マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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兄のフラグが妹を巻き込んでいる


第四話~妹の日常に楽しみが増えた。余計なのも一緒だけど~

 

 

 

 

『ダネダネ』

「ようこそマサラタウンへ…ひさしぶりだねフシギダネ」

『ダネェ!』

兄のフシギダネがオーキド研究所に送られてきた。

それからというもの、フシギダネはオーキド研究所でまとめ役をしつつ、私と遊んでくれることが多くなった。

まとめ役で忙しいというのに、私が散歩しているのを見かけるとよく一緒にいてくれるし、危険から守ってくれる。

フシギダネは私のことをどう思っているのだろう。遊んでくれるし危険から守ってくれるしよく一緒にご飯を食べたりするから家族のように思ってくれているのかな?

そして最近ではポケモン同士の喧嘩で技が私に当たりそうになった時、つるのムチで叩き落とし、激怒したフシギダネが喧嘩を治めたということがあった。ちなみにそれを見てフシギダネがまるで兄のようだと思えたのは私だけの秘密だ。

 

 

まあそんな感じで、私の平和な日常にフシギダネが追加され、これからより楽しくなるだろうと思えたというのに…。

 

 

 

 

 

『ダネ…』

「…なんでここにいるの?」

『優れたる操り人の妹がいると聞いてこちらに来た』

「またおにいちゃんか……」

そう、目の前にいる大きなポケモンが平和な日常を崩した原因だった。

目の前にいるのはルギアと呼ばれている伝説のポケモン。

オーキド研究所の森の中で羽を休めているルギアは前に一度兄に助けられたと言っていた。

あの異常気象を起こした事件での話だろう。兄は何をして助けたのかはまだ話を聞いていないけれど、今度会ったら詳しく聞いてみようと思う。絶対にいろいろと暴走したに違いないと私は思った。

でも目の前に伝説がいるのはちょっと緊張する。品定めしているような目と大きな身体に押しつぶされそうだ。

フシギダネが私の前に出てルギアから守ろうとしてくれているのを見て緊張が解けて兄を少しだけ恨んだ。

「おにいちゃんならここにはいないよ?」

『知っている。操り人ではなく妹に会いに来たのだからな』

「なんでわたしに?」

『優れたる操り人の妹がこれからどのように成長していくのか興味を持った』

(どういうことっ!?)

『ダ、ダネ?』

『ああそうだ、操り人から妹の話を聞いて興味を持ち、こうして直接見に来たのだ』

フシギダネが困惑したような表情で私を見ている!

これからどうする?

 →助けを呼ぶ

  兄を恨む

  現実逃避をする

 

「げ、げんじつとうひ…」

『何を呟いているのかはまだ幼いからわからないが…ふむ。確かにこれから成長したら優れたる操り人のように素晴らしくなっていくだろうな…ミュウツーの言っていた通りだ』

「わたしまだトレーナーになるかどうかわからないよ!!というかミュウツーがいっていたってなに!?」

『ミュウツーとはよく優れたる操り人のことで話をして交流を深めている。…操り人の妹よ、これからどう生きるのかはわからないだろう。成長し、優れたる操り人のような生き方をするか、ほかの素晴らしい生き方を見つけるか。将来が楽しみだ』

(お兄ちゃんなんか話が通じない伝説がいるよ!!!?)

『ダネ…ダネダネ!!』

『ああそうだな。ここにいつまでもいると他の人間に見つかってしまうだろう…また会おう優れたる操り人の妹よ!』

ルギアは大きな羽を広げて空へ飛び立ち、オーキド研究所から遠ざかっていった。それを見た私は大きくため息をついてもうルギアの姿が見えない空を眺めて呟いた。

「もうにどとこないで…」

『ダネェ?』

「ありがとうフシギダネ」

『ダネフッシ!!』

フシギダネが何かを言ってルギアを追い払ってくれたのだろう。

ルギアが行った後、私は座り込んでフシギダネに抱きついた。フシギダネは嫌な顔をせず、つるで私の頭を撫でてくれた。

凄く日常とはかけ離れた一日だったなと他人事のように考えていた。

ただしこの後、毎日のようにルギアだけでなくミュウやミュウツー、セレビィが私に興味を持って遊びに来たせいで他人事にはならなくなったのだけれども。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「おにいちゃんのばかやろぉぉお!!!」

『ダ、ダネェ…』

 

 

 

 




妹の心境。
 お兄ちゃんに文句言ってやる。

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