ご注文はうさぎですか?DayDreamDayz   作:toto1754

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はい!遅くなってしまいました!なんか...本当にすみません。だいぶ遅めの投稿...とりあえず第四話読んで下さい!


第四話~悲しい思い出と大切な思い出

「レン。お前は優しくていい子になりなさい。困ってる人がいたら見てみぬ振りをせずに助けてあげなさい。そうすればきっと自分に幸せがくるから」

 

 それは懐かしい思い出だった...懐かしくてそして凄く悲しい思い出。

 

「うん!約束するよ!だから...だから元気になってよゆめ婆ちゃん!」

 

 ゆめお婆ちゃん...それは俺の祖母であり大好きな人だった...ゆめお婆ちゃんはいつも優しくてでも悪い事をした時は怒ったりするそんな人だった。

 

「大丈夫...すぐに元気になるよ...だからそんな悲しい顔はしちゃ駄目だよ...レン。強くなりなさい...」

 

そう言うとお婆ちゃんは優しく微笑み目を閉じた。

 

「お婆ちゃん...?ねぇお婆ちゃん!」

 

「レン...もう休ませてあげなさい」

 

俺の側にはお父さんとお母さんそして千夜ちゃんのお婆ちゃんがいた。けれどみんな悲しそうだった。この時の俺はまだ小学生だったため,状況を掴む事も出来ていなかった。

 

ただ。はっきりと分かっていたのは,ゆめお婆ちゃんが目を開けなくなったという事であった。

 

「お父さんお婆ちゃん目を開けてくれないよ!なんでなの!?もっとお話しする事沢山あるんだよ!どうして!」

 

「レン...ごめんね...ごめんね」

 

お母さんはそう言って俺を優しく抱き締めた。そしてお母さんは泣いていた。

 

「なんで...どうして...僕のせいなのかな...わがまま言ったりしたから...ひっく..ぐす...ゆめお婆ちゃん...」

 

 もっといろんな話をすれば良かったと今でも後悔している... ゆめお婆ちゃん ...

 

「ちゃん...ンちゃん」

 

 誰の声だろう...けどなんでか分からないけど凄く気持ちが落ち着く...まだこのまま...

 

「レンちゃん!」

 

「え?...千夜ちゃん...?」

 

 なんで千夜ちゃんが?それに心配そうな顔をしてる...

 

「レンちゃん大丈夫?凄くうなされいたけど...」

 

 うなされていた?

 

 ぴょん。

 

「おふぅ!...あんこ?...あ,そっか」

 

 あんこがお腹の上に跳びのってきた衝撃でさっきまでのが夢だったと分かった。

 

「レ,レンちゃん!?」

 

「え?」

 

 頬に冷たいものを感じたので自分の手で頬を触ってみると,軽く濡れていた。

 

「これって...涙?」

 

俺は涙を流していた。その涙はすぐおさまったので問題はなかった。けど,千夜ちゃんは凄く心配そうな顔をしていた。

 

「レンちゃん何処か痛いの!?病院に行く!?」

 

「だ,大丈夫だよ!大丈夫だから落ち着いて!」

 

 千夜ちゃんが慌てると俺まで慌てちゃうよ...

 

「レンちゃん...やっぱりまだ...」

 

 千夜ちゃんはそっと俺の手を握った。

 

「へ!?ち、千夜ちゃん!?」

 

「.....こうしてれば震えはおさまる?」

 

「え?あ...」

 

 さっきまであった手の震えがなくなってる...千夜ちゃん手が震えてた事よく分かったな...

 

「...ありがとう千夜ちゃん。もう大丈夫だよ」

 

「本当に大丈夫?」

 

 千夜ちゃんはそう言って顔を近付けてきた。

 

「ち,近いって!千夜ちゃん!本当に大丈夫だから!」

 

 俺は慌てて千夜ちゃんから離れた。そうしないと,とてもじゃないけど恥ずかしくて耐えられない。

 

「レンちゃん...私の事嫌いなの?」

 

 千夜ちゃんは落ち込んで聞いてきた。恥ずかしいから離れたとはいえちょっと悪い事しちゃたかな?

 

「き,嫌いじゃないよ!ただほらまだ克服出来てないってのがあるし...千夜ちゃんにはお世話になってるし嫌いだったら遊んだりとか話とかしないし!」

 

「じゃあ嫌いじゃないって事ね?」

 

「え?う,うん...あれ?」

 

まてよ...よく考えたら千夜ちゃんは事情を知ってるし,嫌いじゃない事も知ってる筈って事はつまり...

 

「っ!?千夜ちゃん!!」

 

「昨日言う事聞かなかった罰よ♪」

 

はめられた!くそぅ!恥ずかしくなってきたじゃないか!!

 

「それだけ元気なら大丈夫そうね。さっ朝ご飯食べて学校行きましょう」

 

「え...うん。ありがとう千夜ちゃん」

 

励ましてくれたのか...なんか,一本取られたって感じだな。やっぱり優しいな千夜ちゃん。

 

「あ,でもまた昨日みたいな事があった時は今度から,一緒に出掛けるようにするわね」

 

 前言撤回!千夜ちゃんはやっぱり怖い!

 

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「昨日みたいな事はごめんだから」

 

 俺は千夜ちゃんに昨日と同様にシャロちゃんに差し入れを頼まれたので,シャロちゃんの家の前に立っているんだけど...ノックじゃまた勘違いさせちゃうしな...よし。

 

「シャロちゃんごめん俺だけど,入っていいかな?」

 

「レン君!?ちょ,ちょと待って!」

 

 シャロちゃんは中からそう言うと,なにやら慌てだし中からドタバタと激しい音がしていた。

 

「ど,どうぞ」

 

 シャロちゃんは息を切らせながら,家へとあがらせてくれた。

 

「だ,大丈夫?ってあれ?もう制服に着替えたの?」

 

 まだ時間に余裕はある筈だけどな。今日は早めに出るのかなシャロちゃん。

 

「だ,だってジャージのままじゃ恥ずかしいし...」

 

 そういう事でしたか...なんか申し訳ないな。

 

「ごめん。なんか気を遣わせちゃたみたいだね」

 

「え?な,なんでレン君が謝るのよ悪いのは私だし」

 

 シャロちゃんは少し落ち込んでしまい,顔を下に向けていた。

 

「シャ,シャロちゃんがなんで落ち込むの!」

 

 困ったな...えとこんな時は!

 

ポンッ

 

「へ?」

 

「っ!?ご,ごめん!」

 

 何をしてるんだ俺は!?千夜ちゃんと同じ事をしてしまった!

 

「...ぷっ。耳真っ赤よレン君♪」

 

 シャロちゃんは軽く笑うとそう言ってきた。

 

「へ?あ!こ,これは癖っていうか体質みたいなもんで!」

 

 自分の体温がどんどん上がってきているのが分かるので,耳どころじゃ済まない気がしてきた。

 

「レン君って面白いわね。千夜の気持ちが分かる気がする」

 

「あ,そうだった。これ千夜ちゃんからの差し入れ」

 

 そう言って俺はシャロちゃんに,おかずが入ったタッパを渡した。

 

「ありがとう。千夜ったら本当にお節介なんだから」

 

 シャロちゃんは全くという顔をしていたけど,俺には嬉しそうに見えた。

 

「あとこれ。一応買ったりする時間がないと思って」

 

 そう言ってシャロちゃんに弁当箱を渡した。

 

「え!?これってお弁当!?」

 

「うん。俺が作ったんだけどまずかったかな?」

 

 シャロちゃんは目を輝かせて,手に持っている弁当箱を見つめていた。

 

「あ,ありがとうレン君」

 

「あ,そのレン君ってやめにしない?家も隣なんだしなんか気恥ずかしくって」

 

 今まで名字で呼ばれてたからかな?どうも慣れないんだよな。

 

「え?じゃあ...レンちゃんって呼んでもいい?」

 

「うん,それだったらいいよ。千夜ちゃんにもそう呼ばれてるし」

 

 その呼ばれかたなら慣れてるし,俺も助かる。

 

「良かったわねレンちゃん♪」

 

「うん。って千夜ちゃん!?」

 

いつの間に!?

 

「千夜。差し入れしてくれるのはありがたいけど,毎日は流石にいいわよ」

 

「でも,今月厳しいんでしょ?」

 

 千夜ちゃんに言われた事が図星なのか,シャロちゃんは言い返せないという顔をしていた。

 

「それはそうと,レンちゃん。」

 

「え?何?」

 

「どうして私にはお弁当作ってくれなかったの!?」

 

千夜ちゃんは悲しげな表情をして聞いてきた。

 

「そ,それは今日はお昼で終わりだし。千夜ちゃんの分は大丈夫と思ったから」

 

普通そう思うよね?

 

「お姉ちゃん悲しいわ...小さい時は...小さい時は優しい人になるって小学校の作文に書いてあるのに」

 

「ちょっと待ったー!!なんでその作文が千夜ちゃんの手元にあるの!?」

 

 作文は誰にも見られないように家の物置に隠したはず!なんで千夜ちゃんの手元に...待てよこのパターンは。

 

「おばさんからよ♪」

 

「やっぱりですか!明日から千夜ちゃんの分も作るからごめんなさい!」

 

「わーい。嬉しい」

 

 今だ!!

 

「てい!」

 

 千夜ちゃんが油断した所を狙いすかさず作文を奪った。

 

「じゃあシャロちゃんそういう事だから!そのお弁当遠慮なく食べてね!」

 

「へ?あ,ありがとうレンちゃん」

 

 シャロちゃんにそう言うと俺は制服に着替えていたので、走ってシャロちゃんの家から出た。

 

「レンちゃん待って!...カバン忘れてるんだけどな」

 

「千夜。レンちゃんで遊びすぎよ」

 

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「はあ~。緊張した」

 

「でも,レンちゃん達と同じクラスで良かったよ~」

 

 無事に入学式を終えココアちゃん千夜ちゃんと一緒に下校中だ。クラスは千夜ちゃんとココアちゃんと同じクラスになれたので良かった...のかな?

 

「それにしても良かったね。カバン,千夜ちゃんが持ってきてくれて」

 

 朝カバンを持たずにそのまま学校に行ったのでやばいと思ったけど,千夜ちゃんが持ってきてくれたので助かった。

 

「レンちゃん駄目よ。カバンは忘れちゃ」

 

 カバンを忘れる原因を作った人に言われると説得力がないな。

 

「そもそも千夜ちゃんが!」

 

「可愛いい~!!」

 

...可愛いい?

 

「可愛いいって...ここってパン屋さん?」

 

 ココアちゃんはパン屋さんに並べられたパンを見て嬉しそうにしていた。けどパンが可愛いいってどういう事だろ?

 

「実家がベーカリーで良く作ってたんだ~。また作りたいなぁ」

 

「お手製なの?凄い!」

 

 ココアちゃんって意外と凄い人なのかもしれない。

 

「パンを見てると,私の中のパン魂が高ぶってくるんだよ!」

 

「わかるわ!私も和菓子を見てるとアイデアが溢れてくるの」

 

「そうなの?俺は漫画とか読んだ時にレシピとかたまに書いてある時があるから,作ってみようってなって作ったりするけど」

 

「レンちゃん料理出来るの!?」

 

 え?驚く事か?

 

「うん。一応お母さんとかの手伝いとかしてたから」

 

 あと,お婆ちゃんに教えてもらったりしたんだけど...千夜ちゃんがいるしまた心配するから今度教えよう。

 

「へぇ~そうなんだぁ。千夜ちゃんは和菓子作るの好きなんだよね」

 

「ええ。でも何より好きなのは...」

 

「出来た和菓子に名前をつける事だよね?」

 

「レンちゃん!!私が言いたかったのに!」

 

千夜ちゃんはそう言うと,思いっきり俺の頬をつまんだ。

 

「ひたいよ!ひいやはん!(痛いよ!千夜ちゃん!)」

 

 真面目に痛いよ!言わなければよかった!

 

「あ,そういえば」

 

 千夜ちゃんは何かを思い出したみたいで俺の頬をつまむのを止めた。

 

「痛かった...」

 

「レンちゃん。荷物届くの今日じゃなかった?」

 

 荷物...あっ!?

 

「そうだった!!ごめん千夜ちゃん先に帰るね!」

 

 ガシッ。

 

「へ?千,千夜ちゃん!う,腕掴まないでって!」

 

「レンちゃん。あと少しで帰りつくんだから慌てたら駄目よ。それに,昨日事はまだ許してないわよ~」

 

 こ,怖い!その笑顔が怖いよ千夜ちゃん!

 

「ええい!離せ離さんか!」

 

 某時報さん風になってしまったが,離してもらわないと体温が徐々に上がってきてるのでやばい。

 

「昨日事は本当にごめんって!携帯充電切れてたから連絡出来なかったから仕方なかったんだよ!今日はちゃんと充電したから大丈夫だよ!」

 

「レンちゃん携帯持ってるの?」

 

「う,うん。持ってるよって離して!ごめんなさい一人で帰らないから!」

 

「よろしい♪」

 

 千夜ちゃんはそう言うと、腕を離してくれた。

 

「し,死ぬかと思った...」

 

「レンちゃん携帯のアドレス交換しとこう」

 

 ココアちゃんは携帯を開いて交換の準備をしていた。

 

「いいよ。...はい完了っと」

 

 アドレス交換完了。こういうのは普通なんだけどな...つくづく自分が情けないなと思う。

 

「やった~!チノちゃんとリゼちゃんにも教えとくね」

 

「良かったわね,レンちゃん」

 

 良かったのかな?まあ,友達が増える事は嬉しい事だけど。

 

「そういえばなんで慌てて帰ろうとしたの?」

 

「あ,それは」

 

「カメラが届くからよね?」

 

「俺が言いたかったのに!!」

 

 千夜ちゃんめ!さっきの仕返しだな!

 

「カメラ!?レンちゃん写真家なの!?」

 

 いえ,違います。

 

「違うよ...確かになれたら嬉しいけど、趣味だよ」

 

 急いで帰ろうとしたのはカメラが届くのが嬉しくて,早く使いたかったからだ。

 

「去年ぐらいから初めてね...思い出をたくさん残せたらいいなって思って」

 

 それはある作品を見て思った事だ。

 

 その作品は主人公が亡くなった父親の好きだった町に引っ越してさまざま人達と出会い,優しさに包まれて少しずつ成長していく,そんな物語だ。

 

 主人公は写真が好きで父親の形見のカメラを使って写真を撮ったりする。それを見て写真を撮り初めた訳だ。

 

「じゃあ,私達を今度撮ってね♪」

 

「へ?...うん。」

 

 そんな話をしながら,今度の休みにラビット・ハウスに集まってパン作りをする約束をして,それぞれの家えと帰宅をした。

 

 

 




てなわけで今回は少しシリアスでした。悲しい思い出ゆめお婆ちゃんとの別れ、今も引きずってはいるがあまり話そうとはしない。そして今回から主人公の趣味がカメラという事が分かりましたね。この設定は自分もカメラをしているのでそれを取り入れようとしてました。ですが他の人がもう使ってたのでパクリになるかと思いましたがやはりどうしていれたいと思ったので今回の話で出しました。何を言われても文句は言わないのでどうか暖かい目で見てくれると嬉しいです!

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