強面男が幻想入り   作:疾風迅雷の如く

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やっと花映塚編が終わった…


第32話

冥界のとある場所にて…2人が話し合っていた。

「それでは思い切り殺っても構いませぬな?」

片や妖夢の服を男性用にしたような服を着た老人。その正体は妖夢の祖父であり師匠でもある魂魄妖忌。二刀術の達人だ。

「ああ。思う存分に切ってこい。」

もう片や勇姿と同じくらいの剛体を持つ猛者…

「では…失礼します。」

妖忌が立ち去り、その場からいなくなると猛者は既に消えていた…

 

〜冥界〜

 

勇姿と霊夢は四季映姫と小野塚小町を倒した後冥界に来ていた。

「勇姿さん…ここになんの用よ?」

「敵が俺を呼んでいる。」

「嘘…ではなさそうね。」

霊夢は自らの勘で勇姿の言葉が嘘でないと信じると勇姿が一歩前へと歩み寄った。

「あんたか。俺をここに呼んだのは。」

その先には妖忌が仁王立ちをして待機していた。

「うむ…待っていたぞ。大和勇姿よ。儂の名前は魂魄妖忌。早速だがその実力試させてもらう。」

妖忌は二本の刀を抜き、流れるように構えた。

「…話しが早い。霊夢…下がっていろ。これは俺の戦いだ。手ェ出したらお前が考えに考えて煮詰め出した最悪の結果の10倍は酷い目に合わせてやるから覚悟しておけ。」

勇姿のコマンドから『コードやロード等の一部のコマンドが何者かによって実行不可になりました。只今処理しています。』と表示され、勇姿は前言撤回したくなったが霊夢にそんなことを言った以上、妖忌を素手で倒すことを決意した。

「勇姿さんの戦いに手を出しても今の私がどうこうなるレベルじゃないわ。」

 

「…そうか。そいつは安心した。…行くぞ!魂魄妖忌!」

「来い!」

勇姿は素手で突っ込み、妖忌に拳を喰らわせようとするが妖忌の二本の刀によって止められた。

 

「ヌゥゥゥ!!」

「はぁぁぁっ…!」

2人の力が拮抗し、勇姿は拳で、妖忌は剣で鍔迫り合いを始めた。

「…流石だな。その身体で二本の刀を持っているとはいえ俺の攻撃を防御するとは俺を呼んだだけのことはある。だがこれはどうだ?」

勇姿は指をまっすぐに伸ばし、曲げた…再び伸ばした。

「大和空掌弾!」

10もの空気の銃撃が妖忌に向かって襲いかかり、妖忌は受け止める戦闘スタイルから受け流す戦闘スタイルに変えて勇姿の拳を受け流し勇姿の腕を盾代わりにした。

「勇姿さん!」

霊夢はそれを見て思わず声をあげる。霊夢の勘ではあの大和空掌弾は殺傷力のある銃撃と何ら変わりがない。それを受けたら霊夢と言えども倒れ最悪死ぬだろう。

「どうやら一筋縄ではいかなさそうだな。」

だが勇姿の腕は多少凹んだだけで血は流れておらず、少し力を入れると元に戻った。

「お主、本当に人間か?あれを受けても無傷だとは…」

「そういうあんたこそ俺の腕を利用して盾代わりにするなんて相当なものだ。」

妖忌と勇姿は互いに言うだけ言って2人の時は止まった。

 

「「…」」

そして霊夢が唾を飲んだ時、動いた。

「…はあっ!」

先に仕掛けたのは妖忌で一瞬の切れ…つまり瞬発力のみならば幻想郷最速と言われている妖夢を上回るスピードで勇姿に刀を振り、勇姿を身体を捻り避けさせた。

「この時を待っていた!」

絶好のチャンスと言わんばかりに妖忌は声をあげた。

「はぁぁぁっ!」

妖忌はもう片方の刀を体勢が取れなくなった勇姿を斬ろうとして刀を振り落とした。

「甘い!甘過ぎる!」

逆に勇姿はその体勢を利用し、右足を軸にして二本の刀を回し蹴りを放ち、妖忌の体勢が崩れた瞬間に刀を左足で踏みつけ…根元から折った。

「対刀術奥義 竜虎崩れ…これは相手が二刀の時に使う奥義。テコの原理と崩れた体勢を最大限に利用し、剣士の刀と心を折る…これで戦闘の相棒とも呼べるものを失った貴様は戦えまい。」

「…確かにその通りだ。だが相棒がいなくなったとしても戦えぬわけではー」

「そこまでだ!」

突如第三者の声が響き、そちらを見ると勇姿にも劣らない程の体格とそれ以上の威圧感を持った男がそこにいた。

 

「…だれだ?」

勇姿はそれに怯まず、名前を尋ねた。

「俺はかつてお前と同じ大和一族だった者…そうだな…一(はじめ)とでも名乗って置こう。」

「その一が一体何のようだ?」

「この勝負…俺が預かる。」

「何だと?」

「貴様は知りたいのではないのか?貴様の一族が貴様に隠し事をしていることを…そしてその内容を。」

「…お前にメリットはあるのか?」

「弟子…妖忌を失わないというメリットだ。お前がこのまま戦えば妖忌は死ぬだろう…」

「確かにな。」

「そういう事だ…博麗の代行。今回はお暇させてもらう。」

一と妖忌はその場から消え、勇姿が慌てて目的を尋ねようとするがもういなかった。

 

「逃したか…霊夢帰るぞ。」

勇姿はそう言って霊夢の方に振り向くと霊夢が吐き気を抑えていた。

「…どうした?霊夢?」

「勇姿さん…よくあんな化物と対等に話せたわね…」

霊夢は一の威圧感に呑まれてしまい、これまでにない程の吐き気に襲われただけでなく、腰すらも抜かしていた。

「対等か…対等なら目的をすぐに尋ねていたよ。」

勇姿は「ふぅーっ…」と息を吐いて霊夢を両手で…所謂お姫様抱っこをした。

「ゆ、勇姿さん!?お、降ろして!!」

霊夢は青ざめた顔を真っ赤にして暴れて降りようとするが勇姿から逃れられない。

「霊夢…我慢しろ。少しでも楽な体勢を取るにはこれが一番いいんだ。」

「そ、そんなこと言ったって…」

霊夢の顔はもはや林檎のように真っ赤になり、目もクルクルと回っていた。

「それに…俺だって恥ずかしい。霊夢をこんな目に合わせた俺自身が情けなくてな…」

勇姿は泣いていた。それは自分の過信によって霊夢を守れなかった自分の慢心や傲慢な心に蝕れていた己の情けなさに涙を流していたのだ。

「…勇姿さん。」

「俺なりのケジメだ。霊夢…受け止めてくれないか。」

「わかったわ…」

そして勇姿の目の前に『魂魄妖忌を倒しました。異変が終了しました。コマンドのシステムが回復し、全て実行可能になりました。システムがパワーアップしました。コードが追加されました。』と表示され異変が終わったことを告げた。




こうして自分の小説を読み返すと、確かに続きは読みたくなるんですが訳が分からなくなって読めなくなる…という欠点がありますね。

どうでもいいですがこれを題材にした三次創作活動は私の許可を取らずとも勝手に作っても構いません。

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