ご注文はうさぎですか?DayDreamDayz 作:toto1754
さて今回の話は二話のすぐ後の話になります。タイトルを見て分かると思いますが今回はあの人達が登場します。ではどうぞ♪
「千夜ちゃん,これは何処に置いておけばいい?」
ココアちゃんと別れたあと俺と千夜ちゃんは甘兎に戻り,荷物運びを頼まれたので現在その途中だ。
「あ,それは棚の近く置いてもらってもいいかしら?」
「了解」
千夜ちゃんに言われた通り,棚の近くまで荷物を持っていきそっと置いた。今日は頭の上にあんこが乗っていない為,気にせずに荷物運びが出来た。
「ふう。結構重かったけど中身は何だろう?...ちょっと見るだけならいいかな?」
俺は,好奇心に負けて箱の中身の確認を始めた。
「器か...なんか期待外れだったな」
中身はご飯の器や味噌汁のお椀で,どれも食器用であった。
「でも,なんで食器用何だろう?」
「見~た~な」
「うわ!?千夜ちゃん!?」
見たらまずかったかな!?流石に怒られるかも!
「ふふ,冗談よ。本当は驚かせたかったんだけど」
あれ?怒ってない?それに驚かせるって...
「えと,驚かせるってどういう事?」
気になったので千夜ちゃんに聞いてみる事にした。
「気になる?どうしよっかな~?教えてあげてもいいけどただで教えるのはな~」
あ,これいつもの悪ふざけだ。
「じゃあ知らなくていいや」
「...ぐすっ」
千夜ちゃんが悲しそうな顔をしてこっちを見てるが,いつもやられっぱなしじゃ悔しいので無視してみる事にした。
「レンちゃん。私の事嫌いになったのね...昔は...昔は私にあんなに甘えてきたのに!」
「ぶー!!そ,そのアルバム何処から!?」
千夜ちゃんの方をチラッと見ると,何故か実家にある筈のアルバムを開いて見ていた。
「これは幼稚園の時のね♪この頃のレンちゃんはよく遊ぶ時に,私から離れようとはしなかったわね」
「やめて!!その前に,どうして実家にある筈のアルバムが!?」
「引っ越してくる前に叔母さんから送られてきたわよ」
「お母さ~ん!!」
なにしてくれてんの!?てか,いつの間に!
「これは小学生の時のね。この頃からだったはね,女の子と距離を置きはじめたのは」
「わあ!もう無視しないから!ごめんなさい!」
「よろしい♪」
なんて卑怯な手を...だけどこれ以上アルバムを見られたら恥ずかしい。
「はあ...それでその器は一体?」
無視したらまたアルバムを見られかねないので,器の事に話を戻す事にした。
「あ,そうそう。その器,実はレンちゃん用の器で~す。」
なんだ俺用のか...ん?
「え!?お,俺用の!?な,なんでまた?」
確かに実家からは持ってきてはいないから、自分で買おうとは思ってたけど...
「やっぱり,レンちゃんだけ自分用の器がないのは嫌じゃない?だからこうして家に来てくれた事と、一生懸命に働いてくれるからそのお礼。」
「お礼って...」
お礼なんてされる事はしていないと思ってた。むしろ,迷惑をかけてる筈と思ってたから千夜ちゃんの言った事が予想外だった。
「...ありがとう。千夜ちゃん」
嬉し恥ずかしいって感じだな...けど大切に使わせもらおう。
「レンちゃん何か忘れてない?」
...何かあったかな?
「その器は,プレゼントだけどただじゃないわよ」
「えっ!?さっきお礼って言ったよね!?」
ただじゃないって,お礼じゃないじゃん!
「お礼はお礼。それと器の事はまた別よ」
なんて理不尽な!!
「あら?じゃあ器は無しで」
「ごめんなさい!...分かったよ。それでいくらなの?」
「お金はいらないわよ」
えっ?じゃあやっぱりただって事だよね?
「お金じゃなくて今度の休みの日に,何処かにお出掛けしましょ♪」
...へ?
「え,えええ!?」
そ,それってデートって事か!?じゃなくて!落ち着け俺!多分従兄妹だし家族としてだ家族として。
「ふう...で,出掛けるって何処に?」
「ふふ。秘密よ」
秘密?そんなに重要な場所なのかな?
「デートじゃなくて残念だった♪?」
ギクッ!何故俺が思ってる事を!?
「声に出てたよ~」
....
「は,恥ずかしい!」
穴があったら入りたい...
「やっぱりレンちゃんは面白いわね」
「面白がらないで!」
はあ...なんか,期待した自分が馬鹿だったかも...
「と,とりあえず分かったよ。今度の休みって事で」
「約束ね♪」
そんなやり取りをして,荷物運びが終った。
「こんにちは~」
すると,お客さんがお店に入ってきたようなので俺は,接客にチャレンジしてみる事にした。
「いらっしゃいませ。ようこそ甘兎庵へ♪」
俺は,千夜ちゃんがしているのを真似て接客をした。
「あれ?新人さん?」
常連さんかな?そう聞いてくるって事は。
「は,はい!よ,夜鷹 蓮です!よ,宜しくお願いしゅま...」
くそぅ!感じな所で噛んでしまった!
「あはは。千夜ちゃん面白い子が入ったね」
お客さんは笑って千夜ちゃんにそう言った。
「はい。実は私の従兄弟なんですよ」
「へぇ~。そっか,千夜ちゃんの従兄妹かぁ」
そんなに珍しそうに見られると逆に恥ずかしいな...
「まっ,大変かもしれないけど頑張ってくれよな兄ちゃん」
お客さんはそう言うと肩をポンポンと軽く叩いて応援してくれた。
「あ,はい!」
やっぱりこの町の人は優しいなと改めて思った。
その後もお客さんは来てその度に、「頑張ってね♪」と言われたので勇気をもらった気がした。
「ふう...なんとか上手くやれたかな?」
「ばっちりよ。レンちゃん」
千夜ちゃんはちゃんと接客が出来ていたと指で丸を作って,褒めてくれた。
「良かった。ちょっと不安だったけどそれを聞いて安心したよ」
「レン君。千夜。今日はもう店は終わりだからゆっくりしな」
店の奥から千夜ちゃんのもといお婆ちゃんが出てきて,そう教えてくれた。
「え?いいのお婆ちゃん?」
大丈夫なのかな?今日そんな大して手伝いも出来てないような気がするけど。
「大丈夫よレンちゃん。暇な時とかは休みを取る事はたまにあるから」
そうなんだ...じゃあお言葉に甘えた方がいいの...かな?
「えっと。じゃあ,お言葉に甘えさせてもらおうかな」
「まだ町の事が詳しく分からないんなら,色々と行ってみたらどうだい?」
お婆ちゃんの言う通り詳しくないので,それも有りかもな。
「うん,分かったよ。町を探索してみる」
「あと,気に食わないけど,ラビット・ハウスって店があるからそこにも行ってみな」
お婆ちゃんは少し不機嫌な顔になったが,優しく店の名前を教えてくれて,地図まで書いてくれたので迷う事はなさそうだ。
「私も一緒に行こっか?」
それは助かるけど,流石に頼りすぎても駄目だよな..。
「ううん。千夜ちゃんは自分のしたい事してよ,わざわざ俺の用事に付き合ってもらう事はないよ」
「そう?一人で大丈夫かしら?ちょっと心配だわ」
千夜ちゃん心配症だな。確かにちょっと心細いけど...まあ,なんとかなるでしょ。
「それじゃあ,着替えたらちょっと行ってみてくるよ」
そう言って俺は,自分の部屋に行き服を着替えて私服に着替えると玄関まで向かった。
「そういや,帰ってきたらあんこいなかったけど,何処にいったんだろ?」
まあ,あんこも動物だし遊びに行ったりするのかもしれない。
「それじゃあ行ってきます」
「行ってらっしゃい」
お婆ちゃんは笑顔で言ってくれたが約1名は凄く心配そうな顔をしていた。
「レンちゃん。迷ったら私の携帯に電話してね!あと知らない人にはついて行っちゃ駄目よ!」
小学生かい俺は!
「千夜ちゃん心配しすぎだよ,ちゃんと地図もあるし」
「け,けど!」
本当に心配症だな千夜ちゃんは...恥ずかしいけど仕方ない。
ポンッ
「あっ...」
「大丈夫だから落ち着いて...ねっ」
千夜ちゃんの頭に優しく手を置き,俺は千夜ちゃんを落ち着かせた。
「落ち着いた?」
「...うん。ありがとうレンちゃん。ごめんなさい取り乱しちゃって」
千夜ちゃんは微笑んで安心した顔をしていた。
「っ!?ご、ごめん!」
俺は,慌てて千夜ちゃんの頭から手をどけた。
「と,とりあえず行ってきます!」
恥ずかしくなったので,すぐに玄関の扉を開けて外に出た。
「...ちょっと立場が逆になっちゃたわ」
「取り乱しや過ぎやないかい?レン君の事になると」
「...レンちゃん時々悲しい顔をする時があるから心配で。また,一人で抱え込んでるんじゃないかって」
私は,レンちゃんが時折みせる悲しげな表情が凄く心配になる時がある。また,あの時みたいに距離を置かれるのではないかと。
「...大丈夫だよ。レン君は強くなってるじゃないか,あんたを落ち着かせるくらいね」
「...うん。あの時のレンちゃんは,いつも悲しい顔をして泣いていたからだから...」
「...ふう。本当なんで亡くなってしまったか...優しい人だったんだけどね...」
「...ゆめお婆ちゃん」
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「ふう。あんな取り乱した千夜ちゃん久しぶりに見た気がする」
それだけ心配だったんだろうとは思ったけど,多分千夜ちゃんがあそこまで心配するのは...
「ああもう!考えるのはやめた!これから店に行くのに辛気臭い顔してもつまらいや!」
自分の頬を叩いて気分を入れ替えて,ラビット・ハウスへと地図を見ながら向かう事にした。
「地図によるとこっちの方角で間違いないと思うんだけど...迷ったかな?」
まずいですなこれは。千夜ちゃんに携帯で連絡する事か...いやいや!そんな事したらきっと怒られるはず!
「どうしよう...」
「あの?何かお困りでしょうか?」
すると,後ろから誰かに声を掛けられたので振り返ってみると,私服を着た小柄な女の子が心配そうな顔でこっちを見ていた。
「えっと...」
見た所中学生ぐらいかな?一応聞いてみるか。
「ラビット・ハウスってお店知ってるかな?」
怖がらせるといけないと思ったのでその子の伸長に合わせてしゃがみ,ラビットハウスの場所を訊ねる。
「...私子供じゃないですよ...」
何故かその子は,ちょっと不機嫌そうにしていた。
「えっと。怖がらせないようにと思っただけなんだけど...気に障る事しちゃたんならごめん」
ここは謝っておいた方が良いいかもな...
「あっ!す,すみませんいつも子供扱いされるのでその...つい」
それはそれで気の毒な...まあ,子供なのは確かだから否定は出来ないんだけどね。
「えと。それで,ラビット・ハウスって何処にあるか分かるかな」
「あ,ラビット・ハウスなら私の家なので案内します」
「本当!?ありがとう!」
これはラッキーだったな,迷わずに行く事が出来るから良かった。
「この町は初めてなんですか?」
「あ,うん。昨日引っ越してきたばかりなんだ。あ,自己紹介がまだだったね。俺は夜鷹・蓮。レンでいいよよろしく」
軽く自己紹介をすると女の子は,俺の名前を聞いた瞬間ハッ!と何か思い出したようだ。
「あなたがレンさんですか!?」
えっ?ですかって事は俺の名前を知ってる?
「俺の名前知ってるの?」
「はい。ココアさんから今日新しい友達が出来たと聞いてあなたの名前が...あ,私は香風・チノです」
疑問に思ったので聞いてみたがその子,チノちゃんの口からココアちゃんの名前が出たので驚いた。
「ココアちゃんを知ってるの?」
「知ってるもなにもココアさんは家に」
「チノちゃ~ん!!」
チノちゃんが言おうとした瞬間に女の子が抱きついてきた。その抱きついた女の子は,ちょうど話に出ていたココアちゃんであった。
「ココアさん。抱き付かないで下さい」
「ええ!?一人じゃ心配だったから迎えにきたのに~。ってあれ?レンちゃん?」
「ど,ども」
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「着きました」
チノちゃんに案内されてラビットハウスに着く事が出来た。
「ここが...ラビット・ハウス」
ウサギの家って事になるけど...ハッ!まさかウサギが沢山いるって事か!?
「あ,ちなみにウサギは沢山いないよ♪」
「え!?そうなの!?って何んで俺の考えてる事が!?」
まさかまた声に出てた!?
「ココアさんも最初来たとき,同じ考えだったからですよ」
あ,そういう事...
「とりあえず,中へどうぞ」
そういうとチノちゃんとココアちゃんは,先に店の中へと入って行った。
「おじゃましま~す...おお♪」
店の中へと入ると洋風な感じで珈琲の香りが漂い,凄く心が落ち着いて居心地がいい感じになる。
ただひとつ疑問だったのは,ココアちゃんがこの店に当たり前かのように入っていったので不思議に思ったが,その答えはすぐに分かった。
「「いらっしゃいませ♪ようこそ,ラビット・ハウスへ♪」
チノちゃんとココアちゃんは,笑顔で出迎えてくれた。
「え!?あっ,そ,その..失礼します」
「ちょっと待って!!」
店から出ようとすると,ココアちゃんは慌てて俺の腕を掴まえた。
「っ!?コ,ココアちゃん!う,腕!」
徐々に自分の体温が上がっていくのが分かる。このままだと恥ずか死ぬ!
「あ,ごめん!」
ココアちゃんは察してくれたようで慌てて腕を離してくれた。多分掴まれたままだと危なかったかもしれない....
「た,助かった...」
「ごめん忘れる所だったよ♪」
ココアちゃん軽く笑って謝っていた。頼むから忘れないでいてほしい...
「まあまあ。とりあえずカウンターに座って♪」
まあ一人ですし...カウンターの方が無難だろう。
「ゆっくりしててね♪私達制服に着替えてくるから 」
「あ,うん」
そう言うと,ココアちゃんとチノちゃんは二階へと上がっていった。
「...なんかお客さんがまだいないから暇だな...」
お昼前なのか他のお客さんはおらず,俺一人だけであった。
「暇だな...ん?」
ふと左の方を見ると白くて丸い物体がいたので,思わず触りたくなってしまった。
「こ,これはアンゴラウサギ!...可愛い」
衝動に動かされ俺はそのアンゴラウサギを持ち上げていた。
「うわぁ...もふもふだ~けどなんだろ?不思議な感じだ...なんか憑いてるっていうのかな?そんな感じがする」
「ギクッ!」
「...え?」
今このウサギ...ギクッ!って言ったよね?
「まさか...ウサギが喋べる筈は...」
いやまさか...な
「...こちょこちょ」
試しにくすぐってみる事にした。
「のほ」
のほ?...
「こちょこちょこちょこちょ」
「のほのほほ」
やっぱり喋ってるよね?
「こちょこちょこちょこちょこちょこちょ」
今度は思いっきりくすぐってみる。
「のほほほほ!や,やめんか小僧!」
「あっ...」
嘘でしょ...あ,あり得ないって!ウサギが...
「しゃ,喋ってる!?」
「しまった!?」
ウサギが暴れだしたので慌ててカウンターの上に置くと,今度はそのカウンターの上から落ちかけた。
「っ!?危ない!」
俺は慌ててウサギを支えて,ウサギは落ちなかったが逆に椅子から落ちてしまった。
「いってー!ハッ!ウサさんは!?」
ウサギの方は異常はなくそれを見てホッ...と安心した。
「ど,どうしたの!?」
「何かありましたか!?」
音を聞きつけて制服に着替えたチノちゃんとココアちゃんが慌てて降りてきた。
「大丈夫大丈夫。椅子から落ちただけだから」
傷もないし大丈夫だ...ただ少し痛みはあるけど。
「...感謝するぞ」
ウサギは小声で言ったが,その言葉は俺の耳にしっかりと届いた。
「...チノちゃんこのウサギの名前は?」
「ティッピーです、ちなみにさっきのは私の腹話術です」
いや,明らかに嘘でしょ!でも...触れられたくない事なのかもしれないな...
「...そっか。凄いねチノちゃんは。腹話術って中々出来ない事だか驚いたよ」
「え?」
チノちゃんは一瞬驚いて不思議そうに此方を見つめていた。
「あの。疑わないんですか?」
「えと。触れられたくない事って誰にでもあるから...」
チノちゃんの側に行き小声でそう言うと,チノちゃんも小声で「ありがとうございます」と言ってくれた。
「え?何々?二人で何話してるの?」
「ココアさんには内緒です」
「え!?な,何で!?」
ココアちゃんは気になったのか俺とチノちゃんに訊ねてきたが,チノちゃんは内緒と言って教えようとはしなかった。
それもその筈,ティッピーが喋べれるなんてとてもじゃないか言える訳がない。それに何か事情がありそうだしな...
「うわ~ん!チノちゃんに嫌われたよ~!いいもんレンちゃんに聞くから!」
子供かよ!なんとか誤魔化すしかないか。
「ココアちゃん。実はココアちゃんがなんでここで働いてるのかな?って俺が気になったからもしかして,お金に困って働いてるの?って小声で聞いたんだよ」
実際気になっていた事なのでそう言って,ココアちゃんに嘘をついた。
「あ,そっか言ってなかったね。私ここに住んでるんだ」
「え!?そうなの!?あ,だから働いてるって事か」
なるほどな..ココアちゃんは俺と同じ学校だから俺と同じって事か。
「うん。ちなみに,チノちゃんとも一緒にお風呂入ったりもするんだよ」
「ぶっ!コ,ココアちゃんその情報はいいから!」
チノちゃん怒った顔でこっち見てるし...ココアちゃん天然なのかな?
「あれ?レンちゃん,チノちゃんの事はちゃん付けで普通に呼べてるよね?」
「あ,それはチノちゃんが中学生だからって痛いよチノちゃん!」
中学生と言った瞬間チノちゃんに腕をつままれたので叫んでしまった。
「子供扱いしないで下さい...」
子供扱いしてるわけじゃないんですが...
「いや,あの...ごめん。俺の言い方が悪かったね。同い年じゃなければ普通に話す事は出来るんだよ。ただ,同い年の女の子と接点が千夜ちゃんだけだったからどうも苦手で」
だから今,千夜ちゃんとシャロちゃんに協力してもらってるわけだけど。
「そうなんですか...それはご苦労な事ですね」
「っと!感じな事忘れるとこだった。この町の事まだ詳しくないから,お婆ちゃんにここに行ってみなって言われたんだけど 」
「でしたら,珈琲を飲みながらでも教えます。というわけなのでご注文は?あ,ちなみにティッピーは入りません」
そりゃそうでしょ...なんでチノちゃんそんな事を?
「ココアさんと初めてお会いした時に,そう言われたので」
ココアちゃん...どこまでオープンなんだ...
「え?変かな?ウサギさん注文するの」
「いや,まあ人それぞれだし...あ,ココアで」
とりあえず注文しておこう。
「え!?私!?こ,困るなぁ~私は注文に入らないよ」
「へ?あっ!?ご,ごめん!やっぱりカフェオレで!!」
同じ名前だった事忘れる所だった!てかややこしいよ!
「ココアさん」
「 は~い♪」
ココアちゃんの悪ふざけをチノちゃんは軽く怒って,カフェオレを作り始めた。
「あれ?そういえばリゼちゃんは?」
「リゼちゃん?」
誰だろ?友達かな?
「ここでアルバイトをしている方です」
もう一人いるんだ... って事は。
「看板娘が3人いるわけだ」
「それ,リゼちゃんの前で言ったら銃を向けられるかも 」
じゅ,銃!?なんて物騒な!一体どんな人なんだ...
「すまない!ちょっと遅れた!」
店のドアが開き制服を着たツインテールの女の人が入ってきた。
「あ,リゼちゃん」
リぜちゃん?...ってこの人が!?
「命だけはお助けを!!」
「ええ!?」
リゼちゃんと呼ばれた女の人は俺が手をあげてそう言うと,状況が掴めず驚いていた。
「実は,ココアさんが...」
チノちゃんが説明をするとその女の人は,ココアちゃんを怒っていた。
「そ,その。確かに銃は携帯しているが,モデルガンだから安心しろ」
それはそれで問題があるような...とりあえずは安心していいのかな?
「自己紹介がまだだったな。天々座・理世だ。言いにくいからリゼでいい」
また変わった名前の人だな...それになんか雰囲気が他の人とは違う感じだし。
「えっと,俺は夜鷹・蓮って言います。レンって呼んでいただければ」
「分かった。宜しくなレン」
リゼさんはそう言うと手を差し出してきた。
「へ!?あ,あの握手はご勘弁で!!」
「えっ!?...私怖がられたのか?」
リゼさんは少し落ち込み,ココアちゃんとチノちゃんに訊ねた。
「そ,そういう事じゃなくって!そ,その...」
「レンちゃんは女の人が苦手で,恥ずかしくなちゃうんだよ」
「コ,ココアちゃん!!」
ココアちゃんからそれを聞いた瞬間に,リゼさんは何故か少し嬉しそうにしていた。
「そ,そうか。それは女性として見られてるって事でいいんだな?」
「へ!?ま,まあそうなりますよね」
なんで当たり前の事を聞いてきたんだろ?
「あれ?その制服って」
よく見るとリゼさんの制服は,シャロちゃんが着ていた服と同じものであった。
「ああ。私はいわゆるお嬢様学校に通っていてな。それがどうかしたのか?」
「あ,いえ。友達が同じもの着ていたのでそれで」
シャロちゃんの家が貧乏って事を言うのは黙ってたほうがいいかもな。あまり知られたくないようだったし。
「そうだったのか。そういやレンはここじゃ見ない顔だけど,引っ越してきたのか?」
「はい。ココアちゃんと同じ学校で同じように,住まわせてもらう代わりにお店で働かせてもらいながら生活しています。って言っても学生になるのは明日からなんですけど」
その学校に今日は案内してもらえるはずだったんだけど...千夜ちゃん絶対間違えてたよな。
「あれ?でも今日ココアは」
「レンちゃん!町の事を教えてもらうんだったよね!?さあチノちゃん一緒にレンちゃんに教えてあげよう!」
ココアちゃん話を逸らしたな...余程恥ずかしいんだろうな。
「じゃあ。宜しくお願いします♪」
そう言って注文したカフェオレを飲みながら,ココアちゃん達に町の事を詳しく教えてもらい,今度みんなでお店に行こうなど約束をして俺は甘兎庵へ戻った。
あとから千夜ちゃんに説教をされたので,今度からは気を付けようと思いながら明日の準備をしてその日の一日を終えた。
はい!というわけでチノとリゼそしてティピーが登場しました。そしてレンは秘密を知ってしまいましたが、空気を読んでくれました!そしてレンの過去もここで少しでてきましたね。レンは昔なにがあったのか...気になるところですね♪ゆめお婆ちゃんとは一体誰なのか...そんな謎を残しながら次回へと続きます!今度はできるだけ早めに投稿できるように努力しますので宜しくお願いいたしますなので♪♪