マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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変わっていないと思ってたら結構影響があったみたいだ…。


第八十一話~妹はアイリスの変化を知る~

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。ただいまアイリスが新しくゲットしたエモンガでバトルをしようとしている途中です。…でもエモンガはやる気なさそうな表情を浮かべているみたい?

 

「チラーミィ、くすぐるです!」

『ラミィ!』

『エ、エモ!?』

 

「なんの!エモンガめざめるパワーよ!!」

『エモエモ…エモ!!』

 

「………あれ?」

『ドリュ?』

「エモンガが消えてしまいましたね?」

『ラミィ?』

 

「ありゃりゃ…」

『カゲェ…』

「これってエモンガの…なんて技だっけ?」

『ピィカ?』

「ボルトチェンジって技だね…」

 

 

一応アイリスの言うことはちゃんと聞いているし、最初の方もメロメロなどでベルのチャオブーに大ダメージを与えていたから良いと思う。けれどチラーミィに変えた後、めざめるパワーを使ったはずが何故かボルトチェンジという攻撃をしてしまい…まあ問題が起きた。

ボルトチェンジはトレーナーの他のポケモンを交換し、モンスターボールに戻る方法。エモンガがそのボルトチェンジを行ったせいでボールからドリュウズが出てきてしまい、一度バトルを中断することになった。

 

今のバトルはエモンガで戦うことが条件なので、そのエモンガがボルトチェンジをして交代してしまうと戦う意味がなくなるからだ。首を傾けているドリュウズをボールに戻し、アイリスがボルトチェンジをしちゃ駄目だということを軽く説教しながら言うのだが、エモンガは可愛らしい表情で涙を浮かべ、反省しているということをアイリスに伝える。アイリスはその態度に理解したと分かったのか、もう一度バトルをし直すということになった。

 

 

―――――――――でも何だか微妙な展開…。

 

 

「チラーミィ戦闘不能!よってこの勝負、ヤナップの勝ち!…ってなんだか変なテイストだな…」

「あはは…」

『カゲカゲ…』

「こういう技のやり方もあるんだな…」

『ピイカ…』

『興味はあるが…』

 

 

 

「ボルトチェンジしちゃ駄目って言ったでしょエモンガ…」

『エモエモ』

 

 

エモンガがチラーミィのハイパーボイスを避けるためにまたもやボルトチェンジという技をしてしまい、その結果…何故かアイリスのポケモンではなく、デントのポケモンであるヤナップがボールから出てくるという事態になってしまった。突然出されたヤナップは何が起きているのか理解できずにチラーミィのハイパーボイスに当たってしまう。そして理不尽な攻撃に怒ったヤナップがソーラービームをしてチラーミィを戦闘不能にするという光景が広がっていた。

デントが微妙そうな表情で今のバトルの結果を叫んでいる。そしてアイリスがエモンガに向かってボルトチェンジはしちゃ駄目でしょ!といって説教している。けれどもエモンガは耐えた様子を見せない。むしろまた先程のような表情を浮かべてアイリスの怒りを鎮めようとしているのが分かった。

私とヒトカゲ、兄とピカチュウ、デントとルカリオは苦笑しながらアイリスたちの方を見る。

アイリスはため息をついているけれど、でもバトルは楽しいものだから頑張っていこうとエモンガを励ましていた。そしてベルも一緒になって励まし、バトルは面白いし楽しいものですよ?とエモンガに言っている。でもエモンガはやっぱり楽しくなさそう…というか、バトルしたくなさそうだ。

 

 

そしてベルが先程メロメロになってバトルができなくなったチャオブーをボールから出し、エモンガと対峙する。だがエモンガがバトルをする気は全くないようで、アイリスがめざめるパワーと指示をしても、勝手にボルトチェンジを出してしまい、今度は兄のツタージャと入れかわってしまった。…しかも次はエモンガがいなくなってしまうという事態になってるし。

 

「どこなのエモンガ!?エモンガ!!」

「消えてしまうほどバトルが好きじゃなかったのか…?」

「大変だわ。皆で探しましょう!!」

「そうだな…ツタージャ、ヒナとヒトカゲのこと頼むな!」

『タジャ!』

 

 

「え、ちょっと待ってお兄ちゃん!私とヒトカゲも一緒に行くよ!」

『カゲカゲ!!』

「いや、ヒナたちは念のためにここで待ってろ!もしかしたらエモンガがこちらに戻ってくるかもしれないだろ?」

「サトシの言うとおりだよ。ヒナちゃんにヒトカゲはここで待っていてほしいんだ!」

 

 

『いや、その必要はないな』

 

 

 

エモンガは原作では近くの木で寝ていたはずなのに、なぜだか大事になってしまい私は慌てて兄に叫ぶ。でも兄は探している間にエモンガが戻ってくるかもしれないからといってここで待っていろと言い、デントも兄の言葉に頷いた。私とヒトカゲは顔を見合わせて仕方ないと諦め頷こうとしたのだが、ルカリオがいつの間にか波動で探し当てていて、ちょっと遠くの…でも私たちから見える木の枝で寝ているエモンガの姿が見えてほっとした。

 

 

ルカリオの示した場所にアイリスが向かい、降りてきてと叫ぶのだが、エモンガは嫌そうな様子でまた眠りにつく。

 

 

「エモンガ…いつまで降りてこないつもり?」

『エーモ』

 

 

「はぁ…仕方ない。ツタージャ、頼む」

『タジャ!』

 

 

兄がツタージャに頼んでつるのムチでエモンガを木の枝から降ろし、アイリスの傍に落とす。そしてアイリスがボルトチェンジをしない、逃げないと言い説教をしても、エモンガはまた泣き落としをしようとして可愛い表情をつくり説教から逃げようとする。

 

 

「…エモンガに説教って効かなそうだね」

『…カゲェ』

 

 

 

「いいえ、そうはいかないわ…ねえエモンガ?」

『エ、エモ?』

 

 

 

アイリスがエモンガに視線を合わせてしゃがみこみ…まるで兄がよくキレた時にするような笑みを浮かべてエモンガをじっと見つめ、話しかける。私はその表情、その言葉に既視感を覚えた。とっさに兄の方を向くが、兄も驚いたような表情を浮かべている。もちろん他のみんなもだ。アイリスの雰囲気が兄にじわじわと似てきているようだと感じた。

―――――――――なんだか凄く嫌な予感がする。

 

 

エモンガも私と同じような嫌な予感がするのか逃げようとしてくるのだけれど、アイリスに捕まれ逃げられなくなる。そしてアイリスはにっこりと兄のように誰もが恐怖し、寒気が漂いそうな笑みを浮かべてエモンガに向かって言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

「 ち ょ っ と お 話 し ま し ょ う か ? 」

 

 

 

 

 

 

 

――――――――この後エモンガはちゃんとアイリスの指示も話も聞くようになった。…まあつまり、エモンガはアイリスに従順になった。

アイリスの性格はあまり変わってないと思ってたのにやっぱり違っていた。主に兄の怒り方に似てきたという方向で。

 

(これってお兄ちゃんのせいだよね絶対にそうだよね…皆のキャラ崩壊が激しすぎるよ……)

 

 

 

 

 

 

 




妹の心境。
 お兄ちゃんの影響力がやばい…。

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