異世界戦記   作:日本武尊

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第五十九話 新生!グラミアム海軍

 

 

 

 

 時間は過ぎて辺りは真っ暗な闇に包まれた。

 

 それでもなお島の各所からは絶えず銃声や砲声、爆音が響き渡る。

 

 

 

『……』

 

 そんな中、光一つ無いジャングルの中をロヴィエア連邦国軍の歩兵1個大隊は物音を立てずゆっくりと進んでいた。

 

 

「こちらアナグマ。敵の1個大隊が会場入りした。送れ」

 

 その様子を葉っぱのような迷彩やもさもさしたギリースーツを身に纏って周囲の景色に溶け込んで擬態をしている扶桑陸軍の特殊部隊である『特戦隊』の一人が暗視ゴーグル越しに監視していた。

 

『アナグラ了解。そのまま監視を続行。ポイントGに団体が差し掛かれば知らせろ。送れ』

 

「アナグマ了解」

 

 通信を終えた特戦隊員は『九九狙撃銃改二』を抱えて、物音立てず素早く移動しながら敵兵の動きの監視を続行する。

 

 

 

「こちらアナグマ。ポイントGにお客さんがご到着だ。送れ」

 

『アナグラ了解。起爆する』

 

 しばらくしてポイントGに大隊が入り、特戦隊員が合図を送ると数回爆発音がしてその直後に悲痛な悲鳴が上がる。

 

 ポイントGと呼ばれる場所には『炸裂鉄球地雷』と呼ばれる、所謂クレイモア地雷が仕掛けられており、特戦隊の指令所で手動による起爆が行われた。

 

 ロヴィエア連邦国軍兵士は奇襲によって多くの兵士が死亡し、無事だった兵士が重傷者を抱えて後退する。

 

「お客さんが撤退した。引き続き監視を続行する。終わり」

 

 特戦隊員は再び景色に溶け込み、監視を続行する。

 

 

 

「……」

 

 心臓の鼓動がうるさく聞こえるほど神経を研ぎ澄ませているロヴィエア連邦国軍の兵士は木々の陰に隠れてこっそりと前を見る。

 

 すると自身が隠れている木の表面が爆ぜてとっさに隠れる。

 

(くそっ。こんな暗闇の中でなんで見えるんだよ!?)

 

 暗闇の中で正確に狙ってくる敵に兵士は戦慄を覚える。

 

(しかもこんなに精確に。相当な腕を持って、暗闇の中でも目がいい狙撃手とか、悪夢以外なんでもないぞ)

 

 

「う、うわあぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 恐怖に耐え切れなくなってか、兵士の一人が発狂して木の陰から出て手にしているサブマシンガンを乱射する。

 

「オイ馬鹿!!」

 

 止めようとしたが直後に兵士は眉間を撃ち抜かれて後頭部から血と脳髄を撒き散らし、その場で前に倒れ込む。

 

「……」

 

 兵士は息を呑み、隣の木の陰に隠れる兵士を見るも、首を横に振る。

 

(マズルフラッシュが見えないどころか銃声すら聞こえないとは、どうなっているんだ)

 

 

 

「……」

 

 敵兵を狙う狙撃手は九九式狙撃銃改二に実包10発を装填してボルトを前へと押し込んでボルトハンドルを下へと倒す。

 

「中央右3の木陰から敵が様子を窺っている」

 

 暗視装置で見ている観測手の指示で狙撃手はそちらに九九式狙撃銃改二に取り付けられているスコープを向けると、頭だけを出して様子を窺っている敵兵が映る。

 敵兵の頭に狙いを定めると引き金を引き、銃口付近に取り付けられた消音機によって銃声とマズルフラッシュが抑えられて弾が放たれ、敵兵の頭を撃ち抜く。

 

「お見事。次、左2の木陰だ」

 

 ボルトハンドルを持って上へと起こして後ろに引っ張り排莢すると元の位置へと戻し、観測手の指示した方に向けて引き金を引き、木陰から出ていた敵兵の足を撃ち抜き、敵兵は地面に倒れてもだえ苦しむ。

 

 

 

「総員、木からはみ出ないように後退しろ」

 

 圧倒的に不利な状況とあって、兵士は撤退を決意する。

 

「撤退するのですか?」

 

「このままじゃ全滅は免れん。他の部隊と合流して再度接近するぞ」

 

 兵士の指示で部隊は負傷者を抱えてゆっくりとそこから後退していく。

 

 

 

「こちらキツツキ。お客さんが退場した。送れ」

 

『アナグラ了解。引き続き警戒を厳にせよ。送れ』

 

「了解」

 

 九九式狙撃銃改二を携える特戦隊員の隣で観測を行っていた特戦隊員が指令所に報告を入れると、三脚で設置している暗視装置に目を向ける。

 

「にしても、敵もよくこんな時に攻めてくるもんだな」

 

「全くだ。夜戦は俺達の十八番だって言うのによ」

 

 狙撃手はニッと牙を見せる。

 

 彼は人間ではなくヴァンパイアなので、暗闇でもハッキリと姿形を捉えることができるため、通常のスコープでも問題なく狙える。

 

「あぁそうだ。今のうちに銃は64式に替えておけ」

 

「あれかよ。セミオートは好きじゃねぇんだよな」

 

 嫌なことを思い出したかのように狙撃手は呟く。

 

「文句を言うな。奴さんらが大人数で戻ってきたらボルトアクションじゃ厳しいぞ。それとも、ボルトアクションでフルオート射撃が出来るのか?」

 

「……分かったよ。ちゃんと見張っておけよ」

 

「あいよ」

 

 そう会話を交わして狙撃手は九九式狙撃銃改二を持ってその場を離れていく。

 

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 場所は変わってハヴァ島の中央飛行場

 

 

 

「あー、しんど」

 

 塹壕の壁にもたれかかって愚痴った兵士は深いため息を吐く。

 

「煙草吸いてぇなぁ」

 

「場所がばれて砲撃の雨に晒されて良いんならいいぞ? 俺はその前に逃げるがな」

 

「……」

 

 歩兵は首の後ろを掻き、あくびをする。

 

「にしても、よくあれだけの数を凌ぎきれたなぁって思うよ」

 

 抱えていた89式小銃を壁に立て掛けて塹壕から頭を出してみると、多くのT-34-85の残骸とロヴィエア連邦国軍の兵士の死体が放置されている。

 

「まぁ砲兵のお陰が大きいだろうな」

 

「あいつらの錬度色々とおかしいよな。初弾から命中弾を出すとか」

 

「砲自体の精度もあるんだろうけど、やっぱ錬度だよな」

 

「だな」

 

 と、後ろに振り返り、塹壕の後ろに止まっている74式戦車を見る。

 

「しかし、本当にこいつは凄いな。敵戦車を的確に仕留めていったんだからな」

 

「あぁ。しかも本国じゃこれを上回る戦車が開発中だって噂だぜ」

 

「マジかよ?」

 

「俺の知り合いが技術省に居るんだ。そこでちょっとな」

 

「よく軍機を喋る気になれるな、そいつ」

 

「酒を飲んでてベロンベロンだったからな」

 

「えぇ……」

 

 呆れて思わず声を漏らす。

 

「で、どのくらいであの残骸が片付くと思う?」

 

「敵が来なければ明日には何とかなるだろう。そうすりゃ、制空権奪還も夢じゃない」

 

「相手はレシプロでも戦闘機だぞ。ヘリで相手になるのか?」

 

「新型の燕は足が速い上に変態高機動のヘリだぜ? 問題は無いだろう」

 

「だといいんだがな」

 

 

「ん?」

 

 塹壕から頭を出して暗視双眼鏡を覗いて監視していた歩兵が声を漏らす。

 

「どうした?」

 

「いや、一瞬何か動いたような」

 

「なに?」

 

 とっさに立ち上がり、歩兵から双眼鏡を受け取って覗く。

 

「……」

 

 目を凝らして見ると、林の方に何かが蠢く影が見えた。

 

「どうやらまだ懲りてないようだな」

 

「あんなに損害を受けてか?」

 

「多少の被害は気にしないやつらなんだろ」

 

「先の大戦末期の旧帝国軍のやり方を思い出すな」

 

「あぁあれか。あの玉砕特攻は胸糞悪かったな」

 

「……」

 

「で、どうする? 迎撃はするんだろうが、ちぃと数が多いぞ?」

 

「あぁ……」

 

 歩兵は双眼鏡を覗きながら答える。

 

「何してる?」

 

「いや、どのくらい距離があるか見てる」

 

「?」

 

「……大体150から200ってところか」

 

「なるほど」

 

 意図を察したのか後ろに振り返るとそれはあった。

 

「まぁ団体さまなら迫撃砲の効果は高いな。こっちの位置もばれるけど」

 

「その前に向こうにはご退場を願うだけだ」

 

 二人はもう一人を加えて『90式迫撃砲』に着き、発射準備に取り掛かる。

 

 一人が迫撃砲の砲身の角度を調整し、一人が箱から81mmの榴弾を取り出し、一人が暗視双眼鏡で敵兵の位置と距離を把握する。

 

「半装填!」

 

「半装填!」

 

 角度調整をした兵の指示を復唱しながら榴弾を持つ兵が迫撃砲の砲口に榴弾を持ったまま半分程入れる。

 

「よーい……ってぇ!!」

 

 榴弾を持った兵は指示と同時に榴弾を手放し、榴弾は砲身内を滑って落ちていきそこに榴弾の底部がぶつかって信管が作動し、ボンッ!という音とともに榴弾が発射される。

 

 榴弾は弧を描いて飛んでいき、敵兵の集団近くに着弾して爆発を起こす。

 

「至近弾! 左2度! 仰角1度修正しつつ効力射!」

 

 指示を受けて砲身の俯角を調整し、装填手が榴弾を砲身に落とすとすぐさま榴弾を木箱から取り出して榴弾が発射された直後に砲身内に落とすを繰り返して連続して榴弾を放つ。

 

 次々と放たれる榴弾は敵兵の集団へと落ちて爆発を起こして殺傷し、他の塹壕にいる兵も榴弾の爆発によって敵兵の存在に気付き、小銃と機関銃の射撃を開始して曳光弾混じりの弾幕が張られる。

 

 奇襲のつもりが逆に奇襲を受けることとなって、生き残りはすぐさま後退する。

 

「敵兵、後退します」

 

「あっけないな」

 

 双眼鏡を覗きながら二人は呟き、双眼鏡を降ろす。

 

「だが、明るくなると絶対大群率いて戻ってくるぞ」

 

「だろうな。その前にこっちの戦力が整えばいいんだがな」

 

「……」

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「それで、各島の戦況はどうなっている?」

 

「ハッ! 戦況は何とか敵の上陸部隊を抑えているようです」

 

「そうか」

 

 ハヴァ島の司令室では会議が行われており、各島の戦況報告を聞く。

 

「ですが、この暗闇を利用して夜襲を仕掛けられる恐れが」

 

「その点は我が陸軍の特戦隊が阻止していますので、何とか敵の奇襲は阻止しています」

 

「そうですか」

 

 将軍はホッと安堵の息を吐く。

 

「ですが、敵は既に各所に拠点を築いているので、油断は出来ません」

 

「うむ。それについては特戦隊が対処するでしょう。何せ彼らにとっては十八番の芸当です」

 

「さすがですな」

 

「それはさておき、向こうの艦隊の動きも注意しなければなりません。戦艦と空母は未だ健在ですし、戦艦による艦砲射撃で海方面の砲台陣地の大半が破壊されています」

 

「その上空襲による各陣地への被害も無視できるものではありません。特に負傷者の数が多いです」

 

「……」

 

「少なくとも、空軍の増援がくるまでの辛抱だ」

 

「はい……」

 

 

 そうして会議は終了する。

 

 

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 時間は過ぎて正午

 

 

 

「くそっ! まさかここまでやられるとは!!」

 

 ソビエツカヤ・ロシアの艦橋で司令官が悪態を吐き、手すりに拳を叩き付ける。

 

 海方面の砲台陣地と砲撃戦を交えていた戦艦部隊はガングート級戦艦3隻を失い、ソビエツキー・ソユーズ級戦艦2隻が中破、巡洋艦4隻が轟沈と、多大な被害を受けていた。

 しかしその代わり砲台陣地は壊滅して砲撃が止んでいた。

 

 が、全滅しているように見せかけてまだ砲台陣地は健在しており、反撃の機会を窺っている。

 

「司令。どうされますか?」

 

「……」

 

 

「司令! 後方の機動部隊より入電です!」

 

 と、慌てた様子で通信兵がやってくる。

 

「なんだ?」

 

「はっ! 先ほど我が軍のではない偵察機を発見したとの報告が!」

 

「何!? それで、撃ち落としたのだろうな!」

 

「い、いえ。それが足の速い機体で、迎撃機が上がって追跡しようとした途端逃げられたそうです」

 

「ぬぅ。となると連中は空母も持っているということか。これは予想以上に厄介なことになるぞ」

 

 いくら空母と搭載機の数は揃えられても、パイロットの錬度に関しては高いとは言い難いものだ。

 

「それともう一つ」

 

「何だ?」

 

「敵偵察機を追いかけていた迎撃機が、こちらに向かう戦艦部隊を目撃したとの報告が」

 

「何? 敵の戦艦部隊だと?」

 

 すると司令長官の表情に一瞬輝きが戻る。

 

「どうしますか?」

 

「決まっておろう。巡洋艦と駆逐艦を機動部隊に向かわせて防衛に当たらせろ。損傷した戦艦以外は敵戦艦部隊の迎撃に向かう」

 

「宜しいのですか? それでは上陸部隊が孤立してしまいます」

 

「少しのあいだだけ離れるだけだ。それに残す戦艦も損傷したと言っても砲撃は問題なく行える」

 

「それはそうですが」

 

「なぁに、リベリアンの艦隊を相手にするのではない。片はすぐに付くだろう」

 

「はぁ(本当にそうなんだろうか)」

 

 妙にテンションの高い司令官と言いようのない嫌な予感が胸中を渦巻き、艦長は不安を募らせる。

 

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 テロル諸島から何海里か離れた海域に、グラミアム海軍の艦隊がテロル諸島を目指している。

 

 

「提督。マートからの報告です。敵機動部隊、ならびに戦艦部隊を発見と」

 

「そうか。機動部隊と戦艦部隊を見つけたか」

 

 艦隊の中で一際目立つ戦艦3隻の内1隻に座乗するグラミアム海軍の艦隊提督が軽く頷く。

 

「いよいよ、ですね」

 

「うむ。各空母に伝え。航空隊を直ちに発進させよと」

 

「ハッ!」

 

 通信兵はすぐさま機動部隊へ命令を送る。

 

 

 

「帽振れ!!」

 

 出撃命令が下り、水上部隊から離れて航行している機動部隊の方では、攻撃隊が次々と各空母から出撃し、整備員達が帽子を手にして振り攻撃隊を見送る。

 

 各空母の艦載機は扶桑海軍から売却された零式艦上戦闘機改め『ジーク』と艦上爆撃機彗星改め『ジュディ』、艦上攻撃機天山改め『ジル』、艦上偵察機彩雲改め『マート』が主力で、艦隊旗艦フリードランにはジークとは異なる戦闘機が姿を見せている。

 

 逆ガルではない烈風のように見えなくはないが、これは扶桑海軍で烈風と正式採用を争った『陣風』と呼ばれる艦上戦闘機で、グラミアム海軍では『ファルコ』と名付けられた。

 烈風が次期主力戦闘機に採用されて設計図はお蔵入りとなっていたが、グラミアム王国海軍に使ってもらおうと設計図を譲渡している。

 まぁそれは建前で、実際は陣風の性能を調べるためである。

 

 ぶっちゃけて言うと、グラミアム王国の海軍は表向きは再編成のために扶桑国の支援を受けているが、実際のところは扶桑国側がやりたいことを他国にやらせてその試験記録を得ている、そんな関係である。

 

 

 

「しかし、我々だけでどうにかできるのでしょうか?」

 

「あくまでも我々の目的は扶桑海軍が来るまで相手の戦力を削ることだ。今の我が海軍の戦力ではそれが限界だ」

 

 グラミアム海軍は扶桑海軍の支援があってようやく今の状態になっているが、これでもまだ発展途上なのだ。

 

 艦艇のほとんどは扶桑海軍が売却した旧式艦挺で、空母は退役して売却された蒼龍改め『フリードラン』、飛龍改め『ルドゥタブル』、飛鷹型航空母艦改め『トゥールヴィル級航空母艦』2隻、扶桑海軍から提供された雲龍型航空母艦の設計図を基にグラミアム側で設計を見直して建造した『テュレンヌ級航空母艦』が2隻の計6隻で構成されている。

 

 戦艦は扶桑海軍で魔改造されて無償提供された河内型戦艦改め『ベルキューズ級戦艦』2隻と、その魔改造河内型戦艦の設計を基にグラミアム国内で建造した5隻と、一際目立つ戦艦が3隻の計10隻である。

 その3隻は『サザンクロス級戦艦』と呼ばれ、1番艦の『サザンクロス』2番艦『トリオンファン』3番艦『デヴァスタシオン』で構成されている。

 

 この戦艦は建造予定だったが航空母艦へ改装された『加賀型戦艦』の設計を基に大和型や紀伊型、長門型3番艦で用いられた技術を取り入れ改めて設計されたもので、基本設計は同じでも構造上準同型艦と扱われる。

 

 元々グラミアムに売却する戦艦は天城型か長門型にしようかと検討されたが、戦艦好きなあの男がそれを許すはずが無く、『寝言は寝て言えやゴルァァァァ!!!』とは言ってないがそれに次ぐ勢いで断固拒否したので、なら設計図を提供するならと品川が提案したがこれにも彼は難色をみせていた。

 そこで戦艦として建造されなかった加賀型戦艦の設計図ならどうかと聞いたところ、彼は建造されなかった戦艦が見れるのなら、と納得した。

 その後設計を変更した加賀型戦艦はグラミアム王国内の造船所で建造され、ここ最近で3番艦が就役して艦隊に加わっている。

 

 ちなみにサザンクロス級戦艦の名称はグラミアム王国の歴史上で伝説となっている3人の獣人から来ていることから、この戦艦が王国の象徴と言える存在であるかが分かる。

 

 巡洋艦は川内型軽巡洋艦改め『ベルタン級軽巡洋艦』2隻と長良型軽巡洋艦改め『デュケーヌ級軽巡洋艦』3隻、青葉型重巡洋艦改め『デュプレクス級重巡洋艦』2隻の計7隻。

 

 駆逐艦は特Ⅲ型駆逐艦改め『ルチヌ級駆逐艦』4隻と白露型駆逐艦改め『テティス級駆逐艦』3隻、朝潮型駆逐艦改め『シャスール級駆逐艦』5隻の計12隻。

 

 

 

 

「駆逐艦と巡洋艦は水雷戦隊を除き、機動部隊の護衛に向かわせろ。我々戦艦部隊はこのまま敵戦艦部隊と交戦に入る!」

 

『ハッ!』

 

 提督の指示で一部の駆逐艦と巡洋艦は機動部隊と合流の為に戦艦部隊を離れ、戦艦部隊は水雷戦隊を率いて敵戦艦部隊へと向かう。

 

(未知なる相手にまだまだの我々がどこまでやれるか分からないが、扶桑海軍に鍛えられた我々を、甘く見るではないぞ)

 

 提督は右手を握り締める。

 

 

 

 




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