マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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妹はちょっとしたトラブルに巻き込まれた。


第四十八話~妹はときわたりを経験した~

 

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。今日普通にヒトカゲと共に修行で覚えた技や鍛えたことを復習しようと森の中でいろいろとやっていたのですが、いきなりセレビィのときわたりに巻き込まれました。え、なんでときわたりに巻き込まれたのかって?いや知らないよ。気がついたら周りが眩しいくらい光ってて、そしてオーキド研究所の森の中ではなく、よく分からない土地にいたんですから。

しかも私たちの後ろの方でやっちゃった…!というような表情を浮かべているセレビィと共に。

 

 

「…ここどこ?」

『カゲェ…』

 

『レ、レビィィ…』

 

セレビィは本当に申し訳ない表情を浮かべて、私たちに謝ってきた。その様子からときわたりをした時に私たちが近くにいることに気がつかず、間違えて巻き込んでしまったということが分かった。

でもここは本当に何処だろう…。ちゃんと整備されている道路に立っている私たちは周りを見渡してみる。周りは多くの木々がたくさんあって、人もポケモンも見当たらない。しかも大きな木々のせいか何だか薄暗い。まるでオーキド研究所にある迷いの森の中にみたいに薄暗くて…しかも気味が悪いのだ。ヒトカゲの尻尾の炎が周りを明るく照らしているため、なんとか状況が確認できた。

 

 

『レビレッビィ…!』

 

「え、もしかしてまだときわたりできないの!?」

『カゲッ!?』

 

 

セレビィがまた謝ってきて、私の頭の上に乗ってきた。その様子を見てときわたりによる力を使ったから、しばらくの間は休まないと元の世界に戻れないということが分かった。

でもここでのんびりしたくはない。もしもこの森の中で強いポケモンがいたらやばいからだ。

 

「ねえセレビィ。他の場所に行ってもときわたりは使える?」

『レビィ!』

 

セレビィが頷いたため、私とヒトカゲは顔を見合わせて頷き、この森から離れることにした。

出来れば安全だと分かる場所に着けばいいと願いながらも…。だが歩き始めた瞬間後ろの方から足音と草をかき分ける音が聞こえてきたため、私たちは後ろを振り向きながら警戒する。道路の方を歩いていないということは、もしかしたら人ではなくてポケモンかもしれない。そう思って振り向くと―――――

 

 

 

 

 

 

「誰だお前は。何故子供がここにいる」

 

「……わぁ」

『カゲ…?』

『レビィ?』

 

 

 

 

 

どうもこんにちは、シルバーさん。ゲームの世界の方のシルバーさんに会いましたよ。あ、でも名前を言っていないのでシルバー(仮)さんかな。というよりもポケスペの方のシルバー(仮)さんかもしれない。…でも私ポケスペの方は知らないんだよね。まあよくわからないけどその赤い髪がすごく似合っている少年です。…ってことはここはゲームの世界?ポケスペの世界?私たち世界を超えてやってきちゃったの?

そう考えていると、シルバー(仮)さんが私たちの方へ近づき、話しかけてきた。

 

 

「…親はどうした。こんな危険な森の中に置いて行ったのか?」

「ぅ…あの私たちちょっと迷ってて…両親は関係ないんです……」

『…カゲッ』

『…レビィィ』

 

 

やはり森の中は危険なポケモンでいっぱいらしい。そしてシルバー(仮)さんは私たちが両親に置いて行かれたと誤解したみたいだ。私たちを置いて行ったであろう両親に怒り、表情を怖くしている。でもこの場合両親は関係ないため私は必死にただ迷子になったと説明しておいた。

 

私の言葉を聞いて怒った表情ではなくなり、頷いてくれた。そして私の足元にいるヒトカゲと頭の上に乗っているセレビィをみて目を細めていた。

 

 

 

「…色違いのヒトカゲに、伝説のポケモンのセレビィか。珍しいな」

「お、驚かないんだ…」

『カゲッ』

『レビィ』

 

 

 

 

「ああ、知り合いに色違いのリザードンを相棒にしていて、伝説に懐かれる凄まじいトレーナーがいるからな」

 

 

 

「へーそんな人いるんですね!」

『カゲェ…!』

『レビィ!』

 

 

 

どういう人なんだろう。私の兄のような人かなと想像してしまった。ゲームの世界だったらもしかしたらレッドさんとか?誰なんだろうと少しだけ興味をもっているとそのシルバー(仮)さんが私たちに微笑んできた。

 

 

 

「俺はシルバー。お前の名前は?」

「あ、私はヒナです!こっちはヒトカゲでこっちはセレビィ!」

『カゲッ!』

『レビィィ!!』

 

 

 

 

やっぱり名前はシルバーさんでした。もう(仮)はなくてもいいよね。そう思っていたらシルバーさんが私を見て驚いたような表情を浮かべていた。

 

 

 

 

「ヒナ…ヒナだと…?」

 

 

 

 

あれ、なんだかシルバーさんの様子がおかしい。まるで私のことを知っているような反応をしてる感じがする。どういうことなんだろう。そう疑問に思って口を開こうとした。だが―――――。

 

 

 

 

『レッビィィィイイ!!!』

 

 

 

「うわぁッ!」

『カゲェ!!』

 

 

「くっ…!」

 

 

 

 

気がつくと、私たちはオーキド研究所の森の中に立っていました。セレビィが一刻も早く元の時代に戻してあげなければと思っていたらしく、力を取り戻したと同時にときわたりをしたらしい。そしてシルバーさんが巻き込まれないように気を付けて力を使ったとも言っていた。あ、これはミュウツーの通訳でわかったことです。もう危ない目に遭うな、セレビィもときわたりをするときは気をつけろと説教されましたけど…。

でもシルバーさんの反応なんだったんだろう…それだけが凄く気になる。…でももうときわたりしたいとは思わないし、もう会わないよね。そう考えて納得し、シルバーさんに会った時の疑問は忘れることにした。

とにかくこれから修行したときの復習しないと!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――ああヒナ。お前、幼い頃にときわたりを経験していたのか。小さな子供のお前に会った…って何でそこで五体投地をして叫んでいるんだ…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




妹の心境。
 ときわたりかぁ…そういえば前に未来でときわたりしたお兄ちゃんに会ったような…。

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