私は寝室でみんなの布団を用意していた。黒歌と白音の間に私と言う形で、白音の隣にフェリ、咲夜となるようにしている。
「うん、よし。これでOKじゃな!」
私は両手を腰に当て、敷き終わった布団を見た。布団はきれいに並べられている。この頃は夏に近くなり暑くなってきているということで、掛け布団は薄いものとなっている。さらには暑ければ現代の便利なエアコンがある。
家は寝殿造りと言うなんとも古いものだが、そういうところは最新なものがある。さすがに蝋燭で明かりを灯す生活は無理だ。火事になる危険性だってあるのだから。やっぱり科学はすごいね。
火なんて使わないんだもん。いるのは電気だけ。だけど、その電気は自然を破壊した上に成り立っている。便利になるのはいいけど、自然がある昔を知っている私からするととても複雑な気分だ。
そこに襖を開けたフェリが入ってくる。うん、相変わらず可愛いね。
「あれ、お母様。いつも言っていますが布団を用意するなら私に言ってください。そういうのは私がしますから」
「よい。私は母親だぞ。これくらいしなくては」
「なら手伝うので言ってください。一人と二人では違いますよ」
「うむ。ちゃんと言う」
「そうしてくださいよ。……………………………………今なら誰も来ませんよね」
「ん? 何か言ったか?」
「いえ、何も」
フェリは私の後ろへと回る。何をしているのかなと思っていると、フェリは膝をつき抱きついてきた。私の顔の横にフェリの横顔が見える。
「どうした?」
「ただ甘えたいだけです」
「めずらしいのう」
「そうですか? でも私はお母さんの娘ですよ」
フェリは私をお母様ではなく、お母さんと呼んだ。それはフェリが私に甘えているときのものだ。フェリは自分の頬を私の頬をすり寄せる。フェリの長い髪が私をくすぐる。それとともにシャンプーの匂いだけでなく、なんだろう、フェリ独特の甘い匂いもした。
「娘が母親に甘えるのは当たり前のことです。それにいくら成長しても、私はまだ幼いんです。寂しがりやなんです。これくらいいいじゃないですか」
「そうじゃな」
私は振り返り抱きしめた。私よりも大きな立派は体だが、今は小さく感じる。小さいころのフェリのようだ。
「それに黒歌と白音という新しい家族が入って、これからはこんな風に甘えるもの少なくなっちゃいます」
「……やっぱりあの二人が家族になるのは嫌だったか?」
「そういうのじゃありません。黒歌も白音も可愛いです。咲夜だって2人を気に入っています。でも私がこうやってお母さんに甘えている姿を人には見せたくないからこういう機会も少なくなると言っているんです。んあっ……」
私は頭を撫でる。まったく本当にフェリは可愛い。フェリは銀狼だ。プライドが高いがゆえに自分のそういう姿を見られたくはないのだろう。私たちのような知能が高い生き物は長く生きれば生きるほど、プライドが高い生き物へとなる。
だから、ほかの者に自分の情けない部分を見られることを嫌う。私もこの姿になったときはそうだった。なら今は存分に甘えさせないとね。しばらく頭を撫でていると、
「お母さん、大好きです!」
「きゃっ」
フェリはそのまま私を布団の上に押し倒してきた。私の体は小さく、フェリの体は大きい。抵抗などできなかった。ま、まさか娘に襲われることになるとはさすがの私も思わなかった。体をばたつかそうとするが、見事にフェリに抑えられていた。
「な、なにをするんじゃ?」
「なにってただもっと……くっつきたい……だけ…………で、す」
その目はとろんとしている。そしてそのまままぶたが閉じ、顔が私の顔に近づいてきた。このままでは私とフェリの唇が重なる。う、うそっ! ま、まさかキスするの!? そ、それはダメだよ! 私たちは親子なんだし!! ここからはいけない禁断の領域だ。
そんな領域に入らないようにするため私はそれを避ける。フェリの顔は布団にぶつかり、そのまま動かなかった。なぜか手足が自由になった私はフェリの肩を叩くが何の反応もない。まるで命の灯火が消えてしまったように。私は焦った。
「え? フェ、フェリ? ど、どうしたの? ね、ねえ?」
返事はない。私はフェリを確かめた。まさか、病気とかじゃないですよね? それとも本当に死んじゃったの? 頭の中にはそういうことしか思い浮かばなかった。だが、その不安は動かなくなったフェリ自身によって見事に打ち壊された。
「すう…………すう…………すう…………」
「………………………………………………」
ただ寝ているだけだった。それも気持ちよさそうな顔で。全くこっちは口調が変わるくらい心配したのに。覆いかぶされたままだが、今日は特別だ。私はしばらくはこのままでいることにした。もちろん黒歌たちがこの寝室に入ってくる前には抜け出す。そう思っていた矢先、勢いよく寝室の襖が開けられた。
「母様! 姉さまは……どこ…………で、なに……を…………?」
今の私はフェリに覆いかぶさられている。それを何も知らない人が見たらどうだろうか? 絶対にそういうことをしようとしていると思われる。
「な、な、ななななな、何しているんですか!? 黒歌や白音とならまだしも、親と娘ですよ!? マ、マニアックです!! エッチです!!」
「ち、違う! そういうのではない! いきなりフェリが寝たんじゃ! このままじゃ動けないから早くどかしてくれ!」
「い、いえ、そんな言い訳はしなくていいです! 分かってますから!」
「いや、分かってない! 絶対に分かってない!」
結局分かってもらえるのにその状態で数十分もかかった。つ、疲れた……。だが、そんな騒ぎがあったというのにフェリは全く起きなかった。本当に深い眠りだこと。
「御魂ちゃ~ん、私はこっちで白音はこっちでいいのよね?」
黒歌がそれぞれの布団に指を指した。布団の順番は廊下側からフェリ、咲夜、白音、私、黒歌の順になっている。すでに寝ているフェリは咲夜に運んでもらい、自分の布団ですやすやと寝ている。気持ちよさそうな顔だ。私を心配させたということもあってちょっといたずらしちゃいたい。
「そうじゃ。一応、白音は端だと怖がるかと思って、こういうふうにした。白音はそれでよかったか?」
「はい。ありがとうございます」
黒歌の隣で白音は布団の上に座り、布団を触りながら言った。どうやらそのふかふかが気に入ったらしい。やっぱりこういう布団には慣れていないのだろう。なら、これからは多少は贅沢をしてもらいたい。
それはお金のかかるものをたくさん買えというわけではない。ただ幸せになってほしいという意味だ。
「それじゃ寝るぞ」
黒歌たちは自分の布団に入っていった。私も入る。そして明かりを消す。この家はやはり電球、いやLED照明だ。こういうところも最新だ。昔は火を使っていたからな。部屋が昼間のように明るくなんてならなかったよ。
しばらくするとフェリの寝息以外にもう1つ増えた。だが、それは黒歌と白音ではなかった。咲夜のものらしい。あの子も眠かったのかな? いつもならもうちょっと起きているのに。他の二人はこの家に慣れていないためか起きている。咲夜が寝てしばらく。
黒歌が私の肩をちょんちょんと軽く叩いて、
「御魂ちゃん、もう少し近づいていい?」
「よいぞ」
そして、白音も、
「わ、私もいいですか?」
「よいぞ」
2人が私のすぐそばまで来る。布団の中の温度が上がった。
「御魂ちゃん、約束を覚えているよね?」
「約束?」
「あれ? 覚えていないのかにゃあ? 尻尾をもふもふしていいよって話よ」
「む、そうじゃったな」
私は自分の尻尾を触る。手からはさらさらとした感触とふわっとした感触が伝わる。私自身自分の尻尾を触るのは気持ちいいと感じていた。私は二人が触りやすいように尻尾を移動させる。一本だと一人ずつになるので二本にした。
「ほれ。触ってもいいぞ。じゃが、強くするなよ。フェリが言ったように尻尾は弱点なんじゃから。お主らだって分かるじゃろう?」
「分かっているにゃん♪」
「や、優しく触りますから」
黒歌はさっそく触れ、抱き枕のように抱きしめた。白音は黒歌とは違い、ゆっくりと撫でるように触る。二つの尻尾からはそれぞれの感触が伝わった。特に黒歌は抱きしめつつも、慣れたような手つきで撫でていた。
それが想像以上に気持ちよかった。自分で触るよりもずっと。尻尾から来る快感が全身へと駆け巡る。一瞬、体がびくんと震えた。
「ん、はうっ……んん……あっ……」
それとともに私は甘い声を出していた。
「あれ? どうしたにゃ? ちょっと息が荒いにゃん」
その顔は確実にその理由が分かって言っているものだった。次第に体の奥から熱くなっていく。そして、白音のほうからも快感が駆け巡った。ちょ、ちょっと二人とも触り過ぎない?
「御魂お姉ちゃん、どうですか?」
「い、言いたくないっ! お、お主らはどうなんじゃ?」
「気持ちいいです。この布団よりもふわふわしていて、本当に気持ちいいです」
「そ、そうか。よかった」
白音は尻尾に頬にすりながら、気持ちよさそうな顔をしていた。だけど、そろそろ終わりにしてほしい。もう我慢できない!! このままじゃおかしくなりそう。この部屋には咲夜とフェリがいる。
そんな部屋で私は乱れたくない! さっきのフェリと同じように私にだってプライドがあるんだ。娘の前でそんなはしたない姿はしたくはなかった。
「な、なあ、そろそろ終わりにしひゃっ」
「だ~め。終わりにしてあげないにゃ♪ こんな気持ちいい尻尾をもふもふするのを止めるなんでできないにゃ。もっと気持ちよくさせてあげるにゃん♪ ほらここも」
「ど、どこを触って――――っ!」
突然、寝巻きの襟部分をはだけさせられ、そこから覗く胸と寝巻きの隙間に手を入れられた。今の私の体は幼いが胸は小さな丘を作っている。胸を揉むことはできるし、揉み応えもある。黒歌の手は私の胸を包むようにそっと置かれていた。
黒歌のちょっと冷たい手が胸から伝わる。少し火照った体にはちょうどよくもあった。
「ふふふ、ちょっと興奮しているのかにゃ?」
「ち、違うっ! そ、それより止めんか!! 私はそういう趣味はないぞ!!」
「気持ちよくすることに趣味も性別も関係ないにゃん。大丈夫。御魂ちゃんの生命に通じる場所には手を出さないから」
「そういう問題じゃない!! ああんっ……!!」
胸を揉まれ私は小さく喘ぐ。時折黒歌の指が私の乳首に触れる。それがさらなる興奮を呼ぶ。体の体温は熱くなり、汗が流れる。それを見ていた白音もまた手を入れてきた。一人につき片方の胸を揉まれる。
黒歌は強く、白音はやはり優しく揉むのだった。な、なんでこんな……!
「私も気持ちよくさせます。私たちを救ってくれたお礼です」
「なら別の仕方で礼をせい!」
「分かりました。でも今は……ペロッ」
「んあっ!」
首筋を舐められ声が出た。私は猫の姉妹に囲まれ、どうすることもできなかった。ただ二人によって気持ちよくさせられている。魔王すら恐れる私をまだ幼い猫たちに抵抗できずに好き勝手にされていた。
この光景がすぐ近くで寝ている娘たちに見られたら、もう本当になにも言い訳もできない。見られたらどうなっちゃうんだろう。
「ふふふ、声を上げたらフェリちゃんたちが起きちゃうわよ」
「そうですよ。声を上げないでください。まだ終わってないんですから」
黒歌は私の寝巻きの前部分をさらに大きく開かせた。さっきまで寝巻きで隠れていた肌もやはり汗まみれだった。
「汗でベトベトにゃ。やっぱり興奮しているみたいね。これじゃ言い訳できないわよ」
黒歌は指の腹を私の腹から胸の谷間まで滑らせ、汗のついたその指を私に見せ付けるようにペロッと舐めた。それは私を恥ずかしくさせるには、効果的だった。体はさきほどよりも熱くなる。それと同時に抵抗なんてどうでもいいや。今は二人に……と思うようになっていた。
すでに私は2人のテクニックの虜へとなっていたのだ。ただ汗にまみれて、猫たちに気持ちよくされる。それでいいと。
「あらら? どうしたの? さっきみたいに抵抗しないの? まあいいけど。白音、もっと気持ちよくさせてあげるにゃ」
「はい」
白音、黒歌の手は再び胸へと移動し、揉む。そのたびに快感が私を襲った。私は抵抗はもうしない。
「はうっ……やんっ……や、やりすぎ……じゃ……」
「はあ、はあ、はあ…………私も結構興奮しちゃったにゃ。でも御魂ちゃんはもっとみたいね」
すでに私の寝巻きの前部分は完全に開かれ、そこから覗くのは汗ばんだ肌と股間を隠す下着のみだった。黒歌と白音も寝巻きの前部分を開かれ、私と同じようになっていた。
「ごめん、もう無理にゃ。もっとやりたい」
「な、なにを……?」
その答えはすぐに分かった。私の胸を揉んでいた黒歌の手が下へ動く。その手は私の下着、ショーツに触れる。ショーツは別に派手ではない。白の生地に真ん
私は派手な下着を持っていない。恥ずかしくて買えなかった。私には難易度が高い下着だった。サイズ的にもという理由もあったが、体があの状態でも絶対に買わないだろう。どうしてあんな下着を買う人がいるのだろうか。
その答えを私は分からなかったし、分かりたくはなかった。そういえばフェリや咲夜はどうなのだろう。洗濯はフェリがやっているので分からない。もしかしてあるのかな? 着るのはいやだけど見るのは別に嫌じゃない。
「……大丈夫。中には入れないから」
黒歌は興奮で赤くなった顔でそう言う。胸は未だに白音に揉まれていた。ほとんど回転しない頭で黒歌の言葉を聞いていた。そして、私は突然来た快感の波に、
「はんっ…………ん、んぐうううう!!」
声を出して背筋を反らせて大きく身体を震わせた。先ほどよりもすさまじい快感によってこうなったのだ。それはすべて黒歌のせいだ。黒歌の指が私の下腹部、さらに分かりやすく言えば股間にショーツの上から触れたのだ。
黒歌は私の股間に手を当てるだけでなく、指を小さく動かしていた。それがさらに私に快感を与える。黒歌は触れた手を自分と私の間に持ってくる。その指は私のアレで濡れていた。とてもいやらしい。それを見た黒歌は笑みを浮かべる。
「やっぱり湿ってるにゃ。見る?」
「『見る?』じゃなかろう! 見せているじゃないか!! もう、み、見せるな! やぁんっ」
再び股間をいじられる。胸と股間。それを同時にいじられていた。
「御魂お姉ちゃん、もっと気持ちよくなってくださいね。だから……ペロッ」
「ひゃうっ」
白音が私の胸を舐めてきた。な、なにこの状況って。なんで私は嫌がってないの? というか、受け入れている? すでに麻痺していた。抵抗はできたはずなのにさきほどからの猫たちに気持ちよくされることを受けて入れていたのだ。こうやって受け入れていることに疑問を持ったのは快感が一周回って理性を取り戻させたためだろう。
「んあっ、んふぁ…………あ、ああ…………」
部屋には淫猥な水音が響く。私の頭の中は快感で染まっていた。まだショーツの上からだが、これが何も隔てるものがなくなるとどうなるのだろうか? 取り戻した理性もすぐになくなり、ただ快感を求めるような考えになっていた。だが、私はそれに気が付かない。そういう考えと同時に私の抵抗するという薄い考えがカモフラージュしていたからだ。
「もう…………やめ……て……」
「ふふふ、ダメにゃ。もっともっと気持ちよくなってもらないと。ほら見て、私も濡れちゃった」
視線が下へと動く。黒歌は黒いレースのあるちょっと過激なショーツを穿いていた。そのショーツは特に股間部分が湿っている。見ていると私は恥ずかしくなる。私もああなっているのだろうか。
とても恥ずかしすぎる。さっきよりもだ。
「私も見てください。そ、その……濡れてます……から」
白音は黒歌と違い恥ずかしそうに言ってきた。私はつい見てしまった。白音の穿いている私と似たようなショーツの股間部分が湿っているのを。
「あらら、白音もなの?」
「あうう、姉さま、恥ずかしいので見ないでください……」
「御魂ちゃんはいいの?」
「だ、だって御魂お姉ちゃんですから!」
「まあ、いいにゃん。それよりも」
黒歌は私の股間をいじりつつ、顔を寄せる。
「今度は御魂ちゃんが私たちを気持ちよくさせてほしいにゃん♪」
「なっ……こ、これは私へのお礼じゃなかったのか!?」
「あれ? やっぱりこれがお礼でよかったんだ。それにさっきは別のものにしろなんて言っていたのに」
黒歌はニヤニヤしながら言った。私は失敗したと思った。私が二人を気持ちよくさせることが嫌で言ったのに、これでは私が自分から気持ちよくさせてくれと頼んだみたいではないかと。
うう、いつもはこうじゃないのにどうして今日はこうなったの? ぼんやりとする頭で考える。しかし、うまく思考がまとまらない。
「これはお礼じゃないにゃ。それに尻尾をもふもふさせてもらうことの延長線上でもない。これはただ私たちが気持ちよくさせたいだけでやったことよ。ほら、やって?」
黒歌の私の体液で湿った手で黒歌側にある手を取られる。何をするのかと思えば黒歌は、それを自分の胸に持っていった。私の手に柔らかな感触が伝わる。驚いた私は思わず手に力が入った。
黒歌の胸は形をさまざまに変える。手を胸から離そうとしているはずなのに、手は勝手に動いていた。どうして?
「あんっ……御魂ちゃんもエッチじゃない。結構気持ちよかったよ。でももうちょっと強くてもいいにゃん」
「ち、ちが……」
違う、そういうつもりはないと言おうとしたが、その前に白音によって止められた。
「ずるいです、姉さま! わ、私もお願いします!」
対抗してきた白音が白音側にある私の手を自分の胸に持っていったのだ。白音の胸はまだ未発達の胸。しかし、平地ではなく私と同じく丘である。決してまな板ではない。黒歌のようなやわらかさはないが、確かに女の子なのだと思わせるやわらかさはあった。
生まれて数十万年。こういう体験はなかった。だが、一度もこういう興奮するような行為をしなかったといえば嘘だ。私の知識にはこういう手の知識はもちろんあった。だから、自分を自分で慰めることは何度もあった。
だが、こうやって他人からされることや他人にするのは初めてだった。こうされて分かったが、自分でするよりも他人にされるほうが気持ちよかった。だから、それを二人に知ってもらうために次は私の番だからね。麻痺した私の脳はそう決めていた。
「……分かった。なら……私がお主らを気持ちよくさせる」
「え? ひゃう、にゃんっ!! んあ………あああんっ」
「んっ…………あう…………んくっ…………」
私が二人の胸を揉むと黒歌は声を出し、白音は声を押し殺して喘ぐ。今度は私の番だから。私は起き上がり黒歌と白音は尻尾で寄せた。これでやりやすくなった。私は獲物を捕らえた獣のような目で二人を見下ろす。
「せ、積極的にゃん」
すでに私たちはショーツのみというあられもない姿だった。寝巻きはすでに布団の端にある。私は両手をそれぞれの胸へとやる。こうすると二人に体重が乗るのだが、尻尾を支えとすることでそれを阻止する。
でも、これだけではダメだ。揉むだけでは終わらせない。そのためにまずは黒歌の大きな胸へと顔を近づけた。そして、
「はむっ」
「にゃうっ」
乳首を含めた胸を甘噛みした。白音にはまず胸を揉み九本の尻尾のうち三本で、体を隅々までいじる。白音は声に出さずただ時折体を震わせる。
「ふふふ、どうじゃ? 私がその気にでもなれば二人同時など簡単なことじゃ」
「さすがね。んあ……気持ちいい……にゃん」
「特に黒歌はさっきのことがあるからな。もっともっと気持ちよくさせてやる」
黒歌の首元にキスをする。
「えっと……ありがとう?」
私は二本の尻尾を動かし黒歌の体をいじくる。まずは上半身から少しずつ下へと。
「ほら、白音も特別に黒歌と同じようにしてやろう」
「なに……を、です……か?」
「すぐに分かる」
私は二本の尻尾を操る。尻尾は二人の下着と肌を通り、二人の股間に直接触れた。
「ひゃんっ」
「~~~~!!」
二人の反応はそれぞれ。黒歌は可愛らしい声を出し、白音は声を出さない。そんな二人の対照的な反応だから私はついやりすぎてしまう。さっきは触れただけだったが次は黒歌が私にしたようにする。
尻尾は手足と同じ感覚で動かすことができる。だから黒歌がやったようにすることは可能だ。けど、私のときと違うのは間接的か直接的か。黒歌たちは直接だ。
「だ、ダメ……そこはひゃん……いじっちゃ……あっ……」
「うあうっ……なんだか……ん……もっと……あん……」
二人の体は汗と体液に濡れていく。そして私の尻尾も二人の体液で湿っていた。二人はもうただ快楽を求めていた。黒歌は抵抗しているようで受け入れ、白音は自分の欲に素直になる。しばらく二人をいじりまくって尻尾をゆっくりとはずす。
「御魂ちゃん……好き」
「ん……私も、御魂お姉ちゃんが……大好きです」
身体を快感で震わせる中で二人はそう言った。
「私も……好きじゃぞ」
自然とそう答えた。なぜだかは今は分からなかった。これはきっと私の本心だ。偽りはない言葉。それがとても心地よい。私の顔は自然と黒歌に近づく。
「…………いいよ」
そう言って黒歌は目を瞑った。だから私も目を瞑ってさらに顔を近づけた。私の唇に黒歌の唇が重なる。わずか数秒だったが、それ以上だったように感じた。そしてすぐに離れた。
目を開けた黒歌はにこっと微笑む。白音を見ると私もという顔をしていた。
「白音もか?」
「はい。私もお願いします」
白音が目を瞑り、私も瞑った。そしてさっきと同じように私たちの唇が重なった。数秒が経つ。でも、これだけじゃ物足りない。白音にはちょっとサービス。動きを止めていた手や尻尾を黒歌のほうへと動かしその肌を撫でるように動かした。
私はキスをしたままゆっくりと移動し白音に跨る。手を動かし白音の胸をゆっくりと揉んだ。
「ん? んんっ!! んーーーーっ! ぷはっ、ちょっとまっ、ちゅう……あむ……」
驚いた白音が抵抗して唇と唇が離れるが、すぐに口をふさいでやった。尻尾は未だに黒歌の相手だ。しばらくして白音と黒歌への動きは止めて私と二人は手を繋ぎ残った快感に浸っていた。
「……ん、どうじゃ? これでよいか?」
「……はい、満足です。気持ちよくさせてくれました」
白音は互いの距離が近い私の首に手を回し抱きつく。これで胸と胸がくっつく。
「黒歌は?」
首だけを黒歌に向けた。
「私もにゃん♪ 満足しちゃった」
「そうか。よかった。私も……気持ちよかったぞ」
私は白音から離れ横になる。火照った体を夜の温度が冷やす。しばらくすると私たちの興奮は小さくなる。そして、理性を完全に取り戻した。なんでこんなエッチなことをしてしまったのだ!! しかも、あんなにいじられたりいじったりと!!
思い出されるさきほどの記憶。まだ鮮明に思い出すことができた。ちょっと思い出すと次は羞恥で体が熱くなりそうだった。ここには娘が二人寝ている。そこでのこの行為。よくばれなかったなと思う。
私たちは結構声を出していた。特に狼であるフェリは聴覚にも優れているのですぐに起きるかと思ったけど起こさずに済んだようだ。そう安堵していると、
「三人とも、気持ちよさそうでしたね」
「「「ひゃっ」」」
自分たち以外の声がかかり、私たち3人の体が跳ねた。その声は低く怒りが混じっていた。声のしたほうを見れば、黒い影。部屋の中は暗いのだから当たり前だ。だが、その影には特徴的な部分があり、獣の耳があった。
それは私がもっともよく知る者のシルエットだった。私の可愛い娘、フェリだ。どうやら起きていたらしい。
「お母様、黒歌、白音。本当に三人で気持ちよさそうでしたね? なにが満足ですか? なにが満足しちゃったですか? なにが私も気持ちよかったですか?」
「「「うっ」」」
「まさかそういうエッチなことをしているなんて思いませんでしたよ。すぐ隣に娘が2人寝ている部屋でそういう行為に走るなんて本当にどうしようもないですね。いやらしいです。エッチです。それで母親がそういう行為をしているのを見た私は、どうすればいいのでしょうか? これからは気まずい空気にならないといいですけど」
「どうもすみません。で、でも、白音と黒歌がやったからじゃぞ」
「そのわりにはのりのりだったみたいですけど? 途中からなので分かりませんが、完全にお母様が二人にエッチなことをしていましたよ」
今の私にはフェリが恐ろしく見えた。とても怖い。言い訳をしようにもショーツだけという私たちの格好がそれを許さなかった。あきらめて今はただ怒られるだたけだ。
「黒歌と白音も初日からこうだなんて、これからの空気が気まずくなりますね」
「うう、ごめんにゃ。これからはフェリちゃんも誘うから」
「なんでそうなるんですか!!」
「え? だって自分も気持ちよくしてもらいたかったから、怒っているんじゃないの?」
それは冗談ではなく、素で言っていた。
「ち、ちちちちち、違います!! そんなことをするなと言っているんです!! 白音も分かっているんですか!?」
「ひうっ!? わ、分かりました!!」
フェリの剣幕に白音は涙目になっていた。これは黒歌が悪いのにその矛先が白音に向くなんて可哀想だ。私が止めようとするが、フェリに睨まれ止まってしまう。
「エッチなことをしていた三人は同性ですよね? 異性なら分かります。三人でというとこはまあ、ひとまず無視してそういうことをしたくなるのは当たり前です。別に同じ女同士での行為は……ひとまず悪いとは言いません。ですが、場所をわきまえてください。正直に言ってお母様のあんな姿を見たのは、ショックでした」
フェリは泣きそうな顔をした。
「もしお母様が黒歌たちとそういう行為をしたいなら、私と咲夜がいない部屋でこっそりとやってください」
あ、やっていいんだ。そう言いそうになったが、もちろん言うわけにはいかない。またフェリが怒るだろう。
「すう…………すう…………もう……食べられ……ない」
咲夜の寝言は誰も気にせずに無視される。この騒ぎの中、のんきに寝られるなんて本当にすごい。ある意味見習いたいくらいだ。私は寝巻きを整える。だが、流れた汗は服に染みこみ、それが肌と服をべたつかせた。
とても気持ち悪い。チラッと黒歌と白音を見るとちょうど整え終わったようだが、私と同じように肌に張り付いた服を気にしていた。
「今日のことで別に今後の空気を悪くするつもりはないです。だけど、本当に気をつけてください。母親のそういうことをしている光景を見た娘は、結構複雑な気分になるんですから」
「ごめんね、フェリ」
フェリを優しく抱きしめた。フェリは私の汗を気にせずにそのまま受け入れた。さっきのことを誤魔化すではないが、今は忘れてもらうために。
「えっと、フェリちゃん。ごめんね」
「すみませんでした」
抱きしめている途中で、黒歌たちは謝る。
「いえ、もういいですから」
その言葉が確かなことを示すようにその顔は笑顔だった。だが、笑顔なのはもう許したからではない。ただ私が抱きしめたからだった。この子はこの子でなにか問題なような気がする。そんな気がした。
今回はヒロインである黒歌と白音をいちゃつかせてみました。
これってエロいんでしょうか? エロくないんでしょうか?
個人的にはちょっとエロくしたつもりです。これギリギリセーフですよね?
なにかアドバイスがあればお願いします。