マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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兄がフラグをぶっ壊した。


第四十三話~兄がシンオウの元凶ボッコにした~

 

 

 

 

 

 

こんにちは兄のサトシです。そろそろ来ると鏡からギラティナに教えられたので頑張ってフラグ折ろうと思っています。

 

 

 

そしてやってきたのは、ギラティナがディアルガに攻撃しているシーンでした…。あれ、お前ディアルガに対して怒ってたっけ?

タケシ達はこの時に初めてギラティナのポケモンとしての姿を見たため、こいつが本当のギラティナの正体なのか!?という驚きの方が強く、ちゃんと伝説だったんだ…とヒカリが密かに呟いていたのを俺は聞いた。

そしてシーナさんの力によってギラティナはディアルガに攻撃するのをやめ、俺たちの前に人の姿になって来た…ってまたかよ!!?

 

『よおヒカリちゃん久しぶり!!俺と一緒にデートしに行こうぜ!』

「え…いやそれはちょっと…」

「お前どんだけだよ!!?ほらあそこを見ろ!ディアルガが微妙な表情でこっちを見てるぞ!!!」

 

 

『ギュルァァア……』

 

 

『…ちょっとサトシ君。ディアルガは俺じゃなくって君のこと怖がってるみたいだけど?』

「え、俺!?」

俺は驚いてディアルガの方を見てしまった。するとギラティナが言ってきたとおり、ディアルガはシーナさんの近くで震え怯えていた。ぶっちゃけトラウマレベルの怯えっぷりです。

そんなディアルガを見てヒカリ達があの時のサトシは怖かったーと他人事のように、そして懐かしいような口調で言っている。

ギラティナも笑いながら俺に向かって言う。

 

 

『反転世界からみてたけどあの暴走は凄かったよね!反転世界を汚したディアルガとパルキアは許せなかったんだけど…』

『ギュルルァァア…!!』

『ああもう怒ってないよ。ディアルガも怒ってないんでしょ?なら話はこれで終わりにしよう!』

「お前が先にした話だろうが!」

『ギュ…!』

「え、いやディアルガに向けていった言葉じゃないから…そんなに怖がらなくてもいいぜ?」

 

怖がらないように微笑んでみたんだけれど、逆にもっと怯えられてしまった。先程ようやく止まったディアルガの震えが止まらない。もう震えすぎてその振動で地面揺れてんじゃねえのって思えるくらいです。そんなに俺のこと怖いのか…。

俺はディアルガの怯えっぷりを見てちょっと悲しくなった。

そして、騒いでいる俺たちにおそるおそる近づいてきたのはシーナさんとケビンさんだった。だがその顔は最初、ギラティナたちが暴れていた時は真剣な顔をしていたというのにいろいろと騒いでいる俺たちを見て微妙そうな表情を浮かべてしまっていた。

 

 

「…えっと……わ、私はシーナ。この遺跡の守り人です」

「…お、同じくケビン…です」

 

名前を言った2人に俺たちもちゃんと自己紹介をする。するとギラティナがシーナさんたちの方へ苦笑しながら近づき、口を開いた。

 

『さっきは怒ってごめん。…俺のことは分かる?』

「…はい、ギラティナが人の姿になるというのは昔からの言い伝えで残っていますのでわかります。それに、ギラティナ。あなたはただ誤解をしていただけですから…分かってくれてありがとうございます」

『どういたしまして!ところでこの出会いを祝して一緒にどこかへ――――』

 

「お前もうそれやめろ!!!!」

『ピィッカ…』

 

 

 

――――――まあそんなわけで。その後タケシがシーナさん見て暴走したり、ギラティナもまた一緒になってナンパしたり…。そしてまた竜巻が起きてディアルガと何故か人の姿のギラティナが巻き込まれ、それをパルキアが助けたのはいいのだが、俺を見た瞬間怯え逃げるように去っていったのは気に食わなかったといっておく。

 

あと、ディアルガとギラティナももう何もない、これで大丈夫だと判断して自分たちの空間に帰っていきました。俺たちは微妙な表情を浮かべているシーナさんたちに案内されて遺跡の下にある部屋に連れて行ってくれた。

 

 

 

―――――昔、雷の魔獣と魔獣使いがこの町の運命を変えた。

 

 

 

時空儀の前でシーナさんとケビンさんは、昔の言い伝えや、ディアルガたちが起こした事件の現地を見に行っていたことや、アルセウスが目覚めるという話を詳しく話してくれた。

 

そしてアルセウスが来ていろいろと怒りながら裁きを下していった。もちろんシーナさんは命の宝玉をもって謝りに行ったが、それは偽物だと言われてさらに怒ったり、ディアルガたちが来て止めようとしたけれど人に味方するのか!?とまたまたさらに怒ったり…とまぁ結構すごいことになっていた。

俺としてはギラティナや妹から話を聞いていたし、アルセウスは全然悪くないと思っているから今はあまり行動したくない。

アルセウスではなく元凶を潰せばいいのなら、過去に行ってからやればいいと思い――――行動した。

 

 

 

「グフォ…!な、何だ貴様!!?」

「え!?」

「サトシ!!ちょっと何やってるの!?」

 

 

「何って元凶を制裁してるだけだけど?」

 

 

「どういうこと!!?」

 

 

ディアルガに過去の時代へ連れて行ってもらってから俺はすぐに動いた。

騒動に気づいてやってきたギシンに殴りかかり、ドータクンを使ってきたのでそいつも倒してもう一度ギシンの胸倉をつかみ思いっきり顔面を殴ろうとする俺に対して、タケシたちが止めようとしてきた。

何故そいつを殴ろうとするのか、何でいきなり暴走するのかと説明を求められたので、俺はまずギシンを一撃で気絶させてから口を開く。

俺はギラティナに説明されたと小さな嘘をついて、こいつが悪いんだと説明をした。…前世の記憶があって、他の転生者たちにこれから起きるであろう話を聞いたから、そのフラグを叩き折るために元凶に対していきなり殴りかかったとは言えないから仕方ない。

その間にもギシンの部下たちやポケモンたちが襲いかかったりしていたけど、ピカチュウが全部まとめて電撃でビリビリにしてくれた。さすが俺の相棒。

 

 

 

 

 

 

 

『命の宝玉…確かに返してもらった』

「はい。未来の子供たちのおかげで…サトシ君のおかげでちゃんと返すことができて良かった…!」

『サトシ…とは…?』

 

 

 

というわけで、俺たちは元凶をフルボッコにして部下の人たちにちゃんと事情を話し、無事にダモスさんを救うことができた。そして、自由になったダモスさんの手によって、約束の日にちゃんと命の宝玉を渡せた。

ダモスさんが俺のことを恩人だといってきたけど、それは過去に飛ばしてくれたディアルガに言った方がいいということを伝え、未来に帰ることができた。

 

 

未来に帰ってきたらディアルガたちがボロボロになっていて、アルセウスの勢いが止まらなかったけれど、すぐに過去を変えた時間まで修正され、怒りが静まってくれた。

 

 

 

 

 

『サトシ…お前たちの世界は素晴らしいところだ』

「…ああ、そうだな」

 

俺はアルセウスに面白い人間として興味を持たれ、恩人ということがダモスさんを通じて知られてしまい礼を言われた。

でもそれは俺のおかげじゃない、過去に飛ばしてきてくれたディアルガ、知識を与えてくれたギラティナと妹のおかげだ。ディアルガのことはもちろん、アルセウスにしか言えないけれど、未来で起きた知識についてはギラティナと妹のおかげだということも密かに伝えた。なぜ未来のことを知っているかについても話した。俺たちが転生したことや原作がありその話をだいたい壊しながら旅しているということも。

 

だが話をしていくうちに、アルセウスはこの世界に異物――――つまり転生者がいるということは知っていたみたいだ。でもどうして異物がこの世界に紛れ込んだのか、その原因は偶然起きた現象だと言ってきた。

ということは、俺たちは死んでからこの世界で生まれたのは本当に偶然で、元凶がいてなにかしらの意図があって転生させたということではないのだ。それを聞いて少し安心した。俺たちを転生させたやつがいたら潰してやろうかと思ったけど、原因は偶然ならまあ仕方ないと諦められるからだ。

あと、異物といっても俺たちを排除するつもりはないらしい。まあ1人…というか1匹は世界を支える伝説のポケモン、ギラティナだからな。

その後アルセウスは自分の空間へと帰り、ディアルガたちもそれぞれの空間へ戻っていった。

 

『ありがとうサトシ。お前のことは忘れない…』

 

「…礼を言うのは俺の方だよ。アルセウス、ありがとう」

 

 

 

これで、すべてが元通りだ。

 

 

 

 

 




兄の心境。
 よしこれで自由に動ける…!

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