妹は諦めた。
こんにちは妹のヒナです。もうマサラタウンに戻るのを諦めました。というよりヤケになりました。もうどうにでもなれ。
え、今ですか?アイリスさんに世の中の常識と礼儀等々を教え込んでますよ。かなり洗脳的に…。
ルカリオとヒトカゲは私と一緒に晩御飯の準備をしてます。きのみが沢山ある木を発見したので今日はきのみを中心として作った晩御飯になりそう。でも絶対に美味しいよねだってルカリオが作るんだもん。
そして私たちが作っている間に兄とアイリス、キバゴが座って、見た感じ講座的なものを行っています。…たぶん改心したシューティーがこれ見たら僕もやりたい!とか言って来そうな気がする。
「へーなるほど…知らなかった…」
「まあ普通はそうだろうな。でも旅をしていくごとに分かっていくからな。それに言葉って言うのは人によっては傷つけることもあるんだから、気をつけろよ」
『ピィカッチュゥ!』
「…うんわかった。これから気をつける」
『…キバキバ』
「平和に解決したってことでいいのかな?」
『カゲカゲ?』
『…うるさくなければそれでいい。それよりもできたぞ』
ルカリオが鍋からお皿におかずを移動させて、簡易テーブルまで持っていく。すごく良い匂いで美味しそうだ。ルカリオに頼まれたので、私とヒトカゲはご飯ができたことを兄たちに伝えるために近づいていく。
「お兄ちゃん。アイリスさん。ご飯出来たよ」
「お、本当か?ルカリオの飯って久々だなぁ!」
『ピッカ!!』
「え、私とキバゴも食べていいの?」
『キバキ?』
「ああ、食べていいんだよ。どうせここから先サンヨウシティまで一緒に行くんだろ?もう夜遅いし俺たちと食べようぜ?」
「そうですよ。それにルカリオの作る料理は本当に美味しいんですから。一緒に食べましょう!」
「…ありがとう」
『…キバキバ』
アイリスとキバゴは昼間のこともあって少し気まずそうだったが、私たちは人を蔑むような言い方をしなければ何も言う気はない。それに兄の説教その他諸々を受けたアイリスにこれ以上何かを言うつもりもないし、やりすぎも良くないと分かっているからもうこれで昼間の話はおしまいにするようだ。私とヒトカゲは微笑みながらまだ気まずそうに動こうとしないアイリスの背中を押してご飯ができている簡易テーブルまで一緒に行く。
「うわぁ美味そう!!ルカリオお前絶対に嫁に向いてる!!!」
『おいサトシ。お前もそれを言うのか』
「…確かに」
『ヒナ、お前だけおかわりはなしにするぞ』
「ごめんなさい!!!」
「……あ、あのルカリオ…さっきはごめん!」
『…キバキバ!』
『…いや、お前たちが悪いと思っていて、反省しているのならそれでいい。それよりもはやく食べないと全部サトシが食べてしまうぞ』
「え、早!?もうおかわりしてるの!!?」
『キババッ!?』
「お兄ちゃん喉つまらせても知らないよ?」
「これぐらいで喉はつまらせないぞ俺は!それよりルカリオ、おかわり!!」
『分かったから少し待て。おいキバゴ、お前の分はピカチュウたちのところにあるからそっちに行って食べていろ』
「あ、ありがとうルカリオ!」
『キバキバ!!』
…まあこんな感じで平和な夜を過ごしました。終始ルカリオがおかんだったということだけは言っておきたいかな。
そして次の日、研究所から私たちの後をつけてきたミジュマルが兄のポケモンになりたいと言って来たり、でもいきなりそのミジュマルが消えて、ルカリオの波動の力で後を追ったら砂風呂があってそこでメグロコたちに襲われたり、襲われた原因が間欠泉に気づいたメグロコたちが野生のポケモンを避難させようとした行動だったり…まあいろいろありました。サングラスのかけたメグロコが結構可愛かったです。その後を考えると微妙な気持ちになるけどね…。
そしてこれらの問題全部を兄がフラグともども吹き飛ばし、無事に終わらせたのは言うまでもありません。
それとその日の夕方、アルセウスらしきポケモンを上空で見たような気がするんだけど…たぶん気のせいだよねきっと…兄がその方角に向かって走り、しばらく帰ってこなかったのもそのせいじゃないよねたぶん。
妹の心境。
ルカリオの料理はおいしい。