マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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兄は己の所行の結果を後悔した。


第七十八話~兄と特訓の成果と…~

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは兄のサトシです。ヒウンシティに行く途中でゴチルゼルと不思議な体験をしました。ですがそのトラブルも無事解決して、ようやくヒウンシティに到着しましたよ。そしていつも通り町はずれで俺のポケモンたちを鍛えていくため、まずはルカリオとマメパトでバトルをして特訓をすることになりました。何故特訓をするのかは、ジム戦に向けて頑張っていこうと思っているからですよ。

 

ルカリオには技を避けたりちゃんと攻撃して来たりと模擬バトルのような感じでお願いしている。もちろんルカリオはマメパトに比べて強いので、一方的な攻撃にならないように調整しながらのバトルになってはいるんだけど。でもこれも良い特訓になると俺たちは思っている。攻撃に関しては手加減してもらっているのだが、それ以外は全て全力を出してやってもらっている。なので避けられたり攻撃した技を逆にはどうだんで返したりとされることによってマメパトがどうやって動いていったらいいのか、どうすればルカリオに技が当たるのかを考えて行動してくれるようになる。俺もちゃんと指示を出してどこに動けばいいのか言うため、最初と比べていい感じになってきているはずだ。

…もちろんこの模擬バトルのやり方はマメパト以外にもみんなにやってもらうけどな。

 

 

「行くぞマメパト!かぜおこし!!」

『ポォ―!!』

 

 

『まだまだ弱い!』

 

 

ヒウンジムは虫タイプの使い手であるアーティさんとバトルするからひこうタイプのマメパトをまず鍛えることから始めた。でも他にもポカブやクルミルなどといった出したいポケモンがいるからマメパトを出すかどうかで少し悩んでいる。もしもこの特訓での成果を俺がマメパトをジムで出さないという結果で終わってしまうのもなんだか残念な気がするからだ。でもこのヒウンジムで挑戦できなくても、ちゃんと鍛えることによって後に活躍してもらうつもりだから結果オーライだということも思っていたりする。それにマメパトだけじゃなくてミジュマルやツタージャも特訓で鍛えていくつもりだしな。

 

 

「マメパト!もう一度かぜおこし!今度は回転しながらだ!!」

『ポォーウ!!!』

 

『…ほう、回転したことによって竜巻のようなかぜおこしを発生させているのか』

 

 

ルカリオが感心したようにマメパトのかぜおこし竜巻バージョンを見ている。これは俺がかぜおこしをアレンジしようと考えてマメパトにやり方を教え、練習してもらったオリジナルの技だ。これは何回か練習が必要だったけれど、すぐにマメパトが修得し、ちゃんと物凄い威力のある技として使えるため、これから攻撃技として重宝しそうだと俺やマメパトは思っていたりする。

 

そしてルカリオが迫ってきた攻撃を避け、はどうだんを飛ばしてきたため、俺はマメパトに避けろと指示をする。そしてマメパトは速いスピードでやってくるはどうだんを難なく避けることができた。…それを見て、少しずつだけど、マメパトの動きが今までより良くなっていると分かってきた。

 

「よしマメパト!この調子で頑張ろうぜ!」

『ポォォオオオ!!!!!!』

 

 

俺が激励を飛ばしてマメパトと共に頑張ろうと言う。そしてマメパトは大きく飛び上がって俺の声に応えてくれて…身体が輝きだして…え?

 

「…あれは!?」

『ピィカ!?』

 

『ハトォォ!!!!』

 

『進化したのか…!』

 

 

マメパトが進化したことに俺は驚き思わず図鑑を取り出して確認してしまった。…なるほど、ハト―ボーっていうのか。俺は一度特訓を中断し、肩に乗ってきたハトーボーの頭を撫でて、進化してくれてありがとうと礼を言う。ルカリオも同じく良かったなと言って頷いてくれた。俺たちの言葉にハト―ボーは嬉しそうだ。俺も凄く嬉しい。

そして特訓を遠くから見ていた妹達が喜んで叫んでいるのが聞こえてきた。

 

「うわぁハト―ボーになったんだ!進化したんだ!」

『カゲカゲ!!』

「おめでとうサトシ!ハト―ボー!」

『キバキ!』

「これはもう素晴らしいことだね!おめでとうハト―ボー!」

 

 

 

 

 

 

「ああああああ!!サトシ先輩!!!!!????」

 

 

「…あれ、シューティー?」

 

 

皆にハト―ボーの進化について祝福されていたらいきなりシューティーの叫び声が聞こえてきて俺は後ろを振り返った。するとそこには満面の笑みで俺のもとへと走り出しているシューティーの姿が見え、俺たちは苦笑してしまった。そして俺の目の前に来て90度の角度で綺麗なお辞儀をして挨拶をするシューティーの姿…出会った頃の性格が酷すぎて俺がちょっと矯正したんだけどやりすぎたか?でもこの性格だったら他の人を貶さないで済むと思うんだけどな…やりすぎか。

 

俺は近づいてきたシューティーに向かって口を開く。

 

「シューティー、お前もこのヒウンシティに来てたんだな」

「もちろんジムに挑戦するために来ました!!サトシ先輩はもうヒウンジムに挑戦しましたか!?」

「いやまだだ…シューティーは?」

 

「はい!ヒウンジムに挑戦して無事にバッチを貰うことができました!!…はっ!?すいません僕としたことがサトシ先輩より先にジムに挑戦してしまうなど…ああ僕の馬鹿野郎!!!」

 

「き、気にすんなよシューティー…」

「いえ、そんな!?申し訳ありませんサトシ先輩!!!!」

 

 

綺麗な土下座をして俺に謝ってきたシューティーに引きつった笑みを浮かべながらも早く立てと促しつつ、シューティーの手を掴み立ち上がらせた。するとシューティーは何を勘違いしたのか、優しいですねサトシ先輩…本当に憧れます!!と余計に感動し号泣してしまった。涙で水たまりができてしまいそうなぐらい号泣している姿に俺は少し引いてしまう。…お前はどこぞのコータスかとツッコんでやりたい気分になってきた。

 

「うわぁ前にも思ったけどシューティーの性格が物凄く崩壊してる…」

『カゲカゲ…』

「さ、最初の頃はどんな性格だったんだろ…」

『キバキバ…』

「も、物凄いテイストを感じるよ…」

『………いや、これで充分だろ』

『ピィカァ…』

『ハットォ…』

 

俺とシューティーの後ろの方に集まった皆が苦笑しながらも話しあっている声が聞こえてきた。ピカチュウにハト―ボーお前らまでそっちに行くのかよ。それにルカリオ、お前って俺以上に厳しかったんだな。俺ちょっとやりすぎたと思って反省しているんだけど…。

 

…あ、そうだ良いことを思いついた。

 

「なあシューティー、俺とバトルしないか?」

「え!?サトシ先輩とですか!!!??」

 

 

俺の言葉に驚きすぎて涙が止まったらしい。シューティーが豆鉄砲を食らったような表情で俺を見てきた。俺はそんなシューティーに説明をした。ルカリオと今まで修行をしてきたということ、特訓が終わったらジム戦に挑戦するということ、シューティーにもその特訓に付き合ってほしいということを―――――。

そしてその俺の言葉を聞いて最初は疑問の表情だったのが、しだいに理解してきたようで笑みを浮かべて何度も頷いてくる。

 

 

「はいもちろんです!!むしろ僕からお願いするところですよ!よろしくお願いしますサトシ先輩!!!」

「おう!こっちこそよろしくなシューティー」

「はい!!」

 

 

 

 

 

――――――――――――え、特訓の成果?それはちゃんとヒウンジムのバッチゲットできたことで察してくれませんかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




兄の心境。
 性格を矯正するのも程々にしよう…。





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