異世界戦記   作:日本武尊

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第十一話 奇襲作戦

 

 

 翌日、待機している兵士達が自分の小銃や短機関銃、軽機関銃や車輌などを整備してそれぞれ暇を潰している中、俺は四式自動小銃の銃身内の掃除をしている。

 

「総司令」

 

 と、天幕に辻が入ってくる。

 

「どうした?」

 

「先ほど村長が総司令に伝えることがあると申して面会を求めています」

 

「そうか。分かった」

 

 俺は四式自動小銃を机に置いて天幕を出る。

 

 

 

 天幕を出ると村長が既に待っていた。

 

「お待たせしました」

 

「構いません。単刀直入に聞きますが、どうしますか?」

 

「……」

 

 間を置いてから、村長は口を開く。

 

 

「一晩中悩むに悩みましたが……サイジョウさんの提案に乗ります」

 

「……」

 

「確かに長い間住んできた村を長いあいだ離れることになるかもしれないので、サイジョウさん達に保護されるか、村に残るか意見が分かれ、悩むに悩みました」

 

 村長の雰囲気からかなり苦渋の決断だったかが窺える。

 

「ですが、あのまま残ることになれば、いずれ近隣の村のような末路を辿りかねません」

 

 そういえば既にあの近隣の村は帝国軍によって滅ぼされ、例外なく全員殺されたって小尾丸が言っていたな。

 

「生きていれば、たとえ村がどんな形で残っていたとしても何度でもやり直すことができます」

 

「……そうですか。分かりました」

 

 俺は村長の言葉を聞いて、これからのことを話す。

 

「戦後の村の復興は全面協力を確約します。そして明日には迎えが来ますので、それまで待ってもらえますか?」

 

「分かりました」

 

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 それから更に一日が経ち、前哨要塞基地より増援の車輌部隊が補給部隊と共にやってきて、迅速に準備に取り掛かる。

 

 消耗した分の弾薬と燃料を補給し、車輌は新たに試作戦車を1輌に『三式中戦車』を35輌、『五式十五糎自走砲』を30輌に加え更に一式対空戦車を6輌追加して計10輌となった。

 歩兵と砲兵は二個大隊追加され、迫撃砲や対戦車兵器など重火器を多く持ってこさせている。

 

 補給を終えて空になった九四式六輪自動貨車に村人や捕虜を乗せて、辻の指揮で九五式軽戦車を護衛に前哨要塞基地へと出発した。

 

 

 そうして準備を終えた俺たちは多くの車輌と部隊を引き連れて捕虜から聞き出した別働隊のルートを進んでいった。

 

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 

 

 

 

 なるべく休まず速く進行したお陰で本来別働隊が到着する一日前に城塞都市ハーベント付近に到着することができた。

 

 すぐに自走砲小隊を攻撃位置へと移動させて待機させると、俺が率いる機甲小隊は森の中に隠れた。

 

「……」

 

 俺は茂みを退かして双眼鏡を覗く先には、激しい戦闘が繰り広げられていた。

 

 あちこちから黒煙が上がり、ここからでも分かるぐらい焦げた臭いが漂っている。

 更に血のような生臭い臭いも混じっており、鼻をツンと刺激する。

 

「予想以上の激戦だな」

 

 双眼鏡の先では帝国軍側の投石器や先込め式カノン砲から放たれる砲弾が雨あられのごとく城塞都市の城壁へと着弾して爆発を起こし、地震に似た揺れを起こす。

 

 その城壁の上では獣人族や妖魔族の兵士達が弓やバリスタなどの迎撃兵器を使って次々と矢を放ち、城壁へと向かってくる帝国軍兵士や空中にいる竜騎士を射抜いていく。

 その下では帝国軍とグラミアム軍の剣士達が激しい戦闘を繰り広げている。

 

 獣人と妖魔族は人間より身体能力が飛躍的に高く、それぞれが特殊能力を持つ。それを生かした変則的な戦闘に帝国軍兵士は付いていけずその人生に終止符を打つ者達が続出するも、帝国軍側の最新装備と物量に物を言わせた戦術によってグラミアム軍兵士の方が被害が多かった。

 

「……できれば今すぐにでも加勢したいところだが」

 

 悔しげに小尾丸は戦場を睨む。

 

「今の敵の戦力は本腰じゃない。そんな中で攻めても帝国軍に与えられる被害は少ないし、すぐに増援を呼ばれて一瞬で包囲されてしまう」

 

「……」

 

「今は待つしかない」

 

「……あぁ」

 

 重々しく小尾丸は縦にゆっくりと頷くのだった。

 

 

(……お父様)

 

 小尾丸の隣で、黒煙を上げる城塞都市ハーベントをリアスはそこで指揮を執っている父親の無事をただ祈るばかりだった。

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 そうして時間はあっという間に過ぎて翌日の昼を過ぎたときだった。 

 

 

「偵察部隊より報告です! 帝国軍の軍団が動き出しました!」

 

「来たか」

 

 通信兵の報告を聞き、俺はヘルメットを被って気を引き締める。

 

 昨日までの帝国軍の動きを見た俺は一旦引き下がった帝国軍を監視するために偵察を出し、陣地付近を監視をさせていた。

 そして帝国軍は昨日の何倍もの戦力を引き連れて攻撃を再開したのだ。

 

「自走砲小隊に通達! 帝国軍が射程に入り次第砲撃を開始せよ!」

 

「ハッ!!」

 

 通信兵はすぐさま無線で高台を陣取って砲撃態勢を取っている自走砲小隊へ作戦を伝える。

 

「……しかし、本当にいいのか?」

 

 俺は自身が乗る試作戦車『四式中戦車 チト』のキューポラから後ろに振り向くと、借りた軍刀を手にする小尾丸とヘルメットを被るリアスの姿があった。

 

「あぁ。私は親衛隊隊長だぞ? 将軍や皆が戦っているのに、自分だけ安全な場所に居るわけにはいかん」

 

「いや、お前は良いとしても、リアスはさすがに」

 

「こう見えてもお嬢様の腕前は私の率いる親衛隊と同等だ」

 

「……」

 

 俺は「うーん」と静かに唸りながら頬を掻く。

 

「ご心配には及びません。自分の身は、自分で守りますから」

 

「……」

 

 このあいだの彼女の様子からでは、そうには見えないので俺は苦笑いを浮かべる。

 

(まぁ、彼女達に任せるか。いざってときは援護すればいい話だし)

 

 

「中佐。歩兵部隊の指揮は任せるぞ」

 

「了解であります!」

 

 戦車小隊の後ろで待機している歩兵や砲兵が乗る一式半装軌装甲兵車や九三式装甲自動車の中でくろがね四起に乗り込む岩瀬中佐が※『三式重機関銃』のコッキングハンドルを二回引っ張って銃弾を装填させる。

 

 

※(戦闘機に搭載している三式十三粍固定機銃をコピー元であるブローニングM2重機関銃の設計を基に重機関銃に仕様変更した代物)

 

 

「自走砲小隊の効力射後に前進する。各員最終確認を行え!」

 

 俺の号令で戦車の乗員と歩兵、砲兵はそれぞれ自分の武器の最終確認を行う。

 

 

 

『観測員から自走砲各車へ。方位3-0-0距離8000に敵軍団捕捉。速度はゆっくりと進攻中』

 

「確認した。引き続き観測を続けろ。聞いたな野郎共!」

 

『応!!』

 

 その頃高台に陣取って擬装を施した五式十五糎自走砲30輌は観測員より齎された座標を聞き、指揮官である『武井政信』少佐は自走砲乗員に声を掛ける。

 

 一斉に自走砲の砲身の仰角が上げられ、装填手二人掛かりで榴弾と装薬が装填され、尾栓が閉じると車長が「射撃準備完了!」と武井少佐へと報告する。

 

「半数のみで試射を行う。有効と確認後効力射へと移行する。その後十発撃った後は次の陣地へ移動する」

 

 武井少佐が各員に無線で指示を出すと、ヘッドフォンを耳に当てる。

 

「撃てぇっ!!」

 

 号令と共に十五糎榴弾砲15門が一斉に轟音と衝撃波とともに放たれる。

 

 

 放たれた榴弾は空気を切り裂く独特の音を立てて飛行し、それぞれが進攻中の軍団へと降り注ぐ。

 

 ヒュルルルルゥゥゥゥゥゥ……という独特の音を聞いた帝国軍兵士達は何かと空を見上げるが、その瞬間榴弾が地面へと着弾すると同時に爆発し、巻き込まれた兵士達は絶命するか、身体のどこかを吹き飛ばされた地面へと叩きつけられるかのどちらかだった。

 突然の襲撃に帝国軍は混乱を見せるが、そこへ更に追い討ちが掛けられる。

 

「着弾! 有効と判断! このまま効力射へ移行する! 十発続けて撃ちまくれ!!」

 

 着弾を確認した少佐は効力射へ移行させ、残りの十五門が発射タイミングをそれぞれずらして放たれると同時に最初に放った組が砲撃を始める。

 

 混乱して動きが止まった帝国軍は更に降り注ぐ榴弾によって兵士達数百名が爆発に巻き込まれ、命が絶たれた者やいずれ事切れる兵士達の屍を増やしていく。

 どこから攻撃しているのか全く見当がつかない帝国軍にとっては次々に降り注ぐ榴弾に恐怖を覚えて動きが止まるが、榴弾に着弾による爆発に巻き込まれて吹き飛ばされる。

 

 

 

『自走砲小隊隊長武井少佐より総司令へ。これより次の陣地へ移動します』

 

「了解した。次の砲撃位置へ移動後、随時砲撃開始せよ」

 

『了解!!』

 

「さて、俺達の出番だ」

 

 俺は首に付けている咽喉マイク(喉の振動で直接声を伝える通信機)に手を当てて各車輌へ声を掛ける。

 

「戦車小隊! 前へ進め!!」

 

 号令とともに四式中戦車を筆頭に三式中戦車や一式半装軌装甲兵車や九三式装甲自動車、くろがね四起が一斉に走り出して森から飛び出す。

 

 

 

「くそぉっ!? 一体何なんだよ!?」

 

 先ほど榴弾の雨に見舞われた帝国軍兵士は混乱により進攻が止まっていた。

 

 それに乗じて城塞のバリスタから一斉に大型の矢が放たれ、先頭付近の兵士達へと降り注いで数百人を射抜く。

 

「こんなの聞いてねぇぞ!! だいたい別働隊はどうしたんだよ!」

 

 文句のように大声を放つも、それを聞けるほど周りは余裕など無い。

 

 本来なら別働隊と合わせて城塞都市へとほぼ全戦力を以ってして攻め込むはずだったが、そこへ正体不明の攻撃によってだいたい五分の一の地上戦力が失われた。

 

「っ?」

 

 すると地面が少し揺れ出して、帝国軍兵士達は辺りを怯えた様子で見回す。

 

「な、何だ……?」

 

「っ!? お、おい何だよあれ!?」

 

 ある者はこの振動に疑問の声を漏らすが、ある者は迫ってくる物体に気付いて声を上げる。

 

 帝国軍の側面にある森から、見た事の無い四角の物体が砂煙を上げながら出てきたのだから。

 

 

「各車! 弾種榴弾! 撃てぇ!!」

 

 俺の号令とともに四式中戦車と三式中戦車の主砲から榴弾が一斉に放たれ、動きが鈍った帝国軍兵士へと榴弾が撃ち込まれて数百名以上が爆発に巻き込まれる。

 

 続けて榴弾が撃ち込まれて兵士達の多くが吹き飛ばされる中、空を飛ぶ竜騎士たちがすぐさま戦車小隊へ向かって降下し、ドラゴンが火球を吐き出す。

 放たれた火球は戦車の近くに着弾して火が辺りに飛び散るが、戦車には効果は無い。

 

「対空戦車! 対空戦闘はじめ!!」

 

 俺はすぐさま戦車の後方に展開している一式対空戦車へ対空戦闘を指示し、連装機銃の銃身が上がり、同時に九三式装甲自動車や一式半装軌装甲兵車に備え付けられている九二式重機関銃改から一斉に銃弾が放たれて弾幕を張る。

 

 多くの弾丸が飛び交う弾幕の中へ突入した竜騎士達は蜂の巣にされれば、ドラゴンの翼が撃ち抜かれて地面に目掛けて落下していき、次々とその数を減らしていく。

 

 四式中戦車と三式中戦車の車体に搭載されている九七式車載重機銃とキューポラのマウントリングに設置され車長が操る九二式重機関銃改が一斉に放たれると、戦車に果敢に挑もうとして帝国軍兵士を次々と撃ち殺す。

 

 俺も四式中戦車のキューポラのマウントリングに設置された九二式重機関銃改を帝国軍兵士へ向けてトリガーを押し、連続して放たれる銃弾を帝国軍兵士達へ撃ち込んで撃ち殺していく。

 

 ハッキリ言えば人に向けて銃を撃つなど元一般人の俺にとっては躊躇うところはあったが、戦場である以上敵をやらねば自分がやられる。旧日本陸軍の兵士であった祖父から聞いた言葉だった。

 もっと言うと、小尾丸から聞いた帝国軍の残虐な行いに俺は帝国軍の人間に情けを掛けるつもりは無かった。

 

 一斉に放たれた銃弾や主砲より放たれた榴弾により、奇襲を受けた帝国軍はわずかな時間で多くの戦力を削り取られてしまう。

 

 攻撃をまだそこまで受けていない後方の部隊が俺たちへ攻撃を掛けようとしたが、その直後に陣地移動を終えた自走砲小隊が砲撃を再開し、榴弾の雨に見舞われた部隊は一瞬にしてその大半を失った。

 

「突撃!!」

 

 戦車小隊の後ろから岩瀬中佐の合図とともに歩兵を乗せた一式半装軌装甲兵車と九三式装甲自動車数輌が走り出して前へと出ると、三八式小銃や100式短機関銃、九九式軽機関銃を持つ歩兵が荷台から射撃を開始して次々と帝国軍兵士に銃弾を命中させる。

 

 一式半装軌装甲兵車の荷台に立つ砲兵の一人が試製九糎噴進砲を構えてロケット弾を放つと、真っ直ぐに飛ばすあらぬ方向へと飛んでいくも、ロケット弾が着弾した付近にいた銃兵が破片をまともに受けて負傷する。

 

「総員降車!!」

 

 一式半装軌装甲兵車が停車すると一斉に歩兵達が降車してそれぞれが持つ小銃や短機関銃、軽機関銃による一斉射撃が開始されて次々と帝国軍兵士を射殺する。

 帝国軍も負けじとボウガンやマスケット銃、魔法使いが放つ炎や氷などを放って反撃するも、とっさに放ったために狙いが定まっておらず歩兵の数人に弾が当たっただけで他は全て外れる。魔法使いは呪文を唱えている途中で狙撃手の九九式狙撃銃によって次々とヘッドショットを決められて永遠に意識を失う。

 

 

 

 別の場所では降車した小尾丸が剣士たちに向かっていくと、左手に柄を持つ軍刀を抜き放つと同時に一閃し、剣士たちの首を一度に一斉に切り飛ばした。

 そのまま軍刀を逆手持ちに持ち替えて左脇から後ろへと突き出し、背後から迫ろうとしていた剣士の心臓に突き刺す。

 

「いい切れ味だ。中々の業物だな」

 

 小尾丸は軍刀を剣士から引き抜いて一回振るって刀身を一瞥していると、後ろから剣士が剣を振り被って迫ってくるも、一瞬の速さで振り返り際に軍刀を振るい、腕諸共首を切り飛ばし、そのまま回し蹴りで吹き飛ばす。

 

 近くでは岩瀬中佐がくろがね四起の機銃架に取り付けられた三式重機関銃の逆U字のトリガーを押して九二式重機関銃改よりデカイ発射音を鳴り響かせながら銃弾を放って次々と帝国軍兵士のバラバラ死体を量産していく。

 しかし途中で弾詰まりを起こすと「またか!」と声を漏らしながらコッキングハンドルを引っ張って詰まった薬莢を排出し、再び射撃を開始する。ちなみにここまで五回以上弾詰まりを起こしている。

 

 近くでは一式半装軌装甲兵車の荷台に備え付けられている九二式重機関銃改2基を使用して弾幕を張り、まだ残っている竜騎士を迎撃してドラゴンの翼を蜂の巣にして落下させる。

 

 八九式重擲弾筒をほぼ水平に構える歩兵が引き金を引き、榴弾を放つと鎧を着込んだ剣士の胸へと着弾し、爆発によって鎧諸共剣士を吹き飛ばす。

 

 

 俺たちの全力による奇襲攻撃により短い時間の間に甚大な損害を被った帝国軍は戦意が大幅に削られた事により、指揮官はすぐさま撤退指示を出して後退する。

 その際に狙撃手によって指揮官はヘッドショットを決められて絶命する。

 

 それにより、生き残った帝国軍兵士は戦意を喪失し、我先にと逃げ出した。

 

「撃ち方やめ!!」

 

 俺は全員に射撃をやめさせると、逃げていく帝国軍を観る。

 

 別にこのまま追撃するのもありだが、目的はあくまでも帝国軍を退かせることだ。

 

 俺は岩瀬中佐をすぐに呼び寄せる。

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「これは……どういうことなのだ」

 

 その頃、城塞都市ハーベントの城のバルコニーに居たとある人物はその光景にただ呆然としていた。

 

 白い髪をして頭には犬か狼の耳が生えている老人で、仙人のように白いひげが膝まで生えている。

 

 先ほどまで自身の指揮の下帝国軍を迎え撃っていたが、帝国軍の装備や物量の前にたとえ歴戦の将とは言えど、ここを陥落させる時間を先延ばしにしているに過ぎなかった。

 

 諦めかけたそのときに、突然の爆発が帝国軍に襲い掛かり、しばらくそれが続いたと思うと次に森の中より見た事の無い四角い物体が砂煙を上げながら出てくると帝国軍へ砲撃を行う。

 

 今に至るまで短い時間のあいだに、謎の軍隊は帝国軍を退かせるほどの損害を被らせたのだった。

 

「将軍!!」

 

 と、狐耳の獣人が慌てた様子で将軍である老人のもとへと来ると耳打ちで伝える。

 

「なに!? 小尾丸とリアスが!?」

 

 老人は目を見開いて驚愕する。

 

「何でもあの軍隊と共に行動していた、とのことです。その軍隊の指揮官が将軍に面会を求めています」

 

「……」

 

 老人は顎に手を当てて静かに唸る。

 

「……通すがいい」

 

「よろしいのですか? どこの馬の骨も分からない軍隊なのですよ? 最悪我々の敵という可能性だって」

 

「少なくともあの二人が居るということは、敵ではないだろう。それに、行動でそれを示している」

 

「……」

 

「他の将兵に伝えて二人とその者達をワシの所に連れてくるがいい」

 

「分かりました。すぐにお通しします」

 

 獣人はすぐさま踵を返して走っていく。

 

 

 

 


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