メメント・モリ   作:阪本葵

44 / 77
第44話 照秋の受難

授業では、ISに関する机上教育を一定工程を終了し、実技へと移る。

今日照秋たちのクラスの3組は初の実技である。

実技の時間は他のクラスとの合同で行う。

3組は4組と合同で行う。

4組には簪もいる。

以前までもアリーナに集まり専用機持ちの飛行演技や、教師の模擬戦などを見学したりはしたが、今回からは実際の訓練機を使用して実技訓練へとシフトするのだ。

IS学園に入学した生徒にとって、やっとISに触れると万感の思いだろう。

そもそもISコアは世界に467個しか存在しないのに、それを世界各国で分配している。

さらに、実験やらなんやらで実際に機体に乗せて機能しているISは数が減る。

そんな中でIS学園にもISコアは分配されているが、あくまで訓練目的であることと、各国がIS学園にISコアを多く分配するなら自国によこせと茶々を入れてきたりしてさほど多くない。

30個

これでも小国からすれば羨ましい数ではあるが、これらすべてが訓練機で使用している。

訓練機は第二世代機の打鉄15機、ラファール・リヴァイヴ15機だ。

わずか30機しかないため、ISの貸し出しによる訓練はいつも早い者勝ちであり、数日待ちなどという事態にもなっているのが問題で、これには教師陣も頭を悩ませている。

解決策として曜日毎に学年別に貸し出しを制限したりしているが、それでも圧倒的にISの数が足りず生徒たちの自主練習の妨げになっている。

 

「それじゃあ、専用機持ちが指導してあげるように」

 

はい、名前の順番に別れて―、と言いながらパンパンと手を叩くスコール。

専用機持ちは照秋、箒、マドカ、趙の4人である。

趙はつい最近中国から竜胆を渡され専用機としたばかりであるが、それでも初期の指導程度なら出来る。

簪のISはまだ完成していないため一般生徒と同じく並ぶ。

また、専用機を持たない他の代表候補生も同様だが、主に専用機持ちのサポートに回る。

 

照秋は専用機である[メメント・モリ]を展開しPICによって地面から10センチ程のところでホバリングして待機する。

横には打鉄が膝をついて操縦者を静かに待つ。

 

「さて、最初は誰?」

 

本来メメント・モリはバイザーで目元を覆っているのだが、今回は戦闘をするわけでもなく、ただの歩行支援のために外している。

これは、バイザーのデザインがまるで角の生えた悪魔を彷彿とさせるデザインで、生徒を威圧し怯えさせるためでもある。

ただでさえ黒いボディカラーに、金色の悪魔や蝙蝠のような形の翼を模した推進翼で恐怖を煽っているのだから、とスコールに言われたのである。

 

「はい、4組のティア・エスカランテでーす! スペインから来ましたー! よろしくね!」

 

目鼻立ちがハッキリしたスペイン人特有の顔立ちに、グラマラスな体の女生徒だ。

 

「じゃあ、始めようか。ISの膝に足を乗せて、肩に手をかけて、そう、乗り込んだら背中を預けるようにもたれ掛って…」

 

照秋はてきぱきと指示を出しながら補助する。

 

「じゃあ起動させるから」

 

そう言って照秋は空間投影モニタを展開し操作する。

その時、ティア・エスカランテと待っている生徒が何やらアイコンタクトしていたのを見ていなかった。

 

「はい、じゃあ立ち上がってみようか」

 

そうしてゆっくりと歩行訓練をさせ、次の人に交代させるときそれは起こった。

 

「あー、しまったー。ISを立たせたまま降りちゃったー。これじゃあ次の人乗りづらいなー」

 

ティア・エスカランテはISを屈ませて下りずに、直立したまま飛び降りてしまったのだ。

なんなんだ、その棒読みの様な抑揚のない言葉は、と照秋が突っ込みそうになったが、さてどうしようかと考えていたらスコールがニヤニヤ笑みを浮かべてやってきた。

 

「あらあら、初歩的なミスねえ。仕方ないわねえ、織斑君次の子は君が抱えて乗せてあげなさい」

 

「え?」

 

「いよっしゃあああぁぁっ!!」

 

拳を振り上げる次の女子。

後程知るのだが、ティア・エスカランテのこの行動を起こした経緯として、前日に1組と2組の合同実習において、織斑一夏が生徒一人一人を抱きかかえISに乗せたという事があったのだという。

そんなおいしいイベント、うらやまけしからん!!

自分たちもしたい!!

そう願った女子たちが起こした行動だったのだ。

 

「ありがとうティア! お礼に一週間デザートおごるわ!!」

 

「オッケイ!!」

 

凄い笑顔でサムズアップしているティア・エスカランテ。

確信犯だ。

 

このミッションは照秋には難易度が高い。

IS学園の女生徒は皆容姿のレベルが高い。

さらに、現在実技授業中での彼女たちの姿はISスーツである。

この体にぴったりフィットする、水着の様な出で立ちの女生徒を抱きかかえるなど、思春期真っ盛りの男の子には酷な話だ。

それを、やれとスコールは言う。

そして、やってくれと、女生徒たちは期待の眼差しを向けてくる。

照秋は、チラリと、箒の方を見た。

 

箒が般若のような形相でこちらを凝視している。

 

(そんな目で見ないでくれ……仕方ないんだよ……)

 

とりあえず、後で何か埋め合わせしようと心に近い、照秋は仕方ないと、待ち構えている女生徒の前に向かう。

 

その後、担当した女子全員を抱きかかえるという作業を強いられるのだった。

 

 

 

 

「なあ、箒、機嫌直してくれよ」

 

「ふん」

 

昼食時、食堂ではひたすら照秋が箒に頭を下げている。

別に照秋が悪い事をしたわけではないのだが、箒の心情も理解できるから謝るしかないのだ。

 

「し、仕方なかったんだって。スコールもやれって言うし、授業を止めるわけにはいかないし」

 

「デレデレ鼻の下のばしてたな」

 

「の、伸ばしてないよ!」

 

「ほれ、その時の写真だ。見てみろ」

 

マドカがおもむろに携帯端末の画面を見せてきた。

そこには、女子生徒を抱きかかえる、顔を赤くしながらも若干にやけている顔の照秋が写っていた。

 

「ぐおぉぉ……」

 

言い逃れできない照秋は、うめき声をあげて頭を抱える。

 

「仕方ないのでは? テルさんも男性ですし、それにそれほど目くじら立てるようなことではなくてよ?」

 

「セシリア……」

 

セシリアが助け舟を出してくれたことに、照秋は感動した。

そう、仕方ないのだ。

こんな禁欲生活を強いられる日々を送っていて、目の前にピチピチパツパツなISスーツの姿の美少女達がいて、それを抱きかかえるのだ。

どうしたって我慢できないところは出てくる。

そういった欲求を照秋はスポーツで発散させているのだが、どうしても限界はあるのだ。

 

「ありがとう、ありがとう! 俺も頑張ってるんだ。我慢してるんだよ!」

 

「ええ、ええ。お辛いですわね。大丈夫、わたくしは理解しておりますから」

 

感謝の念が堪えない照秋は、セシリアが味方になってくれてうれしいのか、セシリアの手を握りしきりに礼を言い続けた。

そして、そんな照秋の頭をよしよしと撫でるセシリア。

 

「我慢できなくなったらおっしゃってくださいな。わたくしでよければ喜んでお手伝いしますわ」

 

「マジでか」

 

「ええ、わたくし、嘘は言いませんわ」

 

そうは言うが、照秋は基本ヘタレなため本当に手なんぞ出せるはずもなく、セシリアの誘惑に悩むのだった。

 

「むう……」

 

まったく面白くない展開に箒は口を尖らせる。

チラリとセシリアを見ると、勝ち誇ったような表情で箒を見ていた。

 

(女は優雅に、ですわよ箒さん)

 

(こいつ……なんて計算高い女だ!)

 

トンビに油揚げをさらわれるとは、まさにこの事か……!

箒は自分の直情的な性格とふがいなさに、持っていた割り箸をへし折るのだった。

 

 

 

 

 

土曜日の放課後、第3アリーナで何やら一悶着あったらしい。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒが織斑一夏にケンカ売ったんだと」

 

「ほう、それはまた」

 

いつものメンバーとラウラを交えた夕食時に、マドカと箒がそんな会話をしながら、隣で黙々とカレーを食べているラウラを見る。

 

「ん? なんだ?」

 

ポカンとした顔で見返すラウラを見て照秋は、本当にそんなことするかなあ? と疑ってしまう。

 

「今日アリーナで一夏にケンカ売ったって本当?」

 

照秋が聞くと、ラウラは頷いた。

 

「ああ本当だ。教師に止められ未遂に終わったがな」

 

「当たり前だ。他の生徒が大勢いるのにそんな中で超電磁砲打つバカがあるか」

 

「むう……教官にもそう言われ怒られてしまったのだ……」

 

マドカにぴしゃりと言われ、ラウラも頭をさする。

頭に教育的指導を貰ったようだ。

そこで、ふとセシリアは疑問に思っていたことを聞いた。

 

「なぜラウラさんはそれほど織斑一夏を嫌うのですか?」

 

ラウラの持つスプーンが止まる。

横でマドカが小さくため息をついた。

よく見ると、ラウラの持つスプーンが小刻みに震えている。

 

「……あいつは、教官の汚点だ」

 

ラウラは語り始めた。

原因は一夏が中学一年生のとき、第2回モンド・グロッソ、ISの世界大会で起こった事件である。

織斑千冬の格闘部門連覇がかかった大会で、織斑千冬は周囲の予想と期待通りに順当に決勝戦まで勝ち進んだ。

しかし、その決勝戦、織斑一夏は何者かによって誘拐された。

そしてその決勝戦を放棄し、織斑千冬が織斑一夏を助けに行った。

当然織斑千冬は決勝戦不戦敗となる。

連覇をかけた大会での不戦敗は当時マスコミや与論で相当物議をかもしたが、織斑一夏誘拐事件は公表されることはなく、また織斑千冬もその事実を語ることはなかった。

そして織斑一夏が誘拐された時の居場所の情報提供したドイツ軍に借りを返すため、約一年間、軍のIS部隊の教官をした。

その後日本に帰ってくるとIS学園で教職に就いたのである。

そしてドイツ軍の教練の中でも特に慕っていたラウラが織斑千冬の唯一の汚点の原因、織斑一夏を恨んだ。

何故ラウラが公表されていない織斑一夏の誘拐事件を知っているのかというと、ドイツ軍部の上層から情報を聞き出したのだという。

この事件について、照秋と箒は知っていた。

一夏が誘拐されたため、もしかしたら自分も何らかの事件に巻き込まれる可能性があると言って中学校に護衛を付けるとか言っていたからだ。

しかし学校が全寮制であるし、基本外出が不可能な学校であるため護衛の数は一夏に比べると少なかった。

その少ない護衛はほとんど護衛の機能を成しておらず、結果照秋は中学三年の修学旅行で誘拐されることになるのだった。

箒も先日の鈴とのいざこざの際に知り、後に姉の束から詳細を聞き驚きはしたが、それ以上に照秋の事件の方がショッキングであったため特に何も思う事はなかった。

ラウラの怒りは相当で、ギリギリと歯を食いしばっている。

 

「……そんなことが……」

 

セシリアは初めて聞いたことで、驚きを隠せない。

まさか、あのいけ好かない軽薄な男にそんな過去があったとは思ってもいなかったのだ。

だがしかし、その言い分には納得できない部分もある。

そもそもラウラの怒りには矛盾があるのだ。

一夏が誘拐されなければ千冬は世界大会で二連覇していたかもしれない。

だがそれだと千冬がドイツに赴きIS部隊の教官を買って出ていないだろう。

そうなると、ラウラは千冬に教えを乞う事もない。

 

しかし、とラウラは言葉を続ける。

 

「家族と名誉、どちらが大切なのか、それは個人によって違うのは理解しているし、教官が家族を大切にしているが故に世界大会を放棄し救出に向かったという選択も納得している」

 

ラウラも自分の部隊を持つ佐官である。

最初こそ部下は所詮駒であり消耗品であるとそんな風に思っていたが、日が経つにつれ自分の部下を家族のように思うようになり、千冬のとった選択にも理解をするようになったのだ。

 

「じゃあ、なんでそんなに織斑一夏を敵視するんだ?」

 

マドカは食事を採り終え、頬杖を付きながらラウラを見る。

 

「アイツは、自分の恵まれた現状に甘んじそれを享受している。なんだあの腑抜けた顔は! アレが本当に教官の弟なのか!?」

 

ダンッと机を叩くラウラ。

ラウラの言う事は要するに、一夏は誘拐され、千冬に汚点を残す原因を作りながらも変わることなく、守られ続けることが当然のように生活を続けているのことが許せないらしい。

事前に取り寄せた資料などでそれまでの生活や行動、またIS学園での生活態度は調べていた。

それを見て失望したが、実物を見るまではわからない、「百聞は一見にしかず」という日本のことわざを思い出し一縷の望みを抱いていたのだ。

もし自らを律して強く在ろうと心掛けるような男なら何もしなかっただろうが、転校初日、一夏の腑抜けた顔を見た途端、怒りが沸き出し、おもわず平手打ちをしてしまったのだという。

 

「それに比べて照秋、貴様は素晴らしい」

 

一転、ラウラはにこやかに照秋を見つめうんうん頷く。

 

「中学での剣道の経歴に、東郷示現流という流派。そしてISの操作技術。まったくもって申し分ない」

 

「『東郷』示現流まで、よく知ってるな」

 

「調べたんだ」

 

箒が感心すると、フフンと鼻を鳴らし胸を張るラウラ。

 

「その、トウゴウジゲンリュウとはなんですの?」

 

セシリアはわかっていないようで首を傾げる。

そこで箒が説明することにした。

 

「照秋の通っていた中学校の剣道部顧問が示現流を修めた新風三太夫という方でな、『示現流にこの人あり』とまでいわれた剣豪なのだ。そもそも示現流という流派は特殊で、『二の太刀要らず』と云われる一撃に懸けた剣で、初太刀から勝負の全てを掛けて斬りつける『先手必勝』の鋭い斬撃が特徴だな」

 

「なるほど…だからテルさんの剣はあれほど早いのですね」

 

「最も早い剣は示現流の奥義として『雲耀(うんよう)の太刀』と云われている」

 

「雲耀とは、一呼吸の間を『分』、その八分の一を『秒』、秒の十分の一が『()』、絲の十分の一が『(こつ)』、その十分の一が『(ごう)』で、さらにその十分の一が『雲耀』だな」

 

「……と、途方もない速さですのね……」

 

箒の説明とマドカの補足に、セシリアは驚きの表情だ。

 

「ああ、『じげん流』という流派だが、ラウラの言った『東郷示現流』と、『野太刀自顕流(薬丸自顕流)』の二流派が存在する。照秋は東郷示現流の方だな」

 

「どう違うんですの?」

 

「おお、それは私も知りたかった。どうも祖国ではその辺りまで深く調べることが出来なかったのだ」

 

ラウラも聞く気満々だ。

ここで、満を持して照秋が説明することになった。

 

「流祖の東郷重位が元々はタイ捨流を学んでいたのに加え、善吉和尚より天真正自顕流を相伝し、東郷示現流という新流派を立てたんだ。そして、その弟子の薬丸兼陳が独自の工夫を加え分派したのが野太刀自顕流・薬丸自顕流だ。大きな違いとしては、東郷示現流は藩主である島津家などの大名や上級の武士しか学べなかった御留流であるのに対し、薬丸自顕流は大勢の下級武士たちの間に広く学ばれた流儀であることだな。ただ、実際に修行して戦などに出て活躍したのは圧倒的に薬丸自顕流が多かったそうだ」

 

「そりゃあ、東郷示現流を修めた人間は戦場に立つような低い身分には少なかったからだろう?」

 

マドカの言い分もわかるが、別にどちらが優れているとかそういった話ではなく、歴史ではそうであるという事実なのだから仕方ない。

 

「まあ、そうも取れるけど、実際江戸末期に薩長の剣士と戦いを繰り広げた新選組の局長である近藤勇が『薩摩の初太刀に気をつけろ』と自分の部下たちに言いつけていたのは有名だな。その薩摩の初太刀がつまりは薬丸自顕流で、実際薬丸自顕流の斬撃は凄まじくその打ち込みを刀で受け止めたものの受けた刀の鍔で頭を割られた者もいたそうだし」

 

「シンセングミ! 知ってますわ! 美剣士ソウシ・オキタ! 鬼のフクチョウ、トシゾウ・ヒジカタですわね!!」

 

「なんと……それほど恐ろしい流派だったとは…」

 

新撰組という単語に反応し目をキラキラさせるセシリアに、じげん流の恐ろしさを知り顔を青くするラウラ。

 

「つまり、示現流は昨今のスポーツ剣道からかけ離れた、まさに剣術であるということだね。実際、現代の示現流は手合せをせず、型の練習しかしないんだ」

 

「それは何故ですの?」

 

「本来の示現流には防具は存在しないから、手合せをするということは真剣勝負になってしまい、怪我では済まない事故になる可能性があるからだな。俺の学校はあくまで剣道部であって、示現流の流儀を徹底していたわけじゃないし、普通に剣道としての動きも練習していたから防具をつけて稽古してたけど」

 

示現流は初太刀に懸ける一撃必殺の剣である。

もしその初太刀が交わされれば、そこには死が待っているのだ。

現代のスポーツ剣道において、この思想は反している。

だから、照秋の学校では示現流を基礎として、剣道もしっかりと教えていた。

だからこそ全国中学校大会で個人、団体共に制覇できたのだ。

もし示現流だけを修めていたなら、こうはならないだろう。

 

「ふむ……立ち合いしない流派で、あえて防具をつけてでも稽古をさせた新風三太夫先生は、一体どういった考えだったのだろうか」

 

顎に手を当て考える箒。

だが、そんなに深く考えるような事でもない、と照秋は言う。

 

「普段は好々爺とした雰囲気だし、自分は示現流しか教えることが出来ないから、とかそんな理由だぞ。別に俺たちをどうしたかったとかそんな考えはなかったはずだ」

 

「つまり、テルの剣術能力は高いというわけだ」

 

「……まあ、一言でいえばそうだが……ザックリすぎないかマドカ?」

 

マドカの無理やりな収め方に呆れ顔の箒。

 

「うむ、大変勉強になったぞ」

 

「ええ、ジャパニーズサムライスピリッツを垣間見ましたわ!」

 

目をキラキラさせ照秋を見るラウラとセシリアを指さすマドカ。

 

「ほれ、外人二人には好評だろう?」

 

「まあ、いいんじゃないか?」

 

「……いいのか?」

 

あっけらかんとした照秋に、何とも釈然としない箒だった。

結局何の話でこうなったのだったか…まあ、忘れるということはどうでもいい話なのだろうな、と箒は自己完結し、冷めた緑茶を飲むのだった。

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。