NARUTOの奈良家に転生トリップしたらブラコンになった。   作:柚子ゴル

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第二話

火影に任務を言い渡された次の日、シカミは変化した姿でアカデミーの前にいた。

ふと思い出すのは火影からかっぱらってきた任務内容が書かれた紙。紙には変化する予定の下忍についての情報が書かれていた。

 

名前 カワモトまさき

容姿 黒髪、黒目、男、(後は自分の好きなように変化してよし)

年齢 12歳

備考 特別編入試験を受けアカデミーに通わず下忍になった。

孤児。尚はたけカカシに何か聞かれても任務内容、自分の姿は教えるな。しかし時と場合により教えても可。

孤児になる前のことを聞かれたら記憶喪失と言え。

 

他にも長々となんともまぁよく書いていたものだ。

容姿は書かれた通り、黒髪黒目。前世の自分を思い浮かべた。髪は整っていて顔は普通。平凡な容姿をしていた。変化の術だとちょっとしたことですぐばれてしまうので特殊な変化の術をした。これで中々のことがない限りバレはしない。

 

「そんなことよりも……」

 

 

じっとこれから僕が入る建物を見つめる。そう此処はアカデミー。僕は昔アカデミーにシカマルを見にきてはシカマルを怒っている先生方に苦無を投げつけていたがシカマルが本気で「姉ちゃん辞めろめんどくせー、てかアカデミーくんじゃねーよ!」と言われたので即辞めた。もうそれは泣きながら。普段ならごめんねシカマルそれでも僕は…って言うけれどシカマルが本気で迷惑がってたので辞めた。

シカマルは素直じゃない所がある。まぁそんな所も可愛いというかツンデレというハイスペックな物を持っているシカマルは流石と言うしかないわけだけど。シカマルは普段僕を姉貴と呼ぶ。だけどたまに姉ちゃんと呼ぶ時がある。この時は凄く素直なシカマルになるわけ。姉ちゃんと言われた時の言葉は本音。だから姉ちゃんと言ったあたりアカデミーの件はガチめに嫌がっているのがわかった。シカマルが嫌ならば僕はアカデミー時代のシカマルの写真を撮ることは辞めるしかなかった。

だが…、僕は今下忍。しかも任務で仕方なくアカデミーに入れる。

建前の下忍合格の説明会みたいのがあり勿論シカマルもこの中に確実にいる。

カメラも持って来たし絶対にシカマルの隣に座る。

そう志しすぐさま走りながら説明会のあるアカデミーの大きな広場に向かった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「めんどくせー……。」

 

そう呟いたのはシカミが愛してやまないシカマル。

髪を上に高くくくり机に膝を乗せぼーっと昨日の出来事を思い出し彼の口癖ともとれる言葉を呟いた。

 

「何が?」

 

そんなシカマルを横目にポテトチップスをバリバリ食べているぽっちゃり系男子。

秋道チョウジ。シカマルとは幼少の時から仲が良くシカミともよく話す方だ。性格は穏やかだが自分の大切な人を愚弄する言葉やデブと言われるといつもとは違う一面を見せる。

 

「それがよー、なんか姉貴が昨日おかしかったんだよな。」

 

「シカミさんがおかしいのなんて今に始まったことじゃないよ。」

 

すかさず興味がなさそうに突っ込みを入れるチョウジ。それにシカマルは呆れた。自分の姉に随分な物言いと態度だが否定出来ないので苦笑いを浮かべる。弟の写真のアルバムを棚一杯にファイルに保管しているし、フィギュア、抱き枕、床には綺麗にシカマルの成長ビデオ日記やシカマルの声が入っているCD等が並べられており壁全体にはシカマルのポスターが貼られている。

全てシカミが一から勉強し作り上げたものだがかなりの熟練者並みに上手でありとてもド素人が作ったとは思えない代物だ。普通そんな芸当は出来ないはずだが、シカマルとなると本気を出す。そんなシカミだから出来たことである。

シカマルはその部屋に入ったとたん引いたと同時にこの部屋を燃やしてしまいたいと即座に思ったが姉が頑張って作り上げたものなので壊しづらいとも思っていた。

複雑な感情の中、もう二度と見ない近寄らないということで解決させた。が、めんどくせーけどいつか絶対燃やしてやるのが目標とシカマルは後に語った。

 

 

 

「いや確かにそうだが。いつも以上にだよ。シカマル明日楽しみだねとか言ってくるんだぜ?下忍の試験受かった時なんか担当上忍になったやつ殺す。僕のシカマルに修行というなのセクハラをするに決まっている。とか殺気でてたのによぉ。コロっと変わったんだよ。姉貴の意見がコロっと変わることはよくあることだけど。

なんか企んでそうで怖ぇ。」

 

「あんまり良さそうなことでもないかもね…。」

 

話は元に戻りチョウジの質問に答えるシカマル。それにチョウジも頷く。シカミが機嫌がいい時は大抵ろくでもないことだ。

思わずいつも言う口癖をもう一度ボソッと呟いてしまう。

 

「っんとに、めんどくせー。」

 

「何がめんどくさいの?」

 

「はぁ?今言った………」

 

今自分と言葉をかわしたのはチョウジではない。チョウジは右にいるわけで左から話しかけてくるのは明らかに違う人。思わず答えてしまいそうになったが…誰なんだ。

シカマルはバッと素早く左を見る。そこには見慣れない、見たことがない黒髪黒目の同年代の男がいた。

アカデミーでみた記憶もない。

しかし何か特別目立った容姿でもないわけだから自分が気づかなかっただけだろうか。しかしおかしくないか?一回も見たこと聞いたことがないのは。それに自分は仮にも忍びの卵だ。なのに話しかけてくるまで気づけなかった。

まぁそれは自分の力量不足だとしよう。

顔をしかめているシカマルを余所にチョウジが素直に思っていることを言った。

 

「ねぇ、君だれ?見たことがないんだけど。」

 

「僕?僕はかわもとマサキ!マサキって言ってね!見たことがないのはアカデミーにいかずに一機に飛び級したんだ!卒業試験までね!」

 

「そうなんだー。そんなことできるんだね。」

 

「まぁ僕だからできる事だけどね!」

 

話を聞いていたシカマルは先程よりも顔をしかめた。そんな事あるはずがない。聞いた事がないしもしもそんな事が一機にできるのであれば下忍が溢れていてもおかしくはない。確かに飛び級制度はあるがアカデミーに一回も来ていない者がここにいられるのか。でも実際いるわけだ。それ程こいつが優秀なのだろう。

親父にでも今日聞いてみるか。

 

「ね!君の名前は?」

 

「僕はチョウジ!それで君の隣がシカマルだよ。」

 

よろしくなんて当たり障りのない事をそいつに言うと、そいつは一機に話し始めた。

 

「シカマル、シカマル、シカマル!よろしくね!シカマル!シカマルってば超かっこいいね!もうパーツの一つ一つが繊細!美の女神に愛されてるシカマルは美人で可愛いくて何処をとっても素晴らしい!あ!その額当ての付け方も超イケてるぅ!ね、ね、シカマル写真撮ってもいいかな?その美しくて可愛らしい姿形を撮ってもいい?もちろんかっこよくもあるし逞しくもあるんだけど今はどちらかと言えば可愛いに偏ってるよね!それにほら、一秒一秒シカマルは成長するわけでしょ?だから一秒も無駄に出来ないわけ!あー!もうダメだ!とるね!」

 

一瞬こいつが何を言っているのか理解出来なかった。

今は耳障りなフラッシュ音をたてて俺を撮り続けている。

あっはーシカマルその驚いた表情いいよ!素晴らしいね!とか言いながら、鼻息を荒くしながら撮り続けている。

チョウジはあまりのことに驚いているが、俺はこの光景は見慣れていた。極近くにこういうことをするやつがいる。そう、本当に身近で今朝凄く機嫌がよかったやつ。

 

 

 

「………何してんだよ。姉貴…。」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ぎくっと身体か動いたのがわかった。流石頭の良いシカマル。

僕だというのはお見通しらしい。チョウジ君はシカマルの次に僕を見て何か納得したようだった。

未だじっと見つめてくるシカマル。嗚呼シカマルに見つめられるなんて!なんて幸福…!

けれど僕が此処で嘘をつかければシカマルと任務が出来ない。

此処は仕方が無い。しょうがないから…。本当に嫌だけど!僕はシカマルと任務をしたいから嘘をつくよ!

 

「ち、違うよ?だ、だだだ誰?その人!」

 

「姉貴、俺に嘘つくんだな。もう口きかねー。」

 

「うん、実は長期任務でね。変化して下忍に紛れて遂行するんだ。あ、ちなみにここでは一応マサキって呼んでね。」

 

「…あ、あっさり答えたよ。シカマル。流石だね…。」

 

「そんな引いた目で見て流石とか言うんじゃねーよ。チョウジ。」

 

僕はそれはもうすかさず即答した。勿論シカマルやチョウジ君にだけ聞こえる声で。シカマルは呆れ顔をしたが任務だと聞いて納得したようだった。チョウジ君は可哀想な物を見る目で見られた。

 

「っか、聞いといてなんだけどいいのか?それ。あっさり白状して。」

 

僕は首を傾げた。

よく考えれば任務の紙にははたけカカシ以外の人に知られてはいけないとは書いてなかった。

だから別に言ってもいいはずだ。

そもそもシカマルに隠し事するのが間違えであったのだから任務内容を言った罪悪感とかはない。

思っている事を述べるとやっぱり苦笑いの二人。

 

そこに海野イルカというやつが説明をするために入ってきた。海野イルカが話し始めると今までの騒がしさが嘘のように静かになった。

あいつには昔少しだけお世話になった。千切っては投げ千切っては投げ…と何度も投げ飛ばした教師である。あの頃はシカマルに会えないストレスでイライラしていてせんぎってはなげたおかげで飛び級した。シカマルに褒められたからいいことをしたと思う。海野は怒っていたけど。

 

話が長いので海野イルカをスルーしてシカマルを見続けた。シカマルがうっとおしそうにしていたがそんなシカマルも可愛い。

 

 

スリーマンセルの班を作り担当上忍がつく。そしてその指導の下任務をこなし成長していく。

懐かしいその内容にふと思い出すのは同期。どれもこれもシカマルに害をあだなす害虫の様なやつらだからくたばってないかな。

 

考えごとをしているとあっという間に班が発表されていく。

 

 

「第七班!春野サクラ、うずまきナルト、うちはサスケ、かわもとマサキ、この班は人数の関係上4人班になる。」

 

「イルカ先生!なぁんで優秀な俺がサスケと一緒の班なんだってば!しかも誰だよ!かわもとマサキってやつ!聞いたことないってばよ!」

 

「サスケは一番の成績で卒業。お前はドベ!班の均等を考えるとこれが妥当なんだよ!マサキってやつは特別な試験を受かっている。卒業試験の分身の術も出来ていたしな。後で班で集まるからその時話を聞け。」

 

 

そのあと何やらギャーギャー騒いでいた海野とガキども。

 

僕とこれからやっていくメンツは 4つ下の真ん中の列の席に座っている女子を挟んでの二人男子。あの列の連中だろう。かなり先程からうるさいやつらだ。

 

金髪ツンツンで綺麗な青色の目。オレンジが主体の服をきており身長は低いが元気一杯で声が大きい。原作の主人公うずまきナルト。

 

僕と同じ黒髪黒目で僕と違うのはその美しさ。かっこよさだ。うちは一族の生き残りで確かイタチに復讐したいと言ってた気がする。

クールな印象を持たれがちだが僕にとっては根暗にしか思えない。

くノ一にモテモテなうちはサスケ。

まぁシカマルの方がかっこいいけど。

 

恋する乙女ビューティガール。

春野サクラ。

サスケに恋をしている少女。

名前の通りピンクの髪でおでこをさらけだしている。しかし彼女はそれをコンプレックスに思っていたはず。

ちなみにうずまきナルトの想い人。

 

こんなにも濃い班員達の中でちゃんとやっていけるかと嘆いているとシカマルにマサキも十分濃いから大丈夫だと言われた。

シカマルが言うのだからきっと大丈夫なのだろう。

 

 

 


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