マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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兄は面白そうなことを発見した。


第八十話~兄はシェフ達の活躍に協力した~

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは兄のサトシです。今日は近くでやっていたイッシュ地方のポケモン祭りに楽しんでいます。

 

やっている場所はヒウンシティのはずれにある、イッシュ地方の地図に書かれていない凄く小さな町のお祭りらしい。面白そうだと俺たちはその祭りを見にやってきた。もちろんベルも一緒に。ベルは妹とヒトカゲ、アイリスと一緒に屋台を見ていくらしく、俺たちから離れて行ってしまった。

残った俺たちもいろいろと見ていくことにする。

 

食べ物の屋台やポケモンの品を安く売っている屋台が多く並んでおり、美味しそうな匂いや面白そうな品々に目移りしてしまう。そして大きな広場ではポカブ達のひのこによる技で大きな花火を上げ、ハハコモリの舞いを見ることができてとても楽しいと思えた。他にも見たことのないポケモンたちがいて、いろいろと見れて気分は最高だ。

 

 

―――――――それにこれからやるイベントも楽しめそうだしな。

 

 

【さあさあやってきましたまいりました!!イッシュで料理対決!!】

 

 

広場の中心で大きなスポットライトが司会者らしき人に照らされる。司会者の言葉と共に広場にいる観客は皆が大きな歓声をあげテンションを上げていくのが分かり、俺とピカチュウはその近くへやってきた。ルカリオ達は今ポケモンフーズの屋台が並ぶ店で品物を夢中になって見ているためこのイベントに気づいていないらしい。俺とピカチュウは広場で何をするのかじっと見ながら待つ。そしてその後司会者が広場にいつの間にか設置されたキッチンのような機械がいくつもある場所を指差して大きな声で叫ぶ。

 

【この料理対決!飛び入り参加もできるイベントだぁ!!もちろん1人での作業も、ポケモンと共に作ることも許されている自由なルール付き!!!!優勝賞品の豪華なきのみセットがでるぞ!!あのハハコモリ達の舞いが終わるその瞬間まで!応募受付待っているよぉ!!!】

 

 

優勝賞品と受付のスタッフがいる場所が明るく照らされ、観客たちは盛り上がり、料理に自身のある人とポケモンたちがその受付まで行く姿が見えた。優勝賞品のきのみセットはとても豪華そうだ。様々な種類が山のように多くあって、ポケモンたちが喜びそうだなと思った。

 

 

「へえ…面白そうだな…」

『ピカピカ』

 

「サトシ、何が面白そうなんだい?」

『…サトシ、お前一体何を考えている』

 

「いや、あのイベントにデントとルカリオの共同料理で参加するのって面白そうだなって思ったんだよ」

『ピカッ!』

 

料理対決に飛び入り参加ができるというのなら、デントとルカリオで共に作るということもイベントのルールでは違反されてないみたいだしやってみたら面白そうだと思う。料理なら絶対にデントとルカリオ以上の美味さを出す人はいない……いやイッシュ地方の人間では絶対に出せないはずだ。そう言ったらデントとピカチュウは興味を持ったような表情で司会者が示す受付の場所を見る。でもルカリオは嫌そうな表情だ。

 

 

『断る。俺は騒がれるのは嫌いだ』

 

 

そう言ってルカリオが俺たちから離れ、妹たちの方へ行こうとする。でもデントとピカチュウがやる気出てきたみたいだし、あの美味しい料理をこのイベントで披露するのもいいんじゃないかと思うから何としてもルカリオに参加してもらおうと決意する。…まあイベントで披露してもらいたいのは、俺の仲間たちの料理は美味いんだぞという自慢をしたいという本音もあったりするんだけど…でも豪華そうな優勝賞品も出るみたいだし、いいよな。

俺は歩き出そうとするルカリオの腕を掴んで阻止し、何とか参加してもらおうと口を開く。

 

「ほらルカリオ。ここでヒナのもとへ向かっても無駄だぜ」

『…何故』

 

「あれを見ろよ?」

『…………………………』

 

俺が指差した場所に妹たちの姿が見えるのでルカリオが察したような表情を浮かべた。…そう、今見えている妹たちは司会者の話と優勝賞品に目を輝かせていて、出来ればルカリオとデントに協力して優勝してもらおう、いや参加すれば絶対に優勝できるから参加してもらおう!と意気込んでいる姿が見える。優勝賞品のきのみセットの中にはキバゴやヒトカゲの好きなきのみが多くあるみたいだから余計にやる気が出ているようだ。妹もアイリスもポケモンのことは大好きだから普段ルカリオが嫌がることはしないんだけど今回は仕方ないよな。

 

妹達の様子を見てルカリオがため息をついて俺を睨んでくる。でも俺はそんなのちっとも怖くはない。それにたまにはルカリオも楽しんだ方がいいと思っている。旅の途中でもマサラタウンでもよく周りを警戒することを忘れず、修行なども怠らないらしいルカリオが凄いと思うけれど、休んでもらうためにアーロンさんからこの時代へやってきたんだからもうちょっと楽しめばいい。

それに料理している時や俺たちがその料理を食べている時なんて凄く嬉しそうな雰囲気を漂わせていて、楽しそうな表情を浮かべているから、このイベントに参加するのは凄く良いことだと思ったんだ。だから俺は参加してもらおうと行動した。ただそれだけだ。

 

 

『…………………………』

「ルカリオ、もう諦めよう。サトシ達は本気みたいだよ」

『ピィカッチュ』

 

 

まだ諦めきれていないルカリオにデントとピカチュウが諭すように言ってくる。それにもうだれもルカリオを助けてくれる仲間はいないと分かり、諦めてくれたようだ。長いため息をついて、頷いてくれた。参加してくれると分かって俺たちは笑顔になり、ルカリオに向かって口を開く。

 

「ありがとうルカリオ!」

『ピッカ!!』

 

 

「よし、じゃあまずは優勝目指して頑張ろうかルカリオ!」

『…ああ。まずどんな料理を作るのか決めるぞ』

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

その後、料理対決は無事デントとルカリオが優勝した。そしてあまりの美味しさに絶賛し、感動する人々で溢れ、町から出て行こうとするのを引き留める人々やポケモンたちのせいで旅立つのに少し遅れたことは…まあ仕方ないと思っておいておく。無理やり参加させたのは俺の方だしな。文句は言わない。

 

でもルカリオもデントも最後まで楽しんで料理を作っていたから参加させて良かったということだけは言っておこう。

 

 

 

 

 




兄の心境。
 いろいろと楽しめる祭りだった。




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