強面男が幻想入り 作:疾風迅雷の如く
第22話
萃香の異変が終わり、19歳となった俺は里人からの依頼を終え、妖怪の山で夜のランニングをしていた。
『異変が起こりました。』
早すぎだボケッ!!俺への嫌がらせか!?萃香の異変からほんの少ししか経ってねえぞ!!!
「にしてもどうしろと言うんだ…?」
とりあえず景色を見てみると森、森、森…山道そのものだった。地上に異変は見られないとなると空か?今の季節と時間帯なら月の高さは秋分の日を迎えていないので低い…
高さに異常はなかったが形に異常があった。今日は満月のはずだが正確な円でなく、どの月の月齢にも当てはまらないような形だった。
「これが異変の元か…なるほど確かにそうだな。」
確かに今仕事しなきゃ異変解決は無理だな。とりあえず聞き込みだ。
某鴉天狗
「え?それよりも霊夢さんの半裸写真買いませドホゥッ!?」
とりあえず殴っておいた。
某常闇の妖怪の場合
「そーなのかー…でもお兄さん良い肉付きしてグフッ!?」
喰われそうになったので沈めた。次だ。
某虫妖怪の場合
「知りたいなら僕を倒しゲフゥっ!?」
秒殺したが気絶した為情報はなし…次だ。
某鳥妖怪の場合
「燃えて~せィシュフゥッ!!?」
幻想入りすんなボケ!お気に入りの曲なんだぞ!!
某騒霊三人組
「あなただけが使え…キャアアァッ!!」
「なっ姉さん!?よくも姉さん…ゲホォッ!?」
「ならせめて私の歌だけで…ガホッ!?」
とりあえず三人とも歌おうとしたので〆ておいた。宴会はまだまだ先だ…
以下略…
そして人里…それまでここに来るまで戦ってきたのはいいが全員無関係だったのでここで情報を集めることにした。
「博麗の代行か…今は貴方でもここを通す訳にはいかん。」
警戒心MAXの人里の守護者、上白沢慧音が俺を睨み付ける…
「そこを通りたいんじゃありませんよ。少し尋ね…」
「問答無用!」
慧音がジャンプして頭を振り下げた。角度、勢いからしてこのままでは確実に頭突きをもらうのは目に見えている。となれば俺は首を動かし、少しでも自分がダメージを負わず、相手に反動を大きくする角度に変えた。
ゴスッ!
「~っ!!」
案の定、慧音はめちゃくちゃ痛そうに転げ回り、タンコブが出来た。逆に俺は無傷だった。
「なんて石頭だ…この私が頭突きをしてここまで痛かったのは初めてだ…だがここは通さん!」
人の話を聞かない典型的なパターンだ…仕方ないか。
「話を聞いて欲しいっ!」
俺は慧音に怒鳴り、黙らせた。
「っ!!」
慧音はビクッと反応し、動きを止めた。
「…私は別に人里に危害を与える気はない。」
俺は強く目と口でそう訴えた。
「じゃあ何の用だ…?」
警戒心は少しは解いてくれたのか俺にそう尋ねた…良かった良かった。警戒心を解かなかったら先ほどのように「嘘だ!」とか言われかねない。
「私の用件は至って単純…この異変の首謀者に心当たりはないか?」
愚策と思うかもしれないがこれで良い…人里には能力持ちはほとんどいない…それも俺みたいな強い能力の持ち主は絶対といって良いほどいない。いたとしても今回の活動とは無縁の可能性が高い。里人のメリットはあるだろうがそんな大袈裟にやるくらいだったら事前に妖怪殲滅の依頼が来てもおかしくないからな。
「一応あるが私の友人の方が詳しいぞ?その友人は迷いの竹林にいるから気をつけて欲しい。」
迷いの竹林…マップで検索と…おっ?あったあった。
「ありがとうございます。では私はこの辺で失礼しますよ。」
俺はそう言って立ち去った。
そして新たに追加されたシステム…飛行の項目で飛ぶと現れたのは、俺が解決した首謀者達と八雲紫にフウ、そして霊夢に魔理沙…あとは謎の金髪の短髪少女だ。
「随分と大勢でわらわらと…」
しかしそんなことはどうでもいい。問題は何故こいつらが二人一組になっているかということだ。霊夢と紫ペア、魔理沙と短髪少女ペア、咲夜とレミリアペア、妖夢と幽々子ペア、最後にフウと萃香ペア…面倒だな。
「お前達も異変を解決しに来たのか?」
俺はシンプルにそう言い放つと全員が頷いた。
「勇姿さん…貴方に恨みはないけれどこの異変は私達が解決するわ。」
霊夢が立ちはだかり…紫は笑う。
「いやこの魔理沙のチームだ!前回も前々回も前々々回も勇姿にやられちゃ面目ってもんが丸つぶれだぜ。」
魔理沙はそう言っているが短髪少女は怯えている…まあ初対面じゃそうだろうな。
「勇姿さん…お嬢様のカリスマの糧となってください。」
遠回しに言いやがるな…咲夜は。要するに一番に解決するって言っているのと同じだ。
「勇姿さんより速く貴方達が解決するのなら、この魂魄妖夢がとっくにしている!!」
そう言って妖夢は構える…
「私…天魔と鬼の四天王の一人、伊吹萃香を相手にどこまで相手に出来るのか…試させて貰おう!!」
…全くこのままじゃ俺対全員と凄く面倒なことになる。戦闘は避けるか…
「そう言えば迷いの竹林に異変解決の糸口が」
俺がそう言った途端全員が迷いの竹林に向かって行った。せっかちな奴らだ。それがいいところでもあるがな。しかし迷いの竹林というだけあってマップも使えないだろう…そう考えると頭痛いがとりあえず竹林の方面に向かっていった。
~迷いの竹林~
「着いてしまった…」
俺は慧音に言われた人物を探すために迷いの竹林に入った…はずなのだがいかにも和風っぽい屋敷に着いてしまった。この中に慧音の友人もいる可能性もあるし試してみるか…?
「お邪魔します!」
俺はその屋敷の中へと入って行った。
「待ちなさい!」
そして俺は声がした方向へと目を向けた。
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その頃…
「あ~っも~っ!!罠がうざったいわね!!!」
霊夢達は単純な罠に引っかかっていた。その理由は単純で紫が修行するように誘導したのだ。おかげで霊夢から紫の信頼度は下降中である。
「くそ~っ!!ここどこだ!?」
魔理沙達は迷っていた。
「だから急ぐとろくな目に遭わないっていったのに…」
短髪少女ことアリス・マーガトロイドはそう言って魔理沙を批判する。ここでアリスについて説明しよう。アリスは魔界の神神綺から生まれた存在であり、神綺からしてみれば子供である。それ故に過保護に育てられ慎重になりすぎるのだ。
「なんだと!?」
「事実でしょ!?」
二人は喧嘩を始めてしまった…
「雑魚がわらわらとうるさいわね…」
咲夜達は妖精が大勢出る地域に遭遇してしまった。咲夜達にとって集団戦はあまり得意でない…レミリアのグングニルくらいしか対処法はなく、それ故に不運だった。
そして…
「う~ん…おいし~っ!」
幽々子はそう言って兎達を褒める…現在幽々子は兎のついた餅で足止めをされていた。
「ほら行きますよ!幽々子様~!!」
そう言って妖夢が幽々子を引っ張るがテコでも動かない…
「もうちょっと~!」
妖夢は諦めて座った。
「フジヤマヴォルケイノーォ!!」
そして萃香達は慧音の友人、藤原妹紅に出会って戦っていた。
「あの姿…まさしく不死鳥その物だが…」
フウはそう言って巨大な団扇を持ち、妹紅の不死鳥を消し去る…
「所詮は人間の作り出した偽物でしかないわ!」
再び風を吹かし、妹紅を吹っ飛ばした…
「天魔…邪魔もいなくなった事だし、そろそろ私との決着をつけようじゃないか?」
萃香は妹紅が吹っ飛ばされたのを見て天魔に向かってそう言った…
「それもいいね…」
フウ…天魔は構えようとしたが…妹紅が飛んできた方向に注意を向けた。
「まだまだぁっ!」
そこには妹紅がおり、弾幕をぶっ放し、萃香達の注意を向けた。
「誰がいなくなったって…?」
「面白い…」
「そう来ないとつまらないね〜…」
そして三人は黙り…三つ巴の戦いが始まった。
次回は第三者視点です。