強面男が幻想入り   作:疾風迅雷の如く

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オリジナル要素が強いです!それでもみたい方はどうぞ!


第34話

私はあの人をずっと待っていました。だけど1日経っても日曜になってもお盆になっても来ませんでした。私はその時から私の力を使ってその人が来るように祈り続けました。

「早苗。もう来ないと思うよ…」

「いいえ来ます!私は誰に言われようとも待ちます!」

その人は私を助けてくれた人。あの人は私に約束してくれました。個人で神社にお参りしに行くと。だから今まで来ないのはきっと彼にも事情があるはずです…

「早苗の気持ちもわからんでもない。だがな、早苗…私達はもう幻想郷に行かなきゃいけないんだ。」

神奈子様の言い分もわかります。諏訪子様が調べた結果によると博麗の代行なる男の人の所為で幻想郷の勢力が多いに変わり始めているらしくこのまま放っておいたら幻想郷にも居場所がなくなるとのことで予定よりも早く移動することになりました。

「わかっています!だけどあの人は私の恩人で…!何一つ恩を返していません!」

もちろん私は神奈子様や諏訪子様にも感謝しています。お二人はこれから恩を返すことはできますが…あの人は一回きり…例えそれが仕事だとわかっていても私にとっては恩であることには違いありません!

「…早苗。あんたの力は確かにすごい。でも幻想郷に行けばその力は増す。…少しでも会いたいならいっそのこと幻想郷で会ったらどうだい?早苗の力が通用しないってことは神隠しにあったのかもしれない…」

諏訪子様の言う通り、向こうに行けば私の能力も増してあの人に会える可能性もあるでしょう。むしろそうした方が良いと思います。

「それでも私はあの人を信じます!」

ですがそれをやったらあの人を信頼していないみたいじゃないですか!

「すまん…早苗。」

突如、私は睡魔に襲われてしまい、視界がボヤけ始め、2人が睡魔をけしかけたと理解し、深い眠りについて起きた時には既に幻想郷に入ってしまいました。

 

〜幻想郷〜

 

「神奈子様、諏訪子様…本気ですか?」

幻想入りして2人の神様である神奈子様と諏訪子様は妖怪の山の勢力に対等以上の立場を得る為に天狗達に戦争を仕掛けようとしていました。

だけど私は戦争というのは世界大戦しかり、暴力団関係の戦争しかり…必ずしも第三者が被害を受けることになるのを身をもって知ってしまいました。

 

「やるなら今しかない。早苗…前のような目に遭いたくはないだろう?」

 

その被害は誘拐…私の能力「奇跡を起こす程度の能力」が目当てでした。

世間一般的に私は裏の世界の人間です。裏の世界の人間と表の世界の人間の違いは魔法や呪術、妖怪や怨霊などの未知の存在を認識しているかどうかの違いです。認識していれば前者、しなければ後者になります。

 

「しかし彼らは暴力団関係者だからあんな方法しか取れなかっただけで他にも方法があるのではないのですか?」

 

暴力団-つまりヤクザ-の幹部や組長などは当然、構成員も下っ端でない限りはほとんどが裏の世界の住民です。

しかし私のように超常現象とも言える力を引き出せるかは別です。そういった力を引き出せるのは本当にごく一部の人間で、世界最大の西智学園都市でも数十人程度しかいません。

 

「なあ早苗、お前の気持ちもわからんでもない。しかし私達には早苗…お前が付いている。その能力のおかげで私達は生き永らえたといっても良いだろう…しかし橋野組のように天狗がそこに目をつけたらどうする?」

「私を誘拐する…でしょうか?」

 

橋野組はその力を引き出せる元陰陽師が集まった組で過激なやり方を好みます。橋野組は私の能力を目当てに私を誘拐し、あわよくば戦争に持ち込み私の力で奇跡を起こして利益を得ようとしました。

 

「そうだ。あの時ほど私達の無力を感じた時はない。すでに私達の対策をされ、何も出来なかったのだからな。」

 

それを阻止しようと諏訪子様が呪いをかけても対応され、神奈子様に呪いが行き渡るようにしてしまい諏訪子様も身動きが取れなくなり、私は絶望しました。

 

「この幻想郷は外の世界とは違って警察…ましてやマル暴なんてものはないんだ…だから前みたいに早苗が誘拐されても私達が助けられない場合もある。」

 

そんな時、彼が現れ私達を助けてくれました。橋野組は彼のおかげで解散し戦争も無くなりました。だからあの人には感謝しているんです。

 

「天魔が不在の今こそが好機。我々が生きる為に多少の犠牲は止むを得ん。」

どういうことか今、天魔…つまり天狗達のトップが行方不明となっていて天狗達は混乱しています。今しかチャンスはないのはわかります。ですが…多少の犠牲も私は出したくありません。

「前みたいに後手を打つわけにもいかないしね。この幻想郷は弱肉強食の世界…殺られる前に殺るしかないんだよ早苗。やってくれるね?」

「…はい。」

いつもとは違い、諏訪子様の言葉に私は小さく返事しました。

 

そして出会えた…かつての恩人、大和勇姿さんに。

「ようやく会えましたね…勇姿さん。」

勇姿さんはあれから傷跡や体格など一目見ただけでは判断できないくらい風貌が変化していました。だけど私にはわかる…霊力も気も全く感じないあの恩人だと。

「久しぶりだな。お嬢ちゃん。」

勇姿さんの包み込むような優しい声が私の頭の中に響きわたり、安らぎを与えた。

「お嬢ちゃんはやめてください!」

だからお嬢ちゃんではなく名前で呼んでほしかった。

「はっはっは。そうでしたな東風谷さん。」

東風谷は苗字ですよ!

「東風谷じゃなくて早苗って呼んでください!」

「では早苗さん…」

「敬語なんて使わないてください。どうせ勇姿さんの方が私よりも年上ですし、何より敬語使われたら逆に怖いですよ。」

他の刑事さんが言うには勇姿さんには超能力や魔法なんかの力は使えない代わりにあの敬語のおかげで数々の犯罪者の口を割らせたりしたことで有名みたいです。

「怖い…ってそうなのか?」

そんなに驚くことじゃないですよ…

「その顔付きで敬語なんて使われたら怒っているって言っているのと同じようなものですよ。」

「通りで取り調べ室で俺が呼ばれる訳だ…」

勇姿さんの噂は本当だったんですね…

 

「それはともかく、早苗…もう俺の前にいるということはわかってるな?」

敬語だった言葉遣いも本来の言葉遣いに戻して私に語る勇姿さんは爽やかさを感じ、新鮮でした。

「はい…ですが私は恩人である勇姿さんとは戦えません。それに戦ったとしても勝てるかどうかも怪しすぎます。」

今の勇姿さんは橋野組を解散させた時よりも強くなっています。そんな彼が私と戦ったら間違いなく瞬殺…いくら自惚れているとはいえそこまでではないです。

「…そうか。」

「勇姿さん…恩人である貴方にお願いがあります。」

「言ってみろ。」

「この先にいる二神…神奈子様と諏訪子様を止めてください。お二人は妖怪の山の勢力に戦争するつもりです…そんなことをすれば必ず犠牲者が出ます!だから…絶対に止めてください!」

「安心しろ、俺が止めてやる。その代わりここに来た奴らを止めろ。そしてあいつらにこう言っておけ。」

 

「お前達に心配させる程、俺を信用していないのか?…だそうです。」

今代の博麗の巫女である霊夢さんがやってきて私はそう言った。

「勇姿さんが言いそうなことね…だけど私は博麗の巫女として、上司として行かなきゃいけないのよ!」

上司として…勇姿さんが博麗の代行だったのですか。噂とは違いますね…あの人が野望を持つ人には見えません。

「霊夢さん…その顔を隠した方が良いですよ?」

「はあ?なんでよ?」

「だって寂しそうですよ?」

霊夢さんもあの時の私みたいに勇姿さんの被害を受けたみたいですね…こんな顔を見せさせる人が野望を持つなんて考えられません。

「うるさいわね!邪魔をするなら力づくでも行くわよ!2Pカラー!」

…勇姿さんならあの2人をやってくれますから一勝負くらいならやりましょう。

「その寂しさを私が埋めてあげましょう…霊夢さん。」

私と霊夢さんの弾幕ごっこは私が負けそこを通すことになりましたが負けても楽しかった。何故かというと私も霊夢さんも弾幕ごっこを通して友達になれたからですよ。もっとも強敵とも読む場合もありますけどね…ふふふっ!




そういえば東方に北斗の拳のタグはあってもクロスオーバーって見たことないですよね…作ってみようかな…と思った矢先、レミリアとサウザー(イチゴ味)がタブって見えました。

美鈴「お嬢様〜休暇ください〜!」
レミリア「文句があるなら髪を切ってからにしろ!」

咲夜「お嬢様、本日の御夕食はRH-のO型の血液です。」
レミリア「B型がいい!」
食卓ドカーン

…あれ?ダブって見えるどころか まんまイチゴ味のサウザーじゃん(笑)

まあそんな訳で今年中にはクロスオーバーかイチゴ味風のコメディかを決めておいて投稿したいと思います。

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