ハイスクールD×F×C   作:謎の旅人

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第1-6話 私の娘のために

 

 

ここ数百年で悪魔の勢力からも狙われました。悪魔に狙われた同じ次期に3つの勢力か

ら私のことを「はぐれ悪魔」と呼ぶようになりました。私は悪魔じゃないのに。

 

 

 

 

 

どれだけ経ったでしょう。もう覚えていません。長いこと数えていません。

人間の人工物が増えてきました。大きな建物までできました。

人間が多くなったので私の行動が制限されます。

 

森も減少したので取れる実も少なくなりました。

私にとって今は生きにくいです。

 

 

「お母様。会いたいです」

 

 

私はつぶやきます。私の記憶のお母様をもう思い出せません。

それだけ長い時間が経っています。

 

 

 

 

今、私は大勢の堕天使から逃げています。さっき魔力の波動が来ました。おかげで

堕天使に隙ができ、距離を稼ぐことができました。ですがついに囲まれました。全員が光の矢を私に向け放たれようとします。

 

吸血鬼の再生能力でもこれでは無理です。

ついに死ぬようですね。ですが・・・ですが、最後に・・・・・

 

 

「お母様に会いたかったです」

 

 

私の頬に涙がこぼれます。

全方位から光の矢が放たれます。

 

 

 

しかし、いつまで経っても衝撃や痛みは来ません。代わりに「全てを喰らう」という

声がしました。目を開け見てみると私の前に金色の9本の尻尾、獣耳をした女性が立

っています。

 

 

「お主ら今すぐここから退け。さもなくば殺すぞ」

「お前はそこの奴の仲間か?」

 

 

私はこの女性を知っています。

そう。ずっと私が求めてきた人。

 

 

 

 

 

「・・・・お母様」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薬信御魂side

 

 

「・・・・お母様」

 

 

フェリがつぶやきます。

間に合ったようですね。串刺しになってたら問答無用で全滅させてましたよ。

 

 

「私はこの子の母親じゃ」

「母親だと!?嘘をつくな。我々はそいつをずっと追い詰めてきたがそんな記録は

なかった!」

「いろいろ事情があったんじゃ。とにかくここから退け」

「そいつは無理な相談だ。こうなったらお前もろとも殺してやる」

 

 

せっかく私が生かしてあげるといったのにそれを無下にするなんてね。

愚かですね。私は手に魔力を込めます。

 

 

「全員、攻撃開s―――」

 

 

リーダのような男が言い終わる前に手を横に突き出し、体を一瞬で回転させます。

敵一人以外の体が上半身と下半身に分かれます。手の魔力は巨大な魔力の刃になっています。もう一人には一瞬で背後に回り気絶させます。

 

あとでこいつらの親玉に聞きたいことがありますからね。

私は「バインド」で気絶させた男を拘束します。

私はフェリのほうを向きます。

 

 

「お母様ーーーー!!」

 

 

そう泣き叫びながらフェリが私の胸に飛び込んできます。

私は抱きしめます。久しぶりです。思わず私も泣きます。

十分くらいその状態でいました。

 

 

「さてとそこの男に主のもとへ案内してもらうかの」

「お母様。本当に行くつもりですか?私のことならもう大丈夫です」

「それもあるが、私の持ち物の一つがなくなっていてな。それを探してもらうんじゃ」

「それは何ですか?」

「フェリも知っているだろう?昔私が作っていた刀を」

「確か、刀の名前は咲夜(さくや)でしたか?」

 

 

咲夜という刀は日本刀で私が作った最初で最後の刀です。

私は刀を打つとき霊力や魔力を込めて打ち、さらに完成した刀を私の血にひたしました。その刀は霊力や魔力を込める量に応じて切れ味が変わります。

さらに刀が砕けても再生します。そんな刀です。

 

 

「そう。お前を探すついでに刀を置いた神社に行ったのだが神社にはなかった。

おそらく誰かが持ち去ったのであろう」

「あれは何もしなくても切れ味はいいですからね」

 

 

私は男を起こします。

起きた男は私の顔を見るなり、怯えだします。そんなに怯えると私も傷つきます。

私も女性ですよ。失礼です!

 

 

「そんなに怯えんでもいい。ただお主の主に案内してもらいたいだけじゃ

そうすれば他の仲間のようにはならんよ」

「ひ、ひいいぃぃ!わ、分かった。案内する・・・」

 

 

私たちは日本に移動し、ホテルの一室に案内されました。

さすがに本拠地には案内させてくれませんか。部屋の椅子には40代のおっさんが座って

いました。目的の人物のようです。

 

 

「おまえが俺に用があるって奴か?って、こりゃまた美人が二人とは俺もうれしいぜ」

「私の名前は薬信御魂じゃ」

「おっと名前がまだだったな。俺の名前はアザゼル。堕天使どもの頭をやっている」

「そうか。こっちは娘のフェリ」

「フェリです」

「既婚者か?若いな」

「いや、違う。フェリは私が拾ったんじゃ。そんなことより話に入ろう」

「ああ、そうだな。で、話とは?」

 

 

アザゼルの顔が真面目になり、空気が変わります。さすが堕天使をまとめるだけあり

ますね。

 

 

「話というのはな。娘のことと探し物じゃ。

まず、最初に娘のことじゃが、これ以上手を出せばお主ら堕天使を潰す」

 

 

殺気は出しません。そんなことをしたら脅しも同然です。私は今話し合いをしているん

です。断れば、次に襲われたときに潰します。

 

 

「なるほどな。しかし、はぐれ悪魔は俺たちにとっても危険だ。お前もはぐれだろう?そこはどうする?」

「お主らは勘違いしとるな。こんな姿だから間違えたんじゃろうが、私たちは悪魔じゃ

ない」

「何?じゃあ、お前たちは何なんだ?」

「私は狐で妖怪で吸血鬼で神様でドラゴンという存在じゃよ」

「私は狼で妖怪で吸血鬼です」

「ははは、おもしろい!いいだろう。信じよう。だが堕天使以外の勢力はどうするんだ?」

「それも問題ない。同じようにする」

 

 

堕天使たちから襲われることはなくなったようです。 

他の勢力も同じようにやっていきます。

 

 

「で、もう一つのことじゃ」

「探し物か。何だ?」

「ある日本刀じゃ。日本刀の名は咲夜」

「咲夜だと!?なぜあれを探す」

 

 

急にまた厳しい顔になる。というより私の刀の名を知っているようです。

まさか、盗んだのはあなたですか?全く何しているんですか?

まあ、返してくれるんなら許しますが。

 

 

「あれは私の物じゃ。だから返してもらおうかと思っての」

「だめだ。何のために使うか知らねえが、あれを探すことは絶対にしない。私利私欲

に使うことは許されない」

「あれは私の物じゃ。そう言われても困る」

「あれは誰の物じゃない。やはり何かあるな。教えてもらおうか。もちろん娘には

手を出さない」

「いや、私の物じゃ。あれは私が作ったもの。それを長い間留守にしていたから

盗まれた。だから、取り返すんじゃよ」

「あれをお前が作った?ありえない。じゃあ、聞くがどうやって作った?」

 

 

そういわれたので私はどうやって作ったのかを言いました。言っても絶対に作れませんからね。私自身、同じような効果のある物を作る自身がありません。

 

 

「そんな風に作ったのか。だが信じられない。お前に武器が必要とは思えないな」

「そんなのは私の勝手じゃ。というより、なぜ危険なんじゃ?確かに切れ味抜群

じゃが」

「知らないのか?あの刀はな。――――――

 

 

 

そこから、咲夜の歴史について語ってくれました。

 

まずある人間の男が使っていました。その刀はどんな物も斬ります。

どんな物もです。その刀は不思議なことに刃こぼれ一つしませんでした。

ですが男はどんどん生気がなくなったようになっていきました。

 

そして、男は死にました。そのようなことが何回も繰り返され、その刀のすごさだけが

伝わりました。刀をめぐっての戦いすらありました。しかし、所有者はどんどん死んで

いきました。さすがに多くの所有者が死んでいったので争いは少なくなっていきました。

 

そして、刀は妖刀と呼ばれるようになりました。

それから長い年月が経ち、その刀を農民の男の一人が持ちました。男は刀を持った

時からおかしくなりました。どんなときでも刀を放しません。

 

ある時、村に野党が襲ってきました。男は野党に立ち向かいます。多くの村の人が

刀を持っていてもあの男では勝てないだろうと思っていました。男は全く剣術の

経験がなかったのです。

 

しかし、男は野党に一人で勝ったのです。その動きは素人に動きではなく、幾多の

戦いを戦い抜いた達人の動きでした。その噂をきいたどこかの将軍が男を部下に

したいと言ったので男は部下になりました。

 

しかし、村の多くの人がおかしいと感じていました。男は戦いを自ら進んでやるような

者ではありません。それに口数は刀を持ったときから少なくなっていました。

 

男は戦で大きな活躍をしましたが数回の戦を戦ったあと衰弱して死んでしまいました。

別の男が刀を引き継ぎました。男も口数が少なくなりましたが、戦で活躍しました。

しかし、使うにつれて生気がなくなり、死んでしまいました。

 

それが繰り返され、噂が広がります。

妖刀ですが持てば無敵。代償は生気。それからまた時間が経ちます。

噂を聞いた悪魔がその刀を持ちます。

 

上級悪魔だったその悪魔は、魔力を込めることで切れ味が上がることが分かりました。

そして、刀から意思のようなものを感じました。人間ではその意思を感じただけで

乗っ取られます。悪魔は耐えました。一度は手放そうとしますが、刀の魅力に魅せられ

手放すことができませんでした。

 

ある時堕天使と戦うことがありました。大勢の堕天使だったので瀕死の状態になりまし

た。そのとき、刀から声がしたのです。

 

 

-――――力を貸そう。私の意思に身をゆだねなさい。そうすればあなたの敵をすべて

   切り伏せよう。ただし、代償は命―-―---

 

 

悪魔はもう死ぬだけだったので身をゆだねました。悪魔の意識は消え刀がその身体に

乗り移りました。結果、堕天使を全員殺したのでした。

 

堕天使、天使、悪魔。刀は主にこの3つの間を動いて回りました。

しかし、いつの間にか刀はどの勢力の誰が持っているのか分からなくなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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