マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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兄はやっぱり有名になってた。


第四十七話~兄はいろいろと喧嘩を売られた~

 

 

 

 

 

 

こんにちは兄のサトシです。今日ようやくリーグ前につくことができました。周りを見ると強そうなトレーナーがいてバトルするのが楽しみです。

でもちょっと待て何でその対戦相手の全員に睨まれなければならない。

何故かリーグで登録していると、サトシだと名前を叫ばれ、カント―ジョウトホウエンなどでの戦歴を言われ、喧嘩を売られました。しかも結構興奮気味に言われた。…俺ってそんなに有名人なのか?

俺と同じように強い相手と戦うのが好きな奴らが多いのか、それとも強敵に出会って負けたくないという気持ちが行動に出たのかはわからない。でも受付の最中も歩いている時も絶対に俺の名を呼ばれては喧嘩を売られるわ挑発されるわお前みたいなのが強いわけないだろうと言われるわ…まあ散々な目に遭った。あ、でも最後の方で俺を貶したトレーナーは怒ったピカチュウの電撃を食らってました。でも同情する気はまったくない。

 

 

 

「君がサトシくんか…」

 

 

「…今度は何?」

『ピカ…』

 

 

俺とピカチュウが歩いている時にまた声をかけられた。ちなみにヒカリとタケシには先に行っているように伝えたので一緒ではない。受付の様子を見て、俺と一緒に行動しない方がいいと思いそう頼んだからだ。

おそらくいろんなトレーナーに声をかけられて喧嘩を売られるので、迷惑をかけると思ったから離れてもらった。ヒカリ達は不満そうな表情を浮かべていたけど、でも仕方ないから諦めてほしいと無理やり納得させた。

 

 

そして今、目の前で自信満々な表情を浮かべているこいつはいったい何なんだ。俺をじろじろと見て、強いかどうか判断しているような上から目線の行動に何故かイラッとした。でもこの目の前の少年は話しかけてからずっと何も言わずにいる。俺とピカチュウは不機嫌そうな表情を浮かべてここから去ろうと決め、歩き始める。

だが少年が腕を掴み、待ってくれと言ってきたため仕方なく立ち止まることにした。でもそろそろ何か言った方がいいと思うぞ。

理由?電撃をビリビリさせながら威嚇しそうなピカチュウの機嫌が急降下しているからな。ちなみに俺もそろそろキレそうです。今度悪口か何か言われたら顔面思いっきり殴ってやろうかとも思ってしまうぐらいに。

 

 

「…すまない。だが、僕を倒せるぐらいの強さを持っていると他のトレーナーから話を聞いてね。バトルをするのが本当に楽しみだよ」

 

「はぁ…誰ですか?」

『ピィカ…』

 

「そういえば自己紹介はまだだったね、すまない。僕はタクト。ダークライたちと共にこのシンオウリーグに出場するポケモントレーナーだ」

 

そう自己紹介をされ、握手を求められたのでとりあえず応じた。あと、俺も自分の名前を名乗り、よろしくと言っておく。だがそのタクトという少年は知っているよと微笑んだ。その丁寧な物腰に良い印象を覚えた俺とピカチュウは少しだけ機嫌を上げる。

 

…それにしてもタクトという少年の名前を何処かで聞いたことがあるような気がする。ああ、そういえば妹が言っていたな。タクトという少年は伝説を使ってくるトレーナーなんだということを。

なるほど、俺はカント―から旅に出て出場したリーグはすべて優勝しているから、相手がどんな強さを持っているのか、ダークライや他の伝説を倒せるか興味を持って話しかけたのだろう。

ピカチュウもタクトが何も危害を加えず、ただ単純にバトルを楽しみたいという言葉に好戦的な目をしてじっと彼を見つめた。

俺もピカチュウもこのリーグでバトルをして勝つことが目的だ。でもバトルをするのは好きだからこういった喧嘩を売られると全部リーグのバトルで買いたくなってしまうのが常だと思っている。…まあとりあえず良い印象になったタクトとの戦いも楽しみにしておこう。今回のリーグもいろいろと楽しめそうだ。

あ、でも一番の楽しみと言ったらシンジとのバトルに決まっているからな。

 

 

 

 

「よろしくな、タクト」

『ピッカッチュウ!』

 

 

「ああ、こちらこそよろしく。サトシ君」

 

 

 

 

 




兄の心境。
 はやくバトルがしたい。

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