強面男が幻想入り   作:疾風迅雷の如く

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第5話

霊夢が筋トレをして筋肉痛になった。筋トレの大切なところって筋肉痛になったらその日は一日休ませることが大切なんだよな。もし休ませなければ逆効果になるし、精神的にも辛い…そういうわけで俺は霊夢を休ませて家事をしている…第三者からみれば幹部級のヤ9ザが下っ端の仕事をしているように見えてシュールだ。

 

それにしてもあれだな…朝起きてメインコマンドを開いてコードの中身を詳しく調べたらヤバイのが入ってた…パラシュートやハングライダーはまだわかる…だけどなジェットパックとか戦闘ヘリとか挙句の果てには戦闘ジェット機まであったんだぞ? 博麗神社を見るに江戸時代から明治時代くらいの世界で一体何をしろと?…幻想郷でも滅ぼせというのか?いや…そんなもんじゃねえな…

「幻想郷を征服するか…」

多分そのくらいのことをしないとイベントが進まないんじゃね?

 

メニュー!

 

『メインコマンドが開きました』

ヘルプを選択だ!

『ヘルプです。どうなされましたか?』

イベントの進行について知りたいを選んでと…

『イベントの進行は自動で発生して貴方自身の選択でイベントが変わります。なお現在イベントは起きていません』

なるほど…行動次第で結末が変わる方式か…現実じみているがセーブ&ロードがある以上どんなルートでも行けそうだ。それはそうと銃の弾や車とかの燃料がない時はどうすればいい?

『コードで装備した銃や車などは既に弾や燃料があり、無限ですので問題はありません』

リロード不要の弾無限に燃料無限って…チートかよ。やっぱチートだな…ん?銃弾から弾幕への切り替え方?

『弾幕への切り替え方は武器装備で銃弾から弾幕に切り替えると弾幕が出るようになります。ただし弾幕はどんなに当たっても非殺傷なので生死をかけた戦いは弾幕から銃弾に切り替えて下さい』

それを早く言ってくれよ!? 武器装備! 全ての武器から銃弾から弾幕に切り替え!

『銃弾は全て弾幕に切り替わりました』

ふう~これで俺が持っている銃も鉄砲もどきだと誤魔化すことができる…

 

これでメインコマンドを閉じてと…

 

「勇姿さん、ちょっと人里に行ってくれない?」

「ん? 別に構わないが…どうした?」

「ん~…実は今日、妖怪退治の日だったのをすっかり忘れてたのよ…勇姿さんは外の世界の人だけど、かなり弱いし大丈夫よ。博麗の巫女の代行と言っておけば問題ないわ」

「妖怪とは…一体?」

「そう言えばその説明して無かったわね…この幻想郷は忘れ去った者達が集まる場所だから、妖怪も例外じゃないのよ…」

「そういうことか…しかし大丈夫なのか?筋肉痛…」

筋肉痛って相当痛いよな…俺も筋肉痛になった時は動けなかったし。

「そりゃ痛いけどあらかたの家事は終わったみたいだし、多少動く程度なら問題ないわ。それとリストはそこにあるから頼むわよ」

結構タフだな…霊夢。

「そうか…それじゃ行って来る」

「行ってらっしゃい」

 

俺は霊夢の見えないところでこっそりとメインコマンドを開いてヘルプで操作を覚えてジェットパックを使いこなして、低空飛行して楽をした…おもろいな、これ。

 

…とはいえいつまでも遊んでいる訳にもいかないし、とっととやるか。

「博麗の巫女の代行の者ですが妖怪退治を依頼したのはこちらの方でしょうか?」

「そ、そうです!」

俺の顔見て完全にビビっているよ…こいつ…まあ俺の顔ってかなり凶悪、強面の顔だしな…

「それでその妖怪はどこに…?」

自分がいかに強面の顔か思い出しながらも依頼の内容を聞いた。

「いつも私のいない間に私の畑に荒らしにくるんです…なんとかしてください…」

猪と同じくらいのレベルかよ…でも素手で倒したことあるけど猪って結構厄介なんだよな…まあいざとなったら銃使えばいいし。

「そういうことですか…では畑に案内して下さい」

「へえ…わかりました」

 

俺は畑に着き、様子を見た。こりゃひでえ…

『イベントのチュートリアルを始めますがよろしいですか?』

ぬおっ!? いきなりメインコマンド出てくるなよ…あ~まあ一応聞いておくか。なんか道具とか貰えそうだしな。答えはイエスと…

『それではチュートリアルを始めます。イベントは今回のような妖怪退治などの小さいイベント、もう一つは幻想郷を揺るがしかねない異変の大きなイベントの二つに分かれています。』

なるほど…それでどうするんだ?

『小さなイベントでは妖怪を退治する所謂、妖怪退治がメインとなります。それでお金を稼いだり道具を貰ったりすることが出来ます。小さなイベントの中にはコードを習得するイベントもありますので是非積極的に参加しましょう』

ふ~ん…なるほどな。

『それではメインコマンドに依頼の項目が追加されたので今回の依頼を見てみましょう!』

依頼と…

『ここには貴方がどのような依頼を何件受けているか、そして題名のみですが依頼が表記されます。またその表記された依頼を選ぶと詳しく見ることが出来ます』

まあ何にせよ新しい項目が増えたということだな…

『それでは依頼をこなしましょう』

 

自動でメインコマンドが閉じ、俺は作物に近づいた。

「この辺ですか?」

俺は依頼主にそう尋ね、荒らされた跡を指差す。

「ええ…そこら辺です」

「なるほど…」

 

『それでは今回のように妖怪を探す場合はマップを見て確認しましょう』

もう俺は突っ込まんぞ。このメインコマンドの勝手さに…と思いつつも俺はマップを開いた。

『マップに赤い点が近くにあればそれは敵と見なしています。今回はその赤い点が点滅しているので地面に潜っていたり上にいたりします。それでは地面に攻撃して妖怪を地上に追い出しましょう』

 

Pistolに武器を変更する! そして…妖怪が潜っているところに撃つべし!!

 

バン! バン!

 

「シャギャァァァッ!」

 

『妖怪が出てきましたね。妖怪の弱点は人間同様に心臓、頭が急所となっています。心臓は狙うのは実質無理ですので頭をなるべく狙いましょう。では貴方の武器を駆使して妖怪を倒して下さい』

 

頭か…ゾンビみたいなものか。いろいろと世界観が混ざってやがるなこれは…

「おらぁぁぁっ!」

強引に俺は出てきた妖怪の首を引っ張り頭に銃を撃つ…妖怪ってもっと恐ろしいイメージがあったんだが霊夢の言った通りめちゃくちゃ弱い…たかが一介の人間に引っ張られるって妖怪って…

「なんの為に生きているんだ…」

俺はあまりのこの妖怪の弱さに思わずそう呟いた…

 

「凄え…流石博麗の巫女の代行だ…」

マップに映らないってことはもう妖怪はいないよな…あの一体だけだったのか?

「それでは私は次の用件がありますので失礼しますよ…」

俺はそう言って畑を後にした。

「ありがとうございます!」

 

それから妖怪退治は順調に終わり、最後の一件となっていた。

「ヴォォォォッ!!」

今までの奴に比べてデカイな…これぞ妖怪って奴だ。

 

『中級妖怪が現れました。中級妖怪は先ほどの妖怪…下級妖怪よりも動きが速く、強いので注意しましょう。また中には頭を撃ち抜かれても死ななかったり、中級妖怪の格上とされている大妖怪を上回る力の持ち主もいます。油断していると死ぬので油断はしないようにしましょう』

またもやメインコマンドが現れ、それだけ警告すると消えた…これで最後になるのか?

 

「ガァァァッ!!」

うるせえっ!面倒だが仕方ねえ…RPGを使うか?…いやダメだな。RPGは危険だ…Shotgunだな。よし!武器変更!

 

「ァァァァァァッ!!」

今相手してやっから少し黙ってろ! そらよっ!!

 

ドガッ!!

 

「う…ォォ…」

トドメはメリケンでいいだろ…

「おらぁぁあっ!」

バキバキッ!!

「グァオォォォォッ!」

そして中級妖怪が悶え苦しむと…気絶した。…今まで言ってなかったが俺がやった妖怪は銃弾が弾幕になっているから全て殺してはおらず気絶した。そのあと妖怪たちは縄で絶対に逃げられないように緊縛してやったから問題ない。

 

『それでは妖怪退治が終わりましたのでメインコマンドの依頼からご褒美をみてください』

ご褒美か…ってめちゃくちゃ多いな…

『ご褒美は所謂妖怪を退治したボーナスみたいなものです。ご褒美の中には様々な道具やコードが含まれます。ご褒美を多く貰いたければ妖怪をなるべく生け捕りにして殺さないようにしましょう。』

なるほど…ご褒美がチュートリアルにしては量が多いと思った…

『それでは妖怪退治のチュートリアルを終了します。お疲れ様でした』

ようやく終わったか…とりあえずセーブと…

 

「霊夢、終わらして来たぞ!」

俺はその後依頼主から感謝され、色々と報酬も貰って博麗神社へ帰り依頼主達から貰った穀物、野菜、肉類…とにかくいろんな食材を全て置いた…

「ごめんなさいね…勇姿さん。私が動けずこんな仕事をする羽目になって…」

そのことか…まあ俺は気にしていないし、チュートリアルがある以上はむしろ必然だったと思うぜ…

「いや俺が頼んだことだ。そう気にするな…」

とは言えそんなことは言わずに霊夢を罪悪感を消すためにそう言ってやった…

「ところで妖怪退治の報酬はそれ?」

「そうだ」

「これ結構多いわね…勇姿さん…料理できる?」

 

料理か…まあ一人暮らしの時も小さい飲食店のバイトで料理したことあるし大丈夫だろ…なんでそんな大役が出来たかって?実を言うと俺の顔があまりの厳つさにウェイターとか皿洗いとかやるとお客がビビって減るんだよ…まだキッチンで働いていた方がマシなのと俺が普通の従業員よりも有能だったのが原因だ…おかげでその店は一時的に話題になりTVの取材も入ったがまたもや俺の顔のせいでなしとなった。どんだけ顔に呪われているんだよ…俺の人生…

 

「出来る方だな…」

そう言うと霊夢は何かを決意した顔になった。

「それじゃちょっとした宴会をやるからこの材料を使って夜までに料理しておいて。私は人を集めるから…」

…って飛んだ!?おいおいあいつもチートかよ…何だろうこの敗北感は。

「仕方ない奴だ…」

そう言いながらも俺は料理をすることになった…

 

包丁はと…あっ、やべっ! 手滑った!! 包丁を拾って洗わないとな…

「やはり生ものだな…」

包丁を洗いながら俺はそう呟いて肉類から仕込むことにした。




どうでもいい話ですがこの主人公の外見イメージは作者的には黒髪にしたガノンドロフをイメージしています…
顔が厳ついキャラっているにはいるけどイメージに合わないことが多いんですよね…
例えばエンジェル伝説の北野誠一郎は顔のみで言えばヤ9ザよりも不気味な悪魔的なイメージが強いですし、なんとも言えませんしね…

ちなみに今回の元ネタはあるにはありますが…微妙なので載せません。

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