マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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映画作りに必要なことを教わった。


第八十六話~兄は映画作成に協力した~

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは兄のサトシです。映画の宣伝をしているのを見ていたら突然ゾロアに出会いました。野生ではなくルークという少年のゾロアだったんだけどな…。でも、そのゾロアのイリュージョンを見るとシンオウ地方で出会ったゾロアとゾロアークを思い出す。あいつら元気にしてるかな…。

 

 

映画を製作しているらしいルークは主演女優のゾロアが急に怒って逃げたと言ったため、俺たちは協力してその後を追いかける。そして辿り着いた古い映画館でゾロアはお姫様の幻影を見せた状態で立っていた。先程ルークから話を聞いて、そして怒りの原因を知る。デントがちゃんと推理をして、そしてその推理にゾロアも勢いよく頷いたために分かったことだ。

 

 

「なるほど…つまりゾロアは女の子だからお姫様の役が好きだということなのか…」

『ピィカ…』

 

 

「ごめんな…ゾロア」

『クゥン!』

 

 

 

―――――まあそういうわけで。ゾロアにすべての出演をさせていたのが問題ということになり、俺たちも協力して映画を作っていくことになった。もちろん妹やヒトカゲ、ルカリオにもその役目があったりする。

何日もかけて作り上げたストーリーと衣装や大道具などに俺たちは歓声を上げて喜んだ。…でもまだ終わったわけではない、始まったばかりだ。これから俺たちの映画を作っていくのだから。

 

 

俺は勇者、妹とルカリオはその仲間たち。アイリスは伝説のドラゴンマスター。そしてデントは悪者の海賊となった。妹とルカリオは俺やピカチュウを助け、道を切り開く意味で物語で活躍していくらしい。アイリスが少し疑問に思い、デントに向かって声をかけた。

 

「…デントが悪役なの?」

 

「ははは…分かってないね。冒険では、悪役がポイントなんだよ!つまり―――――」

 

 

デントは冒険の物語ではヒーローやヒロインを引き立てるために必要な存在だという話をかなりいろいろ話してくれた。声をかけたアイリスは微妙そうな表情でそれを聞いており、俺たちは苦笑した。まあタケシのあれと似たようなものだし気にしない気にしない…。

 

 

「じゃあ、ロケ地に移動しよう!!」

『ッルッゴォ!!』

 

 

ルークとゴルーグが荷物を持ちながら話しかけたため、俺たちも慌てて持っていくものを手に取り、ルークの後を追いかける。ルークは早く撮影がしたいのか、少しだけ早足になっていたけど、俺たちはすぐに追いつくことができた。そして最初のロケ地として選んだのは公園にある船のような遊び場。船を使って海賊だというアピールにもなるため良いと思ったみたいだ。こうして、撮影が開始された。

 

 

「やめろ、海賊デント!!ユリア姫を返すんだ!!!」

「そ、そそそうだ…かか返しなさい」

 

「カーット!緊張しすぎだよヒナちゃん。リラックスリラックス!」

 

 

「うぅ…ごめんなさい」

『カゲカゲ!』

『慌てるな、落ち着いて台詞を言えば大丈夫だ』

 

「ヒナちゃん。演じることに命をかけるヒロインを熱く描いた名作。≪デスマスの仮面≫を見ていないのかい?」

「え?いや見てないけど…」

「ならば見た方がいい!!皆を感動させる演技は、その役になりきらないとできない!そして役になりきればぁ緊張なんてするわけがないんだからっ!!!!」

「わ、分かった…」

 

「…デント……デスマスの仮面って映画を見る時間なんてないと思うぜ…」

『ピィカ…』

「ハハハ……まあ要するに、思いっきりやれってことだろうね」

「思いっきり…わかった」

『カゲ』

 

デントが張り切って緊張している妹に話しかけ、演技のコツについて教えている。これってあれだよな、映画ソムリエとして張り切っていると言った方がいいんだよな…。

俺たちはその言葉と大げさな動作に苦笑しかできなかった。

 

そして再開された撮影では、何とか妹がちゃんと台詞を言ってそのシーンを撮れた。デントは完璧に悪役として演技していてとても凄まじい。そして他の撮影でも皆が緊張せずに撮ることができた。

 

途中でキバゴの戦闘シーンでいろいろとトラブルもあったけれど、まあ難なく撮影されたと思う。

 

そして映画は成功し、観客たちも皆が大盛況していたと思う。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

その後、ドンバトルという大会がライモンシティの近くにあるライモンタウンで開かれるということ、ルークもそのバトル大会に出るということが分かり、俺たちもそのバトルに向けてまずライモンタウンに向かうことになった。

だが―――――――。

 

 

「そうだ!サトシ、ライモンタウンのドンバトルに出る前にアイントオークという町に行ったらどうかな?」

「アイントオーク?」

『ピィカ?』

「え、でもドンバトルはすぐ始まるんじゃないの?」

『キバキバ?』

 

 

「いや、ドンバトルはまだまだ先なんだ。今から行ったとしても開かれていないはずだよ?俺はこれから撮影に必要な作業をやるから一緒に行けないけど、アイントオークでもバトル大会らしきものが開かれるみたいだし、ライモンタウンの近くだからその大会の後に来れば間に合うよ」

 

 

 

「…なるほどな。面白そうだ!よし行こうぜ、アイントオークへ!!」

『ピカピッカ!!』

 

 

 

 

俺たちはライモンタウンではなく、まず先にルークが説明してくれた、アイントオークへ行くことになった。アイントオークのバトル大会の後、ライモンタウンでのドンバトルと大会が多くあることに本当に楽しみだ。早く行こうと急かしつつ、目的地へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

「………ここでこの話になっちゃうんだ」

『カゲ?』

「…なんでもないよヒトカゲ。行こう」

『カゲカ!!』

 

 

 

 

 

 




兄の心境。
 ゾロアとゾロアーク…元気にしてるか気になるな。

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