マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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良くもなく悪くも…ない?


第七話~妹の周りが賑やかになった~

 

 

 

こんにちは。妹のヒナです。

ロケット団を正義にしてやるぞ事件からまた半年が経ちました。合計で一年かな。

それはとにかく。兄がまたマサラタウンに戻ってきた…けどすぐに旅立ってしまった。

まあ仕方ないとは思うけれど、少しぐらいはのんびりしていてもいいと思う…。ちなみにこの頃にフシギダネが来た。他にも伝説含めて個性豊かなポケモンたちがやってきたため、毎日がとても楽しいと感じている。

 

 

「…ケンジさん」

「うん?どうしたのヒナちゃん」

「あのね。ピジョットがこっちにきてるの」

「なんだって!?」

オーキド研究所には他にもいろんなポケモンが来るのだと私は分かった。例えば兄がいるかもしれないと遊びに来たピジョットやバタフリーの群れ。ただ遊びに来たゼニガメやゴーストなどだ。

そんな突然の来訪者にケンジさんはよく大慌てしている。兄に連絡しようと躍起になったり、兄がいないと落ち込むポケモンたちを慰め、遊び相手になったりだ。

まあそれはいい。私もみんなと遊んだり、兄に連絡つけようと協力したりと毎日が平和だし楽しいから良い。

でも一番意味が分からないのがこいつだ。

 

『こいつとはなんだこいつとは』

「だって…なんでここにいるのミュウツー」

『…サトシに会いに来た』

そう、伝説がたまに遊びに来るのはもういつもの日常だから気にしてはいないけど、ミュウツーだけは話が別だ。ミュウツーは少し好戦的で、よく兄と取っ組み合いをしている。そして何故か兄がいないときは私を巻き込む。ただ私に対しては喧嘩を売るのではなく、強制的に兄のように鍛えろと言って技を仕掛けてくるのだけれど。

ミュウツーの隣にピジョットが降りてきたから私はそちらに近づく。

「おにいちゃんならいないよ。あ、それとピジョット、あとであそぼうね」

『ピジョー!!』

『……おいヒナ』

「おいとかいうミュウツーとはあそびませーん」

『…ヒナ』

「もう、しかたないなぁ」

ミュウツーが何だか弟か何かのように思えてくる。でも遊びと言っても半分は平穏。半分は危険と隣り合わせだから弟と言っても我儘な弟だ。

ほかの伝説はこんな遊びという名の取っ組み合いはしないというのに。

私はいつも技を掛けられてそれから逃げて…と繰り返してる。たまに私も反撃するけどほとんど効いてないのが現状だ。いつか兄のようにミュウツーに一発決めてやるのが私の夢になりつつある。

もうミュウツーのせいでポケモンの技を躱すのにもなれたし…あれ?私スーパーマサラ人の仲間入りしてる?いや気のせいだよね。

 

『ピジョピジョ――ッ!』

『何?ヒナを危険な目にあわせるなだと?俺はただポケモンには何も指示せず単身で挑んできたサトシのように強くなってほしいだけだ』

「それがおせっかいっていうんだよ」

『うるさい』

ちょっと子供っぽいミュウツーにピジョットは怒ってくれている。ピジョットもだけど、兄のポケモンは本当に優しい。私や他の小さなポケモンたちを守り、何かあったらすぐさま駆けつけてくれる。だからみんなのことが大好きだ。

『おいヒナ、俺のことは?』

「ミュウツーはふつう。あとこころよまないでよ」

『…………』

『ピジョーット…』

拗ねたミュウツーを優しく慰めるピジョットに私はちょっとだけ罪悪感が出る。

 

 

…仕方ないから少しだけ遊んであげよう

 

 

 

少しだけね?

 

 

 

 

 




妹の心境。
 ミュウツーにどう対応するのか知りたい。

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