NARUTOの奈良家に転生トリップしたらブラコンになった。   作:柚子ゴル

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第三話

 

 

空は雲などなく綺麗な青色。

こうも青いと周りが丸く見えるほどだ。その青色の空を何度も行き来している鳥を見ながら大きい木の木陰で、僕はシカマルとお昼休憩をとっていた。

オマケにチョウジくんもいるけどまぁオマケだから別にいい。

いのちゃんとチョウジくんにはいつもお世話になっているからあまりキツくあたらないようにしている。お世話っていうのは…まぁ…うん。

もちろんシカマル関係だ。

チョウジくんにはシカマルがアカデミーにいる時のことを数時間ほどいつも聞いているし、イノちゃんにはシカマルのアカデミーの時の写真をもらっている。お金と引き替えに。

二人とも快く引き受けてくれるのは僕の賄賂が成功した証だろう。

イノちゃんには誕生日に賄賂という名のプレゼントを渡しこそっと耳打ちする。アカデミーでシカマルに近づく害虫は排除しておいてと。イノちゃんは笑顔で頷いてくれる。

チョウジくんには甘味処だ。美味しいお菓子を奢ってその時間に話を聞く。チョウジくんは話上手でいつもわかりやすい。

だから僕はチョウジくんとイノちゃんは邪険に扱わないのだ。

お互いに利益があるから理想の関係だと思われる。

 

シカマルのお弁当を食べている所を動画で撮りながら僕もご飯を食べる。シカマルの担当上忍は一体誰だったのか…どうしても思い出せない。もしも思い出せたのなら僕は全力で殺しに行ったのに。この世界に来てから原作の知識が薄れてきている。シカマルには関係のない事だからまぁいいか。

それより担当上忍。とりあえずわかってから殺せば僕はシカマルの担当上忍になれるだろうか。いや、そんな事すれば担当上忍なんか関係なく僕が火影のじじぃに殺される。だから殺さない程度に意識不明の状態にしてそんな事をしてしまった僕が貴方の後を継いでシカマルの担当上忍になりますと演技すればよいのかと一人納得した。

 

 

「マサキてめぇ上に飛んでる鳥が見えねーのか!!!!」

 

 

考え事をしていたらいつの日か任務を一緒していた不和火ゲンマがこちらに向かってきていた。

不知火ゲンマは木の葉隠れの特別上忍で、もともと四代目火影を守る護衛小隊の忍だった。つまり腕はなかなかたつ忍である。

口には常に千本を加えており、吹くとクナイをも弾き飛ばすほどの威力を出すなどにわかには信じがたい肺活量の持ち主でもある。

シカミはこいつが嫌いだった。

こいつは女癖が悪い。

一般的には顔が良いらしく女をとっかえひっかえしてきた。

そんな色魔なのだからシカマルを見た瞬間きっと害虫よりも悪質になりシカマルが嫌な想いをするに違いない。シカマルは美の女神に愛されて…いやもはや美の女神をも超えているのだからすぐさま好きになってしまうだろう。

僕はそいつが2m以内に近づいた瞬間、足元に苦無を投げ付けた。

 

「くたばれ、色魔」

 

「うわっ!!」

 

特別上忍のくせに軽々と避けたことに絶望しながら舌打ちをした。

シカマルとチョウジくんは驚いた顔をしていたけども。

 

「おい!危なすぎるだろーが!なんでいっつも俺に苦無投げ付けてくんだよ!」

 

「は?そんなこともわからないわけ?この色魔。お前がシカマルを狙ってる可能性があるからに決まってんだろ。それ以上近づくな。性病がうつる。」

 

「…!俺に!俺にそんな趣味はねーよ!この変態がっ!それにいつも言うが性病なんて持ってない!」

 

「うるさいな。今天使のシカマルとランチなんだよ。邪魔すんな。あと話さないで。性病が空気感染するから。とゆうかもう存在しないで。てかなんで此処にいるの?空気読め色魔。」

 

「相変わらずお前はひでーな!

俺は任務鳥が上で飛んでいるのにも関わらず火影様の所に来ないから連れて来いって言われてわざわざ行かないといけなくなったんだよ!お前のせいだ!お前の!」

 

「はぁ?!」

 

色魔の言葉に驚きの声をあげたのは愛しの可愛い可愛いシカマル。

驚いた顔も可愛いすぎる。鼻血ものだ。

 

はぁはぁと鼻息を荒くしているとシカマルが大声をあげて叫んだ。

 

「姉貴あの鳥、任務鳥なのか?!」

 

「そうだよ。シカマルは物知りだね!」

 

「しかも、姉貴の…?」

 

「うん。」

 

そう答えた瞬間シカマルは僕をグーで殴ってきた。素直に拳を受けたことに色魔は驚きの隠せない顔をしていた。感情を隠せないなんてなんて忍びのしの文字すら言ってほしくない。

シカマル関係の事に感情を隠せなくなるのはしょうがないけど。

もちろんまだ正式な下忍ですらないシカマルの拳なんて避けれるけどシカマルの手が僕に触れることのメリットを考えれば痛みなんか関係なかった。

 

「あれ大分前から飛んでたじゃねーか!さっさと火影邸行きやがれ!」

 

「僕らがご飯食べる前から飛んでたね。」

 

気付いてたことを素直にシカマルに言うともう一発殴られた。

 

「気づいてんならさっさと行けよ!」

 

「わかった。シカマルがそう言うなら行ってくる。」

 

 

僕はそういうと渋々立ち上がり火影邸へと目指す。

僕とシカマルの大切な時間を奪ったのだからそれ相応の用事じゃなければ火影邸燃やさそう。

そんなことを思いながら走っていると色魔が後ろを着いて来た。

 

「ちょっとなんですかストーカーですか?まじキモいんで着いて来ないでください。着いて来ても絶対シカマルの情報は渡しませんよ。」

 

「っお前は!!!ちょっと前までの会話忘れたのか!お前をわざわざ迎えに来たんだよ!!俺はまだ火影邸に仕事が残ってる。だから方向が同じなんだよ!」

 

「全く余計なことしかしないね。色魔は。もう本当くたばれば?」

 

「…お前には前々からお灸を据えないといけないなと思っていたんだ。今がその時なのか?」

 

「そうですね。僕も前々から色魔はシカマルに害をあだなす前に排除すべきだと思ってたんだよ。」

 

 

 

 

 

 

「お主達火影邸に着いても直言い続けるのか?いい加減にしないか。」

 

色魔を倒すにはどうすれば良いか考えていたので気づかなかったがどうやら僕は火影邸に着いていたらしい。僕は集中すると周りがよく見えないタイプと言われる。今は色魔に集中していたからしょーがない。

色魔は慌ててすぐに姿勢を正し申し訳ありません。と言ったが、僕はそれを嘲笑った。

火影のじじぃは咎める様な目をして来たが、そんなものはシカマルに関係ないので無視だ。

それよりも聞かねばならないことがある。

シカマルとの時間を邪魔された訳だ。

 

「なんで僕呼ばれたわけ?」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

やはり…というかシカミは一筋縄ではいかない。自分がどれだけ咎めようが聞く耳も持たないのだ。

火影はシカミと会う度吐く恒例のため息をしてから何故シカミを呼んだか話し始める。

 

「お主にはまだ班員の情報が乗っている紙を渡していなかったと思ってな。はい、その紙だ。しっかり目を通しておくように。」

 

「はぁ…それだけ?」

 

「そうじゃが?」

 

「ふざけんなよくそじじぃ!!僕とシカマルの時間を邪魔してきたのにも関わらずそんな用事か!シカマルとのランチはなかなか出来ないから貴重だったのに!あわよくばシカマルにあーんしてもらって間接キスだねって言って頬を赤らめてもらうはずだったのに!ってあ…、シカマルが頬を赤らめているの想像したら鼻血が…。」

 

火影は思わずかなり引いた顔をしてしまった。どんな子でも自分は受け入れると思っていたのに引いてしまった。自分の失態に少しばかり後悔しながらゲンマが隣でこの変態野郎が…と呟いているのに激しく首を縦に降りたくなった。

とりあえず任務の紙に鼻血がつかないようティッシュを渡し血を止めてもらう。

 

 

「あ、そういえばマサキがシカミだってことシカマルとチョウジくんにバラしました。」

 

「何じゃと?!何故じゃ!しかもバレたのではなくバラした?!」

 

「え?嫌だな。シカマルに嘘をつく事自体重度な犯罪ですよ?僕にそれをすれと?それにはたけカカシ以外に教えてはいけないとなかったので教えた。てかそれならそこの色魔も知ってるじゃないですか。」

 

「俺は補佐役だからある程度の任務内容は把握しないといけないんだよ!お前という問題児がついてる任務は特にな!」

 

その後もわめき散らす二人。

胃がキリキリと痛む処の話ではなくついには吐き気がしてくる今日この頃。

火影はいつかシカミにストレスで殺されてしまうのではないかと恐怖を抱いていた。


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