マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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トラブルというのは旅には欠かせないものらしい…。


第九十六話~妹は修行の成果を見せた~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。なんというか、チャンピォンのアデクさんがあの後食事をして帰っていきました。夢について話をしたのですが、ポケモンマスターになったら何をしたいのかアデクさんが兄に聞いた時、兄はその時に考えますと答えていました…何だか嫌な予感がするけど大丈夫なのかな…。まあその後夢についての話をしてから普通に帰っていきましたよ。

 

それで私は今、ヒトカゲとアイリスとキバゴと共にパフォーマンストリートで買い物をしている最中です。兄とピカチュウは主にバトル方面での必需品があるとのことで気になって見に行き、デントやルカリオは旅でよく使う携帯調理器具の最新版が販売されていると噂を聞き、急いで見に行きましたよ。そのため、残った私たちでパフォーマンスを見物したり、アクセサリーなどを見ていたりといろいろと楽しく遊んでいます。

 

 

―――――――――そうしたら何だかゲームなんかで見たことのある集団がやってきました………。

 

 

 

「我々はプラズマ団!ポケモンを解放するため、自由にするためにお前たちのポケモンを没収する!」

「プラーズマー!!」

「いいか!無駄な抵抗はするんじゃないぞ!!!」

 

 

(うわ…こんな話原作にあったっけ?)

 

「ちょっとポケモンを没収するって何よそれ!?」

『キバキバ!?』

「と、とりあえずお兄ちゃんたちの所へ逃げた方がいいかもしれないね…」

『カゲ…!』

 

プラズマ団と名乗る白い服などを着た目立つ集団がいきなりパフォーマンスストリートに表れ、私たちのポケモンを解放するという名目で奪おうとしてきた。私は兄の所へ行こうと言い、行動するのだけれど、プラズマ団がこちらに近づいてキバゴやヒトカゲを奪おうとやってくる。私たちはお互いに顔を見合わせて頷き、プラズマ団と対峙した。

 

「私とヒトカゲは一緒にいる相棒なの!絶対に離れないんだから!!」

『カゲ!!』

「私も同意見よ!ね、キバゴ!」

『キバキ!!』

 

「…ふん。そちらがそのつもりなら私たちは強硬手段に出ようか…行けミネズミ!!」

「いくらなんでも集団で相手するとなると分が悪いだろう?俺たちも行くぞミネズミ!!」

『ズミッ!!!』

『ズッミィ!!』

「さっさとポケモンを解放して戻るわよコロモリ!!」

『モリッ!』

 

 

「ヒトカゲ、ダブルひのこ&えんまく!」

『カゲ!!』

 

 

「ぐッ!?貴様らァァア!!!」

 

 

「よし今のうちよ!!逃げましょう!!」

『キバキバ!!』

 

 

ヒトカゲの修行で鍛えた同時ひのことえんまくをやったおかげで広範囲に煙幕が広がり、ひのこでダメージを与えることができた。アイリスが、私とヒトカゲに逃げようと言ってきたため、私たちは走りだし兄たちのもとへと急ぐ…。

 

だが―――――――。

 

 

 

「待て!!逃がさないぞ!!!」

 

 

「えッ!?」

『カゲ!?』

 

 

「ヒナちゃんにヒトカゲ!!?」

『キバキバ!!!?』

 

 

アイリスの後ろを走っていた私たちにミネズミがこちらにきて攻撃してきたため、私とヒトカゲは立ち止まり、警戒する。プラズマ団が出したであろうマメパトがかぜおこしを行ったことでえんまくが消え、私たちの姿が丸見えになってしまう。アイリスがとっさに立ち止まり、こちらに向かって走ってきているんだけど、プラズマ団の方が私たちに近く、また攻撃の指示を出してくる…!

 

 

 

「行くよヒトカゲ!!」

『カゲッ!!』

 

 

 

『ズミッ!?』

「何?!人間がポケモンの技を使うだと…!?」

 

 

 

ミネズミがこちらに攻撃しにやって来たため、私はヒトカゲを背中に背負い、修行でよく練習していた炎のパンチを食らわす。だがミネズミとプラズマ団は驚いたようだったが、またすぐに我に返ってこちらにやって来たため私たちはもう一度えんまくを指示しアイリスたちのもとへ逃げようと考え行動しようとした―――――――。

 

 

 

「ちょっと待ちなさい!…ねえあなたたち、今何をしようとしたの?」

『キバキバ…!』

 

 

 

 

「……あ、これもう何もしなくても大丈夫かな?」

『カゲカゲ……』

 

 

 

 

…………アイリスが兄がブチ切れた時によく行っている似たような笑みを浮かべていて、プラズマ団に向かっているのを見て私とヒトカゲは遠い目をしてそれを見つめていた。プラズマ団はアイリスの異変に気がつかず、ポケモンで戦おうとしているのだが、アイリスはキバゴだけじゃなく、ドリュウズやエモンガをボールから出して全力で挑むつもりらしい。…まあポケモン恐怖症とかそういうのにならないように祈るのみかなと私とヒトカゲはこの後の悲劇を予想して同情した。

何だかもうアイリスが最恐に近くなってきているような気がするんだけど絶対に気のせいじゃないはずよね…。これ2年後にはイッシュチャンピォンもあり得るのかなぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――――――――ギャァァァァァアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

「…何今の悲鳴?」

『…カゲ?』

 

 

アイリスと対峙しているプラズマ団からの悲鳴ではない、他の場所からものすごい悲鳴が聞こえてきた。…そういえば私たちがいる場所だけじゃなく、このパフォーマンスストリートの中の他の場所でもプラズマ団が活動しているのかなと考え、そして予想がついてしまった…。何だろう…兄が暴走しているような気がする。

私はヒトカゲと一緒に休める場所を探し、そこでのんびりこの騒動が収まるのを待とうと考えて歩き出した。そしてアイリスたちが戦っている光景が見える椅子に座り、空を見上げてため息をつく。

 

 

 

「………いつになったら終わるのかな」

『………カゲカゲェ』

 

 

 

 

 

―――――――――もちろん、この騒動は長く続いてしまったが、アイリスたちの活躍により被害はなかったと言える。みんなのポケモンを解放されなくて、奪われなくて良かったよかったと私とヒトカゲは安堵していた。…でもプラズマ団が騒動の最中、そしてその後どうなったかは言うつもりはないです…ハイ…。

 

 

 

 




妹の心境。
 アイリスがどんどん兄に染まっている…。




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