マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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妹は料理の美味しさに夢中になる。


第六十二話~妹はシェフ同士の会話を聞く~

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。サンヨウシティを出て次のジムがあるシッポウシティまで歩いています。でもお腹空いてきた…。兄も私と同じ気持ちなのか、お腹を手で押さえて言う。

 

 

「…なあそろそろ飯にしないか?お腹空いた」

『ピィカ…』

「私も…お腹空いて歩く力がない…」

『カゲェ…』

 

 

『…そうだな、ここでご飯にするか』

 

 

というわけでルカリオがご飯を作ってくれることになりました。アイリスがきのみを集め、私と兄で簡易テーブルなどを準備し、ルカリオが持ってきてくれたきのみと自分が持っている材料で作っていきます。

作っている様子を見ていたデントが興味深そうにルカリオに話しかけた。

 

 

「なるほど。きのみを鍋に入れて他のスパイスを投入し、シチューにしていくんだね。僕にも何か手伝えることはないかい?僕も料理はできるよ」

『本当か?ならこのきのみを使って料理を作ってもらってもいいだろうか。主食が足りないんだ』

「お安い御用さ!」

 

 

という感じで、2人のシェフが話し合いながら、どんなレシピを使うのか質問しながら料理を作っていきました。すごく良い匂いがしていて、早く作ってほしいという気持ちが出てきそうです。そしてしばらくしてようやく完成した料理を皆で食べることに。

…あれだよね、2人のシェフが協力して作った料理って2つの美味しさを同時に味わえるってことだよね。…まあ要するに、ものすごく美味しすぎておかわりが止まらないです。食べる勢いがもう皆止まらずにいる。その様子をみてルカリオとデントは困った表情をしながらも私たちに向かって言う。

 

 

 

『焦って食べるな。喉につまるぞ』

「だって美味しいんだもん!ルカリオとデントの料理!!!」

『カゲェ!!!』

 

 

「ふぉごふぁい!!!」

「私もおかわり!!!」

「サ、サトシにアイリス落ち着いて食べなよ。おかわりならたくさんあるから」

 

 

シェフ達は私たちの様子に苦笑して見ている。兄なんて口の中に食べ物を入れたままおかわり!!!と喋っているせいでちゃんとした言葉になってはいないし、おかわりをしてもすぐに食べてしまうからデントとルカリオは追加でもう少し料理を作ってくれた。…うん、どれも美味しい。お腹がいっぱいになっても別腹で食べれるぐらいの美味しさ。ポケモンたちもシェフ達がそれぞれ話しあってブレンドし、作ったフーズを美味しそうに食べている。そしてシェフ達は私たちを見てから、お互いの顔を見合わせ、微笑んで口を開く。

 

 

「ルカリオ、君の作る料理は本当に素晴らしいよ!聞きたいことがたくさんあるんだけどいいかい?」

『ああ、俺もデントにイッシュ地方の料理について教えてもらいたいことがたくさんある』

 

 

 

ルカリオはデントの料理を、デントはルカリオの料理を気に入り、お互いのレシピを話し合ったり、もっと美味しい料理の研究についての話をしたりと結構大盛り上がりだった。これで料理の上達ができると喜んでいるみたいだけど、なんだろう…私たちの舌が肥えそうで少しだけ怖い。

でもってルカリオに言いたい、マサラタウンに帰ったらお店を開いてほしいと。これもう行列ができるぐらい美味しいからね。ルカリオの料理がデントの料理を知ることによってもっと上達していくことに私たちは凄くうれしいけど、これ以上嫁スキル上げてどうするんだろうとも思う…。まあ美味しいならいいか。

そしてその後、私たちはお腹いっぱいになるまでシェフ達の作った料理を食べ、幸せな気持ちになりながら再びシッポウシティに向けて歩き出した。その間でもデントとルカリオは料理のレシピについて話し合っていて、私たちはそんな彼らを呆れたような表情で見ていたということだけは言っておこう。

 

 

 

 

 

 




妹の心境。
 毎日のご飯が本当に楽しみ。

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