カメラと棒付きアメと   作:クロウズ

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13話目

 時が経つのも早く、もう2月の末にまでなろうとしてた。今年、一応去年になるか。去年の大晦日は毎年恒例の家族麻雀をした。と言っても、父さんはそこまで打てないから鈴ちゃんと春ちゃんの親父さん達なんだけど。まあ、この3家族で年越しも恒例だけど。今回はエレナもいて、酒の入った父さんと親父さん達に長時間からかわれた。挙句母さんは余計なもの渡してきたし、お陰でエレナとは気まずかった。それにしても、

 

 

「もうすぐで、今年も終りね~」

「ですね~」

「今年ではなく、今年度だがな~」

 

 

 この、マイリトルシスターズと副部長はどうして人の部屋のこたつを占領してみかんを食べてるんだろうか。

 

 

「霞黒くんもこっち来たら~?」

「そっち行ったらネト麻出来ないから」

「おにーさんもあったまりましょ~?」

「うん、だからそっち行ったらネト麻出来ないからね?」

「黒兄、背中寒いからあっためて~」

「鈴ちゃんは俺を座椅子にするつもりかな?」

 

 

 いつもはしっかり者の鈴ちゃんでさえもこたつの魔力には勝てないのか、覇気がないというかなんというか。でもここまでになってる鈴ちゃんは初めて見たぞ。

 

 

「霞黒く~ん」

「おにーさ~ん」

「黒兄~」

「………ああもう解ったよ!行くから3人でそんな声出さない!」

 

 

 まったく。入ったら出る気力なくなるから、なるべく入らないようにしてたのに。まあ文句を言っても仕方ないから空いてるとこに入ろうとしたら、鈴ちゃんに服を引っ張られたから鈴ちゃんのとこに入って、そのまま鈴ちゃんを膝に乗せたら猫みたいに後頭部を擦りつけてくる。今日は普段よりも甘えてくるな。かわいいからいいけど。

 

 

「むーっ……」

「何拗ねてんだよ」

「五十鈴ちゃんだけじゃなくて私達も構いなさーい」

「なさーい」

「春ちゃんまで……」

 

 

 しかも春ちゃんはエレナの膝に乗ってるし。そういえば、春ちゃんって最初からエレナの事「おねーさん」って呼んで懐いてたっけ。

 左手で鈴ちゃんの相手をしながら、右手を伸ばして2人の頬を突いたりして相手する。

 

 

「ふにゃ、黒兄のなでなで気持ちいい………」

「それは良かった。2人の頬は柔らかいなー」

「ほんとだ~、おねーさんのほっぺた柔らか~い」

「にゃんっ、2人してつっつかないで………もう、はむっ」

「うおっ?」

 

 

 頬をずっと突いてたら反撃された。がじがじと俺の指を甘噛みしてくるエレナ。凄くくすぐったいけど、小動物みたいでかわいいからこのままでいいかな。と、この日は4人でだらだらと過ごした。

 

 

 

 

 

 あれからさらに日が経ち、終業式の今日。といっても、終業式自体はもう終ったから後は帰るくらいなんだけど。今は教室で、最後のホームルーム中になってる。

 

 

「このクラスのみんなとはお別れかー、色々あったね。ねぇ、お2人さん?」

「なんでこっち見て言うんすか」

 

 

 佐藤先生は何故か、恨みがましそうな目で俺とエレナを見る。いや、見るというよりあれは睨むに近い。

 

 

「けっ、リア充が」

「先生がそんな毒吐かないでください」

「そんなんだから結婚出来ないんじゃ」

「ぐはぁっ!?」

 

 

 クラスの女子の容赦ない一言で撃沈。もう少しオブラートに包んで言ってやれよ。

 

 

「だって……出会いとかないんだもん………飲みに行っても捕まえれないし……」

「……なんか、すみません………」

「謝らないで!余計惨めになる!!」

「はは……。あ、アタシ彼氏と約束あるんですけど」

「ここにもカップル成立者がいた!?今日は帰って自棄酒してやるぅうううう!!」

 

 

 撃沈中からのさらなる追い打ちを受けた先生は泣きながら廊下を走り去っていった。どことなく昭和風に。可哀想に……。

先生がいなくなったことで、これ以上い続けても仕方ないってことで早々に解散することになった。最後の最後まで締まらないなうちのクラスは。

 

 

「そんなクラスから解放されるとなると、俺はありがたいけどね」

「人の心ん中読むな」

「これで来年も同じクラスとか勘弁だからね」

「ワタシは、賑やかで楽しかったですヨー」

「クロエさんはそうだろうけど、俺は主に尻拭いさせられてたからね……」

「去年からよく貧乏くじ引いたよな」

 

 

 解散後、掃除当番の俺は同じく当番の朝田とルメールの2人と会話しながら掃除する。しかし朝田は、さっきフラグを立てたことに気付いてないんだろうな。ちなみにエレナは先に鈴ちゃんを迎えに行っていない。けど、鈴ちゃん今日掃除当番って言ってた気が。

 

 

「よし、掃除終ったし帰る」

「お疲れー。って、もういないし」

「もしや、火野サンはニンジャでハ……」

 

 

 掃除用具を片付けてさっさと教室から出る。その際2人が何か言ってた気がするけど、よく聞こえなかったし別にいいか。

 

 

 

 さて、鈴ちゃんとエレナは、おっ、いたいた。

 

 

「おーい、2人とも」

「あ、霞黒くん」

「遅いぞ黒兄」

「ごめんごめん」

 

 

 俺が来るまでの間、2人は何か話をしてたようだけど俺には内緒とのこと。まあこういう場合は内緒にしてる当人について(主に愚痴)だろうからいいか。

 

 

「黒兄、今日アルバイトは?」

「休みだけど、どうせ暇だし春ちゃんも呼んでみんなで行くか」

「あぁ、いいわねそれ」

「んじゃ、春ちゃん連れてくる」

 

 

 そういえば、バイト代も入ったんだし、今日は奢るか。とか言ったら絶対鈴ちゃんが怒りそうなんだよなぁ。だから黙って会計時に1人で払おう。うん。………それにしても、来年で卒業か。何か、早いな………。




 あてーんしょーん、はろはろ~。なんか最近投稿速度が速くておかしい気配のするクロウズです。
 今回で2年生編はおしまいとなります。なんだろう、話数は1年生編とそう変わらないのに長かった気配。どういうことだろ?てか今回の終り方、違和感あるなぁ。もしかしたら加筆・修正を行うかもです。




 今日はいつものあれはお休みです。ではこの辺で。はらたま~きよたま~。

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