マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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化石にはロマンが詰まっているらしい?


第八十四話~兄はアーケオスと共に特訓した~

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは兄のサトシです。この前ダンゴロを捕まえることができて気分は絶好調です。そして今日、アララギ博士と再会し、何やら化石からポケモンを復元させるそうです。

でも復元させるのにマコモさんも協力して、何やら豪勢なコンピューターで復元させている。そしてムシャーナの夢のエネルギーの力を借りて化石を復元させる。…アーケンっていうポケモンらしいんだけど、一体どんなポケモンなのか、早く見てみたいぜ。

 

 

「システムは安定…すべて正常値よ…そして……内部に生命反応!!」

 

「復元が成功したのね!」

『キバキ!!』

 

「あ、ちょっと待って!」

 

アララギ博士がカメラを取り出し、これから復元されたポケモンのアーケンについての資料すべてを撮っていく準備をする。そしてマコモさんが機械を開けて…中から出てきたのは資料で見たアーケンだ。

 

『アーケェエ!!!』

 

「資料で見た通りの姿…成功だ!!」

『ピィカ!!』

「まさにワンダフルなテイストだね!!」

「凄いねキバゴ!」

『キバキバ!!』

 

『……ん?どうしたヒナ』

「いやちょっと嫌な予感が……ヒトカゲ、一緒にルカリオの後ろに隠れてよう」

『カゲ?』

 

化石が復元され、今まさに古代のポケモンが目の前にいるというのに、何故か妹は微妙そうな表情でヒトカゲを抱き上げてルカリオの後ろに隠れている。もしかしたらなにかあるのかもしれないと思い、俺はゆっくりとこちらを見てくるアーケンを警戒する。

――――――するとアーケンは近くにいたマコモさんとアララギ博士を攻撃し、そして次に俺たちを狙ってきた。俺とピカチュウ、アイリスとキバゴはとっさに躱したおかげで攻撃を受けず、ルカリオは後ろに妹とヒトカゲがいたため攻撃を受け流してダメージを防ぎ、そして妹たちに攻撃がいかないように庇っていた。…デントは急に襲いかかってきたアーケンの攻撃に当たってしまったけれども。

その後アーケンは暴れ疲れたのか眠りについてしまった。俺たちはその様子に苦笑してしまう。

 

 

「げ、元気いいんだな…」

『ピィカ…』

 

「いや元気いいですませていいのかなぁ…」

『カゲカゲ…』

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

その後、眠りについたアーケンのために小さなベットのようなものを作ってそこに眠らせた。デントとルカリオが共同で作ったポケモンフーズを持ってきてくれたが、いまだにアーケンは眠りから覚めない。その間にとアララギ博士たちは研究を開始するためデータ収集をしていた。

俺たちはアーケンの傍を離れず、目が覚めるのを待ち続けていた。…だが、妹とヒトカゲがルカリオの傍から離れず、アーケンを少し警戒しているようだから何かあるのではと思い気を引き締める。

 

――――――そしてようやく目覚めたアーケンだったが、いきなりハイパーボイスにも似た大声をされ、暴れていく。妹が警戒していたのはこれかと理解し、アーケンが窓に向かって逃げようとしているため落ち着かせようとする。だがその後結局アーケンはデントに攻撃したりフーズを食べたが口に合わず吐き出して余計に興奮し窓から逃げてしまった。でも飛ぶことができないためか遠くに行こうとはせず、近くにあった木に生えている実を食べている…けれどすぐに吐き出してしまったためおそらく今の時代の食べ物は口に合わないのではないかと思った。

…まあ食事の問題に関してはいろいろと工夫していけば大丈夫だろうから心配はないだろう。でも、アーケンに挨拶してきたムンナを見て飛びたいと思ったのか、羽を羽ばたき何度も飛ぼうとしてくる姿に俺は協力したいと思えた。…俺たちの勝手で眠りから目覚めさせてしまったのだからアーケンが飛びたいのなら協力したい。

 

 

「よしアーケン!お手本だ。出てこいハト―ボー!!」

『ハットォォォ!!!』

 

 

ハト―ボーが飛び方をちゃんと教えていき、アーケンがその真似をして飛ぼうとする。でも全然飛び上がらず、何度も何度も挑戦していく。

過去と現代のポケモンが一緒になって飛び立とうと練習し、教えている姿に博士たちは嬉しそうだ。そして飛べるということでアイリスがあるボールを取り出してきた。

 

「行くわよエモンガ!飛び方を教えてあげて!」

『エモ!!』

 

エモンガはまるで軍人が挨拶するかのようなポーズをとり、すぐにアーケンのもとへ向かって行き飛び方の練習に付き合っている。…エモンガに関してはアイリスがやったことだから俺は関係ないと思っているけど……まあ仕方ないよな。

 

そしてアーケンはハト―ボーやエモンガの教えによって次第に飛べるようになり、時折アーケンが嬉しさのあまり大声を上げるようになってきた。

 

「頑張れアーケン!もう少しだ!!」

『ピィカッチュ!!』

 

『アァァァッッ!!!!』

 

アーケンが大声を上げたとともに空中を浮遊する時間が長くなっていく。この調子なら飛べるのももうすぐだろう…。

 

 

「み、皆!大変よ!!!」

 

「へ…?うわっ」

『ピッカ!?』

 

「うわぁ…」

『カゲカゲ…』

 

『アアァァァッッ!!!』

 

マコモさんが何やら大騒ぎしながらこちらに走ってやって来たため、俺たちは研究所の方に振り向く…すると何故か研究所が大きな木に浸食されているような状態になっていて驚いてしまった。だが一番驚くのはアーケンが叫んだ瞬間に木に実が生っていくことだろう。

枝がのび、花が咲き…そして実が生る。これは一体何なんだ…?

 

 

「こんな植物の実なんて見たことがないわ…!」

 

『アアァ!!』

 

「え、おいアーケン!?」

 

アーケンがその大きな木によじ登り、生えている木の実を食べる。しかも美味しそうに。そして木の実がなくなるとまた大声を出して植物に生やさせる。アーケンの声に反応するこの木はもしかして…アーケンの生きている時代の木なのか?

 

博士たちも俺の考えに頷き、おそらく古代の木であって、アーケンの声に反応するのも一緒に化石になっていたからではと予想を話してくれた。そしてアーケンは木の実を食べて元気が出てきたのか一気に進化してアーケオスになっていた。

 

「アーケオス!?」

『ピィカ!?』

 

身体が大きく、羽ばたきもより強くなったアーケオスに俺たちは圧倒された。そしてアーケオスに進化したおかげか、今まで練習してきたおかげか…いや、両方だろう。アーケオスは飛び上がり、空を飛べるようになったのだ。

 

『アアァァァク!!』

 

 

『アアァァクッ!!』

『アアアアック!!!』

 

 

「ってはい!?アーケオスの集団?」

『ピカピカ?』

 

「古代のポケモンなのに…現代でも生きているってことなの?」

『キバキバ…』

 

「アーケオスのことを迎えに来たんだろうね…たぶんだけど」

『カゲ!』

『なるほどな…アーケオスは絶滅せず、どこかで生きていた…そしてこのアーケオスの声を聞いて迎えに来たということか』

 

「何にしても…アーケオスにとっては良かったことだろうね!うーん実に良いテイストだ!」

 

 

 

 

結果的に、アーケオスは仲間たちと共に飛んで行ってしまった。そしてアララギ博士たちはアーケオスが食べていた木の実についてこれから調べていくらしい。…俺たちはいつも通り旅の再開だ。

 

 

 

 

 

 




兄の心境。
 化石というとプテラを復元したってシゲルから聞いたなそういえば。




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