NARUTOの奈良家に転生トリップしたらブラコンになった。   作:柚子ゴル

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第十四話

 

 

 

僕は森を走りながら影分身を三体出して薬草を探させた。

本体の僕はというとスピードを遅めず逆にさらにはやくはやく…と素早くある場所に向かい動いていた。

 

 

 

僕はカカシに言っていないことがある。勿論あの下忍等にも言っていないしタズナさんにも言っていない。

 

僕はそもそも影分身を四体初めから作っていた。そのうちの二体を空也に隠してもらい再不斬の刀を避けたフリをして草むらに入りタズナさんの意識を奪った。

そして此処からが空也の本領発揮の場である。

空也は自称妖精だが僕は彼を一度も妖精とは思ったことがない。逆に彼を連想させるワードは死神とか悪魔だとか…そのようなものだ。

空也は魂を自在に操ることが出来る。否、魂を主な自分達の主食としているのだ。身体つまり人間の肉はあくまで前菜であり魂を好物とする自称妖精、それが空也。

彼は元々この世界のものではなく違う世界から食べ物を求めいろいろな世界へと飛び立っているらしい。自由奔放な種族であり本来誰かに仕えたりなどはしないが自分達が見えるある特定の人物には従うらしい。そしてその特定の人物がこの奈良シカミだ。何故僕だと問えば直感と答えた。しかし従える、友人となるには僕が彼の食事を用意しなければならない。人の肉だとかそういうものだ。これが正直大変なのだがまぁ仕方の無いことだと割り切っている。

話を戻すと僕は途中で会った霧の中忍を一人使い空也に魂だけを食べてもらった後タズナの魂をその中忍の中に入れ僕は特殊な幻術をかけ見た目をタズナのようにした。これで偽タズナの完成だ。

そして本体のタズナをタズナの家へと空也と僕の影分身に送らせた後、偽タズナに申し訳程度に爆発する仕組みを加え偽タズナを抱え表舞台へと出た。身体は傷がついたとしても魂には傷がつかない。

 

さて、もう一体の影分身はどこへ行ったかというと白の後ろへと回っていた。僕は再不斬を傷付ける気満々だったので邪魔をされては困るし空也が戻って来るうちにもし突撃でもされたらナルト達やカカシも危ない。ならば、僕がわざわざ此処で足止めをしよう。と思い白の後ろへと近づく。

白は再不斬に夢中なのか僕がただ単に気配を消すのが上手いのか、勿論後者だろうがそれでも油断なくそれでも悠々と白の後ろへと回り込み苦無を首元へと当てる。

動くなとテンプレ通り言えばひゅっと喉がなり動かなくなる。きっと白は今混乱しているだろう。

暫くそのままだったが再不斬が爆発に巻き込まれた時白は思いっきり苦無なんて関係なしに今にも飛び出して行きそうになったので僕はなけなしのチャクラで影真似の術をし身体を固定させる。

それに驚愕しながらも目的はなんだとか行かせてくれだとか原作からは考えられない暴言を吐かれたが僕はそれらを無視し空也を待ち続けた。それでも煩いので綺麗な白の首元に苦無で静かに赤い線を作れば静まる…どころか更に煩くなった。僕は再不斬を殺す気はなかったのでその本意を告げると少しだけ静かになった。

僕が無駄にダラダラと下忍に説教をしているとようやく空也がきて偽タズナの周りを浮遊している魂を掴み急いでタズナの家に向かっているのが見えた。そして再不斬側にいる本体の僕が追忍こと白を呼びつけた同時に僕の影真似の術をやめチャクラ切れか苦無だけがカランと音を立て落ちボフンと影分身を消した。

その瞬間を今か今かと待ちわびていた白は急いで再不斬の元へ辿り着いた。

その後は知っての通りお通屋モードでタズナ宅へと訪問だ。

 

 

そして今僕が向かっている先にいるのは再不斬と白だ。

何故場所がわかるかと言うと実は白の後ろをとった時の苦無には奈良家特有の薬を仕込ませてもらった。一日で消えてしまうが奈良家のものにしかわからないがすぐわかる強烈な匂いで白の居場所がわかった。

 

 

途中から気配がわかられては面白くないので空也に隠してもらい再不斬達がいる建物に近づく。

 

 

周りは僕が見えていないダラーんとしている雑魚ばかりなのでどんどんシカトして再不斬達がいる部屋へと近づいた。

 

そして遂に再不斬達がいるドアの前につき勢い良くドアを開けた。

 

ドアを開けるとそこにはベッドが真ん中に一つあり傷だらけの再不斬を白が一生懸命看病しているのが目に入った。

白はいきなり開いたドアに警戒し再不斬を守るべく苦無を持ち静かに見えない敵へ殺気を強めていく。その間に僕は容赦無く再不斬へと近づきそして再不斬の首元に苦無を当ていつでも殺せるよう狙いを定める。

が、空也が此処で予想外な事をしでかした。

 

『ちょっと!何よ!そんな良い男殺すなんてもったいたい!私に食べさせてちょうだい!』

 

そう耳元で叫んできたので僕はつい言葉を発してしまった。

 

「うるさいなー、もう。殺さないよ。少し黙っててよ。後から肉あげるか……ら…。」

 

空也の人の気配を消す術は全てが万能というわけではなく途中で声を出したり空也が掌を握るのを辞めたりすると解けてしまう。

しまったと思った時にはもう既に遅く一言発した瞬間僕は姿を表してしまい素早く声を出した方を見た白と目があってしまった。再不斬の首元に苦無を向けているのを見て白は目が完全に血走り殺気を溢れんばかりに当ててくる。思わず僕は少し以上に計画が狂ったが話を進めることにした。

 

此処にわざわざ来た目的。

 

 

「実はさ、白と再不斬に折り入って提案があるのだけれど話を聞いてもらえないかな?」

 

 

人当たりの良い笑顔で話かける。白は警戒した体制を解かずなお殺気を強くした。

 

 

 

「提案…?」

 

「そう!白に再不斬さぁ、どうせ此処で死ぬなら僕達木の葉の仲間にならない?」

 

「…っは?!」

 

 

 

再不斬の首元の苦無に少し力を入れればぷつっと血が流れる。

それを見た白は焦りと困惑とでごっちゃになりなからもじっとその光景を見て徐々に殺気を強めた。

それを愉快そうに見ながら僕も負けじと殺気を強めた。

ニッコリと笑いながら諭すように話かける。

 

「まさかこの状況で選択肢があると思ってる…わけじゃないよね?」

 

 

白は絶対に僕の誘いに乗るだろう。何故なら白は僕と同じ人種だ。大切な物のためならば何だってやる。大切な人のために生きる。純粋な少年白は人を殺していながらも人としての大切な部分は忘れていないのでとても好感のもてる忍びだ。

 

まぁ、だからこそ、なんとも貶めやすいのだろうか。変に屁理屈だとめんどくさいがこの少年の純粋さはなんとも脅しやすい。

彼は混乱している頭で必死にいろんな事を考えているんだろうな。

これは罠か、どうやったらこの状況を打破出来るか。

まぁこれは罠なんかじゃなくただ単に僕は将来の為に有能で使える

駒が欲しいだけなのだけれど。

 

白は決意した表情で僕に話かけた。再不斬の首元の苦無への警戒も怠らずに。

 

 

 

「話をもう少しお伺いしたいです。それと貴方は何者なのかも。」

 

 

 


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