妹たちは久々にポケモンバトルクラブへ行った。
こんにちは妹のヒナです。今はシッポウシティのポケモンジムを目指しているんですけど、途中で到着したカレントタウンにポケモンバトルクラブがあるということを聞いて兄とピカチュウがそのバトルクラブまで走っていってしまいました。私たちは先へ行ってしまった兄とピカチュウを追いかけて走っています。…あ、でも私とヒトカゲはルカリオに背負われたまま兄を追いかけていますけどね。
そして着いた先で待っていたのは驚愕している表情を浮かべている兄とピカチュウの姿。
驚愕しているのはバトルを申し込んだりする機械の前なので、もしかして画面に何か兄たちが驚くようなことがあるのではと思いました。それで私たちは何があったんだろうと見てみたら画面に対戦相手を募集しているシューティーの写真がありました。
…ああ、そう言えばこんな話原作で会ったような気がしてきた。
シューティーがこの町にいると知った兄たちは少しだけ微妙な表情。でもおそらくそれはシューティーの性格が変えたけれど、今はもしかしたら元に戻っているのではと思っているようです。でも私は兄のやった所行を見ているから、その点については大丈夫だと思うけど…。
そしてシューティーについてはジムに挑戦してきたことからデントは知っていて、アイリスは会ったことがないため知らない。でもこれからバトルをするからその時にわかるだろうと思う。
それで、今はカレントタウンのバトルハウスを管理しているドン・ジョージさんからシューティーにライブキャスターで連絡をしている途中だ。
…で、でもちょっと嫌な予感がするんだけどね。
「やぁシューティー君。君にポケモンバトルの申し込みがあったぞ!」
「久しぶりだなシューティー」
「サトシ先輩じゃないですか!!!お久しぶりです!!!!」
「「サトシ先輩?」」
『キバキバ?』
「ああもう…やっぱりこうなった…」
私は微妙な表情で兄とシューティーの会話とその会話に驚くアイリスたちを見てため息をつく。
うん知ってた。そうだよね、最初に出会った時にいろいろとやらかしてたもんね。…ああこれもう原作崩壊確定だ。
シューティは兄がライブキャスターに出たことや、これからのバトル相手だという話を聞いて目を輝かせすぐにこちらに走ってやってきた。
そして90℃の角度でお辞儀をして兄に会えたことに凄く喜んでいる。もはや別人の域です…。でもピカチュウやルカリオ、ヒトカゲは満足そうな笑みを浮かべていて、兄も同じような表情だ。私はそれを見て遠い目をしてしまった。
「サトシ先輩!!ポケモンバトルの申し込みと聞いたのですがもしかして…!」
「ああ、シューティー。俺とバトルしようぜ!」
「か、感激です!!ありがとうございます!!!!!」
しかもシューティーは兄がバトルに申し込んでくれたことに喜びすぎて気絶してしまいそうだし…。デントとアイリスもそんなシューティーの性格に微妙そうな表情を浮かべている。おそらく兄の前以外では普通の性格なのかなと思った。そしてシューティーを全く知らないアイリスがデントに話しかける。
「えっと…ね、ねえ彼がシューティーなの?」
「そ、そうだよ…ははは…でもサトシに対してこうなるとは知らなかったな…」
『まあ以前はこうではなかったがな…』
「うん基本的にお兄ちゃんのせいだから気にしないであげてね」
『そうだな。…だがサトシが奴に施した人格再形成についてはもっとやってもいいと思ったがな…』
「何言ってるのルカリオ!?お兄ちゃんが言うようなこといってる!!?」
『カゲ?』
『……………………』
「ルカリオ、無言は肯定の証だからね!お願いだからお兄ちゃんみたいに暴走しないで!!」
『……善処する』
「それ遠回しに断ってるから!!あとヒトカゲもそんな分からないような表情しないで常識外になっちゃだめ!!」
『カゲ?…カゲェ!!』
「「ちょっと待ってどういうこと!!?」」
アイリスとデントが私たちに何があったのか興味を持ち聞きに来る。私たちがシューティーについて騒ぎながら話しているというのに、当の本人は兄に夢中で話しかけている。まるで後輩が憧れすぎてファンの域になっている先輩に話しかけているようだ。
「で、ではどんなバトルをしますか!!?フルバトルですか!?6対6のバトルをしましょうサトシ先輩!!」
「…悪いなシューティー。俺いま5体しかいないんだ」
「なら5体でバトルをしましょう!僕、サトシ先輩とバトルがしたいんです!お願いしますバトルしてください!!!」
「こらこらシューティー君!土下座してまで頼むことかい!?サトシ君の方からバトルを申し込んでいるんだからそんなことしなくても平気だよ…だろ?サトシ君」
「ええそうですね…ほら土下座しなくてもいいから、バトルしようぜシューティー」
「はい…はい!!お願いします!!」
デントとアイリスにシューティーのことについて説明し終わり、ふと兄たちの方を見てみると、いろいろと凄い光景が見えた。
土下座したシューティーが兄とバトルをしたいと懇願している様子から、兄がバトルを承諾したことに感激し号泣している様子…本当にこの人シューティーなの?
―――――――――――その後、ちゃんとシューティーと兄がバトルをすることになったんだけど、兄が普通に圧勝してました。そしてプルリルの特性を初めて知って驚いた兄でしたが、すぐに反撃して勝っていきましたよ。まあ兄だから当たり前だよね…。
そしてバトルをしている間でもその後でもシューティーが喜びすぎて気絶しそうになっていたこともあったりする。
「バトルしてくれてありがとうなシューティー」
『ピッカ!』
「いえ!それはこちらの台詞です!!本当にありがとうございますサトシ先輩!!!」
「…ま、まあいいか」
妹の心境。
ライバルのキャラ崩壊が凄いことになってるよ…。