兄が貰った卵がそろそろ孵りそうだ。
こんにちは妹のヒナです。前回シッポウシティで1度も負けることなく兄が勝利を収めていたのを見て、これもある意味原作崩壊だなとしみじみ思ってしまいました。さすがスーパーマサラ人。そしてそんな余裕の勝利にアロエさんは何も言わずにただ笑ってバッチを渡してきてくれましたよ。そしてまた戦える時があれば再戦してくれとお願いされてました。まあ兄のことですからその再戦もいつかは受けるのでしょうね。
そしてこれから次のジム戦に向けてヒウンシティへ目指しているのですが…。
卵がそろそろ孵りそうで私たちは一度休憩もかねて生まれてくるのを待ちます。
『カゲェ!』
「ヒトカゲ嬉しいの?そういえばヒトカゲは卵見るの初めてだよね?」
『カゲカゲェ!!』
「そうなんだ!私のキバゴと一緒ね!ね、キバゴ!」
『キバキ!!』
「生まれたらお前らはお兄ちゃんでお姉ちゃんだな!」
『ピッカッチュ!』
『ああサトシの言うとおり、この卵にとってお前たちが姉や兄のような存在になるだろうな』
『カゲ!?』
『キバ!?』
ヒトカゲとキバゴは嬉しそうにジャンプをして卵が早く生まれてこないか待っている。途中でキバゴが卵にぶつかりそうになって危なかったけどそれはルカリオが何とか助けてくれたから無事だ。でも光り輝き少しずつ動いてきているからもうすぐ生まれてくるだろう。…ヒトカゲが生まれてくる時もこんな感じだったかなと少し前のことなのに懐かしく思えてきてしまった。
「お!?生まれるぞ!!」
『ピッカ!!!』
兄が卵の様子を見て言う。ピカチュウも卵をじっと見て生まれておいでと声をかける。そして私たちも生まれてくる様子をじっと見つめて待つ。…これは原作で知っていることだけれど、でもやっぱり実際に見るととても感動する。無事に生まれてきてと願ってしまう。
――――――そして生まれてきたのがズルックと呼ばれているポケモンだ。
『ズック?』
「生まれた!!このポケモンは…?」
「サトシ、このポケモンはズルッグだよ」
「ズルッグか!よろしくな!!」
『ズックゥ!!』
兄がズルッグに向かって図鑑を取り出してから名前や種族を見てから挨拶をする。するとズルッグは兄をちゃんと親だと分かっているのかにっこりと笑顔でそれに応える。
とても元気で可愛いポケモンだと思ったけれどやっぱり原作だった。ズルッグは挨拶してきたピカチュウに向かっていきなりにらみつけるをしてその後ずつきで攻撃してきた。でも生まれてきたばかりだからか、あまりスピードは速くなく、ピカチュウは余裕で躱すことができた。
けれどその後にキバゴやルカリオ、そしてヒトカゲたちを狙って攻撃してきたし、兄がボールから仲間であるミジュマルたちを出してきて紹介しようとしたのだがすぐに喧嘩を売ってきたのでいろいろと大騒ぎになってしまった。
どんな大騒ぎかというと、まずミジュマルは普通にズルッグの喧嘩を買おうとして、それをポカブとマメパトが抑えている。ツタージャはにらみつけるをしてきたズルッグを無視していたのだが、ずつきをしてきたので華麗にツルのむちでやめなさいと言って止めてきているさすが姉御。
それにしてもすごいと思う。生まれてきたばかりなのに喧嘩を売るのが止まらない。近くにいるポケモンたちを皆まとめてずつきしようとしてきている。結構大騒ぎになっているのだが…。
…でもやっぱりそれを抑えるのが兄の役目らしい。
「ズルッグ。ちょっと落ち着け?」
『ズックゥ…』
暴れるズルッグを抑え、あの誰もが怖がり固まる笑顔を向けて静かにさせたのだ。ずつきをしまくって喧嘩を売っていたズルッグだが、そんな兄の笑顔と声に驚きおとなしくなる。そして次に兄は優しくズルッグにバトルの仕方や特訓の仕方を教えている。どうやらズルッグが皆にずつきをしたりにらみつけるをしてきたため、その性格とバトル好きを理解したらしい。そして兄はズルッグの頭を撫でながら、仲間になってくれるのかどうかを聞いてきた。
「ズルッグ、お前はこれから強くなる。だってバトルがしたいって思って皆にずつきしてきたんだろ?」
『ズック!!』
「じゃあ、俺の仲間にならないか?まだ生まれてきたばかりで力が弱いかもしれないけれど、これから強くなるための力を俺たちと一緒に頑張ってつけていこうぜ!」
『ズルッグゥ!!!!』
――――――――――こうして、私たちに新しい仲間が増えた。そして私やヒトカゲ、キバゴにとってはズルッグは弟分のような感じになり、時々喧嘩を売られるけどよく遊びそしてよく修行をする良い仲間であると思っている。
妹の心境。
かなり賑やかになってきて楽しい。