強面男が幻想入り   作:疾風迅雷の如く

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第3話

「晩飯美味かったな。霊夢美人なだけでなく料理も出来んのかよ。誰かが霊夢を嫁さんにしたらそいつは幸せな生活が送れるだろうな…」

おっと…どうしても一人暮らしが長かったせいか独り言が出てしまうよな…まあ仕方ないちゃ仕方ないけど。それよりも風呂だ。暑くてしょうがないけど汗を流さないと不衛生だし。

「勇姿さん、お風呂沸いたわ。早く入って」

この急かさない感じは良いよな。まあ俺は客人だし、当然と言われれば当然なんだが…だいたいは俺の面を見ると遠回しに親族含めて風呂入れヤ9ザ顔! とか言われる…例外と言えば親父や兄貴達くらいのもんだ。

「それじゃ失礼しますよ…」

俺は風呂に入り、ゆっくりと浸かった…結構温いけどまあこのくらいが人間にとって一番良い温度なんだよな。俺の入る風呂の温度って50度くらいでイカれているし。

 

そんなこんなで20分くらい湯船に浸かった…

「ふう~っ…良い湯だったぜ」

しかしこの顔のナイフの傷跡、どうにかなんないかね…なんで傷ついたかって?職場体験のマル暴の時にマフィア達に襲われて傷つけられたんだよ。まあそのマフィア達は下っ端も良いところで弱かったから気絶させてなんとかなったけど本当に中学生がやるところじゃないと実感したね。

 

「あ…」

モタモタと着替えていると霊夢が現れた…なんとか下はセーフだったけど上はまあ上半身露出は水泳とかで慣れたし、今更って感じだけど一応着替えるか。

「それじゃごゆっくり。」

俺はそれだけいうと霊夢はボケーッとしていた。しかしよくよく見てみると守ってあげたいくらい華奢だよな霊夢って…

 

「今日の筋トレのメニューは…」

俺がそうつぶやくと景色がいきなり灰色になりなんか現れた。時計は止まっているな…

 

『メインコマンドが作動しました。チュートリアルをはじめますか?』

どこからともなくそんな声が聞こえ、その言葉と選択肢が表示された。

 

…おいおいゲームの世界じゃあるまいし…とはいえ暇だし暇潰しにチュートリアルはやっておくか?

 

Yesと答えると『それではチュートリアルをはじめます』と表示された。

 

『まず最初にメインコマンドの説明をします。メインコマンドは貴方のサポートをする物です。コマンドまたはメニューと呟くか心の中で念じれば開くことができます』

それで開いたのか…なるほど。

『次にメインコマンドの使い方です。セーブとロードについてお話しします。セーブはその場の状況、時間を記録し、ロードはセーブした場所からやり直す物です。上手く状況などを見て判断して下さい』

まんまゲームだな…これ。てか異世界トリップしたんだしチートの一つや二つは貰えて当たり前か?

『では次に倉庫と袋の説明です。袋は16種類の道具を99個持ち歩くことが出来、イベント進行時にも使えます。倉庫は無制限に収納できますがイベント進行時に使うことは出来ません。袋が一杯になった時には自動的に倉庫に収納されます。また倉庫から袋へ道具を移したい場合は倉庫内の道具を選択し、移動するを押してください。逆に袋から倉庫へ移したい場合も同様にできます。それでは試しに倉庫にある栄養剤を一つ袋に移してください』

なるほどね。栄養剤を移してと…

『栄養剤が袋に移されました』

 

『次はコードの説明です。コードはとあるイベントをこなすことによって習得して行きます。ではコードを選択し、現在あるコードの中からオート武器1セットを選んで下さい』

うわっ結構あるな…えーと…オート武器1セットを選択だったな。

『オート武器1セットを装備しました』

装備!?なんも変わらないけど…

『このままでは素手の状態の変わりませんがメインコマンドの武器変更を使って現在持っている武器と交換することができます。武器を変更して下さい』

武器変更を選択すると10種類くらいの武器があった。

まあシンプルにメリケンサックで良いか。銃やロケットランチャーなんかも(銃以外の武器はメリケンサックとバットしかなかった)あったがスルーだ。そんなものをこの神社で取り出してみろ…えらいことになる。

『武器変更が終わりました』

 

『またメインコマンドを閉じて武器変更と念じればメインコマンドを開くことなく武器を変更することができます』

セーブとかロードとかある時点でチートくさいけどもう突っ込まないことにした。

 

『それではマップの見方について入ります。マップを開いて下さい』

マップを開くといろいろと出てきた。青点が俺か?

『マップの青い点が貴方の位置、白い線は障害物、黄色の点は主要人物、赤の点は敵となります。』

障害物って…壁すらも障害物に入るのか?何にしても自由度が高いこったな。

『マップをある程度縮小すると障害物は映らなくなるので注意して下さい。またメインコマンドを開かずにマップを開きたい場合はマップ表示と念じれば開きます』

 

『次にヘルプの使い方です。ヘルプを選択するとこれまで説明したことが書いてあり、またこれまで出会った人物も記録されており、イベントをこなすにはどうするかと言ったアドバイスもありますので是非活用して下さい』

関係のある人物まで書いてあるのか…恐ろしいシステムだ。まあ便利なことに変わりないのでわからなくなったら開いてみるか。

『最後にメインコマンドの閉じ方について説明します。一番下にあるコマンドを閉じるを押せばメインコマンドを閉じることができます』

これで一通り終わったか…良い暇つぶしだった。

『ではチュートリアルを終了します』

そしてその声は消えると、俺はメインコマンドを閉じる前にセーブをしてメインコマンドを閉じた。

 

すごい能力だよな…これ。だけどこんなチート能力だと…

「しばらくは帰れないな…」

下手に使ったらマスコミがウザくてしょうがない。いやそれ以上に国だな。もしこんな能力がバレたら即、研究所行きだ。そんな事態は避けたい。

 

「ちょっと良い?勇姿さん?」

おっと…霊夢か。考え事はやっぱりコマンドを使用したままの方が良いな。

「どうした?」

「勇姿さん。さっきのことだけど」

さっきのこと…あれか?

「ああ、風呂のことなら俺が悪かった。すまない…今度からはもっと早く着替える」

俺がモタモタ着替えていたからそうなったんだよな。非はこっちにあるし、謝るのは当然のことだよな。

「勇姿さんが謝ることはないわよ…私が勇姿さんがいることに気がつかずに入ったのが原因だし…それよりも勇姿さん、もしこれから帰れなくなったらどうするの?」

霊夢…お前が謝るとこっちが悪者に見えるじゃないか…少しは楽に生きろよ。

「その心配はないぞ。その頃にはもうこっちにも親しみが湧くし、その時はこっちに住んで暮らすさ」

「本当にそれで良いの?」

「まあ向こうに未練がなかったと言えば嘘になるが、行けないものは仕方ない。それよりもやるべき事を見つけるのが一番良いんだよ」

「やることって?」

やることってイベントこなすしか無いよな…こういうのってゲームの定番だし。

「幻想郷でやれるだけの事をやらなきゃ後悔するだろ? だから帰れなくなっても幻想郷でやれるだけのことはやっておく」

何しろメインコマンドがせっかく使えるんだ。使わないのは損だ!

「そういう考え方もあるのね…」

「まあこっちは娯楽は少ないがちょっと面白そうな展開になりそうだからな」

勘違いしているようだが俺はゲームが嫌いというわけではない。むしろ好きな方だ。ただ裕二(次兄)がチート過ぎてやらないだけだ。どのくらいチートかと言うとFPSなんかは一時期世界ランク一位を獲得して動画投稿して金を稼いだくらいだ。裕二の篭りながら突っ込むという変則的なプレイスタイルを真似ようと猛者達が挑んでも無理だった…俺?俺は猛者の領域まで行っていないからどんなに頑張ってもオンラインで一回につき60キルの3デスが平均だ。

「そう…それじゃおやすみなさい。勇姿さん」

霊夢はそういうと部屋から立ち去った。

「それじゃおやすみ…」

俺は筋トレをやってから寝ることにした。


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