秋も深まって肌寒くなってきた今日この頃。この時期になると急な風が冷たくて手がかじかむから、弁当は屋上じゃなくて教室で食べる日が多くなる。あと、部活がやり辛い。シャッターチャンス逃しやすいし。って話を、久々に一緒に昼飯を食べる朝田と南にしたら、
「あー、今日みたいに風が強いと大変かもね。俺も本読む時にページめくるのに苦労するよ」
「俺にはよく解らないな。カメラも読書もあまり興味ないし」
「雅人はそもそも勉強ばっかしてるからじゃ」
「いや、野球とかサッカーとかマラソンとかやってるからな?」
「それ全部部活の助っ人だろ」
「そんなだから彼女もいないんだぞー」
「高校時代からそんなんじゃ枯れるぞ?」
「うるせぇ!彼女いないのは朝田も同じだろが!」
ギャーギャー言い合う2人を横目に、箸を進める。それにしてもこいつらまだ彼女いなかったのか。てっきりいるのかと思ってたけど。とか言ったら絞められそうだから黙っておこう。キジも鳴かずば何とやらだ。
と、そう思っていたらふと何かに気付いたように朝田がこっちを向いて、
「そういえば、火野君って望月さんとはどこまでいったの?」
「あー?」
「やめろ朝田、藪つついても蛇よりやばいのしか出ないぞ」
「でも気にならないか?普段からああだし」
「いや何となく想像つくから」
「じゃあその想像通りか答え合わせするか?」
「やめろ、他人の惚気で腹膨らせたくねぇ」
余計な質問はするなと朝田を制して南はパンをかじる。まぁ、ああは言ったけどわざわざ話すものでもないから俺は何も言わないけど。だって恥ずかしいし、他人の惚気話を飯時に聞きたくないっていうのは解らないでもないし。他人が惚気てるの聞いたことないけど。
「やーでも、恋人がいるって羨ましいな。火野君とか、栢嶋さんとか」
「……栢嶋んとこって弟じゃなかったか?」
「義理なら結婚可能だしセーフだろ。てかそいつらどっちもバカップルじゃねーか」
「んだとコラ」
「まぁ、火野君たち程までいくとアレだけどね」
「アレとか言うな」
こいつらの中での俺はどういう認識になってるんだ。バカップルだのアレだのと。確かに最初の頃はひどかったとは思うけど、今は以前ほど四六時中べったりってわけじゃないし、エレナにも自重を覚えさせてるからマシになってるだろ。部室や空き教室で盛ってた?ははは、何を言ってるか解らないな。
それから昼休みが終るまで、途中から桐崎も混ざって雑談を続けた。風紀委員会では最近俺とエレナに関する議題が上がらなくなったとか、サボりがちな生徒への補習をどうするだとか、俺に対して攻撃してくるような話題ばかり出されたけど。たまにはいいな、こういうの。……一応言っておくと、こいつらとの雑談がいいなってだけで色々言われることがいいわけじゃないからな?
「霞黒くーん、お風呂空いたわよー」
「おー」
今日は用事があるからと先に帰ったエレナに呼ばれ、軽く返事してパソコンを閉じる。最初こそドキドキしたけど何度も泊まりに来てたらさすがに慣れたなこのやり取り。制服にエプロン姿で出迎えられたのは予想外だったから思わず抱き締めてしまったけど。エレナも満更でもなさそうだったから大丈夫だろう。
下に降りて両親と談笑してるエレナに一言声を掛けてから風呂に入る。一昨年から会ってるからだろうけど、家に馴染みすぎだろ。恋人の両親と談笑は俺にはまだ無理だ、未だに緊張で固まる。そろそろ慣れていかないといけないのは解ってるんだけどなぁ。今度また挨拶に行くか。
\(`д´)ゝデュエッ!クロウズです。
まず謝らせてください、更新遅すぎて本当に申し訳ありません!!思うように筆が乗らず気晴らしという名の現実逃避をしていたらIDとパスワードを忘れてログインできず、そのままずるずると放置して今に至ります。はい、人間の屑です。
なんとか復活できたので、今月中に向こう作品も更新できるよう頑張ります。6年も放置してたから見てくれてる人いないかもですが。出来なかったら何かしらの罰を設けます。
それではこの辺で。俺達の満足はこれからだっ!