マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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兄はポケモンたちの可能性を信じている。


第六十話~兄はサンヨウジムのために特訓した~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは兄のサトシです。今日はサンヨウシティにようやく到着し、ジム戦に挑みたいと思います。その前にミジュマル達の特訓をしないといけないので、一度町の外に出て、少し大きな広場でルカリオに頼みバトルの相手になってもらってます。まず最初の特訓はミジュマル。

俺たちがバトルする間、遠くの方ではルカリオの作ったクッキーを食べながらバトルを観戦するピカチュウとポカブとマメパトとヒナとヒトカゲとアイリスとキバゴがいたりする。

とにかくミジュマルはバトルをしたいというやる気はあるから、その後に怖気づかない精神と力を鍛えていく特訓をする。でもやりすぎは逆にバトル嫌いになる可能性があるから程々にゆっくりとやっていく。まずはジムのために逃げないということの強さを鍛えていこう。

 

 

『ミ、ミジュ…!』

『…怖いか。だが恐れるな!俺に向かって攻撃して来い!』

 

「ミジュマル。大丈夫だ、俺を信じてくれ」

『ミジュ!!』

 

ミジュマルは最初の特訓時、強いルカリオが目の前にいることに怖気づき、俺の後ろに隠れてしまうことが多かった。

なので最初は技をルカリオに当てるという特訓をしていくことで怖がらないようにしていき、がむしゃらにではなくちゃんと相手を見て技を当てるように練習していく。

そして最初の方はあまりうまくいかなかったが、ミジュマルがルカリオをしっかりと見て技を当てようとしてきたため、少しずつではあるが恐怖心がなくなり、逃げようとはしなくなってきたと分かってきた。

その後、慣れてきたときから模擬バトルを初めた。模擬バトルはマサラタウンでよくポケモンたちが行っているバトルだし、ルカリオも参加することが多い。

そのため、まずしばらくの間模擬バトルに慣れているルカリオはただ避けるだけにしてもらい、ミジュマルが攻撃をしていくというハンデにする。

ミジュマルはそのバトルのハンデを嫌がっていたため一度だけ対等に戦ったのだが、バトルが始まったと同時にルカリオのはどうだんを見て怖気づくということが多かった。その後ハンデありで戦うことにも嫌がらないしむしろそうしてほしいという感じだったので。ハンデありで、ゆっくりとその強敵に挑む恐怖心というのを緩和していくことに専念した。そうすればジムで模擬バトルのように恐怖心もなく逃げようとすることもなく戦うことができるはずだと思っているからだ。

 

「…ミジュマルの動きが良くなってきたわね。これならジム戦も楽勝なんじゃない?」

『キバキバ?』

「そうですね。ミジュマルがしっかりとルカリオを見て戦うようになってきてますから。…でも楽勝に行けますかね?バトルというのは最後まで何が起きるか分からないものだとお兄ちゃんがよく言ってますし」

『カゲカゲェ』

『ピッカッチュ』

『カブゥ』

『ポー』

 

「なるほど。確かにヒナちゃんの言うとおりよね。バトルは何が起きるかわからない…うんそうよね」

『キババ…』

 

「あ、え…でもミジュマルもお兄ちゃんもちゃんと全力を出して戦うはずですから絶対に勝ちますよ!」

『カゲ!!』

『ピッカ!!』

『ポカァ!!』

『ポォー!!』

 

 

 

「…全力で戦って勝つに決まってるだろ。なあミジュマル?」

『ミッジュマ!!!』

 

 

 

後ろで話し声が聞こえてきてその話につい反応してしまった。ミジュマルもルカリオも模擬バトルをしながら聞こえてきたようで俺の言葉に反応する。ミジュマルはやる気がまた出てきたようだが、ルカリオは苦笑しながら油断していると負けるぞ?といってミジュマルを小さめのはどうだんで攻撃して場外へ吹っ飛ばした。

だがミジュマルはその後木にぶつかっても倒れず、むしろルカリオにもっと本気出してきても大丈夫だと挑発をしていた。ルカリオはその挑発にのらず、ただ普通に満足そうに笑っていた。

 

『ミジュ!ミジュミージュ!!』

 

『…ああ、最初の方と比べてだいぶ良くなってきたな』

『ミジュ?』

「だろ?なあミジュマル。最初は俺の後ろに隠れてルカリオと戦いたくなかったのに、今はルカリオに向かって行こうとしてるんだぜ。凄く成長してるってことなんだよ」

 

 

『ミ、ミジュ…!』

 

ミジュマルはその言葉を聞いて満面の笑みで俺に向かって突撃し、嬉しさのあまり抱っこをしてほしいと言ってきたのでそれに応じる。本当に最初と比べて強くなってきてるし、頑張ってるよなミジュマルは。

 

そしてミジュマルを抱っこしつつ、ルカリオに近づいて感謝の意味で握手をする。ルカリオも俺のいいたいことが分かったらしく、微笑みながら俺と握手をしてくれた。

 

「ありがとうな、ルカリオ」

『ミッジュ!!』

『そうか、満足してくれたならよかった。だがサトシにミジュマル。ジム戦は勝てる自信はあるか?』

 

「そりゃあもちろん!まず目標は一撃で勝つことだ!頑張ろうぜミジュマル!!」

『ミッジュゥ!!!』

 

 

 

ミジュマルが笑顔で俺の言葉に応じてくれた。精神的にも強くなったし、バトルをすることが楽しいと言っているような感じだから良かった。

次はマメパトとポカブの特訓かな。

 

 

 

明日はいよいよジム戦なんだ。まず絶対に勝ってやる。

 

 

 

 




兄の心境。
 明日のジム戦が楽しみだ!

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