兄はルカリオの新たな能力を見せてくれた。
こんにちは兄のサトシです。ドンバトルでいろいろと騒がしかったのですが全部ぶっ飛ばして優勝しましたよ。ルークたちとは別れて、これからライモンシティを目指している途中です。そして今、デントとルカリオの作ったサンドイッチを食べてのんびりと休憩をしています。
『キ、キバキ!?』
「どうしたのキバゴ!…キバゴ!?」
『ルッグゥ!』
「あれってズルズキン!?」
「ちょっと待ってキバゴを何処に連れて行く気よ!!」
いきなりキバゴを連れ去ろうとしたズルズキンに俺たちはその後を追いかける。そして着いた小屋で閉じこもり何かを叫んでいるのが聞こえてきた。それに反応したのはルカリオとピカチュウ、ヒトカゲだが、俺たちには分からずそのまま小屋に入り込もうとする―――――。
『待て。このまま入るとキバゴが危険だ』
「ルカリオ!?でもこのままじゃキバゴが…!」
『ピカピ!ピカッチュゥ!!』
「…ピカチュウ。近づいたら危険ってことか?」
『ピカピカチュ!』
『カゲカゲ!』
「ヒトカゲ…でもこのままだと危ないよ」
ピカチュウとヒトカゲが俺たちを止め、ルカリオがズルズキンの言っている言葉を聞きとって俺たちに教えてくれた…お前通訳もできるのか。ああそうかルカリオってポケモンだもんな。ズルズキンの言葉が分かって当たり前か。
『俺が行こう…隙をついてズルズキンを気絶させ、キバゴを奪還する』
「な、なら私も行くわ!」
「いや待って!アイリスが行ったとしてもおそらく警戒されるだけだ。もしかしたらキバゴが余計に危なくなる…サトシ、ズルッグを出せるかい?」
「え…おう。出せるけど」
「ズルズキンはズルッグの進化形だ…もしかしたら隙を作れるかもしれない…」
「なるほどな!よしズルッグ出てこい!」
『ズッグゥ!!』
『よし、念のためにサトシは上から様子を見ていてくれ。そして何かあれば強行…ヒナとヒトカゲは来るな』
「わ、分かった…」
『カゲェ…』
俺がズルッグを出して隙を作るようにと説明する。そしてズルッグはやる気十分のようだ。ルカリオが俺たちを見て頷き、何かあったらの対策を言う。その時に妹達が何やら協力したいというような表情を浮かべていたが、ルカリオがそれを断り、むしろ動くなと言われていた。それに妹達が落ち込んでいたが、まあこの場合は仕方ないだろうな。それにもしも何か失敗してしまったらキバゴの身に危険が迫る可能性もあるのだから何もするなというルカリオの意見が正しいと思う。
―――――――――そして始まったキバゴ奪還作戦は、ズルッグが隙をついてルカリオのはどうだんで吹っ飛ばし、キバゴを無事に救うことができた。
そしていきなりバトルを申し込まれたのだけれども…ルカリオの一撃を受けて倒れてしまい、今度は号泣している。…怒ったり泣いたり……こいつ何がやりたいんだ?。
『ズッグゥ…ルーズゥ!!!!』
「な、何言ってるのよ一体…」
『キバキ…』
「イッツ・取り調べ・ターイム!!!」
『どうやら自分の住処をとられてしまったようだ』
「ってルカリオ…僕の話を聞いてくれよ……」
デントが暴走するかと思いきや、ルカリオが話を遮ってズルズキンの言っていることを教えてくれた。それに俺たちは苦笑しながらも納得した。キバゴを攫ったのも、住処を取り戻すための協力をしてもらうためだということを。でもまあやりすぎだと思うけどな…ちゃんと話してくれたら俺たちも協力するのに…。
アイリスは渋々ズルズキンの頼みを聞き、ルカリオが頷く。ズルッグもズルズキンのために協力したいようだ。それらを見てズルズキンがまた号泣し始めたのだが、このままここにいる必要はないと思ったらしく、妹がズルズキンに手を差し伸べて早く行こうと叫ぶ。
そして向かった先にいたのはバルジーナと呼ばれているポケモンだ。そしてこちらに近づいてきたためにバルジーナが威嚇し、ズルズキンを吹っ飛ばしてしまう。それを見たズルッグがバルジーナに向かって攻撃し、新しく覚えたとびひざげりが炸裂して何とか倒すことができた。
――――――――――そして次はバルジーナが号泣している…デジャブすぎんだろ……。
「次は何?」
『キバキバ?』
『どうやら群れから追い出され、ここにたどり着いたらしいぞ』
バルジーナは食べ物を勝手に食べたために群れから追い出されたらしい。食べ物の恨みは恐ろしいって言うけど…まあいいか。俺たちはバルジーナを群れに戻すために動くことに決めた。そしてちゃんと食べ物を持って謝り、バルジーナを群れに戻すことができて良かったと思う。
「さて行くか…ライモンシティへ!」
『ピッカッチュ!!』
兄の心境。
散々な一日だったけど、まあいいか…。