鷹がいれば別の話。小鷹の目の前でその話題が広まればまたみぞおちめがけてメガトンパンチが飛んでくる。

 最も、それとは別の何かを夜空が小鷹に抱いていてのことならば、意味合いは変わってくるのだが。

 

「ちょっと待てケイト。あのな、そこにいる濁った金髪は俺顔見知りだ。だが俺ん家に来るのは初めてだ」

『あぁそうなん? よーぞらくんはまた女を増やしたんだねぇ』

「おい~、誤解を生む様な事言うんじゃねぇよ~」

『皇帝、やっぱり君は根元から腐っていたんだね……』

「小鷹待て! 違うからね別にそこの高山ケイトとはなんでもないからね!!」

『ひどいなよーぞらくん、前に君は私に頑張ってセッ○スフレンドに昇格しろと助言をくれたじゃないか』

『皇帝開けろ!! ボクが正義の名の元にお前を断罪してやらぁーーーーーーーー!!』

「言ってねぇし!! そんな助言なんかするか!!」

 

 このままでは小鷹がドアを蹴り破ってくるかもしれない。

 現在の夜空のお部屋状況はというと、理科に貸してもらったエロ本が三冊ベッドに散らばっており、先ほどやっていたエロゲも付けっぱである。

 特に絵エロ本のうち一冊はくろねくの同人誌であり、表紙がレイス。つまり小鳩にそっくりなキャラが全裸で写っているものである。

 夜空自身には小鳩に対するやましい気持ちはないが、小鷹がどう捉えるかは目に見えずともわかってしまうことである。

 誤解はゆっくり解くとして、とりあえず今日は部屋に散らばっている十八禁関係は隠しておきたい夜空。

 

「三分時間をくれ」

『暑くて待てないぞー。こっちには人質がいるのだよよーぞらくん。君がドアを開けないとケイトちゃんが羽瀬川先輩にヤラシイことをしてやる』

『ちょっ! そんなところ触らないでよ!!』

 

 当然その状況はドアを閉めている夜空には見えない。

 早く開けないと小鷹がケイトにわっちゃこっちゃやられてしまうかもしれない。

 やましい声だけが夜空に聞こえるこの状況。

 

『どうしたよーぞらくん? 私は同性の胸を揉むだけじゃ飽き足らんのだよ~?』

『こう……てい。わかったから、怒らないからとりあえずドアを開けて……』

 

 と、小鷹がひくついた声で助けを求めドアを開けることをせがむのだが。

 

『皇帝! ボクはケイトの前で"アレ(当然怪力のこと)"は見せたくない!! だからここを開けてよ!!』

『ぬはは、と言っているがよーぞらくん?』

「いいぞ! もっとやれ!!」

『皇帝ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!』

 

 等々小鷹に限界が訪れた。

 このままでは小鷹は本気でドアを蹴り破る。そうすると夜空は色々と怒られるので。

 半分引きつった顔でドアの鍵を開けた。するとすぐさまドアをガシャンと開けて小鷹が夜空に襲いかかる。

 普通の女子ならば夜空に襲いかかった程度では夜空はびくともしないのだが、小鷹はその夜空を思いっきり押し倒すのだ。

 

「皇帝、君には色々聞きたいことが山ほどある。だがその前に、一回ぶん殴らせろ!!」

「や、やめろ……。け、ケイトの言ったことはほとんどが適当だ! お、俺はそんな女遊びの激しいチャラ男じゃ……」

「うるせぇ!! 思い返せばてめぇの顔見知りって……全員"女"じゃないか!!」

 

 小鷹はここにきて、改めてそこに気づいたのである。

 星奈から始まり、理科、幸村(後から話を聞いた限りでは)、小鳩、ケイト、マリア、葵に日向さんという人物。

 全員がそれぞれ個性豊かな美少女であり、幼女から高校生までと多岐に渡る顔ぶれである。

 

「たまたまだ! お前が関わったやつらが"たまたま"女子ばかりだったってだけの話だ! その全員が俺の女だって? そんな……どこかの"ラノベのハーレム主人公"じゃあるまいし~!」

「自覚あんじゃねぇか!! そうだよ君は立派なハーレム主人公だよ!! かっこよくて強くて頭良くて人付き合い良くて友達多くて面倒見が良くて慕われてて……って何言わせんだバカーーーーーーッ!!」

「ぶほっ!!」

 

 結局小鷹は己の怒りをおさえることができず、ケイトの目の前で怪力を披露してしまった。

 おいてけぼりのケイトはというと、「羽瀬川先輩はすごいな、でもそういう過激でロックなところはきらいじゃないぜ」と特に小鷹を恐れることはなかった。

 小鷹が関わった人物は美少女というだけではなくどこかこっかずれている所がある。小鷹の怪力を見ても全く怖がらない人たちばかりである。

 それをありがたいと思うべきか、それでも怪力はおさえるべきか。小鷹は日々悩むのであった。




※今作のケイトは聖クロニカの先生ではなく、聖クロニカとは違う学校に通う学生になってます。

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