強面男が幻想入り 作:疾風迅雷の如く
色々おかしい部分があったのでセリフの追加をしました。
第9話
レミリア・スカーレット。その名前は成金趣味丸出しの赤い絨毯…どころか館が真っ赤という悪趣味全開の紅魔館の主であり、異変の原因の赤い雲を出した張本人である。赤だらけなのは気にしてはいけない。
「なんかめちゃくちゃボロクソに言われた気がするわ…」
そう呟いたのはピンクのロリ服を着た銀髪ロリ…彼女こそがレミリア・スカーレットである。
そんな彼女の能力は『運命を操る程度の能力』…見た目も能力もかなり胡散臭いとか言ってはいけない。
「にしても何なんだ?この運命は…」
彼女は能力を使い、運命を見ていたが…どうにも見えない部分があった。その部分が運命の大半を占めていたのでそれを見ようと視点を変えてみたが結果は同じ…諦めて他の運命を見ることにした。
ババババッ!
すると外から風を切るような音が連続して聞こえた…
「やかましいな…咲夜!」
そして彼女は自分の最も信頼する従者を呼んだ。
「お呼びですか?お嬢様?」
そう言って現れたのはメイド服を着た銀髪の少女…十六夜咲夜だった。彼女はメイド服を着ていることとレミリアの従者であることからレミリアのメイドであり、また唯一紅魔館の中では人間である。
「外の馬鹿を殺せ。そして…」
BAGOOON!!
レミリアが咲夜に命令しようとした時いきなり紅魔館の壁が壊れ、埃が舞い散り煙のようになった…
「…私をここまでコケにするとはいい度胸だ。」
レミリアはその被害を受けギャグのようにタンコブが出来ており、少し涙眼になっていた。言っている事の割には情けない姿だった。
「(ああ…お嬢様…こんな状態でも凛々しくあられようとするのですね…)」
咲夜は自らの能力『時を操る程度の能力』で時を止め、涙眼になったレミリアを見て忠誠心を出し…ティッシュで抑えると能力を解除した。
「貴様が異変を起こした野郎か?」
地を這うどころか地獄の底よりも低く、決して大きくはないが透き通る声が紅魔館を響かせた。
「どこにいる!?出てこい!!」
レミリアがそう言って周りを見回すが人影らしきものはなかった。
「ここだ。」
そして煙から現れたのは軍用ヘリに乗っており、RPGやrifle、ライトマシンガンなどを担いでいた大和勇姿だった。
「(ひっ!?化け物!!)」
レミリアが見たものは今までにない程凶悪な面で狂気状態のレミリアの妹がペット用の子犬だとするなら、その雰囲気は怪獣である…
「博麗の代行、大和勇姿だ。異変を止めにきた。」
「(イヤイヤ…まだ私を殺すとは言っていないし、生きる可能性はあるわ!)」
レミリアは本能で勇姿が核爆弾並に危険だと判断し、慎重に交渉しようかと思っていた。
「まあ、止めにきたと言ってもどんな奴であろうと異変の犯人は殺すのみだ。」
しかしレミリアは絶望のどん底に落とされた…
「(ここで私が出れば殺される…なら出なければいい…)」
そう考えていると勇姿は何か気づいたかのように手を叩いた。
「そうそう、言い忘れたがここらにいるのはわかっている。もし出てこない場合はこの場にいる者は皆殺しだ。」
どん底どころか地球の核まで落とされた…そんな声がレミリアの中で聞こえた。
「(私には咲夜やフランを守る義務がある。やむを得ないか…)」
レミリアは自分の最高の従者の咲夜や妹のフランドールを守る為に覚悟を決めた。
「私だ!私が異変を起こしたっ!」
そしてレミリアは勇姿に言った。
「そうか貴様か。では死ね。」
パンッ!
そして…勇姿は表情一つ変えずに銃を撃ち、銃弾が咲夜の頭にあたり咲夜は死んだ。
「貴様!話が違うぞ!」
レミリアは勇姿が咲夜を殺したことに激怒した。
「馬鹿をいえ…確かに俺は出なければ皆殺しとは言ったが、出てきたらどうするかは言ってはいない。それに…貴様は妖怪だ。肉体的に殺すよりも精神的に殺した方が効率的だと思ってな…」
あまりに冷徹な言葉にレミリアは身体を震わせた。
「貴様ぁぁぁっ!」
レミリアは遂にキレ、それまであった恐怖など御構い無しに勇姿に襲いかかった。
「所詮この程度か…」
そして勇姿は形状が現代にあるものとは違う水色のマシンガンを取り出し…それを撃った。
ピピピピピピ!
「がぁぁぁっ!?」
レミリアはそれをまともに喰らって最後には脳天をやられた。激怒して攻撃が直線的になったこともあるがその武器の威力、そしてスピードが現代の武器とは桁違いに性能が上で吸血鬼といえども敵わない程であった…
「さて…行くか。」
そして勇姿が去ると…その景色は真っ白になった。
~現実~
ガバッ!
レミリアは目を覚め、勢い良く起きた。
「はぁーっ…はぁーっ!」
しかしレミリアの頭からは汗がダラダラと垂らしており、死んだ魚のような目をしていた。
「お嬢様!大丈夫ですか!?」
咲夜がレミリアを心配し、駆け寄る。
「咲夜…よかった…」
レミリアは咲夜を見たとき目が生き返り、まるで本当の幼子のように咲夜に抱きついた。
「お、お嬢様!?」
咲夜はこれに焦った…何故なら…
「(お嬢様から抱きついて貰えるなんて…私は果報者っ!)」
夢と同様に咲夜は変態であった。
「う~…」
レミリアのロリ声が咲夜にトドメを刺し咲夜を凍らせた。
「咲夜…よかったよぉ…」
その声は咲夜には聞こえず、周りにも聞こえずカリスマブレイクはある程度で済んだ。
しばらくしてレミリアは事情を話した。
「ではお嬢様…異変はどうするのですか?」
咲夜はそう言ってレミリアに尋ねる。レミリアは異変を起こすように八雲紫に言われている。レミリアはその時暇つぶしにはちょうど良いと思い引き受けた。だが今日の夢のような怪物が出てきたら…おそらく死ぬだろう。咲夜はそれが心配だった。
「やるさ…もちろん。」
レミリアは悪巧みを考えついた顔でそう答えた。
〜博麗神社〜
その頃…レミリアの夢の中で外道となった勇姿は…
「霊夢、また妖怪退治してくるぜ。」
新たなコードや道具の入手、金稼ぎの為に妖怪退治をしていた。
「いってらっしゃい。」
霊夢はそっけなくそう返事をして神社の掃除をした…
これが二人の日常である。霊夢も妖怪退治をしていたのだが異変に関連しない弱小妖怪を倒すのが面倒になってきたのと、勇姿が引き受けた方が何故か収入が良いので勇姿に任せることにした。
「勇姿さんがいて助かるわ…」
勇姿の見た目は霊夢から見ても恐ろしいものだ。だが霊夢は勇姿は無害で人間だと勘が言っているのでそれを信じることにした。
すると実際その通りで勇姿を神社に済ませても問題はなかった…
「お茶も濃くすることが出来たし、饅頭は食べられるようになったし…何一つ言うことないわ…」
霊夢はそれまでお茶はお湯当然のものだったし、饅頭どころか菓子も食えない…どれだけ彼女が貧乏だったかわかるだろうか?勇姿が来てくれたことによって霊夢は救われた。霊夢にとって勇姿は恩人である。
「うん?」
霊夢が掃除をしていると赤い雲が幻想郷を覆った。
「異変なら仕方ないわね…」
勇姿が来て初めての異変が始まり、霊夢は神社を離れた。