ハイスクールD×F×C   作:謎の旅人

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第1-15話 私と授業参観

今日はフェリの授業参観です。フェリは私が行くということは知りません。

フェリが驚く顔が見てみたいですね。

 

 

「母様!私も行ってもいいですか?」

「だめじゃ。お主は来年から学生じゃぞ。つまり、戸籍上は今も学生じゃ。

今日は平日じゃぞ。学生がおったらだめじゃろう」

「ですが~私だって行きたいです!」

「しょうがないのう。なら、お主は学校が休みという設定にせい」

「いいですか!!」

「よい。その代わりおとなしくしておるんじゃぞ」

「はい!」

 

 

私は、服を選びます。スーツで行く予定でしたが、オシャレは必要ですからね。

 

 

「か、母様?な、何をしているんです?」

「何って服を選んでおるんじゃが」

「お、母様にそんなに服に興味ありました?」

「あるに決まっておろう。私だって女じゃぞ」

「か、母様!急いで寝ましょう!母様は病気です!」

「何でじゃ!」

「いつもは服に興味なかったじゃありませんか!」

 

 

そうでしたね。あの時はそうでしたね。つい忘れていました。神の存在の人格と合体してから

色々と影響を受け、当たり前になっていました。

 

 

「娘の授業参観じゃぞ。服装には気をつけないといかんじゃろう」

「そ、そうですね」

 

 

誤魔化します。咲夜は無理やり納得したようですね。

そろそろ行きましょう。時間も近くなってきました。

 

 

「準備はできたか?」

「は、はい。ですが、その服で行くんですか?」

「そうじゃが?」

 

 

私の服は可愛らしい服です。子持ちの大人が着るようなものではありません。ですが、

封印を解いたお姉さん状態の私の体はまだ10代後半です。つまり、よく似合うのです。

私は若くなることはできても老いることはできません。日本人の女性が知れば羨ましがられますね。

 

 

「もういいです・・・・」

「そうか。なら行くぞ」

「はい!って、ちょっと待ってください!母様!尻尾と耳を!」

「そうじゃったな」

 

 

私は札を取り出します。この札は人間に化けるための術式が描かれています。

この札を貼ることで人間に化けれます。フェリも外などに行くときにはちゃんと貼っています。

この札は貼ると見えなくなり、体から力を放出しないと剥がれないという特別な物です。

 

この札にはもう一つ効果があります。それは体から溢れている微弱な魔力を体に収めるという効果です。

これは悪魔や妖怪だと知られないようにするためです。

 

 

「改めて言うが、行くぞ」

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちは今、フェリの学校の校門にいます。

やっぱり少し目立ちますね。ですがもう後には引けません!フェリの教室に行くだけです。

 

 

「母様!早くしないと!」

「そうじゃな。急がないとな。じゃがこの口調はだめじゃな。フェリに迷惑がかかるからのう」

「どのような口調にするんですか?」

「こんな口調だよ。咲夜」

「!! か、母様、その口調は・・・」

「さ、行こうか」

 

 

私は咲夜の手を引いて行きます。驚くのも無理はないです。この口調はいなくなった神の存在の口調なのですから。

あとでちゃんと説明しないといけませんね。じゃないと本当に怒られます。

怒ったらどうなるか・・・・・。

 

とにかく教室へ向かいます。この学校は珍しく3時間目から5時間目まで授業参観です。

そして昼食は親と食べてもいいということです。いい学校です。

 

ここがフェリの教室ですね。授業は始まっています。教室の後ろのほうには他の親がすでに来ています。

早いですね。授業参観は始まってからまだ10分しか経っていません。これが親の力ですか。

なかなかやりますね。ですが私も負けません。私は教室に入って行きます。咲夜は私の後ろについてきます。

 

教室に入った瞬間、教室内がざわめきます。

 

 

「あの人、誰のお姉さん?」

「若いな」

「親じゃないな」

「やっぱり姉妹?」

「俺、好みかも」

「金髪か~」

「後ろの子も家族かな?」

「俺たちくらいだな」

「あの子も可愛い~!」

 

 

高評価ですね。悪くはありませんね。咲夜は少し照れて顔を伏せています。

私がフェリのほうを見ると何の騒ぎかとこっちを向いたフェリの視線があいます。

フェリは一瞬動きが止まり

 

 

「お、おおお、お母様!?」

 

 

立ち上がり、叫びました。

 

 

「「「「「お母様!!!!????」」」」」

 

 

教室中に声が響きます。すごい声です。他の親も私の方を見ます。

まあ、どう見ても母親って姿じゃないですからね。姉って姿ですから。

 

 

「薬信さんのお母さんなの!?」

「ほ、本当に!?」

「子持ちには見えないな」

「絶対化粧で誤魔化しているって」

「違うわ。化粧で誤魔化してなんかないわ。あれは完全な素顔よ!」

「す、少しも!?」

「ええ、口紅もしていないわ」

「それであの美しさ・・・・・!」

「さすが薬信さんのお母さんね。ぜひとも、その秘密を教えて欲しいね」

「まじかよ!!すっぴんかよ!!」

 

 

さらにざわつきます。先生は男なので、私に見惚れているようです。

ですが、私は結婚などはするつもりはありません。

 

 

「お母様!!なぜいるんですか!!知らせていなかったはずです!!」

「ふふふ、フェリ。私の情報網を甘く見ちゃだめだよ。これくらい私にかかれば朝飯前だよ」

「!! お母様のその口調・・・・」

「それ以上はだめ。後でね。皆さん、私は薬信 フェリの母親の薬信 御魂です。

こっちはフェリの妹の薬信 咲夜です」

「ど、どうも。や、薬信 咲夜です」

 

 

一応、こんな騒ぎになったので自己紹介します。この程度の騒ぎの収拾を付けるくらい

簡単です。

咲夜は緊張からか、テンションが低いですね。この子が他の人と話すことは余りありませんからね。

 

 

「皆さん、今後とも娘をよろしくお願いします」

 

 

私は頭を下げます。まさに大人の対応です。

 

 

「さすが、薬信さんのお母さん。薬信さんの雰囲気もお母さんの教育のおかげなのね」「お母さん、優しそうな人だね」

「でも、そういう人に限って怒ると怖いんだよね」

「あまり怒らせたくないね」

 

 

怒ったら怖い、ですか。そうでしょうか?

私は咲夜にアイコンタクトします。それに対し咲夜は

 

 

「お、怒ると怖いです・・・・」

 

 

私に聞こえるように言ってきました。怒るとそんなに怖いんですか?全く自覚ありません。

普通に怒るだけなんですがね。

 

 

「そろそろ授業、再開するぞー」

 

 

先生が授業を再開させます。私が来てから授業が止まりました。少し申し訳ないです。

ですが、こんなになるとは思いませんでした。

 

おとなしくしないといけませんね。咲夜もおとなしくしています。

授業が進んでいきます。授業内容を見ると中学1年生の内容は簡単しすぎです。

フェリには退屈な授業のはずです。

 

私ならもう寝ています。フェリはそれでも真面目に受けています。

先生に当てられるとそれに正確に答え、まさに優等生です。クラスのみんなからも

いい交流ができているみたいです。

 

キーンコーンカーンコーン

 

三時間目が終わりました。

フェリが大急ぎで私と咲夜の手を引き、教室から離れて行きます。

 

 

「で、お母様。なぜいるんです?」

「私はフェリの母親だよ。行くに決まっているよ」

「その口調は?」

「私も聞きたいです!」

「それはね、存在同士が融合したからだよ。その結果、一つになったけど神の存在は一つの人格

といってもいいほどのものになってたの。だから記憶も保持しているの。分かった?」

「分かりました」

「はい!姉さま!そろそろ時間です!早く行きましょう!」

 

 

四時間目になります。

四時間目は美術なので、移動教室になります。フェリはうまくできるでしょうか?

勉強についてはよく教えましたが、芸術については全く教えていません。

 

 

「え~、今日は、絵を描いてもらいます。え~、絵はどんなのものでもいいです。

え~、この授業は皆さんの実力を見るものです。え~、入学してから全部私の指定のものだったので

本領を発揮できなかった人もいるはずです。え~、今日は保護者の方もいるので保護者の方も

自由に参加してもらっても結構です」

 

 

私も参加してもいいみたいですね。ぜひ参加したいです。

 

 

「咲夜はどうする?」

「わ、私も参加したいです・・・」

 

 

私は先生に言って紙と鉛筆、消しゴムを二人分借ります。そして、フェリの隣で描きます。

 

 

「お母様?なぜここで?」

「普通に考えて保護者は子供の近くにいるものでしょ?」

「そうですが・・・・」

「さ、早く描こう?」

 

 

私は早速描きます。私に苦手なものはありません。私は万能です。

この程度!私にかかれば簡単にプロ並みの絵が描けます!でも何を描きましょうか?

私は生徒ではありませんから、そこまで本気にならなくてもいいのですが、やるからには本気で

やります。

 

最初は人物画でも描きましょう。相手はもちろんフェリと咲夜です。他の人を描くとなると正直言って

やる気がでません。私は家族LOVEですから。

 

描き始めてから数分後。描き終わりました。普通の人ならまだ描き終わりませんが、

私は普通の人ではありません。この間に描き終えることは簡単です。

 

内容は二人が笑いあっている姿です。まさに微笑ましいものです。我ながらいい作品です。

これなら絶対に優秀賞間違いなしです!

 

 

「お、お母様?何ですか、その無駄に完成度の高い絵は」

「何って二人をモデルにした絵だよ」

「なぜそれを?」

「だって人物画だよ?フェリたち以外に誰を描くの?フェリだって嫌いなものは描きたくはないでしょう?」

「・・・・・確かにそうですね」

「わーーー!母様!上手いです!」

 

私の絵を見た咲夜がテンションを高くして言います。テンションをあげた声は教室内に

響きます。すると他の生徒は私の絵を見ようと集まってきます。

 

 

「う、上手い・・・!!」

「これはプロ並みね。いいえ、プロ以上!だってこの絵はモデルなしよ。それでいて人物の格好を

自由に描いているわ!ここまでできる人なんて世界に数えるだけしかないわ!」

「そんなレベルなのかよ」

「ああ・・・薬信さんと妹さんが描かれた絵・・・・・!私なんだか興奮してきた・・・!」

「ち、ちょっと、抑えて抑えて!」

 

 

みんなから高評価を貰います。褒められるのはいいですね。ですが後半部分は聞いては

いけないようなものが聞こえたんですが・・・・。

 

 

「え~~、皆さん。自分の絵を描いてください。え~~、薬信さんの絵はとてもすばらしいです。

え~~、私もそう思いますが、自分の絵を描き終えましょう」

 

 

私は新しい紙を用意します。数分で描き終えたのでまだ時間があります。

次は2次元キャラでも描きましょう。ですが、絵を描くだけなら先ほどのようにすぐに終わります。

なので、漫画を描きます。私の手にかかれば鉛筆と消しゴムだけで描けます。

 

 

それから20分後。全漫画家が多くの時間をかけて描くものを20分で単行本の半分くらいの量を

描きました。内容には自信があります。フェリと咲夜に見てもらいましょう。

 

 

「・・・・生徒の授業ですよね?なんでお母様が張り切っているんですか?」

「そ、そうだね。そういえばそうだったね。なんでこんなにがんばっているんだろう?」

「私が聞きたいです。しかも何ですか?この漫画。無駄におもしろいです」

「母様!本当におもしろいです!」

 

 

なんで私はこんなに張り切っていたんでしょう。本当にどうかしています。ちょっと反省しないと。

私が生徒だったらこれくらいよかったでしょうが、私は保護者です。ちょっとやりすぎました。

 

・・・・・・・。いつの間にか再び生徒が集まっています。

 

 

「こ、これは!!」

「おもしろい!!」

「本当だわ。これは同人誌に出せるなんてレベルじゃないわ。これはプロよ。これを連載すれば

間違いなく売れるわ。歴代に並ぶわよ」

「まさか、ここまでとは・・・・」

「薬信さんのお母さんは完璧だな」

 

 

これも高評価です。うれしいですが。生徒じゃない私がこれでいいんでしょうか?

私はフェリと咲夜の絵を見ます。フェリは芸術系、咲夜は二次元系です。

フェリはあまりアニメや漫画はみません。逆に咲夜はよく見ます。

 

私も見ますが、咲夜ほどではありません。咲夜の将来が気になります。別に仕事はしなくても

いいですが、引きこもりにはなってほしくありません。

 

二人の絵はとても上手いです。プロレベルでしょう。

 

キーンコーンカーンコーン

 

チャイムが鳴りました。皆は名残惜しそうにしながら席に戻ります。

挨拶が終わり、教室に戻ります。しかし、その道中で皆が集まってきました。

 

 

「お願いです!さっきの漫画をコピーしてください!」

「俺も!」

「私もお願いします!」

「お願いします!」

 

 

まさか、私の漫画をコピーしてほしいと言われるなんて思いませんでした。

それほどのものだったようです。

 

 

「わ、分かったから皆落ち着いて。後で先生に頼んで皆に配るから」

 

 

これしかないです。別に見てだめな物じゃありませんし。フェリと咲夜は私を無視して

二人で仲良く教室戻っています。

 

 

「こらーー!!そこ!!何をやっとるか!!通れないだろ!!」

 

 

怖そうな先生が来ました。その声にみんなが慌てて散ります。残ったのは私だけになりました。

その先生は私のほうへきます。

 

 

「見ない顔だな。どこかの生徒か?」

「いえ、保護者です」

「失礼。お姉さんでしたか」

「いえ、母親です」

「母親!?し、失礼。どちらの子のですか?」

「フェリの母親です」

「薬信さんのでしたか。いや~~これはどうもどうも。薬信さんは教師である私から見てもとても優秀です。

私は体育専門なのですが、勉強だけでなく体育でも優秀です。娘さんはお母さんに勉強を教えてもらったそうですね。ぜひとも今度生徒たちに勉強を教えてもらいたいです」

「ふふ、ありがとうございます。そうですね、生徒さんに教えてもいいですね。

夏休みにでも依頼してください」

「本当ですか!ありがとうございます!では私はこれで失礼します」

 

 

いい先生でした。一見厳しそうですが、生徒のことをよく見る先生です。

夏休みに生徒に教えてみるのも面白そうです。

 

 

 

 

 

 

私は教室に戻ります。今はもう給食です。今回は授業参観ということもあり、保護者と食べていいとなって

います。もちろん保護者は弁当持参です。

 

 

「母様!遅いです!何していたんですか?」

「ごめんね。ちょっと先生とお話してたの」

「何をです?」

「フェリのこととか」

「姉さまのですか。どうでした?」

「いい子だってよ。咲夜も入学したらちゃんと褒めてもらえるようにしてね」

「はい!がんばります!」

 

 

咲夜もフェリと同じような評価をもらえるでしょう。何せ私が教育しましたからね。

昼食を食べ終わり、昼休みが終わります。5時間目は体育なので私たち保護者は先に体育

館に行きます。授業参観なのに体育があるなんて珍しいです。

 

しばらく待っていると生徒たちが少しずつ入ってきます。フェリは最後に来ました。

やっぱりフェリは目立ちます。フェリの身体は高校生や大人くらいのものです。

その上、スタイルもいいので体操服は特注です。

 

周りの女子から羨ましがられ、男子はいろんな意味の視線を向けています。

そして、私にも視線がきます。私は、まあ、若いですし、フェリよりもスタイルがいいですからね。

ですが、あまりいい気分じゃありません。

 

私は物じゃないですからね。フェリにも視線があります。まあ、身体は中学生くらいですからね。

同い年が好みという人は多いです。フェリはスタイルのよさと雰囲気から年上という

風な感じです。

 

 

「では、授業を始める!今日はドッジボールだ!」

「せんせー、なんでドッジボールなんですか?」

「それは、保護者の方にも参加してもらってもいいからだ。保護者の皆さん。ぜひ参加したい

方は参加してください」

 

 

体育の先生は4時間目が終わった後に話をした先生です。

まさか体育に保護者を参加させるとは思いませんでしたがね。

 

 

「咲夜はどうする?」

「私、やります!」

「じゃあ、私も入ろうかな。でも咲夜。ちゃんと手加減しなさいよ」

「はい、分かってます!ちゃんと手加減します!」

 

 

私たちのような存在は手加減しないと一般人に怪我をさせてしまいます。

だから、もし全力を出せなんて言われても私たちは逆に全力で手加減しないといけません。

なので、意識してやるのではなく無意識に手加減できるように私が二人を訓練させました。

 

これにより日常生活に支障はありません。ですが、こういう勝負事になると咲夜は手加減できなく

なります。なのでちゃんと釘をさしときます。いざとなれば私が咲夜を気絶させとめます。

 

 

「では開始する!」

 

ピーーーー!

 

 

ホイッスルが鳴り、試合が開始されます。フェリと咲夜は敵になりました。

個人的には娘たちと同じチームになりたかったです。

ボールが飛び交う中、私は当たらないように逃げます。

 

少しずつ互いの人数が少なくなっていきます。互いに残っているのは男子の一部と私たちだけです。

女子と男子の残りは外野です。

 

 

「薬信さんのお母さん、すばしっこいな」

「本当だよ。というか、他の女子は外野なのに薬信さんの家族は全員残っているぜ」

「運動神経も抜群な家族だな」

 

 

ついには私とフェリたちだけになりました。外野からの当てようとしますが、私は避け続けます。

そして、ボールが内野であるフェリに渡ります。

フェリは皆より速いボールを投げます。私の後ろには生徒がいるので避けません。

 

避けるとフェリのボールが当たりますからね。このスピードが当たれば怪我をするかもしれません。

私は受け止めます。そして、ボールを味方の外野に送ります。

 

4時間目に目立ちすぎましたからね。今回はあまり目立たないようにする予定です。

避けるだけならそこまで目立たないでしょう。次は咲夜がボールを受けとめ、私に投げてきます。

 

これも速いので受け止め外野の味方にボールを渡します。それをフェリたちに投げ、

フェリたちが受け止め私に投げてきます。そして、そのボールを受け止め味方に渡す。

 

これが何度も続きました。

 

 

「姉さま!これじゃ母様を倒せません!」

「ええ、ですが本気を出したらいけませんよ」

「分かってます!」

 

 

私としては早く終わりたいのですが、当たるわけにはいきません。

私は避け続けます。

 

 

「もーーーー!!これじゃ絶対に終わらないです!」

「咲夜?何をする気です?」

 

 

咲夜が本気とはいきませんが、さっきよりも数倍速いボールを投げてきました。

これは危険です。一般人に当たれば重傷になるかもしれないものです。

全く、あれほど手加減しなさいと言ったのに!ちょっと怒りました。

 

ふふふ、早く終わらせてあげます。その後はお仕置きが必要ですね。

私はそれを受け止めます。

 

 

「咲夜」

「は、はい!」

「私、言ったよね?ちゃんと手加減しなさいって。もしかして、私に向かって投げたから大丈夫だと思った?私が避けてたらどうしてたの?」

「そ、それは・・・・」

「あとで、分かっているよね?」

「は、はい!」

 

 

私は咲夜に向かって投げます。生徒たちが投げていたくらいの速さです。咲夜は受け止めもせず、当たります。フェリが落ちたボールを取ります。

 

 

「フェリも分かっているよね?」

「・・・・はい、分かっています」

 

 

フェリが私にボールを渡してきます。受け取った私は軽く投げフェリに当てます。

フェリもまた何もせず、ただ当たります。

 

 

「試合終了!」

 

 

皆がポカンとした顔で私を見ます。

め、目立ちすぎました。あそこで怒るなんて何てことを。

 

と、とにかくもう時間ですし、保護者が集まるなにかもないので撤退しましょう!

私は咲夜の手を引いて出て行きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

家に帰ります。

 

 

「母様、よかったんですか?」

「よい。少し目立ちすぎたからな」

「口調変わりましたね」

「ここは私の家じゃからな。もうあの口調にせんでも問題ないからのう。で、早速じゃが、分かっておるな?」

「・・・・・・・・はい」

 

 

それから数十分。咲夜の悲鳴が響き続きました。

 

 

 

 

 

私は咲夜を叱ったあと夕食を作ります。今日は私が作ります。フェリが学校でがんばっているみたいなので

私が作っています。咲夜と作ろうかと考えましたが咲夜は精神的ダメージより居間でノックダウンしています。

私と一緒に作るという仲良し親子をしたかったのですが、やりすぎました。

 

そろそろフェリが帰ってくるでしょう。私は咲夜を起こし、一緒に準備します。

一緒に料理はできませんでしたが、皿を並べることができました。今回はこれで満足しましょう。

 

 

「ただいま帰りました」

 

 

フェリの声が聞こえたので、玄関まで迎えに行きます。

 

 

「おかえり」

「姉さま、お帰りなさい!」

 

 

こういう日常もいいですね。いつまでもこんな日が続けばいいですね。

 

 

「さて、夕食にするぞ」

「はい!」

「はい」

 

 

 

 

 

 

 


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