カメラと棒付きアメと   作:クロウズ

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Ⅵ話目

「うーぁー………」

 

 

 喉も頭も痛いし、寒気もするし完全に風邪だなこれは。エレナのが感染(うつ)ったか……?とりあえず風邪で休むって伝えておこう。

 さて、今日も今日とて親はどっちもいないから家には俺1人。……………べ、別に寂しくなんかないし。一応市販の薬はあるし、それ飲んでおけば何とかなる、はず。……あ、飯どうしようか。母さんが何か用意してくれてるといいんだけど、なかった場合は………作るのも面倒だし我慢するしかないか。

 

 

「とりあえず、薬飲んで寝るか……」

 

 

 この前スポーツドリンク買ってたし、寝て起きたら幾分かましになるだろ。それにしても、頭痛い……ごほっ。……あー、そういえば今日は何切る麻雀の発売日だっけ、母さん買ってきてくれないかな。って言っても母さん今日は帰ってこない日だからダメか……………あー……もうダメ、頭と喉痛すぎて意識飛ぶ……………。

 

 

 

 

 

「……うっ」

 

 

 首の痛みで目が覚めたら、いつの間にかベッドからずり落ちてたようだ。寝返り打った際に落ちたのかな?って、そういえば薬飲んでなかったな。今からでも飲むか、ん?

 

 

「……誰だ?」

 

 

 家には俺しかいないはずなのに、下から声が聞こえる。薬ついでに様子見るか。泥棒とかだったら困るけど。

 俺は音を立てないようにゆっくり下に降りて、声のするキッチンに向かう。するとそこには、

 

 

「霞黒くんが風邪で休むなんて、珍しいわよねー」

「黒兄は昔から風邪で休むことはなかったからな」

「その代わりサボったりはしてたけど~」

 

 

 エレナと鈴ちゃん、春ちゃんの3人がいた。キッチンにいるってことは何か作ってるんだろうけど、何なのかはさすがに解らない。鼻詰まってるし。とりあえず薬薬。すると3人ともこちらに気付いて、声をかけてくる。

 

 

「あら?霞黒くん、起きてたのぉ?」

「おお、黒兄。今うどんを作ってるところなんだ」

「もう少しで出来ますよ~」

「そうなんだ、ありが……ふぇっくしゅ!」

「ほらほら、霞黒くんは暖かくして待ってて」

「……そうする、くしゅっ」

 

 

 感染したら悪いから、薬を飲んで部屋に戻る。それから数分もしない内に3人とも部屋に入ってきたけど。

 

 

「おまたせ~」

「ん、ありがと……」

 

 

 春ちゃんが持ってきてくれたうどんをすする。熱い。風邪引いてると味なんて解らないからただただ熱い。

 

 

「さっき下でも話してたが、黒兄が風邪なんて珍しいな」

「霞黒くんサボりが多かったから風邪なのか怪しまれてたわよ?」

「4月にも引いてたし、1年の頃にも何度か引いてたからね?……それは反省してる」

 

 

 ううむ、やっぱり去年までのサボり回数で疑われたか。自業自得だけど。でも去年からサボらなくなってたし、今年は4月と今日以外一度も……中等部での話?あーあー、聞こえない。

 

 

「それより、俺が寝てる間変なこととかしてないよな?」

「おねーさんが家探し?してたよ~」

「ほう……エレナ?」

「し、してない!してないわよ!?着替えを出してただけよぉ!」

 

 

 非難染みた目を向けると、エレナは慌てて否定する。まあ、部屋を漁られたところで見られて困るものなんて何一つないんだけどさ。

 うどんを食べ終えた後はプリンを食べ、他愛ない話をしながら俺はベッドで横になる。ところで、プリンは食べ物と飲み物のどっちになるんだろうか。口の中ですぐバラバラになるから噛む必要もなく飲み込めるから、俺の中では飲み物だけど。

 

 

「じゃ、感染したら悪いからそろそろみんな帰ろうか」

「「「えー」」」

「えー、じゃない。特にエレナ、お前また風邪引いても知らないぞ?」

「うー……そうだけどぉ………」

 

 

 俺の提言に引き下がろうとしない3人。困ったものだけど、なんか嬉しい。でもこのままだと埒が明かないから、仕方なく俺が寝るまでの間は部屋にいていいことにした。

 

 

 

   ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲

 

 

「じゃあ、私はそろそろ帰るわね」

 

 

 あれから少しして霞黒くんも寝ちゃったから、起こさないように静かに部屋を出た私達はそのまま居間で少しお喋りをして、時間も時間だから私はそろそろ帰ることにした。

 

 

「そうか。私と春瑚は泊まっていくことにする」

「おねーさん、またね~」

「えぇ。2人も、風邪引いちゃだめよぉ?」

 

 

 玄関まで見送ってくれる2人に手を振って、霞黒くん家を後にする。本当は私も泊まりたかったけどあの子たちみたいに家が近いってわけじゃないから泣く泣く断念。今度泊まらせてもらおっと。

 家に着いた頃にはだいぶ暗くなってて、連絡を入れ忘れてた所為でお母さんに心配かけて少し怒られちゃった。その後はご飯を食べてお風呂に入って、霞黒くんから電話が来たから話し込んでいつの間にか寝ちゃって気が付いたら朝だった。電話越しの霞黒くんは少し元気そうだったから、今日は学校来るかしら?そう思って準備してたら、念の為もう1日だけ休むって言われちゃった。ちょっとがっかり。

 仕方ないから今日は1人で学校に行き、帰りにまた霞黒くん家に寄ることにしましょうか。その時は………でゅふふ。おっと、変な笑い出ちゃった。




 \(`д´)ゝデュエッ!クロウズです。復活しました。
 俺達/私達の関係でも言いましたが、最近就活で更新出来てませんでした。色々疲れてますが、完結するまで満足できませんので、時間は掛かっても完結させますのでお付き合いください。



 それではこの辺で。俺達の満足はこれからだっ!

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