マサラ人だけどスーパーマサラ人ではないはず   作:若葉ノ茶

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妹はいろいろと変わっていく。


第四十二話~妹が常識からはずれてきた~

 

 

 

 

 

 

こんにちは妹のヒナです。夜にヒトカゲと共に反省会を行い、次はどう行動するか考えるのが日課になってます。今日の私たちの目的は皆を驚かせることです。とりあえず昨日の夜にルカリオに手伝ってもらって作り上げた新しい技をみんなに披露したいと思っています。そしてできれば勝ちたい…!

 

「…いいヒトカゲ?私と一緒に頑張ろうね」

『カゲッ!』

 

 

今日はヒトカゲと一緒に模擬バトルに参加して鍛える修行をすることになりました。といっても私もトレーナーとしてではなく身体を鍛えるという意味で参加することになっているのですけどね。

 

 

『…ホー』

『今日の審判はヨルノズクだ。まず先にヒナとヒトカゲ以外のポケモン同士でバトルをしてもらうぞ。ヒナにヒトカゲはそれを見て学べ』

 

「はい!」

『カゲッ!』

 

ミュウツーが模擬バトルの説明をしてくれて、ヨルノズクが広場の中心に降りて挨拶する。そして私とヒトカゲはバトルをする範囲より少し離れてしばらくの間は観戦することになった。

本当ならこれから先、兄にバトルを呼ばれる日まで鍛えていくために、そして伝説も強いポケモンと戦いたいという思いからここで模擬バトルをしているというのに、すごく迷惑をかけていると思う。でも私もヒトカゲも強くなりたいと考えているし、みんなもその思いに応えてくれるから頑張りたい。

観戦するのは私とヒトカゲのほかにラティアス、ラティオス、ミュウ、そしてルギアだ。ルギアはあまり戦いたいとは思っておらず、見学するのが好きらしく、よく私たちの隣に来て観戦している。でもたまに流れ技が来るため前まではそれをはじいてくれたりする本当にありがたかったです。これからはもうちゃんと避けるから大丈夫だよルギア。

 

 

『ホーッ!』

 

『俺から先か』

『ベイベーィ!!』

『ヘラクロォ!!』

『ドンファーン!!』

 

ヨルノズクが翼を広げて大きな鳴き声をあげる。すると前に出てきたのはミュウツー、ベイリーフ、ヘラクロス、ドンファンだ。今回の模擬バトルは4体同士で全員が敵というバトルらしい。このバトルは一度誰かから攻撃を受けたら負けで、最後まで残るポケモンを決めるというルールになっている。ちなみにこの次に私とヒトカゲが参加する。私とヒトカゲをまとめて1つだと考えているため、次は5体でバトルすることになるのだ。

 

いつ始まるのかという静寂が起き、4匹ともすぐ攻撃できるように態勢を整えて待つ。そしてしばらくしてヨルノズクが翼を広げて飛び、空に上がった瞬間4匹が一斉に技で攻撃し始めた。バトルの開始だ。

 

 

『ベイ!!』

『ヘラックロォ!!』

 

『ドンファーン!!』

『ふん。俺に技は当たらん…!』

 

ベイリーフとヘラクロスがお互いを攻撃し、その攻撃をちゃんと避けていた。そしてミュウツーとドンファンが攻撃し合っていた。

そして4体が全員を見て、隙があるのかどうか確認し先程とは違うポケモンに向かって攻撃する。ミュウツーは宙に浮くことができるのでベイリーフたちはそれぞれ物理で挑もうとはしていない。でもベイリーフたちはそれぞれ自分ができる技を出しあい、そしてバトルすることで力を鍛えていった。

 

 

 

―――――結局、最後に勝ったのはベイリーフだった。まずドンファンがヘラクロスに勝ち、そしてミュウツーがそのドンファンに攻撃して勝っていった。でもミュウツーが宙に浮いてベイリーフの攻撃を避けようとしたのに、大きくジャンプして力強いずつきで勝ち、バトルは終了した。

 

 

 

『ホーッ!』

 

 

「…よし!やるよヒトカゲ!」

『カゲェ!!』

『ヘイヘイヘーイ!!』

『コォォオオオ!!!』

 

『ダネダネ…』

 

 

ヨルノズクが地面に降りてきて、翼を広げて大きく声をあげたので次のバトルを開始する準備に入る。

今度は私たちの出番なため緊張しつつも立ち上がり、広場の中心にやってきた。そして私とヒトカゲ以外だとヘイガニ、コータスとフシギダネだ。

でもコータスが何故か感動して号泣してしまったため、私たちは泣き止むまで慰める。すぐに泣き止んでやる気満々になったため、ヨルノズクが試合開始の合図をするまで待つ。

 

 

一瞬、けれど私にとってはとても長い静寂の後…。

 

 

『ホーッ!』

 

 

『ダネフッシッッ!!』

『ヘイガッ!?』

 

『コォォ!!!』

「おっと…!」

『カゲッ!』

 

フシギダネが攻撃してヘイガニを広場から場外へ吹っ飛ばす。さすがフシギダネ、そしてまとめ役。一瞬で負けてしまった哀れなヘイガニは飛ばされる途中でも地面に落ちた後でもかなり悔しがっていた。

そして私とヒトカゲはコータスのかえんほうしゃをジャンプして避ける。まだ攻撃に当たっていないので負けてはいない。そしてこれからが皆にお披露目だ…!

 

「行くよヒトカゲ!」

『カゲェ!!』

 

『コォォ!?』

『ダ、ダネ!?』

ルカリオと共に考え、ヒトカゲと努力して作り上げた新しい技。兄がポケモンに新しい技を教え創り上げるというのなら、私はヒトカゲと共に技を創り上げよう。そう考えて一緒に努力した信頼の証――――。

 

 

 

 

 

 

 

「炎のパンチ…!」

『カゲェェ!!』

 

 

 

『コォォォオオオ!!!!??』

 

 

『ダネ…!』

 

 

ヒトカゲが私の肩にのる形でひっつき、コータスに近づく。そして私がコータスに殴りかかる体勢をとり、攻撃しようとする時に、ヒトカゲがひのこを放つ。放った瞬間に私の拳の周りにヒトカゲのひのこが灯り、ポケモンの技でいうほのおのパンチができるようになるということだ。人間版なので私は「炎のパンチ」と呼んでいる。まあそのまま呼んでもほのおのパンチだけど区別がつくと思ったんだ…。

もちろん最初の頃はひのこを灯した私の手がよく火傷を負ってしまいヒトカゲを泣かせてしまうことも多かったが、ルカリオに助けてもらいながらなんとかヒトカゲがひのこのコントロールを覚え、そして手に怪我を負わずに攻撃できるようになった。

―――――――何度も何度も練習してできた私とヒトカゲの力なのだ。

 

 

 

私たちがやったことにコータスは驚いて動けなくなる。そして私の攻撃に当たってしまい負けることになった。でも負けたことに悔しいという表情は浮かんでおらず、逆に私たちの技をみて感動してしまい号泣していた。

そしてフシギダネを含め観戦していた周りは私たちの攻撃を見て驚いていたが、同時に感心もしていた。

 

 

(よし一勝!)

 

 

『カゲェェ!!?』

「うわッ!!!?」

 

 

『ダネ、ダネフシッ』

 

 

一勝したことに喜びすぎたのか、一瞬でこちらに近づいてきたフシギダネに気づかず、ヒトカゲに注意されて振り向いたころにはもうつるのムチで攻撃されて負けが決定してしまった。…ちなみにつるのムチは頭を撫でるくらいの弱さで叩かれました。全然痛くなかったのが余計に悔しいです。

 

 

 

 

「ごめんねヒトカゲ…」

『カゲカゲ…』

 

「一勝はしたし…次は私、頑張るからね!」

『カゲェ!!』

 

 

 

 

 




妹の心境。
 次も頑張る!

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