因みに何進、何太后、霊帝、劉協も恋姫化していますが、キャラが掴めなかったので無しの方向で行きます。
因みに恋姫をプレイして思うことは風と華琳は一刀の嫁
新野、稟が一刀に代わり治める街では一刀の元の善政もあり、他の街とは段違いに活気があった、
街へと移住し商売を始めたいと言う申請や治安に関する意見書が政庁にひっきりなしに来るようになった。
元々広い街で廃れていただけである、開いた土地は多いため、農地や空き物件にも事欠かない。
「ふむ、一刀殿が言っている嬉しい悲鳴とはこういう事なのでしょうね、この活気なら移民をもっと受け入れられます。」
(しかし、出立前に一刀殿が記したこの計算方法やこの算盤でしたか・・・今までと違い計算効率が段違いです。)
出立前に一刀が残した様々な書や算段方法、覚えるのが少し手間だが一度覚えてしまえば後は簡単、
読み上げてもらいながら算盤をはじき、結果を記載するだけで計算が終わる、なんとも驚きの便利道具だ。
(ここまでくると、本当に一刀殿は何者だ、軍略、治世、そのどちらもが太守となって直ぐに結果を出せる程の教育、
だが何故それほどの人間の名が全く知られていない、これほどの才を持つものならばすぐにその名が知れようものを・・・。)
しかし、今は仕事が最優先だろう、気持ちを切り替えながら書類に目を戻し仕事を再開する、その師の一人が自分とは知らないで、
街から募った文官たちと竹筒を適切に整理しながら仕事をしていると、街から歓声が上がり、一人の伝令が駆け込んできた。
「伝令!太守様率いる黄巾討伐軍が戻ってきました、街を凱旋しながら到着とのことです!」
「思ったよりも速い帰還ですね、しかし随分と慌てているようですがどうしました?」
「帰還してきた軍なのですが、明らかに出立前よりも数が増えています!」
「驚くことではありません、一刀殿の事ですから黄巾賊から降伏したものも連れているのでしょう。」
「ですが太守様から伝言を預かっていまして、「色々あって兵が倍近く増えて進軍中に武将も増えた。」とのこと!」
「・・・はい?」
伝令から聞いたありえない報告に目が丸くなった稟だった。
◆
新野に戻ってからの北郷軍の忙しさは半端なものではなかった、軍備強化は勿論の事、黄巾を受け入れる方針との民への説得、
後者の方は新野が比較的黄巾賊の猛威に晒されていないのと天和らが一刀の求めで親睦ライブを開いたき驚くくらいに収まった。
賑わう新野に建つ政庁で一刀は風とともに事の次第を稟に説明していた。
「・・・では、彼女達は黄巾賊の首魁ではあるが、実際にはほぼお飾り同然だったと?」
「そうなるかな、でも彼女達がしたことははっきり言えば許されるものでもない、それでも、償う意志のある人を殺すのはね・・・。」
「それでも驚きが隠せません、何故進軍して戦闘もあったのに逆に戦力が増えているのですか?」
当然だが兵には戦死者もいるし、それに対する慰安も大切だが、何故か戦力はほぼ倍増していた。
「あーまあ、それは俺が聞きたい、かな?」
「ですねー。」
「構え!払え!構え!突け!」
気合の入った練兵の声が聞こえてくる、兵を指揮しているのは焔耶、元劉表軍の将なだけあって練兵の姿が様になっている。
「一糸乱れずに、掛け声とともに一斉に放ってください・・・斉射!」
弓兵の指揮を取るのは紫苑、一刀や稟とは違い彼女は弓の名手だ、二人とは段違いに弓兵達の練度が上がる。
「一刀様、警備方針で少し相談が・・・。」
治安関係に凪まで居るし、更に知者に風と稟まで居る、正直言って何が不足してるんだと言わんばかりの充実ぶりだ。
極めつけは天和三姉妹の力添えもあって娯楽もあるなど街の活気の高さは当事者たちからしても望外の極みであった。
「貴殿だからこそ言えるのですが、恐ろしさすら感じます、この状態、状況が噛み合えば他太守とも渡り合えるでしょう。」
「だからこそ、御さないといけないな、強いということは慢心と傲慢を招く。」
「そのとおりですよー。」
初めの立ち上がりはたった三人だ、だというのにそれからたったの半年、今や太守の一人として遜色ない実権を一刀は得ていた。
「そして、次に思うのは近隣の太守との連携なんだよ、黄巾賊の残党はまだいるし、周囲の治安は万全とはいえないからね。」
「我々の付近にいるのは北の董卓と、南に劉表ですか・・・。」
「まあ陽平関を挟めば漢中に張魯さんが居ますが、あちらは領土欲が少ないですからねー。」
「だから、黄巾賊の残党が暴れてるうちに近隣の太守達といざこざがあったら不味いですし、今のうちに友誼を結ぶのですね。」
「そうなる、董卓軍とは一緒に戦った仲だけど、劉表がわからない。」
「わからない・・・とは?」
「凪はともかく保護してきた焔耶と紫苑は元劉表軍の人間だ、稟も見たらわかると思うけど、あれほどの将達は得難いものだ。」
「貴殿の言いたいことはわかります、ならば何故不本意に手放した将を探さないのか、ですね。」
「そうですねー聞いた話ではあの二人は蔡瑁の独断で離れた将たちです、ならば蔡瑁を罰する、というのが当然ですが・・・。」
「気になって放った密偵の話だと、未だに蔡瑁は軍の実権を握ってるってことだ。」
「不気味です、何故劉表は蔡瑁を放置しているのでしょうか?」
「まあ、そのことは密偵の皆さんにお任せして、風達はこれからを考えましょうかー。」
風がパンっと小気味良く手を叩いて話題を変える。
「治安維持、農地開拓、物件建設、兵役強化、法制整備、まあ確かにこれからやることは山積みだね。」
「これからですか、此処はともかく、中央はどうなるかは自明の理ですけどね。」
「中央は太守の力がなければ賊軍を抑えることができない、それを世の中に認めさせてしまいましたしねー。」
「洛陽の荒れようはさらに進むばかり、十常侍と何進の対立が更に進んでるってのもあるけどな。」
「其処で考えつくのは黄巾の乱で大功をたてた者を中央に呼び込み後ろ盾として使うこと。」
「有力なのは董卓や、元からいる曹操や袁姉妹じゃないかな、袁術の下には孫堅もいるし。」
「貴殿がその候補に上がるということは?」
「え、ありえなくないか?俺達董卓軍に追従しただけで、それらしい功なんてあげてないぞ?」
《自惚れてねえのか、それとも先が見えてねえのか判断に困る姉ちゃんだなおい。》
「え、いやいや、だって、俺達はまだ太守になったばかりの田舎者で新参者だぞ?」
「・・・だからこそ、使い捨てにはちょうどいいとは思わないのですかー?」
「げ。」
言われて気がついた、あの連中がそんな個人的な事情に構うものかと今更思い出す。
「そうだった・・・董卓と連携が取れてたからついでで呼ばれる可能性もあるんだった・・・。」
「それに、事情はどうあれ新野はとても栄えてます、連中から見れば、【持っている】と思われるでしょうね。」
稟が小さい金を握り指で弾いて掴む、顔はとても嫌そうにしながら。
「まあ、その方向で話を進めたほうがいいでしょう、そうで無くとも、軍力強化は急務且つ必須ですし。」
「なんだよなぁ・・・。」
残党もそうだが賊の多さに目を覆う一刀、どうやら前回と違ってとんでもない飛躍を遂げてるが目下問題がそれ以上に山積みだった。
(て言うか、その前に!劉備と華琳が手を結んだままってどういうことだよ!?)
前回ではあっさりと解消された同盟のようなものが続いているのが一刀にとっては不思議だった、なんせ、劉備と華琳の下には・・・。
◆
「・・今すぐにでも関羽を切りたいって感じね、春蘭。」
「あ、あはは・・・愛紗ちゃん・・・。」
二人は思わずため息を吐いた、主に騒いでいる前方の二人に対しての愚痴でいっぱいである。
「華琳様に気に入られるだけでは飽きたらず閨に誘われるなど笑止千万、私が貴様より上だと華琳様にーー!!」
「だから変な言いがかりはやめろと言っている夏侯惇!私がお仕えするのは桃香様ただ一人だ!」
「姉者、いい加減に・・・いや、止めても無理か。」
「愛紗ー!夏侯惇に負けちゃダメなのだー!」
建前は鍛錬らしい、しかし現状どう見ても一騎打ちのそれと変わらない気迫を放つ二人だった。
「おまけにあっちも、こっちとは別方向に問題ね・・・。」
「むがー!凪のやつなんで北郷軍に行くねん!」
「そうなの、これはもうお仕置きじゃ勘弁してあげないのー!」
怒ってた、友人が他軍に行ったことに李典と于禁は少なからず、否、めっちゃ苛立っていた。
「戦力は増えたけど、そろそろ規律を厳しくしないといけないのかしらね・・・?」
「あ、えっと、愛紗ちゃんそろそろやめてー!」
こめかみを押さえる曹操とますます争いが過熱する二人に劉備は慌てて関羽を止めに入った。
◆
「む・・・?」
「いかがしましたか、楽進隊長?」
「いや、見知った声が聞こえただけだ。」
(楽進隊長・・・か。)
あれから新野に来て早数カ月後、凪は思う、今に不満はない、それでも不意に思ってしまう、まるで自分が経験したかのように。
(前と、隣が寂しいな。)
北郷隊として活動していたのなら、間違いなく、あの人と、自分の友人達が居たのだろう。
「さて、居ない分は私が頑張らねば、お前たち、行くぞ!」
「はっ!!」
後悔はしない、そうでなければ一刀にも、曹操達にも申し訳がないと凪は知っているからだ。
「だ、だれかー!物盗りだ!」
「くそ、どけぇ!」
ひったくりの類だろう、女性から荷を奪い逃走を図ろうとしている。
「・・・そうはさせん!」
夢の中で学んだ、ひとつの技法、気を脚部に集中する。
「はぁ!」
一度跳ねれば瞬時に犯人に追い付き回りこむ。
「ぬ、なぁ・・・!?」
突然現れた凪に対応できずに足を取られて転ぶ犯人。
「取り押さえろ!」
「ははぁ!」
あっという間だった、犯人ですら何が起きたか理解できなかっただろう。
「おーさすが楽進様だぜ!」
「よっ、楽進様、お見事!」
「疾いなぁ、まるで疾風だぜ!」
いつの間にか集まった野次馬が凪を讃えている。
「ああ、ありがとうございます、楽進様!」
「いえ、お怪我はないですか?」
「はい!」
「それと荷は確認して下さい、足りないものなどはありますか?」
「えーと・・・大丈夫です、楽進様、本当に有難うございます!」
深く礼を言いながら女性は去っていった・・・。
「・・・うん、だいぶ馴染んできたな。」
拳を握り開いてを繰り返す凪、記憶からもらった餞別と自らの身体がようやく噛み合ってきた。
(一刀様の足手まといにはなりたくはない、力はあって困るものではないからな。)
だからこそ自身を諌める、技に酔うな、力に溺れるな、気に呑まれるなと。
(一刀様や真桜たちに、あんな顔はされたくないしな。)
あの凪が弱いと思わない、だが驕り、慢心すれば容易に屍を晒すだろう。
(もっと、もっと強くなってみせる!)
警備隊を率いて街の警備に戻る楽進、だが一人の伝令の通達の内容を聞き、楽進は急ぎ政庁へと戻る。
【北郷一刀、大将軍何進の要請あり、至急董卓と共に洛陽に参じられたし】との事。
かくして北郷一刀はまたしても歴史の歪みを起こし、その渦に巻き込まれていく。
◆
一方、洛陽のある一室、二人の女性が話をしていた、一人は皇甫嵩、もう一人は十常侍の一人趙忠。
「それで趙忠、陛下の容態は?」
「うぅ・・・思わしくありません。」
「まあ、あの中で唯一帝に忠誠を誓っている貴女からしてみれば耐えられるものではないわね。」
「あの方が亡くなったら私は劉協様と劉弁様以外にこの身を捧げることしかできません・・・。」
「御二人とも女性だけど捧げる相手がいるだけいいじゃない、私なんて、私なんて・・・。」
(うわぁ、なんか部屋の中から陰鬱な空気が・・・。)
人払いを頼まれた兵は部屋の中から漏れる嫌な気に思わず引いていた。
「あら、こんな所で何をしているのかしら?」
気は伝染するようで少し気分が暗くなった兵の目の前に黒い犬耳フードを被った女性が通りかかり話しかける。
「これは荀攸様、いえいえ、鼠が入らないように見張っているだけです。」
「あら、なら鼠ではない私が入っても問題ないわね?」
「いいですけど、あまりおすすめは出来ませんよ?」
「・・・うわぁ、何やっているんですかあなた達揃って机に突っ伏して。」
「ほっといてください、私このまま独身なんて嫌なんですぅ・・・。」
「なんで張譲達は劉協様達を傀儡にしようとしてるのか・・・。」
「はいはい、あなた達の言い分はわかってますから、いつまでもうだうだしないでください。」
荀攸はこれから共謀する者達がこんなので大丈夫かと頭を抱えた。
「相も変わらず、劉協様達以外には厳しいですね、荀攸ちゃんは。」
「ちゃん付けしないでください、劉協様達は別なのです、だいたいこの私が何故あの無能どもに媚売らなきゃいけないのですか。」
「うわぁ、身も蓋もない、公の場では完全な猫被りがなんでこんなにばれないのですかね。」
「あなたが言わないでくださいドM趙忠。」
「どえっ!?いくら何でもそれは酷いです!?」
「事実ですよね、罵声されて喜ぶ変態娘。」
ふん、と鼻を鳴らしながら歯に衣着せない物言いをする荀攸・・・流石あの荀彧の姉である。(※実際の荀攸は族子)
「これで陛下や十常侍以外の文官たちからの信用が厚いと言うんだから世の中わからないわ。」
「私が下手を打つような真似をすると思ってるんですか・・・はっ!今劉協様が私を呼ぶ声が、今すぐ参じます劉協様ぁぁぁぁ!」
突然立ち上がったと思うと先ほどまでの冷静ぶりはどこへやら、部屋から飛び出して駆け出していった。
「それでいて、あの忠犬ぶり、どうでもいい話ですが荀攸さんも人のこと言えませんよね。」
「こんな調子で十常侍の魔の手から帝達をお守りできるのかしら・・・。」
「まあいいんじゃないですか、愚鈍に思われた時のほうがいい時もあります。」
「確かに、この有り様なら連携が取れていないと誤認されても無理ないわね。」
「あ、そういえば新しい料理ができたんですよ、帝達にご賞味頂く前に味を見てもらいたいんですが。」
「・・・今更だけどなんで貴女十常侍やってるのよ、料理人になればよかったじゃない。」
「只の料理人では帝達にお近づきになれないじゃないですか!」
「その行動力を別方向に活かしてほしいわ・・・。」
色物しか居ない都の一室に苦労人のため息が響いた。
◆
所戻って新野。
「・・・マジで来た。」
頭を抱える一刀、そしてそれを横から見る風。
「おおう、名を見るだけでも壮観ですねー。」
「太守の中でも有力な者達が召集されてますね。」
「まあ百歩譲って行くのはいいんだ、問題は誰を此処に残すかってことだ。」
「はい、風、天和ちゃん達、紫苑さんが留守番するので、稟ちゃん、凪ちゃん、焔耶ちゃんはお姉さんが連れて行ってください。」
風は兵数のなどの所属配置を含めて書き記すと一刀に渡す。
「ん?こんなに連れて行って大丈夫か?」
「そうですよ風、貴女と紫苑殿だけで此処を守るのは些か・・・。」
「ぐー。」
「「寝るなぁ!」」
「おおう!予想外の挟撃を受けて慌てふためく夢を見たのですよ―。」
「頼むよ、今大事な話をしてるんだからさ・・・。」
「まあ冗談は置いときまして、警備隊の練度も上がり、治安もだいぶ見違えましたし、降伏兵もこの数カ月でこの街に馴染みました、
いざ賊が来たとしても、風と紫苑さんだけで十分対処できますよーそれにそれほど長い間は居ないでしょうし。」
「それにお姉さんには助言役が必要なので、どうしても稟ちゃんは必要です。」
「其処まで言われれば吝かではないですが・・・。」
「安心してください、お姉さんが政変に巻き込まれて死んだら責任持って風が太守になるんで。」
「風さん、それのどこに安心しろと?」
「ふふふー♪まあ困ったことがあっても稟ちゃんが助けてくれますよ。」
一刀にとって風は一番頼りになる軍師だが、おそらく一生頭が上がらないだろう。
◆
その夜
「はぁ、今日も仕事が終わったかぁ。」
「お疲れ様です一刀様。」
「いやー今日も働いた働いた。」
仕事が終わり、一刀は焔耶と凪を連れて最後の見回りを終えたところだった。
「よし、どうせ出し何処かで食べて帰るか、金は俺が持つよ。」
「お、大将いいのか?」
「一刀様、それは少し申し訳が・・・あと焔耶、お前は少し遠慮したらどうだ?」
「気にするなって、お、此処が良さそうだな、ふたりとも此処に寄って行こう。」
「よっしゃ、たらふく食べて明日に備えるぞ―!」
「はぁ、じゃあお言葉に甘えます。」
一刀達が入ったのはありふれた食堂で、夜もまだ開店しているようだ、そのせいか、休憩中の兵の姿もちらほら見れた。
「さて、何を食おうかな・・・。」
「じゃあワタシは・・・。」
「ふむ、これは美味しそうだな。」
互いに注文を決めて、運ばれてきた料理の前で手を合わせる一刀。
「いただきます。」
「んあ?大将、そのいただきますってのはなんだ?」
箸を伸ばして口に運ぼうとした手を止めて気になったことを聞く焔耶。
「俺の故郷での習慣かな、食べるってことは恵みを貰うってことだから、食べ物に対する礼は欠かせないんだ。」
「へぇーじゃあワタシも、いただきます。」
「私も、いただきます。」
二人も一刀に倣い、手を合わせて食べ始める、周囲の人も聞いていたのか、それに合わせるように頭を下げた。
「お!美味いなこれ!劉表の所に居た時もこんなの食べたことなかったぞ。」
「・・・美味しい。」
(?・・・この味は、どこかで?)
二人が美味しそうに食を進める中、一刀は一人あることを思い出していた。
(そうだ、この味、忘れるわけがない、流琉と同じだ。)
前回の曹操の親衛隊の片割れにして怪力の持ち主、この料理の美味しさは彼女を思い起こさせる。
一刀が感慨深く料理を味わっていると、一人の少女が厨房から出てきた。
「あの、お客様、おかわりとかどうしますか?」
「ん、じゃあ、これをお願いしようかな。」
(・・・やっぱり、でもなんで君がここにいるんだ、流琉!)
振り向けば小柄な少女、そう、彼女こそが幼い見た目ながらも魏軍屈指の親衛隊、典韋だ。
「はい、わかりました・・・少しばかり、お待ちくださ・・・?」
しかし、話していると少女が徐々に声が小さくなって、その視線は一刀に集中していた。
(あれ、なんか流琉、ずっとこっち見てないか?)
訝しんでいると、典韋の方から口を開いた、一刀にとって全くの予想外の言葉とともに。
「・・・兄・・・様・・・?」
「え・・・?」
洛陽出発を明日に控えた一刀、しかし彼女の夜はまだまだ続くようだ。
因みに現話の時点では荀攸のみオリキャラです