NARUTOの奈良家に転生トリップしたらブラコンになった。   作:柚子ゴル

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第二十五話

 

リーよりも濃いガイの登場に第七班は動揺を隠しきれずにいた。混乱する七班を余所にリーとガイは熱い青春を送っていた。つまり男同士何故か抱き合っていたのだ。それに思わずサスケとナルトはボーッとしながら話し始める。

 

「…おい、もっと濃ゆい珍獣が出てきたぞ。この近くに引っ越し動物園でも来てんのか?」

 

「サスケ。残念ながらその意見には俺も賛成だってばよ。はやく飼育員の人呼びに行けってば。檻から出てるって言いに行けよ。」

 

「はぁ?ナルトお前行けよ。というか基本的に関わりたくねーよあんなのと。」

 

「それも同意見だってばよ。じゃあじゃんけんで決めよう。じゃんけんで負けたほうが飼育員呼びに行こうってば。」

 

「そうだな。じゃあ行くぞ。じゃーんけん…」

 

サスケがぽんっと言うタイミングでサクラはナルトとサスケの頭を軽〜く…殴り、ワナワナと片手を震わせて叫んだ。

 

「ボケが長いわっ!いい加減にしなさい!二人とも失礼すぎるわよ!!」」

 

「いやだってサクラちゃん!こんなの俺にどうしろっていうんだってば!俺たちにはまだこの濃ゆいのを対処できるほどの力はないってばよ!」

 

「サクラお前これから試験受けるっつーのに怪我させるってお前…。」

 

ナルトはいてて…と殴られた頭を両手で押さえながら涙目でサクラに訴える。サスケもサスケで膝を抱えなんとか殴られた痛みを堪え、サクラに苦情を言う。

サクラはそれは悪かったわねと大して反省していない口調で話し、未だ抱き合うガイに話しかける。

 

「ガイ先生、お久しぶりです。

その節はお世話になりました。」

 

サクラは行儀よく頭を下げる。それに気づいたガイはおおっと呟きサクラに話しかけた。

 

「サクラじゃないかっ!元気にしてたか?いやー見ない間に力が強くなったなー!中忍試験楽しみにしてるぞ!まぁ悪いが君達の班はリー達に敵わないと思うがなっ!」

 

がははっと大袈裟に笑うガイ。

ナルトとサスケはえ、知り合いなのか?と疑問の目を向ける。

サクラは素直にその目に答えた。

 

「ガイ先生には一時期修業を見てもらってたのよ。ああ見えても体術は木の葉一よ。」

 

その事実にナルトとサスケは驚きそして抗議した。

 

「ずっりーってばよサクラちゃん。そんな人に修業つけてもらってたの?!」

 

「サクラ。お前は全く至れり尽くせりだな。マサキといい、こいつといい。何故俺を誘わなかった。」

 

恨めしそうにサクラを見るサスケ。サクラは手を引かれた事もあってか、少し胸が波打つ。それをなんとか鎮めながらもナルトやサスケに言葉を返す。

 

「いや、教えてもらうったってね、あんた。どエスとゲキ眉よ?耐えられる?」

 

その問いに二人は声を合わせ、遠い目をしながらこう言った。

 

「「…無理だな。」」

 

その発言に今まで黙っていたリーが切れた。

 

「ちょっと君達失礼ですよ!さっきからー!サクラさんまで!ガイ先生は凄いんだぞー!」

 

指をさして慌てたように自分をかばってくれるリーにガイは感動をした。そしてお決まりのように今回二度目で抱き合った。

 

「リー…。お前がそう思ってくれてるだけで俺は満足だっ!!」

 

「先生っ!」

 

「リー!」

 

「先生ー!」

「リー!」

 

「構ってらんないわ。」

「行こうってばよ…。」

「受験者室こっちだよな?」

 

そんな熱い青春に嫌気がさした七班は2人を置いて受験者室へと向かった。

 

 

 

 

「シカマル、もう部屋の中かな?」

 

ぼそりと思っていることを口にしながらシカマルがいるであろう受験者室へとシカミは急ぐ。シカマルとは朝会ったけれどいつもどこでもシカマルと一緒にいたい僕はサクラ達に構っている暇はない。ので、先に行くことにした。そもそも同じ班でもないのにわざわざ一緒に来なくたっていいはずだ。走り出すとすぐに受験者室のドアを見つけた。しかし、セットでカカシがドアの所にもたれかかっていた。めんどくさい奴がいたとげんなりしながらカカシを睨む。カカシは嬉しそうによっと片手をあげて話しかけてきたが、僕はその横をすり抜けドアに手をかけた。しかしそれはカカシの手によって邪魔される。

 

「ちょーっと待った!話しかけてるのにスルーは酷いんじゃない?それに今は俺が上司だよ?」

 

(この18禁がっ!上司だからって調子乗ってんじゃねーよ!)

 

そういいたいのを我慢し、僕は内心舌打ちをした後笑顔でカカシの顔を見ながら言った。

 

「あ、いたんですかカカシさん。気配消すの上手いですね。気付きませんでしたよ。」

 

「いやいや。そんなわけないでしょーよ!ガッツリ目合ったと思うんだけど?視界に入ってるのに気配も何もないでしょ!」

 

大声で話すカカシにうるさいなーとボソッと呟いてからやれやれといった様子でシカミはカカシを見やる。

 

「一体何のようですか?」

 

顔でくだらない用件だったらぶっ飛ばすぞという意味もつけて嫌みたらしく敬語で話す。そもそも最近は敬語で話すように努力はしている。なるべく子供っぽいとシカマルに思われたくないという理由で。ほら年上に対してタメ口ってなんか生意気なガキがやりそうなことじゃん?僕はシカマルに大人な余裕を見せて感心してもらいたいのです。

 

カカシは眉を潜めながらああと思い出したように言った。

 

「何かとナルト達もよろしく頼むよー。シカマルだけじゃなくて!ほら、うちの班って色々大変でしょ?」

 

ね?というように同意を求めてくるカカシにそんな事かと納得しさらっと答える。

 

「まぁそうですね。考えておきますよ。じゃっ。」

 

カカシの用件は案外くだらないことだったので素早くドアに手をかけ中へと入る。ドアを閉める時必然的にカカシの顔を見た。いつものふざけた口調からふざけた顔を想像していた。顔をだらしなく崩しニコニコと穏やかそうに余裕のある顔。それがカカシのいつもの顔だ。しかし僕が見た顔はそうではなかった。いや正確に言えば目だけが違った。顔はいつものようにだらしなくニコリと歪んでいたが目だけがその異様さを引き出していた。その目には暗い何かが見え隠れしている。人間、顔の筋肉などはいくら騙せても目だけは騙せない。それに思わずドアを閉めようとしていた手が止まる。

カカシはもしかしたら不安なのかもしれない。教え子達が無事戻るか。中忍試験は死がつきものだ。勿論僕らの時代より優しくなったけれどそれでも毎年死者は絶えない。カカシは昔一度に大勢の人を失った。そしてまた失うのが怖いのだろう。忍びとしては駄目だけれど、なんとなくその気持ちはわかる。僕だってシカマルがいなくなったら何をするかわからないし、実際シカマルが心配だからわざわざ此処に乗り込んでいる。僕は黙ってカカシを見つめる。それを不思議に思ったのかカカシは僕の名前を呼んだ。それに答えるようにシッカリとカカシの目を見て話した。

 

「ナルト達は大丈夫だよ。なんてったってカカシの生徒なんだから。僕が見ていなくたって自分で解決するさ。だからカカシ。お前は信じて胸を張って待ってればいんだよ。」

 

じっとカカシを見つめる。カカシは驚いたように目を見開き此方を見ている。それになんだか急に恥ずかしくなって照れ隠しの様に、じゃっと言ってすぐにドアを音を立てて閉めた。閉める途中カカシは何かを言いかけたがそれは無視した。僕はまだドアノブに手をかけ顔の火照りを冷ましながら、頭を壁にぶつけながら考え事をしていた。

 

(ああ!もう…僕はなんてらしくないことを…。カカシに構うなんてそんな時間の無駄な事をして…いやそれよりもなんだよあの言葉。てかこんなカカシのこと考えてる時点でかなりムカつく。あ、ていうか敬語また抜けてた…)

 

何故かカカシのあの時の目が心に残っていた。何故こんなに気になるのかわからない。昔ならそんな事どうでもよかった。カカシがどんな表情をしようが、どんなに悲しそうだろうがどんな辛そうな目にあってようがどうでもよかった。だってそうでしょ?僕はこの世界で唯一関心があるのはシカマルで、唯一シカマルだけを愛している。そう、昔の僕ならカカシの顔を表情なんて気にしなかったのに…。

そう思うとぞっとした。

僕はシカマルのためだけに生きてシカマルのために死ぬんだ。昔の僕と今の僕。何処かが変わってきている。その些細ではあるが僕にとっては大きな変化が一気に僕を不安に駆り立てた。そんな不安の中でさえ、頭の片隅にカカシの表情が見え隠れする。これは一体何なんだ…。

もやもやとする心の中で必死に何故だどこが変わったと疑問が溢れ出る。しかし、後ろからとある人物の声が聞こえその溢れ出る疑問はふっと消えた。

 

「マサキか…?」

 

「シカマル…?」

 

僕の後ろにはシカマルがいて僕を心配そうに見ている。その表情が可愛くて可愛くて…シカマルが僕を気にしてくれるだなんて嬉しくてカカシの顔なんか頭の隅からさえも吹っ飛んだ。息をすっと吸い込み間髪入れず話し始める。

 

「嗚呼、さっきぶりだねシカマル。離れた期間はたった数十分という時間にしてみると案外短い間だったけれど、僕にとっては尋常じゃない長さだったよ!僕の可愛い可愛いシカマル。本当に可愛いなぁシカマルは。僕はシカマルの事が一番好きで一番大切だよ。シカマル以外に大切な人なんていないけどね?」

 

いつものようにシカマルへの愛を囁く。いつもの言葉を口にして確かめるようにシカマルが一番だと話す。相変わらずシカマルは僕を鬱陶しそうに見て全く本当変わらないなマサキは…。なんて嬉しそうに笑うから、僕も嬉しくなった。僕はまたシカマルに愛の言葉を囁く。そしてその都度自分に言い聞かせ安心する。しかしそこでまた疑問が出る。

 

どうして僕はシカマルの愛の囁きを言うことで安心しているの?

 

マサキ?とシカマルに話しかけられはっとした。シカマルの前でぼーっとするなんて僕は何て事をしてしまったんだ!シカマルに謝り倒しとりあえずその心配している顔が可愛かったので写真に収めた。

 

そのあとサクラ達がわらわらと入ってきて何故かシカマルの同期と一緒にいた。ナルトがシカマルに暴言を吐いた時でさえしっかりと手ではナルトをシメながら頭では違うことを考えていた。

 

 




話がなかなか進まない…
はやく中忍試験やりたいのにっ!
次回なるべくはやめに更新します。

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