マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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旅をするつもりはなかったのに…


第五十五話~妹は兄の旅に連行された~

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。…もう帰りたいです。

今いる場所?まだアララギ博士の研究所ですよ。でも何故か私も兄の旅に同行することになってしまいました。オーキド博士も母もイッシュ地方でいろいろと学んで、楽しんできてと応援してます。でも私としては凄く帰りたい…おもにシューティーと兄のバトル等々の様子を見てたらさ…。

 

 

「バトルをしてくれて…本当にありがとうございました!!サトシ先輩!!!」

「おう。もう人に嫌がるようなことは言うんじゃねえぞ」

「はい!もちろんですよサトシ先輩!!!」

「あと無断で写真を撮るな。ちゃんと頼んでから撮るように」

「わかりました!!」

 

 

 

「さっそくやっちゃってるし………」

 

 

 

まあこんな感じでシューティーの態度を変えてしまいました。え、どうやったのかって?まあまず兄の圧倒的なバトルでシューティーを負けさせてから心をぼっこぼこに叩き折って、その後いろいろと…すいません言いたくないです。

しかもまたしつこくやってきた雷雲に向かって攻撃して追い払ってるし…。でもそのおかげでアララギ博士たちが私たちに雷雲の中にいるポケモンの正体を教えてくれました。そして何度も来たために、兄が次会って攻撃してきたときは容赦なく潰すと宣言しました…ごめんねゼクロム。

 

 

 

「お兄ちゃん…私帰りたい」

「何言ってんだよ。旅はまだ始まったばかりだぞ」

『ピッカッチュ!』

『カゲ!』

『そうだな、ヒナ。いつまでも泣き言を言っているようでは今までの修行が無駄だったと判断するぞ』

「む、無駄じゃないもん」

 

ようやく旅に出ることになったんだけど、本当に行くのが嫌です…この先どんなことになるのか、兄がどう暴走するのか見るのがつらい。

あ、今誰が旅に同行しているのか気になる?まず兄とピカチュウ。そして私とヒトカゲとルカリオです。

ルカリオは私とヒトカゲが旅に同行するというのを知るとすぐさま俺も行こうと言ってきました。オーキド博士も母もそれに賛成です。まあルカリオの料理美味しいし、兄を止めてくれるだろうから私は構わないかな。…兄を本当に止めてくれるのか不安だけどね。

 

 

まあそれで、私たちはサンヨウシティのサンヨウジムに向けて歩いているんですけど…草むらに何やら動いている生き物を発見し、さっそく兄がポケモン図鑑を取り出して調べてます。

「…キバゴ?にしては色が違うような……というよりなんか大きくないか?」

『ピィカッチュ?』

『カゲェ?』

 

「…お兄ちゃん違うよ。普通に人が草むらにいるだけだよ」

『そうだな。ヒナの言うとおり。波動で見てみたら人とポケモンが一緒にいると分かったぞ。おそらく図鑑はポケモンを感知したんだろうな』

 

「ああなるほど…」

 

 

 

兄が草むらの中にいる人に話しかけようと動く。草むらの中で何をしているのか気になっているのだろう。

その人…いや少女はキバゴのためにきのみをとって食べさせているということが分かった。

 

「え?!ピカチュウ?それにルカリオにヒトカゲ!!?すっごい可愛いぃぃい!!!!」

 

『ピ、ピィカ!?』

 

『カゲッ!?』

「…あーあー」

『…………』

 

少女は近くにいたピカチュウを抱きしめて思いっきり撫でまくる。私はヒトカゲを抱きしめて兄とルカリオの後ろに隠れていたためその被害に遭わなくてすんだ。ヒトカゲとルカリオは撫でまくられて嫌そうなピカチュウを見て同情する。ルカリオはなるべく騒がれないように喋らずにいるようだ。怒っているわけではないので誤解しないようにね?

 

そして何故ピカチュウたちがいるのか少女が私たちに聞いてきたため、兄が自己紹介をする。

 

「俺たち、カント―地方のマサラタウンからこっちに来たんだ。俺はサトシ!それで後ろにいるのがヒナで…ルカリオ達のことは知ってるよな…俺たち、イッシュリーグを目指して旅をしているんだ。よろしくな!」

「…よ、よろしくお願いします」

 

「そうなんだ!私はアイリス。よろしくね!」

 

握手しようと動くアイリスだったけど、きつく抱きしめられているピカチュウが限界になり、10万ボルトで攻撃した。そしてそのままアイリスは倒れ、その隙にピカチュウが逃げて兄の肩にのる。

 

気絶したアイリスにルカリオがいやしのはどうをして回復させ、私たちは目を覚ました彼女と話をすることになった。その間もずっとピカチュウが不機嫌な表情で座っていたということだけは言っておく。

 

「――――――あ、そういえば昨日、カノコタウンにすっごい雷雲が何度か来てたよね?知ってる?」

「ああ、まあな。あの雷雲にはゼクロムがいたんだってアララギ博士が言ってたぜ」

「ゼクロム!?伝説と呼ばれしポケモンゼクロムだったの!!?ねえねえ詳しくお話し聞かせて!!!」

 

「…これって長くなりそう?」

『カゲェ』

 

 

アイリスが興奮して兄の話を聞こうとする。だが兄はアイリスの後ろにいたシキジカに夢中になってしまい、すぐにその後を追いかける。…え、私?もちろん兄とピカチュウの後を追ってますよ。ルカリオがヒトカゲと私を背負いながらだから、私たちは走っていないんですけど。そしてアイリスもその後を追いかける。

辿り着いた先には、兄が草むらの陰から追いかけていたポケモンを見て、図鑑で確かめている様子だった。図鑑はシキジカについての説明がされている。それを聞きながら兄は興奮したようにそのシキジカの群れを見た。

 

 

「シキジカっていうのかあのポケモン…!」

『ピィカッチュウ!!』

 

「お兄ちゃん捕まえるの?」

『カゲェ?』

「いや、まず飛行タイプを捕まえたいからシキジカを捕まえようとは思ってない。どんなポケモンか確かめに来ただけだからな!」

 

 

「君って子供ねぇ?ポケモントレーナーなら普通は捕まえるでしょ?」

『キバキバ?』

「…何言ってんのお前」

『ピィカ…』

 

 

『…ヒナ、ヒトカゲ。ここは危険だからもう少し離れるぞ』

「喋った!!?」

『キババ!!?』

『ッ!?』

 

 

「…うわーいカオスだ」

『…カゲッ』

 

アイリスが私たちの後に追いつき、話しかけてくる。でも少しトゲがあるその言葉に兄の機嫌が急降下していく。

ルカリオがその様子を見てやばいと判断し私たちに注意したのだろう。でも喋ってしまったために驚いたアイリスに飛びつかれている。ルカリオは興奮するアイリスから逃げようとするが、すぐに追いかけられて大変そうだ。

その騒ぎによってシキジカが逃げてしまった。騒いでいる所の近くには不機嫌な兄とピカチュウがいて…うん何これ。

 

 

 

「ヒトカゲ…私、マサラタウンに帰りたい」

『カゲ…カゲカゲェ』

 

 

 

ヒトカゲが私の手を掴んで頑張れと応援してくれた。ありがとうヒトカゲ。でもこのカオスどうやって止めようかな…。兄なんて喋るルカリオに興奮しているアイリスに近づいて何かやらかしそうだし。

 

 

 

 

「……………………はぁ」

『……カゲェ』

 

 

 

 

 

 




妹の心境。
 こっそり帰ってもいいかな…?

兄の心境。
 何考えてるのかわかるからなヒナ。というよりせっかくの旅なんだから楽しめばいいだろ?




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