NARUTOの奈良家に転生トリップしたらブラコンになった。 作:柚子ゴル
シカミが産まれた時の感動は何にも変えることは出来ないし例えようが無いほど感極まって涙がこぼれそうになった。
可愛くて可愛くてしょうがなくて手が小さく握って欲しいななんて思いながらも自分がシカミの手を握る。はやく大きくなっていろんな事を教えたい。影真似の術などいろんな奈良家の術を教えたい!そう思っていた。
年をとり大きくなるにつれシカミは妻、ヨシノに似てとても可愛らしい外見で尚更シカクはシカミにメロメロになった。ひたすら構い続けるのだが最近気になっていることがある。
あまり感情表現がない。
笑っている顔をあまり見たことが無いのだ。面白い事を教えたいが本やテレビ、遊び事などを教えても特に興味をしめさなかった。
しかし忍術には反応した。
凄い!と笑顔になりこんな事が出来るんだと尊敬の眼差しで見られたのには嬉しくてしょうがなかった。
だからシカミにはその日から修行をつけた。本人は少しだけ嫌がっていたがきっと好きになる。きっと何かが起こると信じていた。
そして数年後長男シカマルが産まれた。
シカマルを見ながらまたあの感動を味わい可愛いなと思っていたらシカミが走り込んできた。
シカマルを見たと思ったら泣き出しなんともわからない言葉を呟きながら感動?しているようだった。
それからシカミは喜怒哀楽がはっきりし出した。シカマル関係で怒り笑い泣き哀しんだ。
少し可笑しいなとは思ったが弟が出来て気が舞い上がってるのだと自己解決した。
きっと将来ちょっと母さん!父さんと一緒に私の物洗濯しないでよ!と言ってくる日が来るだろう。その反抗期すら待ち遠しかった。
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「ちょっと母さん!シカマルの洗濯物父さんと一緒に洗濯しないでよ!加齢臭が移るじゃん!シカマルの服に!いやね?別にシカマルの物は洗濯機にかけなくても僕が手で洗ってもいいわけですよ!いやむしろ洗いたい!!なのにシカマルがそれはキモいって言うから洗濯機にやらせてあげるわけ!なのに父さんの汚い臭い加齢臭と汚物の臭いを混ぜちゃうと流石にシカマルの綺麗で美してまるで美の女神から溢れでんばかりの色気や素晴らしい匂いも霞んでしまうんだよ。父さんのキモい臭いは。ほら、綺麗な物より汚い物の方が残りやすいって言うじゃ…あ、父さんいたんだ。おはよう。
それでさ、母さん。って話聞いてるの?」
もはや恒例となったこのシカミのシカマルトーク。
確かに反抗期的なのを望んでいたかもしれないがこうじゃない。こんなことを望んでいたのでは無い。昔は奈良家始まって以来の天才と言われ俺も鼻が高かったのに今や奈良家始まって以来の変態と名が下がってしまった。
どうしてこうなってしまったのだろうか。
虚ろな目をしてシカミを見つめる。まだ洗濯機の事で母さんに愚痴愚痴と言っているが流石母さん。すべてスルーしている。
最近俺もそれがシカミだと妙に納得しつつある。きっとシカミは産まれた時からこんなやつで産まれた時から弟命なのだから。
そもそもやっぱり可笑しいなと思い始めたのはシカミがカメラを欲しがり買い与えた事からだ。
ありがとう!となかなか自分に向ける事のない笑顔を向け直様シカミは何処かに走り去った。
少し気になったのでこっそり後を追うと畳の上でシカマルが寝ていた。それをシカミが先程貰ったばかりのカメラでドン引きするぐらいの勢いでとる。
顔を紅潮させ息を切らせ片手で鼻を抑えながらシカマルシカマルと呟くあの幼女は正に変態という名にピッタリだった。
それを見て暫くの間動けなかった。
いや、違う。あれはたまたま新しいカメラが手に入りただ試しているだけだ。きっとそうだと納得させた。頭ではそう思ったが心がついていってなかった。
そして結局シカミは一日でフィルムを全て使いきった。
日々言葉のレパートリーを変えてシカマルを褒め称えているシカミにこれは流石にやばいと危機感を感じたのでカカシを紹介してみた。カカシは顔はかっこ良くクールで頭もいいし何より強い。
きっとシカミはなかなか異性と話さないからあんな病的な感じになってしまったのだと思いカカシのような男に会わせシカマル好きを少しでも軽減させようとした。
だが、逆にカカシがシカミに惚れシカミはカカシをウザがるようになった。シカミは頭が良く余り子供っぽくはない。そして芯はまっすぐした子なのでそこに惹かれたと語るカカシを見ながらこいつはシカミの本当の姿を知らないからなと思った。
けれど本当の姿を見てもカカシはシカミが未だに好きなようでよくデートに誘っている。勿論シカミは断っているが。シカミはそんなカカシをキモい、ストーカー、歩く18禁、クール?それ根暗って意味ですよとなんともまぁ酷い事を言いまくる。カカシは世間一般的にモテるのにも関わらずだ。普通の女ならキャーキャー喚くはずなのに。
しかし、シカミはああ見えてモテる。またそこが残念な所でもある。
もはやいろいろ諦め悟りの領地にまで達しているがシカミはなんとも扱いにくそうで扱いやすいので助かる。
シカクはもしかしたらシカミは一生独身なのだろうかと思いながら最近過ごしている。